【内閣委員会】ステージ基準/変異株動向踏まえ見直しも/西村担当相

 西村康稔経済再生坦当相は、私の質問に対し、新型コロナウイルスの感染状況を示す4段階(ステージ1~4)の指標について、感染力がより強いとされる変異ウイルスが増加するなどの状況次第で、基準見直しもあり得るとの考えを示しました。

 西村氏は「現時点で基準見直しの議論をしているわけではない」としながら、「変異株、ワクチン接種の動向、病床の確保、さまざまな状況を見ながら専門家に今後議論いただき、必要があれば見直しをすることはあり得る」と述べました。

 西村氏は新型コロナについて「早晩、日本も全て(変異株に)置き換わると専門家もいっている。そういったことを頭に置いて対応していかなければいけない」との考えを示しました。

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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月10日 内閣委員会 7号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、コロナ対策について西村大臣に何点かお伺いをいたします。
 首都圏四都県の緊急事態宣言の二週間延長がありました。今、下げ止まりの心配があり、解除後のリバウンドの懸念等々もある中で、変異株の影響についての心配もあるわけです。厚労省のアドバイザリーボードや諮問委員会の場などでもそのことが指摘をされております。西村大臣御自身も、感染力が強い、変異株は非常に脅威、早晩全て変異株に置き換わるということを頭に置きながら対応しなければならないと述べておられました。
 既存株から変異株に置き換わることを念頭に置いて対策を取ることが必要であります。その際に、その対策の目安となるステージの判断基準、このことも見直す必要があるのではないかと考えますが、その点、いかがでしょうか。
○西村国務大臣 御指摘ありましたように、イギリスではもうほとんど全て変異株に置き換わり、フランスでも六割を超えてきている、あるいはアメリカでももう一割を超えてきているというような報告を受けております。早晩、日本も全て置き換わる、これは私どもの専門家の皆さんもそうおっしゃっておられますので、そういったことを頭に置いて、特に変異株は感染力が強いという研究結果がありますので、そういったことを頭に置いて対応していかなきゃいけないというのは御指摘のとおりだというふうに思います。
 その上で、この基準については、これまでも、感染状況などにおいて見直しをしてきております。
 実は、昨年春の解除のときには、直近一週間の新規の陽性者の数が十万人当たり〇・五人とか一人とかということでありました。その後、様々な知見もあり、また検査体制の充実もあり、病床も確保してきたことも進み、現在では十万人当たり二十五人以下ということで、こうした変更を行ってきております。
 これはステージの判断をしていく六つぐらいある指標のうちの一つですので、これを下回ったからといって直ちに解除するわけではありませんけれども、こういった形で指標も、見直しは様々な知見を踏まえて行ってきているところであります。
 そして、現時点で、何か、今、このステージ判断の基準を、見直しの議論をしているわけではありませんけれども、御指摘のように、変異株の動向とか、あるいはワクチン接種の動向とか、病床の確保とか、様々な状況を見ながら、これは、必要に応じて専門家に今後御議論いただいて、また必要があれば見直しをするということはあり得るというふうに考えております。
○塩川委員 必要な対策として、基準の見直しということを視野に置いて取り組んでいただきたいと思います。
 変異株の増加の懸念もありますし、リバウンドの心配などが今後想定されるような際に、やはり、高齢者施設や医療機関、また保育園での話もありましたので、定期的で頻回の社会的な検査が必要だと考えます。変異株の疑いを確認する検査を増やすことも必要だと思います。この点で、自治体の費用負担分を国がしっかりと措置することを改めて求めたいと思っております。
 地方創生臨時交付金で自治体負担分についての手当てということでこの間の答弁もしていただいているところですけれども、やはり、自治体負担分に地方創生臨時交付金は直接充てることができない、迂回するような迂遠な措置となっているということでもありますので、そういう点でいいますと、震災復興特別交付税のような形で、地方交付税措置を使うことで自治体負担分に直接手当てをする、こういうことが、自治体における検査体制を更に進めていく、こういう後押しになるのではないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
○西村国務大臣 まさに、行政検査の費用負担については、感染症法の規定によって、都道府県等の自治体と国が二分の一ずつ負担をするということとなっていると承知をしております。そして、この二分の一の自治体側の負担については、御指摘の地方創生臨時交付金の算定対象とすることが可能となっておりまして、その分を自治体におけるコロナ対策の財源として活用することができます。この間、財政措置については、累次の補正予算、予備費などによって必要な対応をしてきたところであります。
 そして、御指摘の震災の復興特別交付税のようなものについては、震災復興の特別交付税は法人税や今も続いております所得税の増税を財源として創設したものでありますので、類似のものを考えるとすれば増税を行わなきゃいけないということにもなります。私どもとして、政府内で何かそんな増税の議論をしているわけではございません。
 いずれにしましても、この地方創生臨時交付金を活用いただき、必要な検査について積極的に対応いただきたいと考えておりますし、また、様々な状況を見ながら、予備費二・七兆円、また来年度予算が成立すれば五兆円ありますので、必要な対策は機動的に対応していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 そもそも、一連のコロナ対策でも実際には国債で対応しているわけですから、財源措置の在り方そのものをどうするかということは今後の議論であって、当時の民主党政権の対応がそうだったということはその限りの話でありますので、やはり自治体において、ふさわしく、こういった検査体制などがしっかり行えるような財源措置として、自主的な財源に当たる交付税措置を行うというのは一つの選択肢として考えるべきではないのかということを申し上げておきます。
 関連して、緊急事態宣言により影響を受けた事業者の皆さん、大変な御苦労の中にあります。そういった際に、地方創生臨時交付金の増額ですとか特別枠の設定などを考えるときではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○西村国務大臣 地方創生臨時交付金につきましては、まず協力要請推進枠として、御案内のとおり、緊急事態宣言措置の地域では月額換算最大百八十万円、これは店舗ごとに、大企業であっても支援をするということで、そのための財源をしっかりと手当てをしているところでありますし、解除後の地域でも、二十一時までの時短の場合、一日当たり四万円、月額換算最大百二十万円を基本として、その総額の範囲内で、より大きな店には上限を上げて六万円とか七万円とすることも可能とする、そうした柔軟な仕組みを導入したところであります。
 是非、柔軟に活用していただいて、要請に応じていただけるようにうまく対応していただければというふうに思います。
 他方、地方単独事業分、これは、三次補正で手当てしました一兆円を活用して、それぞれの自治体において、例えば、国の一時支援金は五〇%以上売上げが減少した中小企業に対しての支援でありますけれども、三〇%以上減少した部分もカバーしようということで充てられる自治体もあれば、また、感染状況がすごく下がっていますので、県内の観光を振興しようということで、県民に対して県内の観光施設を利用するクーポンのようなものを発行するような形で支援をやっていこうという自治体もあります。
 それぞれの自治体の地域の感染状況や経済の状況に応じて、地域のまさに実情をよく御存じの自治体が自由度高く支援策を行えるということで、もう既に行っていただいているところでありますので、そういった形で活用していただければと思いますが、いずれにしましても、予備費の活用も含めて、機動的に必要な対策を講じていければというふうに考えているところであります。
○塩川委員 柔軟な対応と言いますけれども、基本は事業規模に応じた支援をしっかり行うというところであって、それが今の財政措置では余りにも少な過ぎるというところを踏まえた対策こそ必要で、全国知事会が地方創生臨時交付金の増額などを要求しているのはそういったことが背景にある、こういうことをしっかり受け止めて、今後の対策を強く求めたいと思っております。
 西村大臣についてはここまでで結構です。ありがとうございました。