【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月28日・イタリア下院公文書館

 8月28日、イタリア下院公文書館を訪問。

 下院が作成した文書の保管・公開を行うとともに、国会関連の出版物発行やセミナー開催などの文化促進活動も行っています。上院にも独自の公文書館があります。

 法案作成過程の文書は、一連の文書を一括して保管。また議会の調査委員会(司法調査や防衛機密調査など)の文書も保管し、機密保持の部分を除き公開されます。19世紀の日伊修好通商条約に係る法案作成過程の文書を紹介してもらいました。国民が国会に提出した嘆願書や議会事務局の文書も保管・公開の対象です。

 政党・会派の文書は、保管対象にはなっていませんが、寄贈があれば受け入れています。別途、公的団体のアーカイブがあるとのこと。

 議事録のデジタル化を行っています。また、約3万枚の写真アーカイブがあり、2008年の河野洋平衆院議長のイタリア訪問の写真も。写真右下には我が党の穀田議員。

 下院公文書館のスタッフは、事務局5人、アーキビスト10人(非常勤)、機密文書を取り扱う職員8人。

 公文書館の国際組織としてICA(国際公文書館会議)があり、その中で議会公文書館の会議も行われているとのこと。日本には議会公文書館がありません。だからこそ、オブザーバーでもいいので、参加することを提案したい。

 衆議院の議院運営委員会には、国立公文書館・憲政記念館建設小委員会があります。衆議院の憲政記念館の敷地に、行政府の公文書を保管・利用に供する国立公文書館と議会資料館である憲政記念館を合築で新設する事業について検討を行っています。各国の立法府における公文書管理の仕組みや議会公文書館の役割について、調査を進めていきたいと思います。