▼2020年臨時国会の取組(閉会中審査を含む)▼【2】学術会議任命拒否問題 (1)「推薦に基づき全員任命」文書存在/学術会議人事介入を追及 (2)学術会議法/こっそりと解釈変更/「違法な政治介入だ」と批判 (3)内閣法制局が答弁を訂正し、謝罪/任命拒否違法であることは変わらず

【2】学術会議任命拒否問題
(1)「推薦に基づき全員任命」文書存在/学術会議人事介入を追及内閣委員会、2020/10/07
 日本学術会議が新会員として推薦した6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題について追及。この中で内閣府は1983年の同会議法改定の際の「任命は形式的なもの」などの一連の国会答弁は認識しているとし、内閣法制局も「推薦に基づき全員を任命する」とした文書の存在を明らかにした。菅首相の任命拒否が、国会審議で確定した法の解釈をねじ曲げた違法な行為だと事実上認めるものとなった。

 また、83年当時の「推薦をしていただいた者は拒否はしない」との政府答弁も示し、総理大臣が形式的に任命するという法律のスキーム(制度)も変わっていない、と指摘。日本学術会議の福井仁史事務局長は「スキームは変わっていない」と認めた。

(2)学術会議法/こっそりと解釈変更/「違法な政治介入だ」と批判内閣委員会、2020/11/11
 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人を任命拒否した根拠としている2018年に学術会議事務局が作成したとされる「推薦の通り任命しなければならないわけではない」との文書について、学術会議法の重大な解釈変更をこっそり行ったことは許されないと追及。

 私は、この文書が当時の山極寿一会長に知らされなかった経緯を追及。学術会議の福井仁史事務局長は、文書は「これまでの解釈を確認しただけのもの」として、会長に見せる必要はないと判断したと述べた。

 私が、山極前会長は、政府が言う『これまでの解釈』を知っていたのか、と追及したのに対し、福井氏はまともに答えられなかった。

(3)内閣法制局が答弁を訂正し、謝罪/任命拒否違法であることは変わらず内閣委員会、2020/11/20
 日本学術会議会員の任命拒否をめぐる私の10月7日の同委員会での質問に対し、内閣法制局の木村陽一第1部長は「推薦に基づき全員を任命する」と記された文書があるとした自身の答弁について、「全員」は「会員」を読み間違えたものだと訂正し、謝罪した。

 私は、答弁の誤りについて、同委員会で訂正もしないうちに加藤勝信官房長官が記者会見で誤りと釈明するなど、委員会の審議をあまりに軽んじるものだ、と批判。

 その上で、内閣法制局が「読み間違え」た1983年の学術会議法改定案に関する想定問答集には、「推薦に基づいて会員を任命することとなっており、形式的任命である」とあると指摘。これは「学会から推薦されたものは拒否しない」などの当時の政府答弁を裏書きするもので、菅首相による任命拒否が違法であることを重ねて示すものだ。

 さらに、「推薦通りに任命しなければならないわけではない」との法解釈を示す文書は、政府が任命拒否の根拠としている学術会議事務局作成とされる2018年の文書だけで、「推薦に基づき全員を任命すると読んだのは、実態としては正確だった」と指摘しました。