【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月23~24日・ミラノ

 ミラノ総領事館で、雨宮雄治総領事から北イタリアの概要説明を受ける。北イタリア地方は商工業や文化活動が盛んで、イタリアの中で最も豊かな地域とのこと。北イタリア8州の輸出は、全イタリアの約72%を占める。イタリアの日系企業の8割が北イタリア8州で活動している。機械・金属、電気・電子、化学・食品など製造業が中心。

 2015年のミラノ万博(食の万博)を機に、寿司や刺し身などの日本食ブームが広がりました。日本のアニメを観て育った若い世代の日本への関心も高く、訪日イタリア人数は、この5年間で倍増したといいます。

 ミラノ国立公文書館を訪問。イタリアの各州の州都にある国立公文書館のネットワークの一つ。ミラノ地域の歴史的重要文書やイタリア統一後の行政・司法公文書が収集、保管され、デジタル複製などを通じて、研究者や市民に公開されている。イタリア最古の羊皮紙(721年まで遡る)、レオナルド・ダ・ビンチの直筆サイン、ナポレオンが署名した条約などがある。

 収蔵スペースが限られるため、近現代の公文書はミラノ郊外に書庫を確保している。歴史的重要文書の買い取りなどに努めているが「予算は削減されている」とのこと。建物自体も1608年に建設されたものであり、「防火設備設置などの改築をこれから行っていく」といいます。

 日系企業のプロコス社を訪問。化学・医薬品関係などを中心に、ものづくりにも関わる中堅総合商社であるCBC(旧中外貿易)株式会社が、2006年に買収した企業です。医薬品原薬、医薬品中間体の製造販売を行っており、その製品は武田薬品の抗がん剤などに使用されています。

 400名近い従業員のほとんどは、地元のカメーリ市周辺から採用しています。「地元雇用を大事にしてきた」と言っていました。雇用規制強化の新法の影響は「生産が増加し、雇用も増えている。契約社員はほとんどなく、常勤中心」ということで、特に感じていないようでした。