【本会議】国会の権威を失墜/野党が古屋衆院議運委員長解任案/賛成討論

 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の6野党・会派は、古屋圭司衆院議院運営委員長(自民党)が安倍政権の悪法強行に加担し、自身の政治資金パーティー収入の過少申告疑惑でも説明していないとして、同委員長解任決議案を衆院に共同提出。本会議で賛成討論に立ちました。

 今国会で問われたのは安倍政権による改ざん、ねつ造、隠ぺいなど、民主主義の土台を根底から突き崩す異常事態に対して、国会が政府監視機能を果たすかどうかだ。古屋氏が疑惑解明に背を向け、国会をぼうとくする安倍政権に追従し、国会の権威を失墜させた。

 古屋氏の職権による本会議開会などが20回に及び、重要法案を与党単独の質疑で進め、野党の質疑権を奪ってきた。「働き方」一括法、カジノ実施法案、自民党の党利党略の参院選挙制度改定など、最初から最後まで職権による強行運営で、政府・与党いいなりで悪法の審議促進に手を貸した責任は重大だ。また過少申告疑惑では、議会運営の要を担う議運委員長が、国民と国会に納得のいく説明をしないのは、民主主義の健全な発展に、極めて重大な問題をもたらす。

 決議案は自民、公明両党などの反対で否決されました。

賛成討論の要旨は以下の通りです。


 第一に、今国会の運営で問われたのは、安倍政権がひきおこした改ざん、ねつ造、隠ぺい、圧力、セクハラ、シビリアン・コントロールの崩壊という、わが国の民主主義の土台を根底から突き崩す異常事態に対して、国権の最高機関である国会が政府監視の機能を果たすかどうかでありました。

 とりわけ、国会に対し、改ざん、ねつ造された資料が提出され、虚偽の答弁がおこなわれた疑惑を解明し、国会審議の前提を回復することが、国民の負託を受けた国会の果たすべき使命でありました。

 ところが古屋委員長は、疑惑の解明にふたをする安倍政権・与党に唯々諾々と従い、森友学園公文書改ざん事件の解明を拒否し、加計学園「首相案件」事件の究明に背を向け、イラクや南スーダンの自衛隊日報の隠ぺい問題も放置したのであります。

 一国の総理が、国会で虚偽の答弁を行い、公文書の改ざんが放置されるなら、およそ議会制民主主義は成り立ちません。

 議院運営委員長という国会運営の要の職にありながら、国会を冒涜する安倍政権に追従し、国会の権威を失墜させてきた、古屋委員長の責任は極めて重いと言わざるを得ません。

 第二に、古屋委員長は、与野党の合意に基づく公正円満な運営を幾度となく踏みにじり、政府・与党いいなりで、悪法の強行に加担してきたことであります。

 今国会の総予算議決の本会議建てに始まり、委員長職権が20回に及んだことに、そのことがはっきりと示されています。

 子ども・子育て支援法は、本会議の趣旨説明・質疑を与党単独で行い、委員会審議も与党単独で行い、本会議採決も与党単独で強行し、野党の審議権を一切奪って法案を強行可決したのであります。この前代未聞の暴挙に、本会議の職権開会で加担した古屋委員長の責任は免れません。

 さらに、今国会の安倍政権の目玉法案であった「働き方改革」法案は、法案の出発点の労働時間調査のねつ造が発覚し、法案の根底が崩れているにも関わらず、本会議を職権で開き、与党だけで質疑を行い、野党の本会議質疑権を奪ったのであります。

 終盤国会では、多くの国民が反対しているカジノ実施法案の審議入りを進めるため、古屋委員長は、カジノ法案の露払いとなったギャンブル依存症対策法の委員会付託を強行しました。そして、カジノ法案の本会議質疑も強行し、本会議採決も強行したのであります。

 昨日は、すべての野党が反対している中で、職権で本会議を開き、自民党による「党利党略」の極みである参院選挙制度法の採決を強行しました。最初から最後まで職権で本会議建てし、数々の法案を、委員会へ強行付託し、悪法の審議促進に手を貸した古屋委員長の責任は重大であります。

 第三に、古屋委員長が、自らの政治資金パーティー収入の過少申告疑惑について全く説明できないことであります。政治資金規正法は、議員活動が国民の疑惑を招くことのないよう、事実を記載し、政治資金の収支を公開することで、「国民の不断の監視と批判の下に行われ」、これを「もって民主政治の健全な発達に寄与すること」を目的しています。

 議会運営の要の任を担い、他の議員の模範となるべき古屋委員長が、国民と国会に納得のいく説明を行わないことは、民主主義の健全な発展に、極めて重大な問題をもたらすものと言わざるを得ません。

 このように、悪法の成立に加担し、議会制民主主義を踏みにじって恥じない古屋委員長は、もはやその職責を果たし得ないことは明白であります。