【「しんぶん赤旗」掲載】名称・目的は使途議論と不可分/日割り支給賛成も法案に反対/文通費に関する法案/塩川鉄也衆院議員に聞く

「しんぶん赤旗」4月15日・2面より

 衆院本会議で14日に可決された文書通信交通滞在費(文通費)に関する法案について、日本共産党の塩川鉄也衆院議員に聞きました。

  ――文通費について、国会でどんな議論がされているのでしょうか。

 塩川 今国会で、文通費に関する各党協議会がつくられ、文通費の「日割り支給、使途、公開、返納」についての議論を行っています。文通費は、国民の代表である国会議員の活動を支えて行政監視機能を果たし、議会制民主主義を支える上で必要な経費です。原資は税金ですから、国民の理解が必要です。使途や公開のあり方が問われています。

  ――今回の法案は文通費を日割り支給に改め、名称を「調査研究広報滞在費」に変更していますが、同法案についての日本共産党の考えは。

一括改正問題
 塩川 今回の法案で、文通費を日割り支給にすることには賛成です。しかし、名称と目的の変更をパッケージで改正することには同意できません。そのため、本法案には反対です。

 現行法は、当選、辞職などでその月の議員の在職日数が数日でも、当月分の文通費を支給することとしています。国民の理解を得られない不合理なものであり、日割り支給への法改正は当然の措置です。

 日割りは、29日の参院石川選挙区補選に間に合わせようというものです。しかし、文通費の使途や公開については協議会でも全く議論していません。

  ――「名称」「目的」の変更になぜ反対したのでしょうか。

変更順序が逆
 塩川 文通費の名称と目的は、文通費の使途と不可分のものです。使途や公開の在り方の議論に先んじて名称と目的を変更することは順序が逆です。

 現行の国会法は文通費の目的を「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」と規定しています。これを、「国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動を行うため」と改めるのが今回の法案です。

 この新たな名称と目的の表記は、1966年の「議員歳費等に関する調査会答申」の文言に依拠したと説明されています。当時と今日では議員活動をめぐる環境は大きく変化しており、答申が根拠とした文通費の実態とは乖離(かいり)があります。

 また、「滞在」という名目は1993年に、「東京滞在への助成」として唐突に持ち出され追加されたものです。わが党は、在京議員に対しても「東京滞在」費を支給することは、国民から見て合理的説明がつかないとして反対しました。以来、国会予算審議の際に繰り返し見直しを求めてきました。この見直しの議論もないまま、名称と目的に「滞在」を残すことにはうなずけません。

  ――今後どのように議論されるのですか。

 塩川 与野党国対委員長は12日に、引き続き文通費の「使途、公開、返納」について議論し結論を得ることを確認しています。わが党としても、使途、公開、国庫返納のルールについて各党間の協議を重ね、実施に向けた結論を出すことを求めていきます。