▼2020年臨時国会の取組(閉会中審査を含む)▼【8】議院運営委員会の仕事 (1)首班指名の臨時国会召集をめぐって (2)秋の臨時国会、徹底審議を要求 (3)会計検査院検査官候補聴取 (4)「議会開設130年記念式典」開催

【8】議院運営委員会の仕事
(1)首班指名の臨時国会召集をめぐって
1)9月10日、議院運営委員会理事会開く。菅官房長官が出席し、首班指名のための臨時国会を9月16日に召集することを伝達。
 私は「今回の臨時国会召集は、コロナや災害対応のため、野党が憲法53条に基づき要求した臨時国会という認識か」「質疑に応じる考えはあるか」と質したのに対し、菅官房長官は「国会でお決めいただくこと」と繰り返すだけだった。
 与党は「首班指名のため会期は三日間」と提案。私は「代表質問や予算委員会、大臣所信質疑などを行う会期の設定を」と求めた。

2)9月16日、議院運営委員会理事会開く。今国会の会期について、与党の首班指名だけの3日間の会期提案に反対した。
 野党は憲法53条に基づき、コロナ対策、災害対応など、国会の行政監視機能を果たす臨時国会の開催を要求。

 私は、新内閣の発足も受けて、所信表明演説、代表質問、予算委員会質疑を求めた。

 本会議において、与党の多数で3日間の会期を議決。立憲民主党など共同会派と日本共産党は反対した。

3)9月16日、本会議で菅義偉氏が首相に選出。日本共産党は立憲民主党の枝野幸男代表に投票。
 枝野代表から「菅政権を倒して政権交代を実現するために連携して頑張っていきたい」と、枝野氏への投票の要請があった。

 わが党は野党共闘の発展を願い、野党連合政権をともにつくるという意思表示として、枝野氏に投票した。

4)9月18日、臨時国会は三日間で閉会に。首班指名選挙のみで、野党が要求した質疑は行わなかった。
 議運理事会では、立憲などの共同会派から「今国会での十分な審議確保を要求してきた。新政権の下で、速やかな国会開会を求めたい。与党としても政府に伝えてほしい」と要求。

 私も「コロナ対応など喫緊の課題もある。新政権が発足し、安倍路線の継承とは何か、改革とは何かなど、速やかな臨時国会召集で、本格的な論戦を政府に求めたい」と要求。

 自民党は「承った。要望を政府に伝えたい」と回答。

(2)秋の臨時国会、徹底審議を要求
1)10月19日、衆参両院の議院運営委員会理事会が開かれ、加藤勝信官房長官が出席して、26日に臨時国会を召集する政府の方針を伝えた。
 議運理事会では、召集日26日の本会議で菅義偉総理の所信表明演説を聴取する日程を決めた。

 会期については、与党側が次回22日の理事会で提案したいと、持ち越した。

 菅総理が就任して40日も国会を開かず、外遊までしながら、国会での所信表明をしていないことは極めて遺憾だ。日本学術会議会員の任命拒否問題等、総理が説明すべき課題は山ほどある。十分な会期の確保を求めた。

 立憲民主党の小川淳也理事は、学術会議会員の任命拒否問題で杉田和博官房副長官の国会招致を求め、十分な会期を確保すべきだと主張した。

2)10月22日、議院運営委員会理事会開く。
 坂井官房副長官が臨時国会の政府提出法案を説明。国家公務員給与法など新規10本。その他、検討中の法案に、国公法等改正案があり「検察官の定年延長の特例を含む法案か」と質問。坂井副長官は「先の国会で議論があったところ。そうしたことを踏まえながら検討していく」と説明。

 私は「検察への政治介入を可能とする法案は、権力分立を壊すもの。提出すべきでない」と発言。

 臨時国会の会期は12月5日までの41日間で合意。野党は、総理出席の質疑をしっかり行うこと、学術会議問題の審議のため杉田官房副長官の出席、関連資料の提出を求めた。

3)会期延長求める討論議院運営委員会、2020/12/04
 立憲民主党、日本共産党、国民民主党、社会民主党の野党4党が、今国会の会期を12月28日まで延長する申し入れを行った。
 議院運営委員会で、会期延長の申し入れについて採決が行われ、与党と維新の反対多数で否決。採決に先立ち、会期延長に賛成の発言を行った。

(3)会計検査院検査官候補聴取議院運営委員会、2020/11/06
 国会同意人事案件のうち、政府が再任案を示した会計検査院の岡村肇検査官候補(現検査官)の所信を聴取し、質疑。学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる会計検査についてただした。

 私は、改ざんの経緯を詳細にまとめたファイルが存在すると語った元上司の音声データを遺族が先月の裁判で証拠として提出している。このようなファイルについて再検査しないのかと質問。岡村氏は、18年までに関係者への質問などを行ったとして「再検査は予定していない」と繰り返した。

(4)「議会開設130年記念式典」開催2020/11/29
 国会は29日、参議院議場で「議会開設130年記念式典」を開催した。1890年の帝国議会開設から130年となったことを受けたもの。式典には、式典委員(議院運営委員)の日本共産党の塩川鉄也衆院議員が出席。

 日本共産党は、戦前の帝国議会の時代と戦後の国民主権の国会の歴史とは厳格に区別する必要があるとの見地から、戦前と戦後の歴史をひとくくりに記念する式典のあり方を批判してきた。