【内閣委員会】コロナワクチン/正確な情報発信と自治体への支援徹底を

 政府に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する正確な情報発信と、自治体や医療従事者へのサポートを徹底するよう求めました。

 菅義偉総理大臣は7月末までに高齢者のワクチン接種を終えるよう取り組んでいくと発言しています。

 私は、7月末までとした根拠や工程表を示すよう要求。

 河野太郎コロナワクチン担当相は一切答えず、7月末までに高齢者の接種を終える計画を立てている自治体数についても「把握に努めている」と明らかにしませんでした。

 私は、国が行うべきは自治体をしっかりサポートすることだと指摘。自治体の計画が変更されれば様々な問題も出てくる。菅総理の発言は、かえって自治体を混乱させる、と批判しました。

 私は、ワクチン接種を受けた医療従事者が、副反応による発熱など体調不良で休むと有給休暇を使うことや治療費用を請求される事例がある。公の役割を果たしている医療従事者に負担を求めるのはやめよと強調。

 河野氏は、「接種は自己の判断で希望する方に打っている」などと自己責任論を振りかざしました。


衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第204通常国会 2021年4月28日 内閣委員会 22号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、加藤官房長官にお尋ねをいたします。
 四月二十五日投票の三つの国政補欠選挙、再選挙は、北海道二区の不戦敗を含め、政権与党が全敗という結果でありました。
 菅総理は、一昨日の記者会見で、国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、正すべき点はしっかり正していきたいと述べておりましたが、この正すべき点とは何なのか。官房長官、お答えください。
○加藤国務大臣 総理が、投開票翌日、ぶら下がりをさせていただいて、昨日の選挙について、国民の皆さんの審判を謙虚に受け止め、更に分析をした上で、正すべき点はしっかり正していきたい、こういうふうに述べられたところであります。
 まさにこれから、分析の結果を踏まえ、真摯に必要な対応を図っていきたいと考えておりますけれども、その際のやり取りの中でも、例えば、記者の方から、政治と金の問題が焦点となる中で云々というお話があって、いろいろな指摘もいただいておりますから、そうしたことについても重く受け止めたい、こう申し上げておられます。
 現時点で、報道によれば、有権者の関心事項として、例えば、新型コロナ対策、経済、雇用、政治資金などが挙げられているところであり、新型コロナ対策については、もう内容は細かく申し上げませんけれども、現在緊急事態宣言も発出をしているところであり、この感染拡大をしっかり抑えるとともに、ワクチン接種等を、申し上げている形で、円滑に、そして一日も早く接種できるよう取り組んでいきたいと思っております。
 また、経済、雇用においても、この新型コロナで大きな影響を受けた方々もおられます。様々な対策を講じることで、雇用と事業、暮らし、これをしっかり守っていきたいと考えております。
 また、政治資金の取扱い、これは政府ということにはなりませんが、政治家としては、その責任を自覚して、法律にのっとって適切に処理をしていくこと、国民に不信を持たれないよう常に襟を正していく必要があるというふうに考えているところであります。
○塩川委員 お話の中にも、政治と金という質問に対して、いろいろな指摘も受け止めたいと、今、総理の紹介もありました。有権者の関心であるコロナの問題や経済の問題の点もありました。
 自民党の世耕弘成参議院幹事長が、広島選挙区再選挙の敗因について、政治と金の問題が頻発しているにもかかわらず、十分な説明責任を果たせていない、改革案を打とうとしているふうに見えないと受け取られたのではないかと言っておりましたが、これは官房長官も同様の認識ということでよろしいでしょうか。
○加藤国務大臣 党としてという世耕参議院幹事長のお話でありまして、党としてということに対して私の立場で申し上げるのは差し控えたいというふうに思いますけれども、先ほど申し上げたように、マスコミ等の取り上げているこの選挙における関心事項としては、政治と金、あるいは政治資金、こういった問題があったことは認識をしているところであります。
○塩川委員 国民は、吉川元農水大臣の贈収賄事件や河井選挙買収事件、特に、自民党からの一億五千万の資金の提供、そのうち一億二千万円が政党助成金であることなど、政権与党の政治と金の問題を正すべき点としたということは認めざるを得ないところだと思います。
 現金を配って公選法違反が問われている菅原一秀元経産大臣も、本人は説明すると言っていたのに何も説明しておりません。アキタフーズの顧問であり内閣官房参与だった西川公也元農水大臣も、贈収賄事件への関与など何も説明しておりません。
 これでいいのかという問題で、元大臣や元内閣官房参与など、政府の要職を務めた政治家が全く説明責任を果たしていないことが問われているんじゃないでしょうか。
○加藤国務大臣 あくまでもここは政府としてであり、私は政府としての役職しか持っておりませんので、答弁にはそういった意味で限界がありますが、ただ、政治家として、先ほど申し上げたその責任を自覚し、法律にのっとって政治資金に対しては適正に処理をすること、また、国民に不信が持たれないよう政治家として常に襟を正し、そして必要な説明責任を果たしていくこと、このことは大事だというふうに考えております。
○塩川委員 政権与党自民党のこの政治と金の問題の体質が問われたということを申し上げておきます。
 官房長官、ここまでで結構です。
 今、官房長官にもありましたけれども、一昨日の記者会見で菅総理は、高齢者のワクチン接種についても触れました。やはり選挙の結果というのが、政府のコロナ対策への批判も大きかったということを受け止めざるを得ないということとしてお聞きしたところです。
 河野大臣にお尋ねします。
 菅総理は一昨日の会見で、七月末を念頭に、高齢者の皆さん希望する方全員に二回目のワクチン接種、終えるように、政府としては挙げて取り組んでいきたいと述べておられましたが、七月末までに希望する高齢者へのワクチン接種が終わる、これはどんな工程表を考えて発言をされたのか、御説明いただけますか。
○河野国務大臣 変異株が急速に拡大している中で、ワクチン接種というのは非常に大事だと思います。自治体がやっているワクチン接種を国としても最大限支援して、できれば七月末までに高齢者に接種をしていただきたい、そういうことでございます。
○塩川委員 七月末までに希望する高齢者の方へのワクチン接種が終わるという段取りはどんなふうになっているんですか。自治体の取組を国として支援するということですけれども、自治体の方はどうなっているのか。
○河野国務大臣 自治体それぞれ接種体制を組んでいただいておりますので、更にそれの強化をするために、必要な支援を国としても支えていきたいと考えております。
○塩川委員 この自治体の接種計画、先日の本会議の質問で、このワクチン接種の問題、質問がありまして、河野大臣は、高齢者接種の際には、政府から自治体に対して、二か月と三週間で接種計画を作成いただくようにお願いをしてきたと述べておられます。
 この自治体の接種計画がどうなっているのかというのは把握をしておられますか。
○河野国務大臣 これは、厚労省、総務省で日々把握に努めているところでございます。
○塩川委員 高齢者の接種を七月末までに終えるという計画はどの程度あるんでしょうか。
○河野国務大臣 それの把握に努めているところでございます。
○塩川委員 七月末までに終えますという計画を持っている自治体がどれだけあるかというのはまだ把握をしていないということですね。
○河野国務大臣 検討中のところもございますし、スピードアップを図っているところもございます。
○塩川委員 総理が七月末と言った根拠は何かを確認したいんですが。
○河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、変異株が急速に拡大している中で、なるべく早く、一人でも多くの希望する方にワクチン接種をしていただくのが非常に重要だということでございます。
○塩川委員 河野大臣の本会議の答弁で、これもずっと述べておられることですけれども、自治体において二か月と三週間で接種計画を作成していただくようにお願いしてきたということですけれども、この二か月と三週間の考え方ですよね。一回目と二回目があって、三週間ずらすから、その三週間という部分は分かるんですけれども、二か月で六十五歳以上の高齢者の方を終えるという、その二か月という期間の設定というのはどういう根拠で示されているんでしょうか。
○河野国務大臣 自治体の方から何らかの目安が必要だということで二か月ということ、それに、三週間ずれて二回目が始まりますので、二か月と三週間ということでございます。
○塩川委員 自治体の方から何らかの目安が欲しいということで二か月と答えたということですけれども、その二か月の根拠は何ですか。
○河野国務大臣 厚労省に確認します。
○塩川委員 ですから、自治体によっては、甲府市の事例のことなども紹介されていましたけれども、六月末とか、いろいろそれぞれの自治体の事情で考えておられるところになっています。
 その点では、国がやることは自治体の接種計画をしっかりサポートをすることだ、そういうことになりますよね。
○河野国務大臣 最初からそう申し上げております。
○塩川委員 ですから、そうしますと、菅総理の七月末というのはかえって自治体を混乱させているんじゃないですか。
○河野国務大臣 そんなことはございません。
○塩川委員 だって、前倒しをするという話になれば、当然いろいろな問題も出てくる。そういうことについては、現場の話というのは受け止めておられませんか。
○河野国務大臣 再三申し上げておりますように、変異株が急速に拡大している中でワクチン接種を前倒しをするというのは、これは国民全体の願いではないでしょうか。
○塩川委員 その際に、高齢者の接種に先んじて医療関係者への接種を進めていますけれども、医療関係者の方への接種をいつまでに終えるか、その点についてはどうなっていますか。
○河野国務大臣 五月十日には、医療関係者、二回接種していただける分のワクチンの配送を五月十日の週には終わりますので、あとは都道府県が、コロナの治療に当たっている医療従事者あるいはワクチン接種に当たる医療従事者を優先して、今配付して、現地で接種していただいているところです。
○塩川委員 供給の話はそういうことで、五月十日に必要な量ということですけれども、実際に医療関係者の方が接種を終える、そういう目安、総理でいえば高齢者の方は七月末と言っていたようなことを、医療関係者についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○河野国務大臣 鳥取県のように、ワクチン接種に当たる医療従事者の接種が終わったとおっしゃっているところもありますし、様々、都道府県が計画を立てて実行していただいております。
○塩川委員 医療関係者の方のお話をお聞きする中で、二回目の接種を終えた職員の方の半数以上に副反応があったという話もございました。発熱など体調不良で休むと年次有給休暇で休んでくれとか、点滴が必要だったのに点滴費用を請求されたとかという話もあります。こういった実態は御存じでしょうか。
 医療従事者の方にこういう形での自己責任を求めるようなやり方はふさわしくないと思いますが、その点についてのお考えをお聞かせください。
○河野国務大臣 医療従事者であっても、ワクチン接種は自ら決めて打たれていると承知しております。
○塩川委員 医療関係者がまさにワクチン接種に従事をするということを公的な仕事として行うときに、こういった負担について自己責任というのはおかしいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○河野国務大臣 おっしゃっている意味がよく分かりません。
○塩川委員 公的な責任としてやっていることを、自己責任を押しつけるのはおかしいじゃないかということですよ。
○河野国務大臣 ワクチンの接種は、何度も繰り返しますが、自己の判断で、希望する方に打っていただいております。
○塩川委員 医療関係者の方がワクチン接種をしっかりやるということが高齢者の方の接種にもつながっていくという点では、まさに公の役割を果たしておられる医療関係者の方に負担を求めるようなやり方はおかしいということははっきりしているんじゃないでしょうか。
 やはり、今後、高齢者の方の接種で副反応なども一層懸念されます。ワクチンの安全性や副反応などについての丁寧な説明や、アナフィラキシーショックなど副反応時の適切な医療体制を整えることが必要だと思います。その点について取組を教えてもらえますか。
○河野国務大臣 接種会場で当然にやっております。
○塩川委員 必ずしも現場で整っていないという声も聞きますので、そういう点についての適切な対応を求めていきたいと思います。
 河野大臣、ここまでで結構です。
 西村大臣にお尋ねします。
 先ほど後藤さんも質問された点ですけれども、政府は、蔓延防止等重点措置区域において、飲食店に対して、緊急事態措置の実施期間における酒類提供の停止の要請を行っています。
 政府は、蔓延防止等重点措置については営業時間の変更があるが、これよりは私権制限の程度は小さなものということが必要だ、酒類提供の停止については、営業時間の変更に比較をすると私権制限の程度は小さいという答弁を、この前、後藤さんの質問に対して行っております。
 しかし、居酒屋、バーのような酒類提供の店の場合に、酒類提供の停止の要請は休業と同等の措置になります。営業時間の変更より私権制限の程度が重いのではないですか。
○西村国務大臣 法律上は、もう御存じのとおり、政令において、感染防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するものというふうに規定をされております。この公示を、改正をいたしまして、酒類の提供の停止などを規定したところであります。
 まさに、この告示に追加して規定できる措置については、法律に規定しております営業時間の変更より私権制限の程度は小さなものであることが必要、これは私も答弁をしてまいりましたし、この考えの下で検討を重ねてまいりました。
 今回規定をいたしました酒類提供の停止、これにつきましては、営業そのものを制限するのではなく営業のやり方に関する規制であるということで、先ほども申し上げましたけれども、ノンアルコールを出されて営業を続けておられる店舗もございます。そういう観点から、営業のやり方に関する規制ということで、私ども、対応可能だというふうに判断をして、今回、このような対応を取らせていただきました。
○塩川委員 でも、それは納得を得られないんじゃないでしょうか。やはり、お酒を提供することで様々な料理も食べてもらう、まさにお酒があることで商売が成り立っているという居酒屋などについて言えば、まさに、酒の提供をやめてくれということは、もう実質上休業を要請するのと同じことだ。それが時短よりも軽いというのは、これはどう考えても理解を得られないんじゃないでしょうか。もう一回。
○西村国務大臣 繰り返しになりますけれども、酒類の提供をやめていただくということは、営業そのものを制限するということではなく、営業のやり方に関する規制というふうに整理をいたしまして、私ども、このようなやり方で対応させていただいております。
 と同時に、支援策も用意をしておりますので、支援策も活用いただいて、工夫をしていただきながらでありますが、先ほど申し上げたノンアルコールの提供など、工夫をしていただきながら営業を続けていただくことも可能でありますし、是非、支援策を活用して要請に応じていただければというふうに思います。
○塩川委員 法律の執行という手続として、こういうやり方はおかしいということを申し上げなければいけませんし、法律ではなく厚労省の告示で、それを新たに追加する形で実質休業要請となるような重い私権制限をかけるというのは、そもそも法を逸脱する行為ではありませんか。
○西村国務大臣 この法律上の、法のたてつけと申しますか、政令において、感染防止のために必要な措置として厚生労働大臣が定めて公示するものというふうに規定をされておりますので、法律の規定にのっとって私ども対応させていただいておりますし、営業そのものを制限するのではなく、営業のやり方に関する要請ということであります。
 もちろん、多くの店舗の皆さんには御迷惑をおかけしますけれども、支援策もありますので、是非要請に応じていただければというふうに思います。
○塩川委員 居酒屋、バーの経営者の方にそういうことが言えるのかということを申し上げておきたい。こういうことは許されないということを申し上げ、支援策の話について言うと、一方で、蔓延防止等重点措置区域における飲食店の時短要請に対する協力金と、緊急事態措置を実施すべき地域における飲食店の休業要請に対する協力金が同じというのは納得いかないんですが。
○梶尾政府参考人 飲食店に対する協力金につきましては、与野党の様々な御議論などを踏まえまして、先般、事業規模に応じた支援、売上高の減少額に応じて月額換算最大六百万円の支援を行うなどの事業規模に応じた支援となるような見直しを行ったところでございます。
 今般の緊急事態措置区域におきまして、休業要請あるいは二十時までの時短要請に応じていただいた飲食店に対しては規模別の協力金で支援するということで、酒類又はカラオケ設備を提供する飲食店については休業要請、あるいは、酒類又はカラオケ設備を提供せず二十時までの時短要請に応じていただいた場合に協力金の支援の対象、また、酒類及びカラオケ設備のいずれも提供していない飲食店については二十時までの時短要請に応じていただいた場合に協力金の支援対象になります。
 また、蔓延防止等重点措置区域において、飲食店に対しまして、酒類提供の禁止やカラオケ設備使用の停止を要請しているところでございまして、二十時までの時短要請に応じていただいた場合には、同様に、月額換算の飲食店向け規模別協力金の対象になるということでございます。また、加えて、雇用調整助成金等の対象ということでございます。
○塩川委員 時短要請と休業要請、要するに、違うのに協力金が同じというのは改めるべきだ、しっかりとした、事業規模に応じた、経営を支えられるような支援策を取れということを求めて、質問を終わります。