【議院運営委員会】IOC幹部開催強行発言に抗議し、五輪開催中止を/緊急事態宣言延長

 緊急事態宣言などの延長にあたって政府から事前報告を受け、質疑を行いました。

 私は、緊急事態宣言下でもオリンピック・パラリンピックを開くのか。国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長は「イエス」と言い、基本的対処方針分科会の館田一博氏は「できるとは思わないし、やってはいけない」と述べていると指摘。西村康稔担当大臣はどちらかと迫りました。

 西村大臣は「コメントは避ける」と答えませんでした。

 私は、IOCの委員であるパウンド氏が「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」と述べたことをあげ、コロナ対策担当大臣としてこんな発言を許すのか、と批判。オリンピック組織委員会の発表によれば、来日する大会関係者数は、IOC委員の家族やスポンサーのゲストなど2万人を含む7万8千人に上ることをあげ、感染拡大のリスク、医療体制への負荷を考慮し、開催中止の決断をせよと強調しました。

 西村大臣は「五輪開催の最終的な判断権限はIOCにある」とこれまで通りの答弁を繰り返しました。

 私は、生活困窮者を支えるため、野党が提案する困窮者2700万人に対して10万円を給付する「コロナ特別給付金」の実施を主張。雇用調整助成金、休業支援金の縮小を撤回し、拡充・延長するよう求めました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年5月28日 議院運営委員会 40号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 大臣、緊急事態宣言下でもオリンピック・パラリンピックを行うのか。IOCのコーツ副会長は、イエスだ、できると言い、基本的対処方針分科会の舘田氏は、できるとは思わないし、やってはいけないと言う。大臣はどちらですか。
○西村国務大臣 個々の様々な方々の発言を全て承知しているわけではございませんし、その背景なども承知しておりませんので、それに対するコメントは控えたいと思いますけれども、関係者が一丸となって、現在、安全、安心の大会となるよう今取り組んでいるところであります。
 国民の皆様にも、様々な不安、感染が広がるのではないかという不安をお持ちだと思います。まさに、安心、安全な大会として受け入れられていただけるように、感染拡大をしっかりと抑え、医療の提供体制を確保していく、私の立場からはそのことに全力を挙げていきたいと考えております。
○塩川委員 IOCの最古参委員であるディック・パウンド氏は、菅首相が中止を求めても、それはあくまで個人的な意見にすぎない、大会は開催されると述べたといいます。コロナ対策担当大臣として、こんな発言を容認するのか。抗議すべきではありませんか。
○西村国務大臣 どのような背景があって、そして、どのような脈絡があってそういう発言をされたのかも承知をしておりませんので、そのことについては控えたいと思いますが、いずれにしても、東京大会に関する最終的な判断権限はIOCにあるというふうには理解をしております。
 その上で、国民の皆様に、そして世界中の皆さんに、安全、安心な大会として迎えられるように、感染拡大を抑え、医療提供体制をしっかり確保する、このことに全力を挙げていきたいと考えております。
○塩川委員 昨日、オリンピック・パラリンピック組織委員会は、海外から来日する大会関係者数が約七万八千人としました。そのうち、IOC委員の家族やスポンサーのゲストなどが約二万人といいますけれども、大臣は御存じでしょうか。
○西村国務大臣 私は、丸川大臣とも様々やり取りをしておりますけれども、オリンピックの関係者で、いわゆるオリンピックが五万九千人、そしてパラリンピックで一万九千人、合わせて七万八千人ということで、計画でありました十八万人からは半分に縮減をしているところというふうに聞いております。
○塩川委員 報道関係者が七千人といいます。組織委員会は、メディアについては一般人への取材は認めないというが、本当に可能なんでしょうか。
○西村国務大臣 大会関係者のうち、メディア関係者への防疫措置として、御指摘の、一般人との接触回避のため、用務先における一般人への取材等は禁止するなど、行動管理を徹底すると聞いております。
 その上で、ルールに違反した場合は、大会の参加資格、そこに関わる資格ですね、これを剥奪するというふうに聞いておりますので、こうした防疫措置を徹底していければというふうに考えております。
○塩川委員 感染拡大が広がる、そういう危惧のある大会。医療体制の大きな負荷を考えても、オリンピック・パラリンピックの開催中止の決断を総理大臣に進言すべきではないでしょうか。
○西村国務大臣 オリンピックの開催の最終的な判断権限はIOCにあるということでありますし、丸川大臣始め関係者が、今一丸となって、まさに安全、安心の大会とするよう取り組んでいるところであります。
 私の立場で、そのことについて何かコメントする立場にありませんけれども、特に国民の皆さんが御心配な、医療の提供体制が大丈夫かということだと思います。まさに、新型コロナウイルスへ対応する医療、そして、ワクチン接種をやっていただける医療、さらには、一般の医療、その上で、このオリンピックに対応する医療体制ということで、そうした全体としての医療提供体制がしっかりと確保できるように、そのためにも感染をまず抑えていくことが大事でありますし、全力を挙げて取り組んでまいります。
○塩川委員 日弁連によりますと、コロナ禍の法律相談内容として、借入金問題と公的な生活支援制度の問合せが増えているといいます。
 緊急小口資金と総合支援資金に関して新たな支援制度をつくるとの報道がありますが、どうする予定でしょうか。
○西村国務大臣 まさに、この感染症の影響が長引く中、緊急小口資金等の特例貸付けをこれまで利用された方々の中には、貸付限度額に達している方々、そういう世帯もおられるというふうに承知をしております。
 そうした方々にどのような支援を行っていくのか、現在、厚生労働省において詰めの検討を行っているところでございます。
○塩川委員 検討の対象の幅が狭過ぎると思います。
 住民税非課税世帯とコロナの影響による家計急変の生活困窮者二千七百万人に対して十万円の給付を行うコロナ特別給付金法案を野党は提案しています。是非とも、政府として、受け止めて、実施をしていただきたい。
○西村国務大臣 コロナの影響を受けて様々厳しい状況にあられる皆さん方を政府としてしっかりと支援していかなければならないと考えているところであります。
 先ほど御指摘のあった緊急小口資金、最大二百万円までということでありますし、住宅確保給付金、これは、東京二十三区でいえば、三人世帯なら六万九千八百円まで月額給付ができます。そしてまた、低所得世帯の子育て世帯、児童一人一律五万円の給付、一人親世帯には、もうそろそろ終わる頃ではないかと思いますけれども、五月末までに支給をしていくということでありますし、雇用調整助成金、休業支援金、さらには、職業訓練の給付金、訓練を受けながら毎月十万円の支給を受ける、そうした制度もございます。
 こうした重層的な支援、できるだけ分かりやすく、国民の皆様に御理解をいただきながら、厳しい方にはこうしたことを活用していただきながら、政府として必要な支援策を引き続き講じてまいりたいというふうに考えております。
○塩川委員 今、答弁にもありました雇用調整助成金、休業支援金、五月から行っている縮小を撤回して、さらに、拡充、延長をしていただきたい。
○西村国務大臣 御指摘の雇用調整助成金、休業支援金につきましては、厚生労働省におきまして、七月以降の取扱いにつきまして検討をしているというふうに承知をしております。適切に対応されていくものと考えておりますが、私の立場からも、感染状況、そして今回延長をするということ、特に雇用の情勢などもしっかりと踏まえながら、田村大臣と連携して対応していきたいと考えております。
○塩川委員 自治体がワクチン接種を進めるために職員を雇いたいと思っても、国のワクチン接種体制確保事業費補助金が交付されないなど、国の制度が使いづらいという声があります。どのように受け止めておられますか。
○西村国務大臣 ワクチン接種に関する業務を行うに当たって、既存のワクチン接種の担当部局職員だけでは対応できないという場合に、新規の臨時職員を雇用する費用につきましては、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業補助金の対象になると承知をしております。
 いずれにしても、各自治体においてワクチン接種のための万全の体制が確保できるように、私の立場からも河野大臣、田村大臣をサポートしていきたいと考えております。
○塩川委員 終わります。