【内閣委員会】生活に大打撃与える/TPP11関連法案強行で反対討論

 11力国による環太平洋連携協定(TPP11)関連法案が、自民、公明、維新の賛成多数で可決。反対討論に立ちました。

 山際大志郎委員長が職権で委員会の質疑を短時間で打ち切り、採決を強行したことに厳しく抗議。野党は、公聴会、関係委員会との連合審査、テーマ別審議などを要求してきました。TPP11が経済と国民生活にどのような打撃を与えるのか、などの国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えない。

 もともとTPPは2年前の国会で国民の厳しい批判にさらされ、審議中に米国が離脱したにもかかわらず、政府・与党が採決を強行したものだと指摘。TPP11でも、関税・非関税措置の撤廃や、重要農産物の除外などを求めた「国会決議」に反する実態がそのまま生きており、認められない。

 また、4月の日米首脳会談で新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは重大だ。米国に際限ない譲歩を迫られ、自由貿易協定(FTA)に行きつく。日本経済と国民生活に大打撃を与える。

 参考人質疑に出席した鈴木宣弘東大教授が、TPPで日本のグローバル企業の利益は増える一方、国内の人々は低賃金で働くか、失業すると明言した。世界の流れは、各国の食糧主権と経済主権を尊重した平等互恵の貿易と投資のルールづくりだ。

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反対討論は以下のとおりです。


 私は、日本共産党を代表して、TPP11整備法案に断固反対の立場から討論を行います。

何よりまず、委員長職権により、当委員会の質疑を短時間で打ち切り、採決を強行することに厳しく抗議するものです。

 野党は、関係委員会との連合審査、食の安全、国民の暮らしと命、健康を脅かす問題、政府調達、ISDS条項、環境や労働に関わる論点などのテーマ別審議、中央・地方公聴会、参考人質疑、さらなる総理質疑などを求めてきました。

 アメリカが抜けたTPP11が、日米2国間協議と相まって、日本経済と国民生活にどのような打撃を与えるのか、審議を打ち切れば、国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えません。

 わずかな審議を通じても、TPP11の重大な問題点が明らかになっています。

 もともとTPPは、2年前の国会で、国民の厳しい批判にさらされ、審議中にアメリカが離脱したにもかかわらず、政府・与党が採決を強行したものです。TPPをまるごと組み込んで蘇らせたTPP11は、関税・非関税措置の撤廃がそのまま生きており、大問題となった「国会決議に真っ向から反する」実態もそのままであり、認めることはできません。

 参考人質疑の中で、内田聖子参考人は、TPP11の変更点について「TPPの危険性は基本的に変わっていない」と指摘しています。

 また、4月の日米首脳会談で、新たな経済協議の枠組み「FFR」をつくことで合意したことは、重大です。アメリカが具体的な通商要求項目を、日本へ突きつけ、「取引する場」へ更に踏み込み、TPPを出発点にして、さらに際限ない譲歩を迫られ、行きつく先は日米FTAです。TPP、TPP11、日米二国間協議が日本経済と国民生活に大打撃を与えることは必至であります。

 TPPとは何のために行われるものなのか、鈴木宣弘参考人は「アメリカのグローバル企業が、自分たちが儲けられるルールをアジア・太平洋地域に広げたい、これが端的なTPPの本質だ。日本のグローバル企業にとっても同じこと。グローバル企業の利益は増えるが、現地の人は安く働かされる。国内の人々は安い賃金で働くか失業する」と明確に述べられました。

 世界の流れは、各国の食糧主権と経済主権を尊重しながら、平等互恵の貿易と投資のルールづくりです。日本が進むべき道は、TPP11、日米「新協議」ではない、ということを申し上げて、反対討論を終わります。