トップページへ

メッセージ
活動日誌
国会での取組み
プロフィール
議事録検索
ご意見・ご感想
お知らせ
リンク集
塩川てつやから皆さんへの熱いメッセージ
(2001年7月〜2006年12月)
イラスト
過去のメッセージ
No.93 米軍専用宅配便――テロ特措法に基づく対米空輸支援(2006年12月30日)
No.92 PAC−3ミサイルに関する補正予算案について(2006年12月26日)
No.91 臨時国会を振り返って(2006年12月19日)
No.90 たたかいはこれから――教育基本法改悪強行採決に抗議(2006年12月15日)
No.89 茨城県議選をたたかって(2006年12月12日)
No.88 日弁連役員と懇談(2006年12月5日)
No.87 ミサイル防衛問題を考える(2006年11月24日)
No.86 北海道サロマ竜巻被害調査に参加して(2006年11月16日)
No.85 沖縄の資源生かした経済発展を(2006年11月14日)
No.84 いじめ解決を困難にする教育基本法改悪(2006年10月30日)
No.83 製造業における派遣・請負労働は見直せ――経済産業委員会で質問(2006年10月26日)
No.82 「鳥取市のまちづくりを考えるシンポ」に参加(2006年10月7日)
No.81 松下プラズマディスプレイ(松下PDP社)に偽装請負問題で調査(2006年10月5日)
No.80 安倍首相の所信表明演説を聞いて(2006年9月29日)
No.79 安倍新内閣のネーミング――わたしも提案(2006年9月27日)
No.78 臨時国会開会がはじまりました(2006年9月26日)
No.77 松下プラズマディスプレイ(松下PDP社)の雇用補助金問題で調査(2006年9月12日)
No.76 史上空前の利益をあげるトヨタの足下で――労働者・下請けの実態は(9月9日)
No.75 自民党総裁選/安倍氏は“小泉悪政への再チャレンジ”(2006年9月3日)
No.74 “草の根の力”を実感(2006年8月3日)
No.73 “平和のシンボル”バクのいる東照宮は“平和の象徴”(2006年8月1日)
No.72 ものづくりの土台くずす非正規雇用――トヨタ自動車の工場視察で(2006年7月8日)
No.71 試験運転で事故続発の再処理工場は運転中止に(2006年7月7日)
No.70 核攻撃の足場にするな(2006年6月17日)
No.69 教育内容介入の教育基本法改悪やめて、学費値下げなど教育条件の整備を(2006年6月13日)
No.68 被災者支援/草の根の党だからできる役割――ジャワ島地震被害におもいを寄せて(2006年6月2日)
No.67 米軍再編、北関東では(2006年5月20日)
No.66 「教育基本法」特別委員会設置/法案の内容も審議の運営も問題(2006年5月11日)
No.65 中古家電問題/規制緩和万能路線にキッパリ対決する日本共産党ならでは(2006年5月2日)
No.64 『行革』の狙いは国民サービスを削り“増税やむなし”のレールを敷くこと(2006年4月16日)
No.63 中古家電の販売、実質OKに/経産省は政令改正を(2006年3月25日)
No.62 群馬・南牧村のシンポジウムに参加して(2006年3月19日)
No.61 中古家電規制/ビンテージもの適用除外は運動の成果(2006年3月14日)
No.60 「中古品」はPSE法の“想定外”――経産省はなぜ無理を通すのか?(2006年3月4日)
No.59 通勤途中の野鳥観察と軍用機(2006年2月16日)
No.58 全国中小業者決起大会(会場:九段会館)に出席して(2004年2月13日)
No.57 宇都宮駐屯地に陸自緊急即応連隊配備の可能性(2006年1月31日)
No.56 陸上自衛隊朝霞駐屯地調査について(2006年1月26日)
No.55 小泉首相の施政方針演説を聴いて(2006年1月23日)
No.54 国民多数の声を結集するたたかいに全力(2006年1月1日)
No.53 大型店の郊外出店規制へ経産審合同会議が提言(2005年12月22日)
No.52 米軍所沢通信基地の機能強化に反対する世論を(2005年12月12日)
No.51 『ストップ!八ツ場ダムの住民訴訟1周年の集会』に参加して(2005年11月30日)
No.50 百里基地での米軍機訓練移転許すな(2005年11月13日)
No.49 特別国会を終えて(2005年11月2日)
No.48 NHK決算審議で明らかになったこと(2005年10月27日)
No.47 所信表明演説を聞いて(2005年9月26日)
No.46 特別国会はじまる(2005年9月21日)
No.45 総選挙をたたかって(「しんぶん赤旗」のインタビューにこたえました)
No.44 今度の総選挙は、小泉「改革」への審判の機会です(2005年8月27日)
No.43 原爆告発した教授/平和守る党とともに――戦後60年に思う(2005年8月10日付・「しんぶん赤旗」北関東版掲載)
No.42 解散、総選挙にあたって
No.41 アスベスト調査(2005年7月22日)
No.40 小水力発電/日本の風土や生活になじんだ自然エネルギー(2005年7月20日)
No.39 郵政民営化は「百害あって一利なし」(2005年7月7日)
No.38 八ツ場ダム計画――国は住民の声を聞け(2005年3月18日)
No.37 郵政公社、サービス残業32億円支払い(2005年2月27日)
No.36 30分間のリフレッシュ(2005年1月24日)
No.35 憲法9条の平和外交掲げ、今年も意気高く取り組みます(2005年1月1日)
No.34 民営化は郵便局網を壊す(2004年11月21日)
No.33 被災者の暮らしを支え、政治を変える力に(2004年11月12日)
No.32 あまりにも貧困な体制――児童虐待問題(2004年10月18日)
No.31 小泉首相の所信表明演説を聞いて(2004年10月13日)
No.30 憲法9条の値打ち(2004年10月6日)
No.29 プロ野球選手会のストに思う(2004年10月1日)
No.28 米軍基地と思いやり予算(2004年9月23日)
No.27 関電美浜原発事故とNHK不祥事事件の共通点(2004年9月17日)
No.26 8月に思う(2004年8月17日)
No.25 年金財源を口実とした消費税増税はゆるさない(2004年8月4日)
No.24 参議院選挙をたたかって(2004年7月15日)
No.23 憲法9粂は日本国民の宝(2004年6月22日)
No.22 大型店は身勝手だ――商工会議所会頭の会合でも大型店出店問題が話題に(2004年6月14日)
No.21 「私たちがつくっても同じものに…」――商店街政策で共感の声(2004年6月10日)
No.20 商店街政策で意気投合(2004年6月5日)
No.19 商店街政策へのご意見をお待ちしています(2004年5月18日)
No.18 今度は国政を動かすとき(2004年4月15日)
No.17 真岡市の演説会に向かう途中で(2004年4月12日)
No.16 前例のない法案不備――総務大臣のお詫び(2004年4月7日)
No.15 NHKのイラク戦争報道(2004年3月24日)
No.14 新春随想(2004年1月5日)
No.13 旧日本軍毒ガス問題の解決のために(2003年11月19日)
No.12 土屋知事長女の政治資金規正法違反事件(2003年7月22日)
No.11 予算委員会テレビ質問準備の周辺(2002年12月13日)
No.10 所沢通信基地について(2002年10月21日)
No.9 外務省でも、公共事業でも「口利き政治」(2002年2月7日)
No.8 154通常国会開幕(2002年1月24日)
No.7 下請二法を足がかりに(2001年12月4日)
No.6 「リストラに反対し、雇用を守る大運動をおこそう(2001年10月26日)
No.5 「報復戦争法案」反対へ(2001年10月3日)
No.4 中学生秘書誕生!?(2001年9月3日)
No.3 熱くて暑い参院選(2001年8月3日)
No.2 自転車で散歩(2001年7月5日)
No.1 ホームページ開設にあたり(2001年7月5日)
 
No.93(2006年12月30日)
米軍専用宅配便――テロ特措法に基づく対米空輸支援

 先の臨時国会で、テロ対策特別措置法(テロ特措法)の3回目の延長が行われた(わが党は反対)。そもそもテロ特措法は、9・11テロ以降アメリカが始めた報復戦争に対する後方支援活動を定めた法律であり、憲法上認められないもの。報復戦争開始から5年、戦争でテロはなくせないことはいまや明らか。5年にわたる対テロ戦争によって、テロの脅威は除去されるどころか、かえってその土壌は拡大し、テロと戦争の悪循環に陥っている。それなのに、日本政府は米軍支援を継続しようとしている。

 テロ対策特別措置法にもとづく米軍支援の実績として航空自衛隊による空輸活動(「自由の空輸作戦」)がある。空輸支援は、米空軍の基地間輸送の一部を肩代わりするもので、2001年11月にはじまり、06年12月7日現在、国内324回、国外15回の実績となっている。「輸送回数の数え方は、1任務を実施すると、2日かかっても1回となります」(防衛庁防衛庁運用企画局国際協力課)とのこと。ただし、1度に複数機が空輸に従事しても1回とカウントされる。

 「航空機エンジン、部品整備機材、衣料品などの物資輸送を行っている」(『朝雲』03年3月27日)。

 小牧基地のC130輸送機とともに、入間基地のC1輸送機、U4多用途支援機も従事。「当初は1輸空(小牧)のC130H輸送機やU4多用途支援機でグアム等を含む国内外の米軍基地間の空輸を行っていたが、平成14年以降は国内の米軍基地間のみとなり、同8月からは2輸空(入間)と3輸空(美保)のC1を運航、現在に至っている」「(入間のC1輸送機は)横田を出発、岩国−嘉手納−岩国−横田のルート(任務運航1回分)で帰投。現在、2輸空(入間)と3輸空(美保)が1週間交代で同ルートの任務運航をほぼ週一回行っている」(『朝雲』06年2月16日)とのこと。

 週一回、横田−岩国−嘉手納を往復する対米空輸支援は、まるで「米軍専用宅配便」だ。

 日本政府は、テロ特措法を廃止し、インド洋から自衛隊を撤退させることをはじめとして、アメリカの対テロ戦争支援を中止すべきだ。
 
No.92(2006年12月26日)
PAC−3ミサイルに関する補正予算案について

 06年度補正予算案に「PAC−3ミサイルの早期取得」のため、約76億円を計上している。防衛庁の説明ペーパーには「取得まで4年間程度要するPAC−3ミサイルを、輸入することにより短期間で取得。今年度末より配備が開始される第1高射群へ追加配備し、弾道ミサイル迎撃態勢を早期に強化」とある。

 第1高射群のPAC−3ミサイル取得の予算は04年度に64億円計上されている。今年度末までに第4高射隊(入間)、07年度中に第1高射隊(習志野)・第2高射隊(武山)・第3高射隊(霞ヶ浦)にミサイルを配備することは決まっていた。これに76億円を加えて、140億円分のPAC−3ミサイルを取得、配備するというもの。

 これによりPAC−3ミサイルの取得費は、第1高射群(入間)140億円、高射教導隊(浜松)75億円、第4高射群(岐阜)101億円、第2高射群(春日)132億円となる。

 担当者は、補正予算案によるミサイル取得について「平成19年の早い時期に取得したい」「第1高射群以外に配備してもいいのだが、今回の措置では第1高射群への追加配備となった」「金額の内訳は明らかにしないことになっている」と説明。

 以上のとおり、『読売』など一部報道は不正確なものだった。ミサイルの追加配備という点では、さらに重大な問題だと言える。
 
No.91(2006年12月19日)
臨時国会を振り返って

 12月19日、85日間の臨時国会が閉会した。9月に発足した安倍内閣の反国民的な姿が明らかになるとともに、国民の戦いも大きく広がった国会となった。

 今国会の特徴の第一は、“5年以内の改憲”を公約に掲げた「改憲実行内閣」としての安倍内閣の姿勢が鮮明になった。「愛国心」おしつけの教育基本法改悪をはじめとして、「米軍支援」を自衛隊の本来任務化する自衛隊法改悪・防衛「省」法案の成立や一連の「核保有」発言など、憲法9条を否定する「海外で戦争する国」づくりの動きが強まった。改憲手続き法案については、与党案と民主案のすり合わせがすすみ、枝野幸男議員(民主)は「来年の憲法記念日には成立していることを期待している」と述べるほど前のめりとなっている。

 第二に、財界直結政治の強まりである。「成長戦略」「上げ潮戦略」を掲げて、大企業減税、FTA推進(農業の構造改革)、労働ビッグバンなど、財界の長年の懸案事項を具体化していこうとしている。政財界の一体化を強化するものとして、外資系企業の政治献金解禁やメガバンクの献金再開など企業献金を拡大・深化させた。また、規制緩和推進のオリックス宮内会長に対する「改革利権」批判も無視して、経済財政諮問会議や規制改革民間開放推進会議の委員に引き続き財界人を送り込むなど人的結合も推進している。

 同時に、日本共産党の国会論戦と国民のたたかいが、悪政を鋭く告発し、国民要求を擁護する力を発揮したことも大きな特徴である。改悪教育基本法審議では、憲法違反の内容を追及し、また「やらせ発言」の暴露で、教育基本法見直しのいかがわしさを明らかにしてきた。国民的な教育を考える取り組みが前進して、政府による教育現場への押し付けを許さない世論と運動の土台をつくるものとなった。

 さらに、庶民増税告発、高金利引き下げ・グレーゾーン撤廃のたたかい、障害者自立支援法による負担増の一部是正など、国民のたたかいと結んで、貴重な成果を勝ち取るものとなった。外交問題では、村山談話・河野談話を認めさせるなど、従来の侵略戦争美化発言を口にできなくなるところまで追い込むものとなった。

 最後に。改悪教育基本法めぐる国会最終盤の対応や改憲手続き法案、外資系企業政治献金解禁での民主党の対応は、自民党と同じ土俵に立つものであり、銘記されるべきである。

閉会日の公開国会議員団総会で

 
No.90(2006年12月15日)
たたかいはこれから――教育基本法改悪強行採決に抗議

 12月15日、自民・公明は、会期延長してまで教育基本法改悪法案を強行採決した。怒りをこめて抗議したい。

 そもそも、採決に道理なし。中央公聴会直後の与党単独の採決などルール無視の連続。慎重審議もとめる国民の声も踏みにじった。内心の自由侵害、国家の教育内容への介入など憲法違反の内容についても、まともに答えられないまま。さらに、現憲法否定の“自民憲法草案とすり合わせしていた”という事実も明らかになり、あらためて憲法違反を証明するものとなった。しかも、自ら「世論誘導」を認めざるを得なかったタウンミーティングの“やらせ発言”をとっても、政府・文部科学省に法案採決求める資格なしと言わなければならない。

 たたかいは、これからだ。悪法の具体化に反対し、教育現場への押し付け許さないたたかいを広げよう。今後、学校教育法や教員免許法など33の法改悪、教育振興基本計画の策定、学習指導要領の大改悪などが進められる。その一つひとつが現場の矛盾を拡大する。悪法の具体化をすすめれば、教員の良心、子どもの豊かな成長を願う保護者の要求とぶつからざるを得ない。一つひとつのたたかいを通じて教育のゆがみ押し付けをはねかえしていこう。

 たたかいが依拠すべき立脚点は何か。日本国憲法にある。教育基本法の理念も憲法の原則から生み出されたもの。豊かな教育を求める国民の要求の足場は憲法にある。悪法も憲法にしばられている。いよいよ憲法闘争が大事になってくる。

 最後に。暮らしの問題と比べて、国民的になじみにくい教育問題で、これだけのたたかいが広がったことに確信をもとう。必ず財産になって生きてくる。

 たたかいは今日からスタートした。
 
No.89(2006年12月12日)
茨城県議選をたたかって

 12月10日投開票の茨城県議選は、大内久美子さん、山中泰子さんの現有2議席を維持し、立候補した4選挙区とも前回比得票増をかちとるという善戦健闘といえる結果だった。候補者の皆さん、本当にお疲れ様でした。

 自民党が改選時比5議席減など、国政での庶民増税・負担増路線への審判、大型開発のむだづかい推進の「オール与党」県政への審判が下ったといえる。

 一方で、二大政党論の嵐の中で、県政で民主党が与党ということが伝えきれなかったという課題も残した。来年のいっせい地方選挙、参議院選挙に向けた教訓として生かしていきたい。
 
No.88(2006年12月5日)
日弁連役員と懇談

 12月1日、党国会議員団は日本弁護士連合会(日弁連)役員と懇談した。志位委員長、市田書記局長をはじめ、15名の国会議員団が出席。日弁連役員と党国会議員団の懇談は初めてのこと。

 平山正剛日弁連会長は「弁護士の仕事は、基本的人権の擁護、社会的正義の実現にあり、共産党と親和性が高い」と発言、志位委員長も共感のエールを送った。

 日弁連からは、@弁護士を信頼して秘密を打ち明けたのに、依頼者の知らないうちに、その秘密が弁護士から警察に密告される仕組みとなる「ゲートキーパー法案」の問題点、A日本司法支援センター(法テラス)の取り組み、B行政法制度に関する要望、などが寄せられた。

 志位委員長は「密告制度は認められない」「司法への国民のアクセス権保障する司法支援センターは、国民の要望でもある」「肥大化する行政に対する司法によるチェック機能の強化は首肯できるもの」と応じ、その後もなごやかに懇談した。司法制度に疎い私も勉強になった。
 
No.87(2006年11月24日)
ミサイル防衛問題を考える

 11月22日、「入間基地周辺のくらしと平和を考えるつどい」が開かれ、参加、発言した。

 今年度中に、入間基地にミサイル迎撃用のパトリオットミサイル(PAC3)が初配備される。米国は、ミサイル防衛(MD)を推進。PAC3を今夏アラスカに展開、韓国はすでに配備済み。沖縄県民の反対を押し切って嘉手納にも配備し、さらに首都圏(横田や横須賀が候補地)への配備も検討(久間長官の配備希望発言あり)。また、SM3を積載する米イージス艦シャイローを横須賀に配備。「米軍再編」計画では、ミサイル防衛の日米連携強化のため、横田に日米統合運用調整センターを設置する予定。日米一体となったMD強化が図られている。

 ミサイル防衛には、4つの問題点を感じている。
@PAC3などMDそのものの有効性に疑問。村木元航空幕僚長は「BMDは地点防御には効果的であっても、日本全国くまなく防御するとなると、経済的にも技術的にも非常に難しい」という。

Aするとどうなるか。先制攻撃論に行き着く。BMD構想では、ブースト段階、ミッドコース段階(SM3)、ターミナル段階(PAC3)でのミサイル迎撃が想定されている。ブースト段階での攻撃(ステルス航空機でレーザー攻撃など)は限りなく先制攻撃に近づくことになる。いわゆる「敵基地攻撃論」だ。村木氏は「発射基地に対する攻撃が発射を抑止する大きな力になる」。これには、危惧の声もあがる。山崎拓自民党安全保障調査会長は「(敵基地攻撃論について)非常に乱暴な議論だ。国是である専守防衛に反するし、重大な憲法違反になる」「全面戦争になる恐れがあると神崎公明党代表がいったが、そのとおりだ。“やっちゃえ、やっちゃえ”と戦前回帰の危険性を持っている」

B改憲へのステップとするものではないか。安倍首相は“米本土に向かうミサイル打ち落とすための集団的自衛権の行使の研究”をいう。防衛庁から“技術的に無理。日本のSM3ではとどかない”といわれても推進。米軍と一体となった海外で戦争できる国づくりめざすもの。

C日本のコントロールが及ばなくなる懸念。米軍指揮下のBMD。米軍はMDを出先でコントロールするつもりなし。「(7月北朝鮮ミサイル発射時)日本海の米イージス艦の指揮は在日米軍司令部でなくハワイの太平洋司令部がしていた」(朝日06.10.14夕)。
日本が、米国のミサイル防衛の第一線基地になる。米本土防衛を口実にイランや北朝鮮に先制攻撃の可能性。

 推進勢力は「防御的な兵器だ」「北朝鮮の脅威」という。しかし、自衛隊そのものが「専守防衛」を建前にしていたのに、海外活動を「本来任務」にしようとしている。“矛”を鋭くするための“盾”とするのではないか。かつて「ソ連脅威論」を口実に軍拡競争につきすすんだ。1兆円をかけるミサイル防衛予算にほくそ笑む軍需産業の顔が浮かんでくる。今日本に足りないのは、軍事力ではなく、紛争を平和的手段で解決しようという「外交力」ではないだろうか。北朝鮮問題は国際社会の一致協力した対応で、平和的外交的手段でこそ打開できる。


 
No.86(2006年11月16日)
北海道サロマ竜巻被害調査に参加して

 11月15日(水)、衆院災害対策特別委員会のメンバーとして、北海道佐呂間町竜巻被害調査に参加。11月7日に発生した竜巻は、死者9名、負傷者26名、建物損壊104棟と、過去最悪の被害をもたらした。それから一週間、瓦礫などの撤去作業は一段落、屋根の修繕などがすすんでいた。

 堀次郎佐呂間町長は「10月7日に豪雨災害で被災したばかり。相次ぐ災害で、町の対応には限りがある。国の支援をお願いしたい」と要望。私が「被災者支援への具体的な要望は」と聞くと、町長は「災害救助法など厳しい枠があるのでつかいにくい。町としても被災者支援策を検討したい」とのこと。

 災害救助法の住宅応急修理(上限50万円、現物支給)の柔軟な運用など、被災者支援に全力をあげる決意。

 亡くなった9名は、国道トンネル工事に従事していた。その工事現場の峠の山は、すでに冠雪していた。寒い冬の訪れの前に早急な対策が必要となっている。


 
No.85(2006年11月14日)
沖縄の資源生かした経済発展を

 沖縄県知事選挙。11月13日(月)、県北部の名護市内を回ってきた。自民・公明陣営は「この8年間で、企業105社誘致し、1万人の雇用増やした」というが、中身はコールセンターなど、8〜9割が非正規。「革新県政が失業を作った」と当時批判していたが、完全失業率は革新県政時代の7.7%から、現在7.9%に上昇している。

 松下薄型テレビの最新鋭工場で、800人の新工場(兵庫県尼崎市)が立ち上がっても、地元新規採用はわずか6人というのが実態だ。その工場に沖縄の若者が派遣・請負社員で働いている。

 いま必要なのは、本土の企業誘致に血道をあげることではなく、沖縄の自然・風土・歴史に根ざした農漁業、地場産業、中小企業、観光産業支援を経済政策の柱にすえることだ。

 沖縄のものづくり産業は5人以下の小規模事業者が中心。そこへの施策がこれまで皆無だった。全事業所実態調査で沖縄の潜在力を発掘しよう。沖縄に若者の安定した雇用を生み出すことに全力を上げるときだ。

 
No.84(2006年10月30日)
いじめ解決を困難にする教育基本法改悪

 痛ましい福岡の中2生のいじめ自殺事件。しかしその中学校の教育委員会へのいじめ報告は過去3年間「ゼロ」。なぜこんなことに?

 文科省は、03年3月「いじめ5年間で半減をめざす」という政策目標(数値目標)を掲げた。文科省のいじめ把握件数は21,600件(公立・05年度)。全国の公立小中高数37,000校。「いじめ半減」という数値目標は、学校ごとには、いじめ「ゼロ」目標押し付けとなった。

 新潟市教委など、いじめ「ゼロ目標」を掲げないと学校からの報告を受け取らなかった。文科省の数値目標押し付けがいじめ隠しを生み出している。

 数値目標、実績を競う成果主義教育のゆがみが現れている。亡くなった男子生徒の母親は「いじめの実態を把握してほしい。いじめの隠蔽をはかるような学校や行政の体質を変えてほしい」と胸のうちを語っている。  

 でも改悪案は、教育内容の数値目標を設けた教育評価をめざすもの。教育基本法改悪は、かえっていじめ解決を阻むものとなる。

埼玉でおこなわれた、教育基本法改悪反対集会がおこなわれた会場の木々も色づきはじめた=10月28日、北浦和公園

 
No.83(2006年10月26日)
製造業における派遣・請負労働は見直せ――経済産業委員会で質問

 私の質問に、自民や民主の新人議員が「実態は厳しいですね。勉強になりました」「いい質問でした」と感想を寄せ、ある中堅の自民議員は「もっと詳しく実態を教えてほしい」と声をかけてきました。その内容の一部を紹介します。
10月26日(木)「しんぶん赤旗」記事

 いま、製造大企業の職場で違法派遣・偽装請負が横行しています。その転機となったのが労働者派遣法の原則自由化(99年)です。政府は、労働者派遣法「改正」の際、派遣業務の適用対象を拡大すると同時に、常用代替(正社員を減らして非正規社員に置き換えること)の防止など労働者保護も規定していると説明してきました。

 当時は甘利労働大臣(現:経産大臣)。‥‥‥甘利「(労働者派遣法「改正」案では)常用代替の懸念に対処していく内容として、1年を超える雇用に関しては派遣先に正規雇用とする努力義務を設けている」(99/5/7・衆院労働委)

 今回の質問でも、甘利大臣は「法の趣旨はそのとおり。企業側もそういう要請にしたがってぜひ対応してもらいたい」と答弁。

 しかし、現実は無法がまかりとおっています。先日、大阪労働局から偽装請負の是正指導を受けた松下PDP社を調査。「会社として直接雇用の申し入れを派遣労働者におこなったのか」という質問に、会社側は「おこなっていない」と答えました。常用代替にならないという仕組みが機能していません。厚労省は「偽装請負は問題。把握したものはきちっと指導する」と答弁。実行が問われています。

 請負労働者を受け入れているのは、名立たる大企業ばかりです。先日、請負事業者のコラボレート(クリスタルグループの製造請負分野の中核子会社)は、偽装請負で処分を受けましたが、受け入れ側の大企業にはお咎めなし。そもそも受け入れ企業に対する行政処分の仕組みがありません。政府は「問題があれば、勧告や会社名の公表をおこなう」というが実績はゼロです。偽装請負をなくすつもりなら、最もメリットを享受する発注者大企業に厳しく対応することが不可欠。発注者企業を処分する規定が必要です。

 御手洗経団連会長(キヤノン会長)は「受け入れ先で指揮命令してはいけないという中に、いろいろ仕事を教えてはいけないということも入っている」「現行の請負法制に無理がありすぎる。ぜひ見直してほしい」「今の派遣法のように3年たったら正社員にしろと硬直的にするとコストが硬直的になる」(10/13・経済財政諮問会議)と発言。宇都宮工場や大分キヤノンなど、キヤノン自身が偽装請負を問われているときに、偽装請負の合法化を要求するとは大問題。

 職業安定法44条「労働者供給事業の禁止」を規制緩和した政府の責任が問われています。製造業における派遣・請負労働(労働者供給事業)は見直すべきです。

 
No.82(2006年10月7日)
「鳥取市のまちづくりを考えるシンポ」に参加

 日本共産党の主催で「鳥取市のまちづくりを考えるシンポ」がおこなわれ、参加して発言しました。自治連の会長、まちづくり活動に取り組む地元商店主、党市議らと意見を交わし、会場からの質問、意見に答えました。

 台風規模の強風のため鳥取空港到着が1時間遅れ、3回目の挑戦で空港に着陸するというハプニングもありましたが、鳥取市上空を3周もしたので、鳥取市街地を十分“視察”できました。

 イオン鳥取北店の増床計画をきっかけにして、まちづくりを考える好機となり、また私自身も、大型店の“出店自由から原則規制”となった改正都市計画法にもとづく取り組みを考える上で、大変勉強になりました。

ふれあい朝市で賑わう鳥取市新町商店街

 
No.81(2006年10月5日)
松下プラズマディスプレイ(松下PDP社)に偽装請負問題で調査

 10月4日、偽装請負問題が指摘されている松下プラズマディスプレイ(松下PDP社=兵庫県尼崎市)に調査に入りました。最新鋭工場の尼崎工場には正社員300人、請負社員800人が勤務しているといいます。請負会社は、製造・検査業務の「コラボレート」、「日本エイム」、「東予産業」と梱包業務の「日豊」の4社。「コラボレート」は前日の3日に偽装請負問題で事業停止命令を受けています。(詳細は10/4付「赤旗」記事参照)

 松下関係労働者と懇談もしました。欠勤すると賃金1割削減というペナルティがあるなど、無法がまかりとおっていること。雇用契約期間は2ヶ月、6ヶ月という短期契約ばかり。40代の請負社員が、やめていくのは家族を養える給料がもらえないから。

 “がんばっても報われない”のが請負社員の実態です。ある請負社員の若者は「どうせ、おれの将来はホームレスですから」と言っていたそうです。賃金が安い、何よりも将来の展望がないことへの不安は深刻です。

 松下プラズマディスプレイの偽装請負を告発し、偽装請負是正の大きな運動を広げるきっかけをつくった吉岡力さんは言います。「若い人の将来を奪う原因をつくってきた派遣請負会社の責任だけでなく、偽装請負を受け入れてきた大手メーカーの違法行為に許せない思いがある。偽装請負をなくすのは当然のこと。(間接雇用という)働き方をなくすことが必要」。そのとおりだと思います。

松下の偽装請負の調査にむかう日本共産党の調査団

 
No.80(2006年9月29日)
安倍首相の所信表明演説を聞いて

 9月29日、安倍首相の所信表明演説がありました。与党から見ても盛り上がりにかけるものでした。森元首相は目をつぶりながら上を向いたり下を向いたり、首を振ったり、心配そうな様子。小泉前首相は、「郵政民営化」のところで拍手したぐらい。

私の感想を4点。

 第一、歴史認識について。安倍首相は、自ら掲げる「美しい日本」の姿を語りましたが、「文化、伝統、自然、歴史を大切にする国」「世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国」などといっても、侵略戦争と植民地支配の歴史に無反省のままでは、世界からも信頼されず、再び戦争を繰り返さないという日本国民の願いを踏みにじるものです。

 第二、改憲姿勢。「国の理想、かたちを物語るのは憲法」「方向性がしっかりと出てくることを願う」と改憲への決意が現れています。海外での武力行使に道を開く「集団的自衛権の行使」に関する「研究」を掲げているように、改憲が「海外で戦争できる国づくり」を目指すものであることを裏付けます。

 第三、再チャレンジ支援。「努力した人が報われ、勝ち組と負け組みが固定化」しない「「誰でも再チャレンジが可能な社会」をめざすといいます。しかし、逆立ち税制にメスを入れず、大もうけを上げている大企業にさらなる減税の一方で、定率減税廃止や社会保障切捨て推進では、貧困と格差を拡大、固定化するだけ。特に、低所得者を生み出す要因となっている非正規雇用の拡大に手をつけず、労働分野の規制緩和推進では、“努力しても報われない”社会を再生産するだけです。

 最後に、教育問題。安倍首相は「教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくること」といいます。国に貢献する人づくりが教育の目的という立場です。安倍氏は、靖国神社崇敬奉賛会シンポ(04.11.27)で「国が危機に瀕したときに命を捧げるという人がいなければ、この国は成り立っていかない。そういう人たちに尊崇の念を」と語りました。国に命を捧げる教育をめざすのか。基本姿勢が問われています。

 
No.79(2006年9月27日)
安倍新内閣のネーミング――わたしも提案

 安倍新内閣が発足しました。驚いたのは従軍慰安婦問題を攻撃してきた「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」メンバーが多数含まれていることです。97年に中川昭一代表(現自民党政調会長)、安倍晋三事務局長(現首相)で発足した「若手議員の会」は、従軍慰安婦を日本国家の関与した問題と認め、反省とお詫びを述べた河野談話(93年)を“自虐的史観”と攻撃してきた急先鋒のグループです。

 民間人を除く17名中7名が「若手議員の会」参加者です。首相補佐官や官房副長官を加えると23名中11名になります。

 新内閣のネーミングとして「学園祭内閣」(朝日新聞)、「類はタカを呼ぶ内閣」(市田書記局長)などがありますが、私もひとつ提案します。「戦争を知らない子どもたち内閣(タカ派ですが)」。いかがでしょうか。

 
No.78(2006年9月26日)
臨時国会開会がはじまりました

 9月26日、臨時国会がはじまりました。安倍晋三新政権にたいして、国民の立場から堂々の論戦を行っていきます。

 安倍首相の歴史認識問題や九条改憲論をただすことをはじめとして、教育基本法改悪問題、テロ特別措置法の延長、防衛庁の省昇格法案、そして改憲手続き法案や共謀罪法案など、悪法阻止のために全力をあげます。

 安倍氏との“近さ”を「売り」にしていた、ある自民党議員は「(安倍新政権は)いろんなことがありそうで」と、不安を隠せない様子。首班指名での安倍氏の得票339票を見て、ある公明党議員は「さんざん苦労するなあ」と一言(佐々木憲昭議員の聞いた話です)。

 私の担当委員会は、引き続き経済産業委員会です。貧困と格差拡大の元凶となっている非正規雇用の拡大について、違法・脱法行為を繰り返す大企業の社会的責任と、労働分野の規制緩和で雇用破壊を推進してきた自公政権の責任を徹底追及していきます。“大企業には減税、庶民には増税”という逆立ち税制も大問題です。

 パロマ事故のようなメーカーの事故情報が生かされない政府の体制の不備についても、消費生活用製品安全法の成立経緯も踏まえて、国民の暮らしと安全第一の製品安全ルール作りに力を尽くします。
開会日にあたって議員団総会に出席

 
No.77(2006年9月12日)
松下プラズマディスプレイ(松下PDP社)の雇用補助金問題で調査

 9月11日、松下プラズマディスプレイ(株)への雇用補助金問題<「しんぶん赤旗」asahi.com>で、兵庫県庁で党県議団と懇談、県当局からヒアリングをしました。

 松下が全世界にプラズマテレビを送り出す基幹工場、松下プラズマディスプレイ尼崎工場。昨年秋に操業を開始しましたが、800人の雇用のうち、兵庫県内の正規新採用はわずか6人。大半は本社工場からの出向か、派遣社員です。

 しかも、その派遣社員を請負会社社員に切り替えていることが明らかになりました。派遣社員ならば1年の雇用継続の後には派遣先企業(この場合は松下)に直接雇用申し出義務が発生します。これを回避するためではないかといわれています。

 しかも兵庫県は雇用(正社員か派遣社員が対象、請負社員は除外)を増やしたという理由で2億数千万円の補助金を支出していました。実際には当初から派遣社員を請負社員に切り替えることが予定されていたという報道もあります。脱法的なやり方で派遣社員を請負社員に切り替えた企業に補助金を出すのでは、大企業の不安定雇用拡大に県がお墨付きを与えることになるだけではないでしょうか。

 シャープ亀山工場も最新鋭の液晶テレビを製造する工場ですが、操業開始から4年、4000人の労働者のうち、三重県内新規採用はわずか225人。その他は出向者か請負社員です。大企業の最新鋭工場が地域の不安定雇用を拡大しています。いまや大企業の工場立地は、地域経済・地域社会に貢献しないものとなっているのではないか。検証が必要です。
 
No.76(2006年9月9日)
史上空前の利益をあげるトヨタの足下で――労働者・下請けの実態は

 9月6日・7日、トヨタ自動車現地調査(愛知県豊田市)をおこないました。年間、1兆円を超える史上空前の利益をあげるトヨタの足下では、労働者や下請け中小企業が疲弊している実態をかいま見ることができました。

 トヨタのある下請け中小企業では、5年間で2〜3割のコストダウンが要求されています。また、別の中小企業では、定期便といわれるような恒常的なコスト削減要求がおこなわれていました。「仕事はあるが、単価はひどい」が共通の声です。トヨタ幹部も「取引先に対する期待値制度があり、毎年実施している」と述べているように、現場では常にコスト削減が強いられています。『全国一元気な地域』『経済成長率は6年連続プラス』といわれる愛知県なのに、企業の開業率は4.3%(全国4.2%)、廃業率は6.4%(全国6.4%)で、全国水準と変わりません。結局、利益はトヨタの独り占めで中小企業が疲弊していることが見えてきます。

 雇用では、非正規雇用の拡大が深刻です。生産現場では多数の非正規社員が存在します。正社員の3割にのぼる期間従業員の給料は正規の3分の1。製造業の派遣業務解禁と合わせて、派遣社員も導入されています。開発設計現場でも長時間労働の問題とともに、非正規労働者が拡大。関連企業からの多数の出向者や派遣会社からの労働者が混在し、職場の意思疎通がうまくいかなくなっているのではないでしょうか。開発期間の短縮も推し進められ、これらがリコール増大の要因ともなっています。

 長時間過密労働の是正、非正規雇用の正社員化こそ、トヨタがおこなうべき社会的責任ではないでしょうか。
日本共産党トヨタ自動車委員会のメンバーと懇談

 
No.75(2006年9月3日)
自民党総裁選/安倍氏は“小泉悪政への再チャレンジ”

 9月1日、安倍官房長官が自民党総裁選に正式立候補表明しました。3人の候補者を並べてみても、小泉政治の転換はあり得ません。なにしろ、内側から小泉首相を支えてきた閣僚ばかり。連帯責任が問われる立場です。

 安倍氏が靖国参拝のぜひを明らかにしないのは、靖国神社の“先の大戦は正しい戦争だった”という歴史観を肯定するものです。戦後の世界と日本の出発点を“自虐史観”だといって、日本の侵略戦争だったことを否定し、改憲を掲げる危うさが問われます。

 経済政策などでも“再チャレンジ”といいながら、格差と貧困拡大の小泉構造改革を継承するというのでは、小泉悪政への“再チャレンジ”でしかありません。

 
No.74(2006年8月3日)
“草の根の力”を実感

 7月9日、横須賀で開催した“米原子力空母母港化反対・米軍再編反対”の首都圏大集会には、北関東各地からも多数が参加しました。私が横須賀を会場にした集会に参加するのは25年ぶり、学生時代に核兵器搭載疑惑のあった米空母ミッドウエー入港反対集会以来です。

 参加者に聞くと、1960年代のポラリス型原子力潜水艦入港反対集会や1980年代の巡航ミサイルトマホーク配備反対集会の話題が出ます。自分の青春時代と重ねて、日本を戦場にさせない、米国の戦争政策反対という熱い思いが伝わってきました。戦後、米国の核兵器使用を許さなかった草の根の力を実感します。

 もう1つ草の根の力を実感したことがあります。基地所在自治体が中心となった「埼玉県基地対策協議会」が毎年行っている政府への要望書には、平和運動団体や地方議会での党議員の活動が反映しているのです。

 この7月に政府に提出された「要望書」には、朝霞駐屯地でのヘリコプター騒音に対する騒音軽減対策、市街地戦闘訓練施設の早期移転などが盛り込まれ、米軍基地の機能変更に際して地元自治体との事前協議を義務付ける日米地位協定改定を掲げています。いずれも2年前の要望書にはなかった要求です。この数年間の米軍基地・自衛隊基地強化の動きに対して厳しく追及してきた運動の反映です。粘り強い草の根の平和運動が、基地強化反対の自治体ぐるみ、住民ぐるみのたたかいを前進させる力となります。

 
No.73(2006年8月1日)
“平和のシンボル”バクのいる東照宮は“平和の象徴”

 7月28日、紙智子参院議員、野村せつ子党栃木県副委員長らとともに、日光杉並木の現地調査と日光東照宮神官との懇談をおこないました。

 国の特別史跡、天然記念物の二重指定を受けている文化財は、日光杉並木だけ。保存のために公有地化をすすめる費用も“平城京を上回る”と言われています。1998年の予算委員会分科会で金子満広衆院議員(当時)が、予算増額を要求。翌年、国の予算が増えました。引きつづき、文化財保存にも力を入れるつもりです。

高藤禰宜(右)から説明を受ける
高藤禰宜(右)から説明を受ける

 江戸幕府の創設者、徳川家康を祠る日光東照宮では、禰宜の高藤晴俊氏の説明を受け、懇談。豊臣秀吉の朝鮮出兵を終わらせたあと、明治維新後に台湾・朝鮮への侵略行為がおこなわれるまでの265年間、江戸時代は“平和の時代”でした。

 建物のあちこちに、バクの姿が彫られています。“夢を食う”という空想の動物バクは、鉄や銅など金属を食べるといわれています。古代中国では戦争の時代には、金属が大量に武器に使われるため、食べるものなくしたバクは姿を消すといいます。

 「バクは“平和のシンボル、軍縮のシンボル”たくさんのバクのいる東照宮は平和の象徴」という、高藤氏の話が印象に残りました。

 元金子議員秘書で、吉川参院議員の秘書をつとめ、先月退職された内田さん、本当にお世話になりました。

 
No.72(2006年7月8日)
ものづくりの土台くずす非正規雇用――トヨタ自動車の工場視察で

 7月6日、衆院経済産業委員会で、トヨタ自動車九州・宮田工場(福岡県宮若市)を視察しました。

 レクサスなど高級車をつくる第2工場(組立工場・塗装工場)を見学。渡辺社長をはじめ、役員の説明を受けました。「最新技術と匠の技を組み合わせた革新的な工場」と強調しています。「全行程のロボット化をとらず、労働者の技能を活かす工夫をしている」といいます。

 かつての大量生産方式から、ユーザーのニーズにすぐ対応できる少量多品種生産方式に変わり、ロボットでは『多品種』に対応できず、労働者の技能を活かす方が効率的になっています。

 それなのに、職場には3割を超える非正規労働者がいます。熟練が必要な『匠の技』を強調しながら、非正規雇用を多用するのでは自らものづくりの土台を掘りくずすものになってしまうのではないでしょうか。

 
No.71(2006年7月7日)
試験運転で事故続発の再処理工場は運転中止に

 7月5日、(株)日本原燃の使用済核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)の現地調査をおこないました。もやが立ち込め、東風(やませ)が吹いて、肌寒い天気でした。

 再処理工場では、3月末から本格操業一歩手前のアクティブ試験がおこなわれています。その中で、放射性物質のサンプル調査をおこなう分析建屋において、作業員が放射性物質を吸入してしまうトラブルが、連続して発生しました。

 青森県では、知事が強く遺憾の意を表明し、県議会も臨時議会を予定するなど、地元は強いショックを受けています。

 それなのに、原子力関係者からは「再処理をする限り、体内被ばくはおこる。お百姓さんをやっていて泥がかからないわけがないのと同じ」と発言し、県民のひんしゅくを買っています。

 トラブルの背景には、分析建屋内に原燃社員以外に複数の下請け会社が入り、作業手順の連携がうまくいかず、事故が発生しやすい労働環境にあること。また、原燃本体に、分析に関する管理能力に未熟さがあることが見て取れました。

 コスト優先で、技術的・経済的に問題の多い核燃料サイクル路線は中止すべきです。

六ヶ所村再処理工場前で
六ヶ所村再処理工場前で
 

No.70(2006年6月17日)
核攻撃の足場にするな

 野ウサギも跳ねる広大な野原。在日米軍司令部のある横田基地の通信機能を担う米軍所沢通信基地は、米軍の核攻撃部隊とつながっています。

 米軍の短波通信機能の近代化をはかる「スコープコマンド計画」。その任務の一つである「緊急行動メッセージ(EAM)」は核攻撃部隊への指揮・コントロールの通信であることが、米国防総省文書「米統合参謀本部議長指示」に記されています。横田基地はその「スコープコマンド計画」に組み込まれていることを平山武久氏(日本平和委員会理事)が明らかにしました。

 私の予算委員会での質問に対し外務省は、通信機能の役割への答弁は避けたものの、この文書が米国の公式文書であることを認めました。米軍の先制攻撃戦略のもと、核兵器先制使用の危険性も指摘されているときに、他国を核攻撃する足場として日本を使うことに強い憤りを覚えます。

 私が所沢通信基地の撤去を求めたのに対し、額賀防衛庁長官は核攻撃指令機能を容認するだけでなく、「日米安保条約の目的を達成するためには今後も必要」と、基地全面返還に背を向けました。公明党の高野博師参院議員も「全面返還は困難」(3月16日、参院外交防衛委)と述べています。

 所沢市のスローガンは「基地全面返還は市民の願い」。政府・与党は、所沢市民共通の願いに背を向けて、米国追随に固執しています。

 所沢通信基地では、かつてOTHレーダー、ジャイアントトークステーションという核戦争に直結した通信機能を持つことが暴露され、基地撤去を求める運動が広がりました。市民の運動でOTHレーダーは撤去されました。ジャイアントトークステーションの存在を暴露したのは日本共産党でした。米軍基地撤去、核兵器廃絶運動とともにあるのが日本共産党です。その真価を発揮するたたかいを進めたい。

 
No.69(2006年6月13日)
教育内容介入の教育基本法改悪やめて、学費値下げなど教育条件の整備を

 民青同盟大阪府委員会の学生のみなさんが学費値下げを求める国会要請行動にとりくみ、わたしの事務所を訪ねてくれました。初年度納付金(入学金、授業料など)は、国公立大学で約80万円、私立大学平均で約130万円にのぼります。ちなみに、わたしの場合(都立大学・81年度入学)は、28万円でした。

 今、学生はアルバイトに追われています。以下、紹介されている学生の声です。

 「家が貧しすぎて、働きたいと思っていたけど、せっかく勉強できるのだからと親に勧められて大学に来た。だから、土日は全部バイト。せっかく学費を払ってくれるから勉強もしたい」(大阪市立大学)

 「奨学金を受けているが、返さないといけない金額が400万円になった。大学を卒業して、いきなり借金をしていることにぞっとした」(関西大学4回生)

 「自動車か航空整備士になりたくて、専門学校に行きたいと思った。親に相談すると“学費払えない"と言われ、週5〜6日アルバイトをするようになった。新聞の配達もしていて休みが1日もない。いつも疲れている」(堺市の高校生)

 大学生の家庭の平均年収は、国立で800万円、私立で900万円。低所得の家庭の大学進学は難しくなっています。日本の学費は世界一の高さ。世界の流れは学費無償化です。

 教育基本法改悪で教育内容の介入強めることはキッパリやめて、学費値下げなど教育条件の整備にこそ、政府は力を注ぐべきです。

 
No.68(2006年6月2日)
被災者支援/草の根の党だからできる役割――ジャワ島地震被害におもいを寄せて

 インドネシア・ジャワ島地震による被害の大きさに胸が痛みます。

 国内でも相次いだ自然災害の現地に足を運んで痛感するのは、被災者支援の貧困さです。同時に被災地で献身的に活動するボランティアの姿に激励されました。

 被災者は、衣服や食料も必要です。でも、それ以上に「明日の暮らしはどうなるか」「自宅を再建できるのか」と将来の展望を求めています。行政は道路や施設の復旧に手をとられ、被災者の必要とする「情報」を届けていません。

 日本共産党は、被災地において生活相談活動とともに、生活再建・住宅再建に資する行政の制度を載せた「被災者支援の手引き」を作成、配布してきました。山間部も含めて手配りで一軒一軒届ける活動が被災者を励ますものとなりました。

 私は、中越大震災の際、麻生太郎総務大臣(当時)に、「被災者支援の手引き」の作成・配布を要望しました。その時に紹介したのが宮城県北部地震災害のときに党宮城県委員会が発行した。「被災者の制度活用の手引き」。憎まれ口の多い麻生大臣も「いいことをやっておられる」と評価。質問終了後、総務省の担当者が党宮城県委員会作成の「手引き」を取りにきて、その後「手引き」を10万部作成、新聞折り込みと避難所配布に活用したとのことです。

 他党の国会議員が被災地を訪問しても、役場を訪ねるだけで帰る場合もあります。日本共産党の国会議員は、初めて訪れた被災地でも、地元地方議員や党支部、党員と一緒に、最も支援を必要とする被災者のもとに駆けつけることができます。その要望をストレートに国会で要求することができるのです。

 草の根の党だからこそ、できる役割ではないでしょうか。

 
No.67(2006年5月20日)
米軍再編、北関東では

 「米軍再編」は、在日米軍基地の強化とともに自衛隊の米軍補完部隊化、海外派兵部隊化をはかるものです。

 北関東の自衛隊基地の実態をみると陸上自衛隊では朝霞駐屯地(埼玉)の強化が目立ちます。ここには自衛隊の海外活動を担う「中央即応集団司令部」が設置されます。同司令部の傘下に入るのが、陸自のグリーンベレーといわれる「特殊作戦群」(千葉・習志野駐屯地)やNBC(核・生物・化学)兵器対処能力を持つ「特殊武器防護隊」(埼玉・大宮駐屯地)、常設海外派遣部隊としての「緊急即応連隊」(栃木・宇都宮駐屯地に配置との報道や、群馬・相馬原駐屯地の空中機動旅団=第12旅団から編成との報道あり)などです。

 また朝霞駐屯地にある「陸自研究本部・教訓センター」は、陸自のイラクでの活動や日米共同演習の教訓を収集・分析する任務を持ちます。

 航空自衛隊では百里基地(茨城)での「米軍再編」による日米共同訓練の強化があります。「相互運用性の向上」というのが目的で、米軍機が自衛隊飛行場の離着陸に習熟するとともに、日米双方の戦闘指揮司令部の共同作戦がすすみます。

 すでに百里基地の戦闘機部隊を指揮する入間基地(埼玉)では、管制室とオペレーション(作戦)センターに米軍用スペースを確保。さらに米軍横田基地(東京)に空自航空総隊司令部が移駐することになり、米空軍と航空自衛隊の一体化が加速します。

 先日、百里基地周辺関係者と懇談し、訓棟拡大に反対というのが地元住民の共通の声でした。基地強化反対の先頭に立つ決意です。

 
No.66(2006年5月11日)
「教育基本法」特別委員会設置/法案の内容も審議の運営も問題

 5月11日、衆議院に「教育基本法に関する特別委員会」が設置(45名、日本共産党1名=石井いく子議員)されました。

 文部科学委員会があるのに、なぜ特別委員会を設置するのか。結局、定例日(週2日程度)に関わりなく審議を促進することが目的です。

 与党は“3年会にわたり、71回も議論した”と強調しますが、それは密室の協議会であり(配付資料も、全て改修していた)、その詳細を国民は知ることが出来ませんでした。にもかかわらず、与党が結論を出し法案をまとめたから「国会はただちに審議して結論を出せ」と言うのは、議会制民主主義を破壊するものです。

 内容上も重大です。教育基本法は、徹底した平和主義と個人の尊重を基本とする日本国憲法と一体のものとして、憲法の精神にのっとり、教育の目的を掲げたものです。ところが今回の改悪案は、憲法との関係を断ち切り、教育の目的を“人格の完成”から“国家有用な人材の育成”に変えるため、その資質として“国を愛する態度を養う”など5つの目標を掲げ、しかも、教育内容に国家が無制限に介入できるようにするものです。

 日本共産党は、特別委員会の設置に反対しました。

「教育基本法改悪阻止5・10総決起集会」の国会請願デモを激励=5月10日、国会前

 
No.65(2006年5月2日)
中古家電問題/規制緩和万能路線にキッパリ対決する日本共産党ならでは

 2月から3月にかけて大問題となった中古家電販売規制問題。リサイクル業者や音楽関係者などの大きな反対運動と日本共産党の国会での追及が一体となって実質的に中古家電の販売が可能となりました。

 ネットでも話題に。「たしかな野党。日本共産党を見直しました」「左バッター(左翼という意味でしょうか?)特有の鋭い当たりでクリーンヒット」など、中古電気用品は法律の規制の対象外であることを明らかにした国会論戦が反響を呼びました。

 新宿駅東口アルタ前の反対集会には、ネットで集まった多数の若者も参加。わたしが、宣伝カーの上であいさつするときには、手拍子といっしょに“塩川コール”がわき起こり、プロレスのリングに登場した気分でした。

 全国の署名やデモが、経産省を追いつめました。声をあげれば、政治は変えられるんだと、多くの人が実感したことは大きな財産です。

 今回の中古家電販売規制問題の背景には、電気用品の安全性を国が保証する制度から、家電メーカーの自主検査にゆだねるという規制緩和がありました。国民生活の安心・安全を担う規制緩和万能路線にキッパリと対決し、くらしを守るルールづくりをめざす日本共産党ならではの成果です。

 
No.64(2006年4月16日)
『行革』の狙いは国民サービスを削り“増税やむなし”のレールを敷くこと

 “小泉改革の総仕上げ”という『行革推進法案』。審議を通じて“ムダを削らず、公共サービス削る”法案の問題点が浮き彫りになりました。

 公共サービス後退の実例が、公務員削減のために国が定める地方公務員の配置基準を見直すというもの。

 例えば、消防士の国基準の充足率は75・5%。わたしの住んでいる所沢市では、救急車の代わりに消防車が駆けつけてくると言うほど、救急車が足りないのに、その不足している人員さえ増員を認めないものに。

 中馬行革担当大臣は「一律に削らない、必要なところには増員もある。メリハリをつける」と言いますが、教育の充実願う国民の要求に応え、文科省が計画した小学校1年生の35人学級(現在は40人学級)実現のための定数改善が『行革』の名のもとに、つぶされてしまいました。

 小泉首相は「何でも公務員でなければいけないのか、公務員の見直しあってもいい」と言いますが、保育士の配置基準(例えば、ゼロ歳児3人に対し1人以上の保育士配置)見直しは、公立保育園のサービス後退だけでなく、民間保育園のサービスも後退させるものです。

 一方で、“ムダなダム”の八ツ場ダムの事業費は、2110億円から4600億円に膨れあがらせる。また、米軍のグァムへの移転費用約1兆円を『思いやり予算』などと言って、国民の税金で負担しようという話まで出てくる。外国領土への外国軍基地の建設費用負担は、法律で禁じられているのに、わざわざ法律を変えてまで税金を投入する。国民には増税、社会保障の負担増。思いやる相手が、間違っているのではないでしょうか。

 結局『行革』の狙いは、「官から民へ」のスローガンのもとに、民間企業のもうけ口を増やそうというものであり、国民のサービスを削り続けることで“将来の消費税増税やむなし”と言うレールを敷こうというものです。

 
No.63(2006年3月25日)
中古家電の販売、実質OKに/経産省は政令改正を

 電気用品安全法にもとづくPSEマークがない中古家電の販売を禁止しようとした問題で、経済産業省は24日、実質的な猶予期間の延長で、4月以降も中古家電販売が実質OKになりました。このままでは4月1日から、営業が続けられないと言うリサイクル業者の声にこたえたものであり、世論と運動が経産省を動かしました。

 電気用品安全法の法令集には、中古品の扱いについて一言も記述がないように、そもそも中古家電はPSE法の想定外のものでした。それなのに無理矢理、法律の適用をしたために生まれた混乱です。経産省はただちに猶予期間延長の政令改正をおこない、改めて関係者の意見を充分にふまえた、ルールづくりをすすめるべきです。国会でも要求していきます。

 
No.62(2006年3月19日)
群馬・南牧村のシンポジウムに参加して

 3月18日、群馬県南牧村の文化祭企画『シンポジウム――各党は山村に何を約束するか』に出席しました。

 主催者の市川太平氏のあいさつの後、市川宣夫・南牧村長から村政の実情について、説明がありました。“過疎化で人口が3000人をきり、高齢化率は群馬県下一の52・7%。三位一体改革による交付税の減収は、5年間で5億円にのぼる”とのこと。「都会と山村の格差が拡大しているのではないか」との問題提起でした。

 また、山村の実情をよく知る、元県会議員の山口清・多野東部森林組合長は、“少なくない林業予算が組まれているが、林道工事・砂防工事などお金の受取手は、町場の業者や労働者。山村経営者にお金が落ちることはない”と、山村振興策の転換を要望。“このままでは、後数年で集落がなくなる。10年経たずして山村から人がいなくなる”との痛切な訴えがありました。深く胸に刻みました。

 わたしからは (1)格差拡大の小泉政治の転換 (2)食糧政策、国土・環境・景観保全の観点から農山村支援策などをすすめること。特に農林事業者への所得補償の必要性を強調し“小さな自治体だからこそ、行政と住民が相互協力し、創意工夫で打開していこう”と訴えました。

シンポジウム終了後、参加された方たちと歓談

 
No.61(2006年3月14日)
中古家電規制/ビンテージもの適用除外は運動の成果

 3月14日、PSE法に基づく中古家電販売規制について、二階経済産業大臣は(1)ビンテージものを対象外とすること (2)中古家電販売業者に対する負担軽減策 を発表しました。

 電気楽器などビンテージものを適用除外にしたことは“日本の文化を破壊する”という音楽関係者をはじめとした運動の成果です。ビンテージの範囲など、注視していきたい。

 中古家電販売業者への負担軽減策については、事業者の声を一部反映したものではあるものの、本当に実効性があるのか問われます。そもそも、PSE法では中古家電販売は想定外でした。無理矢理制度の枠内に押し込んだために生じた混乱です。

 あらためて中古家電の扱いについて、関係者の参加したルールづくりが、いまこそ必要ではないでしょうか。

 
No.60(2006年3月4日)
「中古品」はPSE法の“想定外”――経産省はなぜ無理を通すのか?

 PSE法問題の質問に、たくさんの激励・貴重なアドバイスをいただきありが乙ございます。

 「電気用品安全法関係法令集」「電気用品取締法関係法令集」のどこに、「中古品」の扱いが記載されているでしょうか、「答えてみよ」と追及しても、経済産業省は該当箇所を示すことができませんでした。

 これは、PSE法の体系がメーカーの製造及び販売にかかわる法律だからであり、中古品の扱いは、この法制度の枠の外、いわば“想定外”だからです。

 それならば、なぜ“想定外”の中古品の扱いについて無理矢理PSE法の枠の中に押し込め、中古電気用品販売業者や消費者に多大な迷惑をかけようとしているかが問題となります。

 経済産業省は“誰のために”“何のために”無理を通そうとするのか?“悪代官”とつるんでいる“越後屋”は、いったい誰なのか?

 引きつづき追及します。ご意見・情報提供をお待ちしています。

 
No.59(2006年2月16日)
通勤途中の野鳥観察と軍用機

 早朝の会議のない日は、自宅から駅まで徒歩通勤をしています。最近は、野鳥の観察が楽しみ。“ツツピー・ツツピー”とさえずりながら、枝だから枝へと飛び回るシジュウカラ。仲むつまじく、つがいで竹やぶから飛び出してきたメジロ。キツツキの仲間のコゲラは、樹幹をクチバシでつつくドラミングの音を林間に響かせていました。上を見上げることが多く、水たまりにはまったことも‥‥‥。

 一方、自宅周辺の空には、航空自衛隊入間基地や米軍横田基地に離発着する輸送機などの機影もありました。米軍の輸送機は戦場のイラクにまで、派遣されています。空自のU4他用途支援機は、すでに何度もイラクとの間を往復しています。日本の空は、戦場のイラクともつながっています。

 梅の花がほころびはじめました。すべての人に春が訪れることを願いながら、駅まで歩きます。

 
No.58(2006年2月13日)
全国中小業者決起大会(会場:九段会館)に出席して

 いまの世の中、まともに仕事をしていても商売が成り立たない、深刻な事態です。その上、免税点の引き下げで、零細業者への消費税課税が目前に迫るなど、さらに暮らしと営業が追い詰められようとしています。

 小泉内閣は、中小業者に心を寄せるどころか、来年度の中小企業対策予算は、金額でも一般歳出に占める割合でも、過去最低の1616億円(0.34%)に過ぎません。一方で、米軍基地再編のためには湯水のように税金をつぎ込む。沖縄の海兵隊部隊がグアムに移転する費用が9千億円。そのうち日本の負担が75%。中小企業予算の4年分を超えます。米国内に米軍基地を造る費用をなぜ日本が負担するのか。外国領土への施設建設を禁止している財政法を変更してまで米軍を思いやる‥‥‥。思いやる相手が間違っているのではないでしょうか。

 大企業が空前の高収益の一方、下請け中小企業は単価がたたかれるばかりで、その格差は拡大するばかり。大企業減税は温存し、中小業者に重税を強いる。それなのに、小泉首相は「格差が出るのは悪いこととは思っていない」と開き直る。こんなやり方は長続きするはずはありません。全国の中小業者のみなさんのたたかいに、大いに激励されました。

 
No.57(2006年1月31日)
宇都宮駐屯地に陸自緊急即応連隊配備の可能性

 1月31日付『毎日』報道によると、在日米軍再編に関する日米審議官級協議で、日本側が求めていた米軍相模総合補給廠(神奈川県相模市)への陸上自衛隊(緊急即応連隊)配備については、事実上見送る方針が固まったとのこと。地元の基地強化反対運動の反映です。

 来年度、新編する陸自中央即応集団傘下の部隊である緊急即応連隊の配備地は、当初、宇都宮駐屯地と報道されていました。しかし、『2+2』合意文書にもとづき、米軍第一軍司令部と陸自中央即応集団司令部を米軍キャンプ座間(神奈川県座間市、相模原市)に設置するとされていました。座間市や相模原市での市長を先頭にした反対運動のなかで、中央即応集団司令部は当面、朝霞駐屯地(埼玉県朝霞市、和光市新座市)に配置するとされ、さらに、緊急即応連隊配備地も変更されることになったわけです。その最優先候補地は、栃木県宇都宮の可能性大。

 神奈川のたたかいと連帯し、埼玉と栃木の基地強化反対の運動が発揮するときです。自衛隊の米軍一体化、海外派兵部隊化を許さないたたかいの正念場です。

2006年1月31日付『毎日』1面の記事
 
No.56(2006年1月26日)
陸上自衛隊朝霞駐屯地調査について

 遅ればせながら、昨年12月21日に実施した陸上自衛隊朝霞駐屯地調査について、二点報告します。

 一つは、『研究本部教訓センター』の教訓収集業務です。『研究本部』は、陸自の部隊運用について網羅的に研究する目的にしています。

 しかし、研究本部リーフレット(←クリックすると別ページが開きます)の組織図に掲載されている『教訓収集業務』は、【1】イラク人道復興支援教訓業務 【2】YS(ヤマサクラ)等主要演習等教訓業務 の二つだけ。(※“ヤマサクラ”とは、陸上自衛隊と米陸軍・海兵隊との共同演習の名称です)自衛隊の米軍との一体化・補完部隊化、そして海外派兵体制づくりが急速に進んでいくことを示すものです。

 もう一つは、25mという短い射程距離の『屋内式射撃場』の建設です。従来の射撃場の射程は100〜300m。「テロ・ゲリラ・特殊部隊による攻撃対処能力を向上させるための施設」を目的としています。米軍を参考にした全国初施設になります。自衛隊幹部が「正面にも横にも打てる射撃場」と説明しているように、市街地での戦闘を想定したもの。テロを口実に市街地戦闘訓練をすすめるものといえます。

 自衛隊の海外での武力行使に道をひらく、憲法9条2項の改訂をめざす自民党の憲法草案を見ても、「戦争できる日本」をめざす動きに強い危惧を覚えます。
 
No.55(2006年1月23日)
小泉首相の施政方針演説を聴いて

 1月20日、衆議院本会議で小泉首相最後の施政方針演説を聴いて感じたことが二つあります。

 一つは、『小泉構造改革』の破たんが明らかになってきたことです。演説では「小泉改革は、国民の理解と支持を得た」と自画自賛していますが、現実はどうでしょうか。例えば、ライブドア事件―――「人の心はお金で買える」と語る人物を『改革の旗手』として賞賛したのが小泉首相。金儲けのためならモラルさえ投げ捨てる『モラル無き資本主義』を助長してきたのは、株式分割や株式交換などの規制緩和路線でした。「自民党幹部による堀江氏の選挙応援と今回の事件は別」と開き直ることは許されません。

 もう一つは、大増税に踏み出そうとする意図を強く感じました。これまで小泉内閣は、国民への負担増を強いる『小さな政府』をスローガンとして掲げていましたが、今回の演説では「簡素で効率的な政府」という言葉に言い換えて、『小さな政府』という言葉を一回も使っていません。『小さな政府』とは、一般的に政府規模を小さくする、歳出減を手法とします。八ツ場ダムのようなムダ使いは温存し、福祉や医療・教育など国民向け予算を大幅に削減し、負担の押しつけをはかる物ではあっても、歳出規模の拡大となる増税をめざすものではありません。今回『小さな政府』という言葉を使わなかったことは、消費税増税に大きく踏み出すことを示していると思います。

 貧困と社会的格差が拡大しているときに、大儲けの大企業と高額所得者への減税はそのままにして、庶民増税だけ押しつける逆立ち政治は、放置できません。
 
No.54(2006年1月1日)
国民多数の声を結集するたたかいに全力

 新しい年を迎え、いかがお過ごしでしょうか。また、日頃のご支援・ご協力に敬意を表します。

 小泉自公政権は、先の総選挙で多数の議席を獲得したものの、かえって国民との矛盾は拡大しています。そのことは、総選挙で語らなかった庶民大増税・憲法改悪・基地強化の策動に対し、反対・抵抗する国民的な運動が大きく広がっていることにあらわれています。

 憲法九条改定・消費税増税・「構造改革」路線など、どれをみても自民・民主は同じ。こんな「オール与党」体制に抗して、国民多数の声を結集するたたかいに全力をあげる決意です。
 
No.53(2005年12月22日)
大型店の郊外出店規制へ経産審合同会議が提言

 経済産業省の審議会合同会議は22日、大型店の郊外出店への規制を都市計画法の制度改定により強化するよう提言する中間報告をまとめました。→「しんぶん赤旗」記事

 報告は「住みよいまちを」「大型店の身勝手な出退店をやめよ」という全国各地の商業者、住民らの運動や中小企業団体、地方自治体などの取り組みと世論が政府を動かした結果であり、乱開発の規制が必要だとの国民の要求を反映したものです。

 しかし、報告は「地域的な需給調整」を禁止した大店立地法の抜本改定には指1本触れていません。実効ある都市計画規制を含む「まちづくりルール」の確立は、今後のたたかいにかかっています。
 
No.52(2005年12月12日)
米軍所沢通信基地の機能強化に反対する世論を

 米軍所沢通信施設の敷地内に東西連絡道路建設計画がすすんでいます。市の中心部に米軍基地が居座って、まちづくりの障害となっており、東西連絡道路実現は市民の強い要求です。

 しかし、その要求を逆手にとる形で、政府と米軍は所沢通信施設の機能強化をはかろうとしています。米軍側は、東西連絡道路を建設するためには、中央部に位置する通信局舎やアンテナなどの移転新築が必要だというのです。

 日本平和委員会理事の平山武久氏は、米軍文書を元にして、米軍所沢通信施設が米大統領らによる各部隊などへの緊急行動メッセージ(EAM)を伝える通信機能の近代化計画『スコープ・コマンド』の対象になっていることを明らかにしました。

 所沢市長も「基地機能の強化は困る」といいます。核攻撃指令を含む通信機能を果たす所沢通信施設について、このほど所沢市は、防衛庁に対し事実関係を確認するため、照会文書を提出しました。参考資料として、平山氏の論文を取りあげた「しんぶん赤旗」記事を添付しています。

 基地の固定化につながる基地機能の強化に反対する世論と運動を大きく広げていくときです。


(12月14日付、埼玉新聞にも所沢通信基地のことが掲載されました↓)
埼玉新聞12月14日の記事
 
No.51(2005年11月30日)
『ストップ!八ツ場ダムの住民訴訟1周年の集会』に参加して

 11月27日、都内で開催された『ストップ!八ツ場ダムの住民訴訟1周年の集会』(主催:八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会)に参加しました。

 利水上も治水上も必要のないダムであり、地滑りの危険性や自然・生活環境破壊が危惧される“百害あって一利なし”の八ツ場ダム建設計画をストップさせるという取り組みが大きく広がっていることを実感しました。

 各都県の代表の活動報告も、「浸水想定区域」の現地検証(栃木)、地滑りが活発化している下久保ダム見学(埼玉)など、八ツ場ダムへの公費支出に問題があることを具体的に指摘するものであり、大変勉強になりました。

 わたしも、日本共産党を代表して、この間の活動についてあいさつをしました。

 
No.50(2005年11月13日)
百里基地での米軍機訓練移転許すな

 11月10日(木)、わたしは、大内久美子県議、梅沢田鶴子前小川町議らとともに、防衛庁に対し航空自衛隊百里基地(茨城県小川町)への米軍機の訓練移転計画の撤回を要求しました。

 沖縄県の米軍嘉手納基地のF15戦闘機の訓練移転候補地として、百里基地が対象となっていることがマスコミで報道されてから、地元小川町長も「訓練移転は受け入れられない」と表明するなど、反対運動が広がっています。

 大内県議と梅沢さんが計画の撤回を強く求めたのに対し、防衛庁の回答は「地元に負担のかからないような負担軽減策をおこなう」と無責任なものでした。

 わたしは、日米安全保障協議委員会『中間報告』の記述を示しながら「嘉手納基地だけでなく、三沢基地(青森県)・岩国基地(山口県)からの米軍機訓練移転もあるのか」とただしたのに対し、防衛庁は「その通り」と回答し、「岩国基地には墜落事故が相次ぐ『ハリアー』(垂直離着陸攻撃機)もある、『ハリアー』の訓練移転もあるのか」という、わたしの問いに対し「可能性としては排除されない」と答えました。

 今でさえ、大変な騒音被害の百里基地に、さらなる騒音被害と墜落事故の危険性を押しつける、米軍機の訓練移転は認められません。

 『中間報告』には、訓練移転の目的として (1)(日米間の)相互運用性の向上 (2)訓練活動の影響軽減 が、うたわれています。

 沖縄の“負担軽減”が主目的ではなく“訓練移転”を口実に自衛隊と米軍の一体化をすすめることが、大きな目標となっています。

 米軍嘉手納基地のF15戦闘機は、イラク空爆に参加している部隊です。この米軍と自衛隊の一体化の先にあるのは米軍の補完部隊としての海外での自衛隊の戦争参加です。「海外で戦争できる日本をめざす憲法改悪を許すな」というたたかいと一体に、米軍機の訓練移転反対の運動を大きく広げていくときです。

 
No.49(2005年11月2日)
特別国会を終えて

 11月1日、特別国会が終わりました。今国会では、国民の中では賛否が相半ばしていた「郵政民営化法案」について、衆院で一日半、参院で二日というわずかな審議時間で強行採決をおこないました。また、重い障害者ほど重い負担が強いられる「障害者自立支援法」をごり押しするなど、与党の“数のおごり”が浮き彫りとなりました。

 一方、民主党も“改革競争”といいながら、郵政民営化法案審議で、はっきりあらわれたように、“対案”さえ審議してもらえば審議時間は短くてもかまわないかのような国会運営となり、悪政を徹底追及してほしいという国民の声に耳を傾けませんでした。

 その中で、わが党は、総選挙で掲げた公約実現のために取り組んできました。公約違反の庶民増税の動きを厳しく批判し、志位委員長の「庶民には増税で、大儲けの大企業の減税はそのままでは筋が通らない。大企業減税を見直せ」という追及に、谷垣財務大臣も大企業向けIT投資減税の見直しを口にせざるを得なくなりました。

 私も、アスベスト問題を繰り返し取り上げ、廃業した中小企業の元労働者に対する健康診断の実施を要求し、厚生労働省から「廃業の場合、緊急措置として無料健康診断が実施できるようにする」という答弁を得るなど、くらしと健康をまもる立場から取り組んできました。

 前日の10月31日には内閣改造が行われ、靖国参拝論者の安倍氏が官房長官、麻生氏が外務大臣となり、これでは日本外交の行き詰まりはいっそう深刻になるだけです。

 「増税・改憲実現内閣」「小泉イエスマン内閣」には、未来はありません。

 
No.48(2005年10月27日)
NHK決算審議で明らかになったこと

 10月21日、NHKの決算審議が行われました。いまNHKの放送の自主自律のあり方が具体的に問われています。その一つが「ETV2001 問われる戦時性暴力」番組改変問題です。

 NHKは、「誤解を払拭する」ために、といって「ETV2001」番組をめぐる裁判の控訴審で関係者の意見陳述をおこない、またHP上に「編集過程を含めた事実関係の詳細」を明らかにしていますが、そのNHKの提出した資料からも、自民党政治家の番組内容への介入や政治家に対するNHK側の過剰反応が浮き彫りになっています。

@国会担当局長が、番組放送の直前に政府与党の政治家と面会をし、番組内容について意見を聞いてきた。その直後、国会担当局長が試写の行われた場に同席し、番組編集に関係ない立場なのに、番組内容について意見を述べていた。

A総局長や番組編成局長という番組編集の責任者がいるのに、その人たちを差し置いて、番組内容の変更箇所について、現場責任者に伝えたのが国会担当局長だった。その結果、番組内容が大幅に改変された。その内容は「若手議員の会」の主張と重なるものだった。

B3回にわたって、国会担当局長が番組改変の場に立ち会っている。

 これはNHK側の明らかにしている事実経過です。これを見ても、「政治的圧力はなかった」「番組はあくまで自主編集だ」というNHKの主張には説得力がありません。

 NHKは,受信料不払い督促導入という議論の前に「個別番組の内容に関して政治家への事前説明は行わない」といった、放送の独立を明確にした具体的取り組みこそ求められています。

 
No.47(2005年9月26日)
所信表明演説を聞いて

 9月26日、小泉首相の所信表明演説を聞きました。400字詰原稿用紙8枚程度の演説に、22回も「改革」という言葉が踊る以外は、“郵政民営化について与党は国民の信任を得た”ということを述べているだけ。不安定雇用の拡大といった深刻な雇用問題などには、一言も触れていません。

 郵政民営化についても、自公の候補者(ホリエモンを含めて)の得票率は49%、「国民投票」なら与党の敗北という結果であり、国民は「信任」を与えていません。また、「従来免除されていた法人税等の支払い」により「財政再建にも貢献」するなどと述べていますが、郵政公社ももうけの5割を国庫に納付することになっていることは小泉首相は先刻承知のはず。いまだに肝心の事実を国民に語らず、ごり押ししようなどとは許せません。

  「改革」の実績として唯一あげているのが不良債権処理。中小企業への貸し渋り・貸しはがし、倒産・廃業をまねいたのが、大銀行による不良債権処理だったことを見ても明らかなように、小泉「改革」とは財界要求にまっすぐこたえることを意味している言葉。改革というなら真っ先におこなうべき「政治とカネ」の問題について、全く語っていないことに、財界ヒモツキの小泉政治の実態が現れています。結びの言葉で「政治は国民全体のものであり、一部の既得権益を守るものであってはならない」と言いますが、財界直結政治には手をつけないというのでは、全くの空論でしかありません。

 総選挙で大きな問題となった改憲や増税については語っていません。国民は白紙委任していないということを小泉首相は銘記すべきです。

 
No.46(2005年9月21日)
特別国会はじまる

 9月21日から特別国会が始まりました(11月1日までの42日間)。

 民意を反映していない巨大与党に対し、国民と力合わせて正面から対決する『たしかな野党 日本共産党』の9人の衆院議員の一人として、全力をつくします。

 担当委員会は、前期に引きつづき、経済産業委員会、総務委員会、郵政特別委員会となります。

 焦点となる郵政民営化法案について、「総選挙で国民の多数が支持した」と小泉首相は言いますが、自・公の候補者の得票率は49%にすぎません。国民投票というなら、敗北のはず。

 しかも、小泉自民党は、郵政民営化の是非を総選挙の唯一の争点に仕上げながら、郵政事業に税金が一円も使われていないことや、公社のままでも税金の五割を国庫に納めるという事実を隠し通しました。フェアではありません。

 私は、日米の大銀行・生保業界のもうけのために国民サービスを犠牲にする法案の本質を明らかにする論戦の先頭に立つ決意です。

 
No.45(2005年9月13日)
総選挙をたたかって
(「しんぶん赤旗」のインタビューにこたえました)


 今度の選挙は、党支持者・後援会員・党員のみなさん、比例区・小選挙区の候補者のみなさんと一体感を持って、北関東の議席の実績と結びついて党の値打ちを語れる選挙でした。

 街頭に立って訴える中で、小泉内閣の4年間がもたらした、くらし破壊の被害を有権者の方々から聞きました。1週間前にリストラされたという55歳の男性は「今の政治は働く人に冷たい」、60代の女性は「息子がリストラされて、ハローワークに通っているが、仕事がない。アルバイトでは食べていけない」と話されました。

 年金・介護をはじめとする老後の不安にしっかりとこたえ悪政に対決する政党を求め、日本共産党への期待を強く感じました。

 日本共産党が、国民の立場に立って、一貫して郵政民営化に反対してたたかったことが地歩を固めたと思っています。日本共産党が議席を維持し、健闘したのは国民の期待の表れです。一方、民主党は郵政民営化でも態度が変わるなど、ふたしかな党だということでしょう。

 今回、四国ブロックと並んで北関東ブロックは、得票数とともに得票率ものばし、2議席への足がかりができました。

 特別国会では、郵政民営化の矛盾を正面から追及する論戦を進めていきたい。庶民大増税と憲法改悪を許さない草の根の取り組みも広げたい。また、選挙中に寄せられた要望を含め、公約実現に力を尽くしたいと思います。

 党の自力をつけるために党勢拡大の先頭に立って奮闘していきたいと思います。

 夏休みに遊びに連れて行くと約束した娘たちへの「公約」も、1ヶ月遅れとなりますが、国会が始まる前に果たさないといけませんね。

 
No.44(2005年8月27日)
 今度の総選挙は、小泉「改革」への審判の機会です

 今度の総選挙は郵政民営化をはじめとした、国民に「痛み」を押しつける、小泉「改革」への審判の機会です。

 小泉内閣の4年間は、雇用破壊に加えて、医療・年金介護保険など、社会保障の大改悪の連続でした。今年の国会の介護保険法改悪では、ホテルコスト徴収による負担増や役に立っている家事援助を介護保険サービスから切り捨てられてしまいます。この改悪に、自民・公明が推進しただけではなく、民主党も賛成の立場をとりました。

 「政権準備政党」という民主党は、すでに悪政推進の実績は、政権入りを果たしています。自公民の各党は、国民には“自立自助”を求め「国を頼るな、自分の足で立て」といいます。それなのに自分たちは多額の税金である政党助成金をガッポリ受け取っているではありませんか。自民党154億円、公明党29億円、民主党は党財政の8割以上を占める97億円を受け取っています。(2003年1年間で)

 こんな税金頼みで党を運営している政党に、国民に“自立自助”を押しつける資格はありません。福祉を語る資格なし。悪政にきっぱり対決できる、“たしかな野党”が必要です。

 庶民大増税反対、憲法9条守りぬく、日本共産党を大きく躍進させてください。
 
No.43(2005年8月10日付・「しんぶん赤旗」北関東版掲載)
 原爆告発した教授/平和守る党とともに――戦後60年に思う

 東京都立大学の自治会委員長をしていた大学2年生の夏休み前、学内で平和集会を開きました。ゲーテを敬愛するドイツ語の教授が、広島での被爆体験を語りました。累々と横たわる死体、水を求め逃げまどう人々の姿を目の当たりにしたといいます。とりわけ強烈で忘れられない光景について先生は「死体の頭部から脳みそがあらわになり、ぷるぷるとふるえていて、まるで豆腐のように白かった。人間の尊厳を奪い、人間が人間らしくあることを否定する原爆が憎い」と話され、構内はシーンと静まり返りました。

 このとき感じた「戦争を2度と繰り返してはいけない」との強い思いが私の平和の原点となっています。

 中学、高校のときから社会問題に関心を持ち、世界の飢餓や貧困に胸を痛めていました。しかし、自分ひとりではどうにもならず答えが見つけられずにいました。

答えてくれたのは
 大学入学時、核兵器を搭載したアメリカの航空母艦ミッドウェーの寄港が大問題になっていました。唯一の被爆国であり、核の持ち込みを禁止する「非核三原則」を持つ日本でなぜこんなことが行われるのだろうか、怒りが列島を包んでいました。

 疑問に答えてくれたのは大学の民青同盟と日本共産党の先輩たちでした。問題の根本にある日米安保条約を廃棄し、非同盟・中立の立場でアジアとの友好を築く平和への道筋は、私にとって新鮮なおどろきでした。「戦争したがっている勢力がいる以上、平和を守る運動が必要。一歩踏み出せば、同じ思いの仲間がたくさんいる」と呼びかけられ、十九歳で入党しました。

 現在の平和の問題でいえば、米軍再編と自衛隊の海外派兵部隊化が一体ですすんでいます。北関東エリアでは、輸送部隊の航空自衛隊入間基地の米軍との共同使用化がささやかれています。東京・横田基地に航空自衛隊司令部が置かれる動きと連動したものといいます。国内に関してはすでに、自衛隊が米軍物資を輸送しています。海外でも米軍の武器、弾薬を運べるようになる地ならしといえます。

出撃基地にさせぬ
 また、朝霞駐屯地にテロ対応を名目とした、海外派兵のための中央即応集団司令部を新しく設置し、宇都宮駐屯地に緊急即応連隊を配備するとしています。

 もし憲法九条が改悪されれば、北関東地域が海外派兵の出撃基地となりかねません。

 しかし一方で今、「九条の会」が全国で生まれ、「憲法九条を守れ」の運動が広がっています。

 郵政民営化をめぐる自民党政治のゆきづまりは外交、平和問題においても同様です。来る総選挙で野党らしい野党である日本共産党を伸ばしていきたい。
 
No.42(2005年8月9日)
 解散、総選挙にあたって

 「百害あって一利なし」の郵政民営化法案をついに廃案に追い込みました。この法案が郵便局を減らし手数料引上げなど小口の貯金を排除するなど金融弱者を生み出すものであり、そのねらいは庶民の安心安全の340兆円の資金を日米金融資本の食い物にするものだということを一貫して追及してきた私として、これほどうれしいことはありません。小泉政治にたいする国民のたたかいの勝利です。

 同時に、小泉首相が衆議院を解散した以上、くらしを破壊し、平和を破壊してきた小泉自公政治にたいし、きっぱりとした審判を下しましょう。また、有事法制、介護保険法改悪など悪法に賛成してきた民主党は、自民党政治の枠内の“与党予備政党”でしかありません。

 庶民大増税反対、憲法9条改悪反対の願いを日本共産党へ。野党らしい野党、日本共産党の躍進でくらしと平和を守ろうではありませんか。
 
No.41(2005年7月22日)
 アスベスト調査

 アスベスト(石綿)被害が深刻です。北関東4県でアスベストによる死亡者の最も多い(死亡16名・療養中8名)施設が太平洋セメント秩父工場(旧秩父セメント)。7月21日、現地調査をおこないました。

 労働基準監督署や県環境管理事務所への聞き取りで、実態調査の不十分さが判明。太平洋セメント秩父工場についても、下請労働者や近隣住民への健康被害の把握は行われていません。アスベストを製品の原料としている製造工場(または販売所)の健康被害調査はあっても、断熱材や絶縁体としてアスベストを使用していた事業所の実態調査は全く行われていません。

 じん肺根絶と被害者救済に取り組んでいる農村労組からは、リアルな健康被害が告発されました。断熱材としてアスベストを使用していた羊毛加工機の操作で、アスベストを吸入して健康被害を訴える労働者の話や、戦争中に、秩父駅周辺にあったという旧秩父セメントのアスベスト製造工場に従事していた労働者が石綿肺症となっていたことなど。

 また、アスベスト製品の9割は建材。建築作業者のアスベスト被害も深刻です。

 健康被害を放置してきた国と企業の責任が問われます。
 
No.40(2005年7月20日)
 小水力発電/日本の風土や生活になじんだ自然エネルギー

 7月16日、小水力利用推進協議会(会長:大原一三元農水大臣)の設立総会が開かれ、呼びかけ人の一人として出席しました。ダムなどを伴わない小水力発電などの普及をめざす団体です。

 わたしの生まれた埼玉県日高市では、戦前まで高麗川流域に約40の水車がありました。製粉などの動力として活用された水力は、日本の風土や生活になじんだ自然エネルギーです。

 残念ながら、今の日本では、風力・太陽光・バイオマスの発電に比べて、小水力発電の位置づけが低いのです。

 5月に、経済産業委員会で小水力発電についての質問を行い、政府に対し普及・促進を求めました。核燃料サイクル・原発推進などエネルギー政策では全く見解の異なる中川経産大臣も、この小水力発電については、わたしと意見が一致しました。

 自然エネルギーの導入へ、目標を大幅に引き上げなどの抜本策(政府は及び腰ですが‥‥)が肝心です。
 
No.39(2005年7月7日)
 郵政民営化は「百害あって一利なし」

 小泉首相の持論であり、一枚看板となっている郵政民営化法案は、衆議院をわずか5票差という僅差で可決された。

 多数の自民党議員が反対票を投じたことをみても、いかに郵政民営化法案が身内の支持も得られない小泉首相の“独り善がり”の法案であるかを示している。なにより否決まであとわずかとなった一番の要因は、この法案が国民にとって「百害あって一利なし」の悪法だということが、国会論戦などを通じて、国民の前に広く明らかにされてきたからである。

 私は、衆議院郵政民営化特別委員会の理事会運営に参加し、衆議院通過までの論戦に自らも関わってきたものとして、そのことを実感している。

 郵便局は、郵便・郵便貯金・簡易保険の三事業を一体で経営することで、国民にとって基礎的な通信・金融サービスを提供してきた。毎年黒字経営で、職員の給与もすべて自前でまかなっている。経済誌のアンケート調査でも、身近で便利な金融機関としていつもトップクラスの支持を得ている。この郵便局をなぜ民営化しなければならないのか、まともな説明ができないでいるのが小泉首相である。

 小泉首相は、「民間にできることは民間に」というが、民間にできないことをやってきたのが郵便局である。郵便貯金事業で考えてみよう。民間金融機関は過去6年間で2割も店舗を減らしているが、郵便局は全国に2万5千箇所、小学校と同じ数だけ配置されており、基本的にその数を維持している。歩いていける距離にある郵便局はなくてはならない金融窓口として活用されている。

 また、郵便局では少額の貯金を守ることを目的としているため、口座維持手数料やATM引出し手数料は無料を維持している。一方、民間銀行では、口座残高が50万円未満になると、月に2100円の口座維持手数料をとるところもある。四大メガバンクでは、過去三年間で全ての銀行が、無料だった土曜日昼間のATM引出し手数料を有料(105円)にしている。郵便局があるがゆえに、これ以上の手数料値上げを抑止する効果があるのではないか。

 結局、収益向上、利潤追求の民間銀行では、もうからなければ国民サービスの後退もやむなしということになる。だからこそ、公共性を目的とした郵便局が必要となってくる。そのときに、郵政民営化をすすめるなど論外だ。

 郵便局・郵政公社の公共性を規定しているのが、郵便貯金法や日本郵政公社法等である。郵便貯金法の第1条では「この法律は、郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進すること目的とする」と規定している。営利目的の民間銀行に対し、くらしの安定と福祉の増進を目的にしているのが郵便局である。ここに、身近で便利な郵便局の値打ちの根源がある。

 しかし、郵政民営化法案では、この郵便貯金法を廃止して、郵便貯金を一般の銀行に変えてしまうというものである。これでは、郵政公社の下で国が保証してきた国民サービスが後退することは必至である。

 “日本のような郵便貯金サービスは、世界に例がないからやめてしまおう”と小泉首相はいう。しかし、世界で、民間任せになっている国はどうなっているか。郵便貯金を廃止したアメリカでは、低所得層の38%が普通預金口座を持っていない。イギリスでは、五世帯に一世帯が普通預金口座を持っていないといわれている。金融排除といわれる基礎的金融サービスを受けられない国民の増大が社会問題となっている。だからこそ、年金受け取りや仕送りなどの口座を開設するという金融の基礎的サービスを受けることを基本的権利とする考え方が広がり、フランスの銀行口座権、スエーデンのキャッシュサービス法といった制度が生まれ始めている。

 急速に高齢化に向かう日本で、現に機能している郵便局のユニバーサルサービス(全国一律サービス)を解体する郵政民営化が、世界の流れにも、時代の流れにも逆行することは明らかだ。

 郵政民営化法案は、きっぱりと廃案にすべきである。
 
No.38(2005年3月18日)
 八ツ場ダム計画――国は住民の声を聞け

 群馬県の吾妻川流域に計画中の八ツ場ダムは、一昨年事業費が2110億円から4600億円へと一挙に2倍以上にふくらみ、全国で建設・計画中の210ダムのうち最も『お値段の高い』ダムになりました。いわば大型公共事業のシンボルになり『むだなダムはやめよ』という市民運動も大きく広がっています。

 いま全国的に水余りの時代となり、需要に応じて水資源開発計画を作り変えなければいけません。それなのに、利根川水系の新たな水資源開発基本計画(フルプラン)はいまだできていません。また、また、1997年の改正河川法では、環境保全を目的に加え、計画段階からの住民参加手法を強めたことが特徴ですが、専門家、住民の声を反映させる「河川整備計画」もいまだつくられていません。

 法改正で『住民の声を聞く』ことになったのに、それもおこなわず、昔のままの計画で事業が進んでいく、これでは納得できません。2月25日の予算委員会分科会での私の質問に対し、北側国土交通大臣は「(河川整備計動こついて)できるだけ早期に策定したい」と答弁しましたが、すでに法改止から8年が経っています。国の制度に照らしても、いまこそ立ち止まって事業のあり方の根本から検討をおこなうべきではないでしょうか。

 利水、治水の両面で目的が破たんした八ツ場ダム計画をこれ以上進めさせるわけにはいきません。
 
No.37(2005年2月27日)
 郵政公社、サービス残業32億円支払い

 2月24日付日本経済新聞に『サービス残業 郵政公社、32億円支払い』という見出しの記事が出ました。2月22日の衆院総務委員会での私の質問を紹介したものです。約5万・7千人に支給されたという規模は、事業者が一度に未払い賃金を支払う対象者数としては過去最多といいます。

2月24日付日本経済新聞の記事

 1年がかりで、郵政公社の労働現場を調査し、多くの職員の方から貴重な情報を寄せてもらったことが、今回の成果につながりました。

 中国地方の特定郵便局に勤めている職員の方からメールをいただきました。「塩川議員が国会で不払い残業問題をとりあげたことにより、全国一斉の勤務時間実態調査がおこなわれ、少ないながらも、一部の残業代が支払われました」「今まで選挙で共産党に入れたことはなかったのですが、次は投票します」たいへんうれしい激励の言葉でした。

 同時に、この職員の方も述べていましたが、今回のサービス残業代支払いは“氷山の一角”です。無法な犯罪行為がまかり通ることがないように、健全な経営が行われるように、引き続き取り組んでいきます。
 
No.36(2005年1月24日)
 30分間のリフレッシュ

 万歩計を持つようになってから3ヶ月。年末年始の国会閉会中は、車での移動の多い日々ですが、いよいよ通常国会もはじまると国会までの電車通勤の生活。朝の時間に余裕がある日は、自宅から西武鉄道新所沢駅まで歩いていきます。

 江戸時代に開墾された三富新田の西の縁、広い畑と所々に屋敷林と雑木林が広がります。その木々の合間から、雪をいただいた武甲山、大岳山などの秩父、奥多摩の山々が見渡せます。そして真っ白な富士の姿。

 足元を見れば、畑に霜柱。雑木林から落ちてきたドングリを頭に載せて、銀色の柱が何本も立ち上がっています。まるで室で栽培しているモヤシのようです。

 駅近くの住宅街を抜けて、改札口をくぐって万歩計を見ると“3800歩”。30分間のリフレッシュの時間です。
 
No.35(2005年1月1日)
 憲法9条の平和外交掲げ
  今年も意気高く取り組みます


 新しい年を迎え、いかがお過ごしでしょうか。今年は戦後60年、被爆60年目です。

 自衛隊を「海外派兵隊」にする新防衛計画大綱や在日米軍再編強化の動きの中、朝霞駐屯地や宇都宮駐屯地など北関東は、「海外出撃基地」化されようとしています。戦争の違法化を掲げた国連60年の今年だからこそ、憲法9条の平和外交掲げ、「戦争のない世界」の実現めざして意気高く取り組んでいきます。

 新潟県中越大震災をはじめとした被災者支援に全力をあげます。昨年は、現地調査を踏まえ「自宅の庭先に仮設住宅を」の提案が実現。住宅本体も支援金の対象となるよう被災者生活再建支援法の抜本改正を求めていきたいと思います。

 来年度以降、計画されている所得税などの定率減税廃止を加えると、小泉内閣になってからの国民負担増は10兆円。さらに消費税の2ケタ増税計画。9兆円の負担増で景気回復の芽をつぶした橋本内閣の経済失政を上回るものです。大増税路線に断固反対し、中小企業支援と庶民の懐を暖める経済政策への転換で、日本経済の立て直しをめざします。ムダな八ツ場(やんば)ダム中止のために市民運動と力あわせてがんばります。

 「二大政党」が悪政を競い合っていても、政治を動かすのは草の根の国民の世論と運動の力です。国政選挙で新たな前進めざし、強く大きな日本共産党をつくるために皆さんの大きなご支援をお願いします。
 
No.34(2004年11月21日)
 民営化は郵便局網を壊す

――しんぶん「赤旗」日曜版のインタビューに答えて――

 郵便や郵便貯金、簡易保険は、国民生活に不可欠な基礎的なサービスであり、これをすべての国民に保障することは、国の責務です。これは、郵便法などの現行法で定められていることです。

 これにたいし、小泉首相が掲げる郵政民営化は、郵政事業を「邪魔だ」「廃止せよ」と叫ぶ民間大企業、とりわけ、銀行業界や保険業界の要求を出発点にして、金融業界の利益追求のために郵貯・簡保の廃止・縮小をめざすものです。

 これは、郵便局の統廃合を招き、いつでもどこでもすべての国民が享受できる基礎的なサービスを切り捨てるものであり、私たちは、きっぱりと反対しています。
 私はこの夏、衆院総務委員会の一員として、「郵政民営化の成功例」といわれているドイツを視察してきました。

 ドイツでは、3万あった郵便局が民営化で1万2千へと激減しています。そのため、国民的な批判を受け、それ以上、減少しないよう法律で歯止めをかけたうえに、一度は分割した郵貯と郵便を再統合しました。

 小泉首相の「郵政民営化の基本方針」は、ドイツ方式そのもので、その破たんは実例をもって示されているのです。

 また、いまの日本郵政公社法では現行店舗網を維持するという義務付け規定がありますが、政府は、それをはずしてしまうという。すべての郵便局で郵貯などの金融サービスをしなくてもいいという。そうなれば、ますます、採算のとれない地域の店舗数は減り、郵便局のネットワークはずたずたにされます。

 実際、この5年間に、民間金融機関の店舗は過疎地で17・9%も減っています。そういう点でも、民営化は百害あって一利なしです。

 改革というなら、自民党による特定郵便局長の集票マシーン化や、「郵政ファミリー」とよばれる天下りの実態こそ、厳しく追及されなければなりません。
 
No.33(2004年11月12日)
 被災者の暮らしを支え、政治を変える力に

 “60軒のうち20軒が倒壊”。建物被害が集中した「激震ゾーン」の1つといわれる魚沼市(旧堀之内町)新道島地区。私は新潟県中越地震の直後、被災地に入り、被害の大きさに愕然としました。路上の焚き火で暖をとりながら、余震がおさまるのを待つ被災者に声をかけたとき、10年前、日本共産党のボランティアの1人として、阪神淡路大震災の被災地である神戸市須磨区で被災者宅の訪問活動に取り組んだときのことを思い出しました。

‥‥‥瓦礫となった自宅の前で年配の男性の方が「仮設住宅は地下鉄で4駅も先のニュータウンの公園。知り合いもいない。この土地は私のものだから、同じお金をかけるなら、この瓦礫を除いて、ここに仮設住宅を建ててもらえないか」‥‥‥‥。

 たたちに国会で質問。仮設住宅の設置場所については、地域コミュニティーを重視することが重要だとして「自宅の庭先への建設も検討すべきだ」と要求。政府は「設置場所の選定は、市町村、県からの申し出があれば相談する」と答弁。

 この答弁を使って、魚沼市(旧広神村)の覚張市議が旧広神村対策本部に働きかけた結果、集落ごとの希望にそった仮設住宅建設が進み、被災者から歓迎されています。

 さらに新潟県が、被災者が壊れた自宅を修理する間、希望者に対して自宅敷地内や住宅近くに公費でユニットハウス等を設置することを決め、すでに数100件の要望があるそうです。

 今も現地では、たくさんの日本共産党のボランティアが奮闘しています。その1つひとつの活動が被災者の暮らしを支え、さらに政治を変える力につながっていると思います。

No.32(2004年10月18日)
 あまりにも貧困な体制――児童虐待問題

 栃木県小山市の幼い兄弟の虐待死。「なんとかならなかったのか」と思わざるを得ません。小林美恵子参院議員らとともに、栃木県南児童相談所を訪ねました。

 同居人から虐待があったので、かつて一時保護したことがあったにもかかわらず、再び暴力があったときには一時保護しませんでした。電話だけの対応で、家庭訪問をしていないなど、児童相談所の対応に問題があったことは明らかです。

 同時に、深刻な児童虐待問題に対応するには、あまりにも貧困な体制に憤りを感じました。栃木県では、極めて低い国の児童福祉士設置基準(人口6・8万人に1人。英国は6千人に1人)29名に照らしても4名の不足。職員は膨大な相談件数を抱え、年間300〜500時間もの残業で、適切な対処を欠く要因となり、専門性向上の時間的余裕も奪っていました。また、一時保護所(定員16名)は、いつも満杯状態で、緊急の保護が必要だと判断しても、施設のことを考えると躊躇せざるをえないところにも、今回の事件につながる背景がありました。この体制と人員の強化は、政治の責任です。

 国政での党国会議員団の取り組みとともに、北関東各県での党県議団の奮闘は、専門職員の増員や児童相談所、一時保護所の増設の大きな力となってきました。この9月議会でも、群馬県では早川県議の“児童相談所増設を”という要求に、県は「北毛につくるという考え方もある」と増設への前向きの答弁をおこなっています。

 2人の兄弟のことを想い、被害現場の思川で花を手向けました。

No.31(2004年10月13日)
 小泉首相の所信表明演説を聞いて

 10月12日開会の臨時国会。冒頭、小泉首相の所信表明演説は、国民に語るべき言葉が全く欠落したものでした。

 「政治とカネ」の問題では、橋本派の1億円闇献金問題や自民党本部を通じた迂回献金問題など、小泉首相自身が自ら責任が問われる事件を“政治家は人々の模範たれ”という孔子の言葉を引用して、“一人ひとりが襟を正そう”とまるで人事のような話にすりかえる。

 「大量破壊兵器はなかった」と米国自身が認めたのに、自らさんざん語ってきた“イラク戦争の大義”については一言も触れない。

 国民の最大の関心事であり、世論調査でも7割が“やり直せ”といっている年金問題については、やり直しは棚に上げ、自民、民主、公明の三党合意をふまえ、消費税増税のレールを敷くよう民主に協議を呼びかけるといったものです。

 そして、国民にとって最優先課題にはほど遠い郵政民営化問題を「改革の本丸」と位置付ける。でも郵便局の縮小廃止など、郵政民営化によるデメリットは語らず、自民党による郵政事業の私物化にはまるでメスを入れない。

 演説の最後、高校野球やオリンピックを引用して、「『やればできる』は、魔法の合言葉」と唱えても、国民に語るべき言葉をもたない。

 “呪文”にはもう誰も耳を傾けないでしょう。

No.30(2004年10月6日)
 憲法9条の値打ち

 いま“憲法は古くなった”“積極的な国際貢献には憲法の枠組みを変える必要がある”といった声が、与党や民主党から聞こえてきます。ほんとうにそうでしょうか。

 私は、国内政治において、憲法9条が「戦争する国」への歯止めとなってきただけでなく、「武器輸出三原則」「非核三原則」を生み出すことで、アジアをはじめとした世界の国々から信頼を寄せられてきたと思います。

 また、憲法9条は、国際社会の平和構築においても積極的役割を果たしました。たとえば、今年の5月、衆院憲法調査会の中央公聴会で意見陳述をおこなった猪口邦子・元国連軍縮会議議長は「憲法9条は、戦禍に苦悩した歴史を真剣に受け止めるという国民の真摯な生き方及び国家の賢明な選択を伝えるものとして、世界で特別な評価を獲得するに至っている」と述べています。そして、毎年50万人もの死者を出している小型兵器の軍縮をめざす条約を猪口氏が取りまとめた際にも「日本の主張は特別なので国際社会で誠意を持って聞かなければならないといった特別の思いが各国の側にある」から困難な条約をまとめられたと語っています。「武器輸出三原則」のある日本への信頼が、あったからこそではないでしょうか。

 さらに、将来に向かっても、憲法9条は値打ちを発揮していくでしょう。“大量破壊兵器はなかった”と自ら認めざるを得ないブッシュ政権の無法なイラク戦争は、テロをなくすどころか、かえってあらたなテロを生み出し、暴力の悪循環に陥っています。そのときだからこそ、紛争を解決するためには暴力、武力以外のあらゆる手立てで平和構築を目指すという憲法9条の値打ちが光り輝いているのではないでしょうか。

 「戦争のない世界をめざす」という憲法9条の理想を現実のものにすることにこそ、政治が全力をあげるときです。

No.29(2004年10月1日)
 プロ野球選手会のストに思う

 プロ野球選手会労組のストライキは、多くの人の共感を得ました。NHK世論調査(9/20・21)でも、スト支持が78%(不支持12%)にのぼっています。ストを支持する理由は「球団が誠実に答えていない」が4割、「球団が将来展望していない」が4割。“選手とファンを無視してプロ野球は成り立たない”ということを示しました。

 “たかが選手が”というあるオーナーの発言が反感を買いましたが、誰もが自分の身に置き換えて考えたのではないでしょうか。“たかがサラリーマンが”“たかがアルバイトが”“たかが失業者が”と、職場で汲々としていたり、職場からはじき出された人たちが、働く人を、宣伝の道具、もうけの道具としか見ない大企業の身勝手なリストラへの怒りと重ね合わせて、ストを支持しました。

 大企業の「リストラ増益」(奥田経団連会長)が、サラリーマンの所得減をもたらしていることは、政府統計からも明らかです。財務省の「法人企業統計調査」を見ると、01年と03年の4〜6月期を比較すると、企業の人件費は2兆四千億円減の一方、経常利益は2兆4700億円増。企業の利益増と人件費減がピタリ一致します。

 こういう現状こそ、是正することが政治の仕事なのに、小泉内閣がやってきたことは、大企業がリストラ計画を作ると、その企業に減税してあげるという「産業再生法」の使い勝手をさらに良くすることでした。この3年間、274社がリストラ計画を政府に提出し、その人減らしの数は9万4千人、受けた減税の金額はあわせて870億円にものぼります。1人のリストラに対し92万円の減税となります。これが身勝手なリストラをあおるものとなっているのは明らかです。民主党も産業再生法改悪に賛成しました。

 働くものの団結への連帯を示したプロ野球選手会労組のストライキ。今こそ、働くものが力を合わせるときです。

No.28(2004年9月23日)
 米軍基地と思いやり予算

 8月13日の沖縄米軍ヘリ墜落事故。大学の構内に墜落し、人家にも被害を与えたにもかかわらず、警察も消防も現場検証できないありさまでした。

 米海兵隊副司令官は、墜落といわず「緊急着陸」だと開き直り、在日米軍司令官は「被害を最小に食い止めようとした」「人のいないところに行った」その対応を「素晴らしい」と米軍兵士を賞賛する、“植民地と同じだ”という声があがるのも当然です。

 宜野湾市長は「まるで原野に落ちたかのようなコメントだ」「小泉首相も夏休みを取ったまま、コメントも出さない」と厳しく批判しています。しかし、政府と米軍は今回の事故を奇貨として、地元が大反対の名護沖の海上基地建設を強行しようとしています。その財源は日本政府の予算、つまり国民の税金で建設するものです。

 同じような問題は、埼玉でも起こっています。私が住んでいる所沢市の米軍所沢通信基地では、8月31日、非常用電源用の燃料がドラム缶400本分も漏れ出しました。それなのに、所沢消防本部は米軍横田基地から担当者が来るまで現場に入れない始末。米軍は、地位協定上、日本の消防法の適用を受けません。その所沢通信施設の光熱水費は思いやり予算で支払われており、過去13年間で2億8千万円にものぼります。

 一方、在日米軍基地再編問題が浮上。海兵隊第3海兵遠征軍(沖縄)、空母第7艦隊司令部(横須賀)、第5空軍司令部(横田)に加えて、米陸軍第一軍団司令部をワシントン州からキャンプ座間に。日本を米軍の海外における最大の「司令塔」に。米4軍のすべての前方作戦司令部が日本に集中することに。

 また、航空自衛隊の司令部を米軍横田基地内に置くといいます。まさに対米従属の軍隊、自衛隊を象徴するようです。

 その米軍に毎年2400億円を超える思いやり予算。その思いやり予算が米軍が居座る、最大の理由となっています。“国民の税金を米軍引止めに使うな”この声を上げていくときです。

No.27(2004年9月17日)
 関電美浜原発事故とNHK不祥事事件の共通点

 8月9日の夕方、家族で旅行中の私の携帯電話に「関西電力美浜原発の事故で死傷者」という一報が入りました。急遽、福井県の現地へと調査に向かいました(家族のみなさん、ごめんなさい)。原発での死亡事故は初めてのこと。調査によって原発の老朽化とともに、コスト優先の経営体質が浮き彫りになりました。

 「丸投げしていたと言われればそのとおり」。8月31日の経済産業委員会で「自ら行うべき配管点検管理業務を下請事業者に丸投げしていたことが事故の要因ではないか」という私の質問への藤洋作関電社長の答弁です。プラント・メーカーの三菱重工業が、おこなっていた配管点検管理業務を子会社の日本アームに切り替えて、コスト削減を図ろうとしたことが事故の原因の一つといえます。

 死傷者の出た木内計測も関電の下請事業者。今回の事故と何のかかわりもない下請け会社の社員が犠牲になったのも“一日止めれば一億円の損失”といわれる原発の定期点検(原発を停止して実施)を短縮するために、原発停止前に点検準備作業をおこなわせていたからです。コスト削減が、生命と安全を削る結果となりました。

 また、9月9日の衆院総務委員会で追及したNHK職員の受信料使い込み事件も、下請プロダクションに不正な請求書を出させてキックバックさせていたものであり、放送業界において弱い立場の下請事業者にたいする不公正取引、優越的地位の濫用がまかり通っていることが背景にあります。

 大企業(親事業者)と中小企業(下請事業者)の間には力の格差が歴然としてあり、だからこそこれを是正するために独占禁止法やその個別法である下請代金法などがあります。日本経済の柱は500万の中小企業であり、雇用の8割を中小企業が支えています。地域経済の要でもあります。大企業には、その力にふさわしく社会的責任を果たしてもらうとともに、中小企業発展のために力を尽くすことが私のライフワークです。

No.26(2004年8月17日)
 「8月に思う」

 「一面の焼け野原の中に、脳みそが白い豆腐のようにふるえていた。人間が人間として存在することを許さない、人間の尊厳そのものを奪うのが原子爆弾だ」。米ソの核軍拡競争が最も激しかった大学時代。学生自治会主催の集会で、ヒロシマの惨状を語った被爆者の小西悟教授(現:被爆者団体協議会事務局次長)の訴えに学内がしずまりかえりました。核戦争を絶対に起こさせてはいけない、これが私の政治家の原点でもあります。

 これはいま、憲法9条を守り生かすたたかいにつながっています。

 「海外で戦争する国」への歯止めとなってきた憲法9条は「武器輸出三原則」「非核三原則」となって、時の政府の手をしばってきました。

 今年の8月5日、衆院憲法調査会の場に、自公民各党は、それぞれの改憲論を持ち込みました。競い合うように9条改憲の方向を打ち出しています。

 改憲論者は「9条は時代に合わなくなった」といいます。しかし米国の無法なイラク戦争がもたらしたものは何だったか。戦争によってテロをなくすどころか、逆に戦争を拡大し暴力の悪循環を生み出してきたではありませんか。武力以外のあらゆる手立てをつくして、世界の平和の構築に貢献することを宣言した憲法9条が、今こそ光り輝いているときではないでしょうか。

No.25(2004年8月4日)
 年金財源を口実とした消費税増税はゆるさない

 先日、細田官房長官は、小泉首相任期中に消費税増税方針決定もありうると表明しました。「例えば、3年後施行というような小泉首相の(任期中は上げないという)約束に反しない形で(引き上げ方針を)決めることは有りうる」。さらに、税制担当の谷垣財務大臣も「消費税引き上げについて十分な議論を」と発言しています。

 小泉首相はこれを否定するかのようなことを言っていますが、参院選中「(社会保障の財源について)消費税が大きな財源になる」「(消費税引き上げの)時期や幅を含めて与野党で早く協議をはじめたほうがいい」と述べ、いわば細田発音は、小泉内閣の本音がもれたものです。一方、民主党も「消費税を掲げないのは無責任だ」と政府をあおっています。

 しかし、消費税増税反対は国民多数の声。世論調査でも7割が消費税増税に反対。NHK調査でも、年金財源に限っても消許税増税には反対が52%。国民は消費税増税勢力に白紙委任していません。

 消費税導入時に、竹下首相(当時)が「消費税の9つの懸念」を指摘し、それに答える形で国民の不安解消を試みました。たとえば「年金生活者などへの過重な負担を強いることになるのではないか」という問いに対しては、「公的年金については、物価スライドのほか、給付水準の相当の引き上げを行う」から大丈夫だと、年金生活者は心配することないと大見得を切りましたが、いまはどうでしょうか。物価スライドにより、給付は2年連続引下げ、さらに年金改悪法で給付も連続引き下げ。年金生活者の不安、懸念がまさに的中したではありませんか、「消費税は福祉のため」というごまかしが明らかになっています。

 消費税増税には道理なし。

No.24(2004年7月15日)
 参議院選挙をたたかって

 参議員選挙の結果は大変残念でしたが、有権者の“自民党政治を変えたい”という願いの強さを実感するとともに、二大政党制の枠組みでは国民の願いに応えられないということが有権者に伝わりはじめた第一歩だと感じます。

 くらしと平和を守るたたかいは、いっそう重要になってきます。就職難や不安定雇用問題、サービス低下と負担増大となる介護保険と障害者支援費制度の統合問題など、おおいに力を合わせて要求と運動の前進をはかっていきたい。“憲法まもれ”の草の根のたたかいを広げていきたい。日本共産党を大いに語る取り組みと、党そのものを強く大きくする活動に力を尽くしていきます。

 今年は『秩父事件』120周年。秋には映画『草の乱』も上映されます。自由民権運動の最先端で、重税反対闘争を契機に草の根から世直しのたたかいに立ち上がった民衆は、その後の大正デモクラシーや日本共産党の創立などに連なる、日本の革新民主の運動の先駆者です。当時のたたかいに心を寄せながら、財界主役の政治から国民が主人公の政治への転換めざして、“消費税増税反対”の運動も本腰を入れていきたい。

No.23(2004年6月22日)
 憲法9粂は日本国民の宝

 憲法9粂は、かつての日本が引き起こした侵略戦争の犠牲と反省の上に、再び戦争を繰り返すまいという決意の込められた日本国民が世界に誇る宝です。「海外で戦争する国」への歯止めとなっただけでなく、「武器輸出大国」「核兵器保有国」「徴兵制の国」への歯止めともなってきました。

 また憲法には、30条にわたり豊かで先駆的な人権規定があります。たとえば、「健康で文化的な生活」は国民の権利、「社会保障の充実」は国の責任としている第25条の生存権の規定は、サミット諸国でも日本とイタリアしかありません。年金や老後の不安があるときに、世界に通用するもの。問題は憲法の要請を棚上げしてきた自民党政治にあります。

 改憲勢力は「今の憲法には環境権、プライバシー権がない」といいますが、その改憲派が公共事業で環境を破壊し、盗聴法でプライバシーを侵そうとしており、全く説得力がありません。これらの権利は憲法13条の幸福追求権などで具体化できるものであり、実際に国民のたたかいによって前進させてきたものであり、改憲の口実にはならないものです。

 自民党、公明党、民主党など、憲法を変えようという勢力のねらいは、「戦争はしない」「軍備は持たない」ときめた憲法9条にあります。米国が無法な覇権主義の戦争を引き起こしたさい、この戦争に地球規模で日本が参加する上で、その最大の障害となっている憲法9条を取り除き、歯止めなき海外派兵に道を開くのが最大の狙いです。

 日本共産党は、党の綱領に「現行憲法の前文を含む全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」としています。これは、平和、人権、民主主義のすぐれた憲法の条項を21世紀の日本の国づくりに生かすものであるのと同時に、憲法9条改悪勢力がくわだてているあれこれの改憲論の土俵にのらないことが、憲法9条を守り抜く最も確かな道であると考えるからです。

 改憲勢力は「現行憲法はアメリカによる押し付け憲法だ」といいますが、9条をなくせという議論こそ、アメリカが言い出したもの。憲法施行の翌年の1948年、ロイヤル米陸軍長官は国防長官に「日本に20万から30万の軍隊を作らせるべきだ。そのために新憲法の修正が必要だ」という「覚書」を提出しました。これが改憲論の最初。いまの改憲論も2000年10月にアーミテージ現米国国務副長官が中心になって作成した対日報告書が「集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している」として、9条が禁じている集団的自衛権の行使を求めたことが、あいつぐ海外派兵立法の強行と改憲論横行のきっかけとなっています。小泉内閣は、イラクにおける多国籍軍に自衛隊を参加させる方針を決定しましたが、「武力行使を伴う多国籍軍への参加は憲法上許されない」という従来の政府見解さえ踏み破るものであり、憲法じゅうりんの自衛隊海外派兵を大きく進めるものとなり極めて重大です。

 改憲勢力は「9条は時代遅れになった」ともいいます。しかし、21世紀のアジアと世界の大きな動きを見れば、憲法9条は「時代遅れ」どころか、時代の先駆をなすもの。憲法9条が高く掲げている戦争放棄の精神は、「ASEANの平和憲法」と呼ばれる東南アジア友好協力条約(TAC)の武力行使の放棄の原則とも重なり、アジアの大勢となっています。また、2000年に開催された国連ミレニアム・フォーラムの「平和、安全保障、軍縮」グループの報告書では、「すべての国がその憲法において日本国憲経第9条に表現されている戦争放棄原則を採択するという提案」が強調されている。いま「9条」の値打ちが世界で光り輝いています。

 いま憲法9条を擁護することは、日本の平和にとって重要なだけではありません。米国一国覇権主義を許さない世界をつくることにもつながる国際的意義をもったたかいでもあります。

No.22(2004年6月14日)
 大型店は身勝手だ――商工会議所会頭の会合でも大型店出店問題が話題に

 いま「商店街・大型店・まちづくり政策提言」を活用した懇談が話題です。6月10日(木)、私はあベ幸代前参院議員、池田伸宏党埼玉県南部地区副委員長、党川口市議団とともに川口商工会議所を肋問し、鈴木専務理事らと懇談しました。

 川口では、丸井が駅前から撤退したと思ったら、川向こうの北千住に新規出店。関東の商工会議所会頭の会合でも大型店出店問題が話題に。「大型店は身勝手だ」という声が出ています。大店立地法の立地指針見直しについて「日商としても動き出すだろう。夏場に要求のとりまとめをしているので、中央レベルとして取りまとめるのでは。山口日商会頭も“(大型店について)私見だが、県単位で規制できないか”と述べていたとのこと。

 商店街では物品販売の店がなくなり、チェーン店が増加。ナショナルチェーンは商店街の4割を占めるようになっている。本部の方針で商店会の会費は払うが商店街活動については消極的。ヤマダ電器は商工会議所を退会。理由は“経営不振により”。大型店と商店街が共存共栄するルールが必要ということで意気投合しました。

 商店街からも市民との共同を広げようと、早大の研究室の協力で、若者から見た川口市を捉えなおす取り組みも。商店主だけでなく、まちづくりに関心ある人でNPOつくりたいと意欲に燃えています。地域住民と商店街と行政が一体となった振興策を掲げた「提言」にあらためて確信を深めました。

No.21(2004年6月10日)
 「私たちがつくっても同じものに…」――商店街政策で共感の声

 6月7日、仙台市で日本共産党主催の「大型店・商店街・まちづくり」政策発表会で、政策提言のポイントについて講演しました。大店法が廃止され、まちづくり三法がスタートしてから4年余り。大型店の出店ラッシュと商店街の疲弊が進行するとともに、身勝手な大型店の「出店にたいし、全国から多様なたたかいが起こっていること、その動きをふまえて「大型店の乱開発の規制」と「商店街の振興・再生」とを車の両輪とするまちづくりルールを提起したことをお話しました。

 商店街関係者から「いいものをまとめていただきありがたい」「私たちがつくっても同じものになったかもしれない」と言う共感の声や、「子どもたちのためにも、24時間営業は見直してほしい」「周辺商店街にも光を当ててほしい」「生鮮品店の支援策をぜひ考えてほしい」などといった意見、要望も寄せられました。

 各地で、大型店出店ルールを求める条例作りや大店立地法に基づく立地指針の見直しに現場の声を反映させる取り組みなど、今後の活動方向についても交流がありました。

 皆さんの声に励まされています。国の悪政転換のために力を尽くすとともに、住民と商店主と自治体の共同の取り組みを前進させていきたいと思います。

 No.20(2004年6月5日)
 商店街政策で意気投合

 6月4日、所沢商工会議所商業部会副部会長の大木敬治さんと、商店街振興問題について懇談。大木さんは、所沢商工会議所の会報に、まちづくり2法の見直しや大型店出店凍結を求める声が大きくなっている、商店街には経済的・社会的・文化的役割といった社会的存在意義がある、商店街の自主努力とともにその活動を後押しする“所沢商工業振興条例”が今こそ必要だと、訴えていました。

 これは、私たちが発表した「大型店・商店街・まちづくりに関する政策提言」の内容と一致するものであり、意気投合しました。いま西友などが24時間営業を始めていることに対して「何かが狂っている。人間は休むときには休む必要がある。店長がかわいそう」と語り、また“商工業振興条例”については「所沢市にビジョンがあれば商工業者の後ろ盾になる。ぜひつくれるよう働きかけていきたい」と述べていました。

 大型店の身勝手を許さず、地域の商店街の値打ちが光るルール確立のため、議論と合意づくりに取り組んでいくものです。

 No.19(2004年5月18日)
 商店街政策へのご意見をお待ちしています

 去る5月14日、党国会議員団として「大型店・商店街・まちづくりに関する政策提言」を発表しました。「大型店の身勝手を許さず、地域の商店街・中小商店の値打ちがいきる『まちづくり』ルールの確立をにぎわいのある商店街と地域の主人公である住民が暮らしやすい『まち』のために」という長いタイトルがついています。

 1988年の国会で大型店の出店調整などを可能としていた大規模小売店舗法(大店法)廃止が決定し、これにかわって政府は「街づくり三法」(大店立地法、中心市街地活性化法、「改正」都市計画法)を制定しました。しかし、この三法が大失敗し、郊外大型店の出店や深夜営業が野放しにされ、中心市街地から店舗が撤退し、「まち」の空洞化が深刻化しています。

 同時に、全国各地で郊外型大型店や巨大なショッピング・センター建設計画に対する地域の商店主・住民・自治体のとりくみが、大きく広がっています。水戸や福島、仙台などでのたたかいは、その一つでもあります。

 今回の政策は、大店法撤廃後の新しい情勢に対応した初めての提言です。国民的な議論と合意形成をよびかけるものとして、私自身、対話と懇談を重ねていきたいと思っていますし、みなさんからのご意見をお願いいたします。

 No.18(2004年4月15日)
 今度は国政を動かすとき

 所沢市議補選では、菅原恵子さんと矢作いずみさんの二人が高位当選し、ほんとうにうれしい。心に響く二人の訴えが有権者に届きました。

 私が街頭から訴えたときも、二人の方から生活相談が寄せられました。一人暮らしの年配の女性の方からは、「年金のことが心配でたまらない。どんどん削られていく。誰に相談したらいいかもわからない」というお話でした。60代の女性の方は、娘が3人の子どもを持つ母子家庭で、とても粗末なアパート暮らし、パートぐらいしか仕事がないとのこと。「所沢市が体育館に70億円もお金をかけられるなら、母子家庭の家族が入れるような市営住宅をつくってほしい。年金制度が大変だというなら、将来の担い手となる子どもたちの子育てを応援してほしい」。この願いにこたえたい。

 今度は、柳下礼子さん。市議・県議あわせて20年の豊かな実績を持つ政治家です。米軍横田基地の騒音被害を告発し、県知事に現場まで足を運ばせて、国やアメリカにも働きかけるよう促したり、深刻な児童虐待問題で児童相談所を繰り返し訪問し、過労死も強いられる職場の改善を訴え、職員の増員を実現するなど、県政を動かしてきました。今度は国政を動かすときです。

 No.17(2004年4月12日)
 真岡市の演説会に向かう途中で

 JR宇都宮線の石橋駅(栃木県石橋町)を降りて、夕暮れの空を見上げるとツバメが舞い飛んでいました。今年、初めての出会いです。

 駅前から続く街路樹のハナミズキの白い花が咲きはじめ、農家の庭先には雑草と競い合うように、紫色のハナダイコンが繁茂しています。

 街道沿いに並ぶ堂々とした風格の大谷石の蔵もあたたかみを感じさせます。ソメイヨシノの花は散りはじめて、本格的な春がやってきました。

 No.16(2004年4月7日)
 前例のない法案不備――総務大臣のお詫び

 「質疑に先立ち、提案理由について追加的に、ご説明申し上げさせていただきたい」――電波法改正案を審議する4月6日の衆院総務委員会の冒頭、麻生太郎総務大臣が切り出しました。

 昨年の通常国会で審議された『電波法改正案』。本来これに盛り込むべき事項が欠落していたり、「認可」を「許可」と誤記した箇所などあわせて4箇所も改正もれ部分がありました。政府は今回提出の法案の中に、こっそり盛り込み、与党も含め、国会に全く説明していませんでした。

 私が、4月1日の理事会で、この改正もれを指摘したところ、委員長(自民党)や自民党理事をはじめ大騒ぎに。与党議員からも「ゆゆしき事態だ」「聞けば聞くほど恥ずかしい」との声があがり、異例の追加趣旨説明となりました。衆議院の議案部議事課の調べでも法案の不備について、大臣が補足説明し「お詫び申し上げる」と陳謝するなど過去に前例がないとのこと。

 昨年の法改正で重大な誤りがあった問題に加え、その誤りを隠し通そうとしたという、二重に許しがたい重大問題であり、政府の姿勢が問われます。「過去に前例がない」法案の不備を洗い出したのは、総務委員会担当の山下唯志秘書。私が埼玉の民青同盟で活動していたころの友人です。国会議員の活動は多くの人たちに支えられています。

 No.15(2004年3月24日)
 NHKのイラク戦争報道

 イラク戦争開始から1年、戦争開始の「大義」とされた大量破壊兵器は見つからず、逆に調査チームの責任者が「そもそも存在しなかった」と証言し、スペインの政権交代によるイラクからの部隊撤退の動きなど、米英への批判の広がりとなってあらわれています。今こそイラク戦争の総括が求められています。同時に、この戦争をどう報道してきたか、マスコミの自己検証も求められています。とくにNHKの報道が「政府寄り」「米英軍情報に偏っている」との批判が強くあり、私は、先日の総務委員会で、NHKにこの点をただしました。

 NHKは、イラク戦争報道をきっかけに、「戦争報道ガイドライン」を作成(要旨のみ公表)しています。そのなかには「事実の検証」という項目もあります。イラク戦争開始の昨年3月20日のNHK「ニュース10」では、「軍事作戦の目的」とのタイトルフリップが掲げられ、そのフリップには「大量破壊兵器の無力化」と書かれており、戦況解説の軍事評論家は「大量破壊兵器、特に生物化学兵器………これが使われると大変なことになる」と解説したり、また「戦車隊の進撃が早く補給が間に合うか心配だ」といった米軍よりの解説が行われています。ガイドラインでは「報道は客観的でなければならない。この点、用語面でも注意する」とあり、この立場から“自己検証せよ。検証番組をつくれ”と求めました。しかし、NHKは、自らの報道の検証番組を作ろうとはしていません。

 英国営放送のBBCは、戦争をどのような方針のもとで報道するかを視聴者に説明する義務があるとし、戦争報道ガイドラインを発表しています。NHKも、未公表のガイドラインの公開、戦争報道の検証番組を作り、国民、視聴者への説明責任を果たすべきではないでしょうか。

 No.14(2004年1月5日)
 新春随想

 新年にあたり、政治の流れを大きく変えるため頑張りますのでよろしくお願いします。

 自衛隊のイラク派兵反対の宣伝行動にとりくんでいると、「署名をやっているところを探していた」「なにも言わなければ自衛隊派兵に賛成だと思われる。なにかしたかった」という人がたくさんいます。「憲法9条ください」とかけつける若者の姿もありました。

 決して止められないと思えた大型開発も、“ムダで環境破壊のダムはいらない”という運動で、東大芦川ダム(栃木)・戸倉ダム(群馬)を中止に追い込み、倉渕ダム(群馬)を凍結させることができました。たたかいをつうじてこそ、政治は変えられます。

 保守二大政党化の動きの中で、「憲法9条を守れ」「雇用とくらしを守れ」「消費税増税反対」と、たたかいの先頭にたつ日本共産党を本当に大きくしたいと思います。この1月には党大会、そして7月には参議院選挙。ごいっしょに希望ある年をつくりましょう。


 No.13(2003年11月19日)
 旧日本軍毒ガス問題の解決のために

 この一年ほどの間に、旧日本軍が製造した毒ガスによる被害が全国で相次ぎ、政府としても何らかの対応をとらざるを得なくなりました。その一環として、環境省が行ってきた全国調査では、毒ガス兵器が存在する可能性の高い地域が、さいたま市をはじめ37カ所、また毒ガス兵器の埋設など情報の確実性が高く、地域も特定されている場所として、茨城県神栖町、神奈川県寒川町、同県平塚市、千葉県習志野市の4箇所があげられています。

 私はこの間、旧日本軍の毒ガス問題を国会でも、とりあげてきた議員の1人として、毒ガスの存在が確実とされる、この4カ所にも足を運んできました。神奈川県の寒川・平塚では、工事現場から不審ビンが発見されて作業員が被害を受け、茨城県神栖町では毒ガス由来の有機ヒ素による健康被害が深刻となっています。千葉県習志野市を含め、これら4カ所はいずれも旧日本軍の毒ガス研究・製造施設があったところです。

 旧海軍の毒ガス研究・開発施設が平塚にあり、製造施設が寒川にありました。神栖町の健康被害があった場所の近傍には、旧海軍の神栖実験場があり、アメリカの航空母艦を模したコンクリート製の建造物がつくられ、毒ガス実験がくり返されていたという証言が残っています。習志野には旧陸軍の毒ガス研究・実験施設だった「陸軍習志野学校」がおかれていました。ちなみに旧陸軍の毒ガス製造施設は瀬戸内海に浮かぶ大久野島(広島県竹原市)にあり、いまでも地下壕の中に赤筒と呼ばれる毒ガス兵器が保管されたままです。

 これまでの毒ガス発見事例をみても、今後の調査に生かすべきことが何点かあります。一つは、旧軍毒ガス関連施設については、その所在場所全域の悉皆調査が必要です。平塚の発見事例をみると、敷地内の裏庭に当たる部分に穴を掘り、試薬などのビン類をまとめて放り込んでいました。寒川の場合は、近隣の旧国鉄駅からの引き込み線沿いに複数箇所、穴を振って、毒ガス入りの容器を放り込んでありました。習志野の場合は、敷地内に毒ガスを埋没処理したという証言が残されており、未発見のまま放置されています。このように国際法違反の毒ガス製造の証拠隠蔽のためにどさくさに紛れて、敷地内に埋めた可能性が極めて高く、毒ガス関連施設の敷地全域にわたる再調査が不可欠です。

 もう一つは、第二次大戦末期の米軍の本土攻撃に備えた日本側の本土決戦準備に毒ガス使用の計画があったことです。米軍の本土上陸のポイントは南九州と関東地方であり、とくに関東では九十九里浜、鹿島灘、相模湾の順で上陸が想定されていました。ここに本土決戦用の部隊が多数動員され、陣地構築をはじめとした準備が行われていました。これら部隊に毒ガスが配備されていたことが、いくつかの証言からも浮かび上がってきています。神栖の毒ガスも終戦末期に、本土決戦用の陸軍の部隊が駐屯していた場所とも重なっています。本土決戦用の部隊が展開していた場所には、毒ガスが埋められている可能性が高いとみて、調査することが必要だと考えます。

 中国の毒ガス被害も同根の問題です。統一的に解決を進めることが必要です。旧日本軍の毒ガスについては、日本政府がその責任をあきらかにし、毒ガスの無害化措置とともに、毒ガス被害者への統一した保障措置をとるとともに、先に述べた点にも留意して、旧軍関係者への聞き取り調査など、徹底した全国調査に取り組むべきです。それなしには、本当の「戦後」はありません。


 No.12(2003年7月22日)
 土屋知事長女の政治資金規正法違反事件

 県営ダムの名称が「西秩父桃湖」、土屋知事の有力後援会企業の宅配便事業の名前が「桃太郎便」。政治資金にかかわる疑惑で逮捕された土屋知事の長女、桃子容疑者の関与を物語るこんな「桃尽くし」は願い下げです。
 土屋ファミリーがゼネコン企業から広く政治献金を集めてきた結果は何か。「さいたま新都心」など大型プロジェクトの乱発の一方で、県の借金は10年間で3.2倍に膨れあがりました。神野直彦東大教授は「土屋県政は短期間にハコモノを造りすぎた。経費削減で市町村にしわ寄せがいく」と指摘するように、県民の福祉、医療が切り捨てられました。
 いま国政では、自民、公明が一緒になって、政治献金の公開基準を年間5万年超から24万円超に引き上げ、いまでさえ「すりガラス」の金集めを「ブラックボックス」にしようとたくらんでいます。こんなことは許せません。
 オール与党に支えられた土屋県政にたいして、唯一の野党として厳しく追及してきたのが日本共産党です。公共事業受注企業からの政治献金の実施とともに、県知事選挙で開かれた、県政実現のため全力でがんばります。


 No.11(2002年12月13日)
 予算委員会テレビ質問準備の周辺

 12月2日、衆議院予算委員会。不良債権処理策をめぐって、小泉首相以下、主要閣僚に質問する機会を得た。私にとって、NHK放映のテレビ初質問ということもあり、緊張の中、小泉内閣の国民いじめの政治を追及したが、多くの方から「私の言いたいと思っていたことを言ってくれた」「とてもわかりやすかった」と励ましの言葉をいただいた。中には、「もっと口をあけてしゃべったほうがいい」とか「あごが動かないので腹話術みたいだ」といったアドバイスもあり、国会議員冥利につきる。
 質問の内容は「赤旗」紙面に譲るとして、穀田国会対策委員長から「予算委員会の質問をしてくれ」と言われたのが10日前。他の予定などをすべてキャンセルして、連日の質問準備に入った。筆坂政策委員長も加わった国会対策委員会メンバーでの検討会議に出席し、骨格を決め、塩川事務所としての検討を重ねる。毎日、質問原稿を書いては、検討会議を開き、金融担当、労働担当などの秘書の知恵も借りて、練り上げる。いい線まで行ったかなと思いながら、国対メンバーでの検討会議にはかると、あえなく覆され、新たなアドバイスも受けて、よりよいものに仕上げていく。十数回の原稿の書き直しを経て、まとめた最終版も、想定問答を繰り返しながら、直前まで筆を入れる。
 大事なのは、パネルの準備。志位委員長が流行させたパネルでの「絵解き」は、一番言いたいことをビジュアルに示すことができ、質問の要となるもの。どうやったら見やすいか、色や文字の大きさまで注文をつけて、完成させる。
 「テレビ質問で注意することは?」と筆坂さんに聞くと、「生意気に見えないことだな」との忠告。あとは「元気に落ち着いて」。独特の雰囲気の予算委員会質問は、実りも多いが気苦労も多い。

 No.10(2002年10月21日)
 所沢通信基地について

 いま私は、埼玉の基地問題に強い関心を寄せています。埼玉県内の米軍基地・自衛隊基地は、通信情報機能や輸送補給機能など中枢的役割を持っており、ガイドライン法(戦争法)実施や有事立法の策動などと連動して、90年代後半から再編強化がはかられています。先日、防衛庁に対し、埼玉県内の基地の現状について質問した中で、所沢通信基地に関連する問題で、明らかになったことをご紹介します。
 市内の中心に居座る米軍所沢通信基地は、在日米軍司令部のある横田基地に付属する送信施設として、太平洋地域の米軍の航空通信を担っていますが、その所沢通信基地と対になっている受信施設の大和田通信基地(新座市)は、現在思いやり予算8億9400万円をかけて管理棟が全面的に改修されています。従来の米空軍の受信施設機能に加え、上瀬谷通信基地(横浜市)にあった米海軍の艦隊通信機能も大和田通信基地が扱うようになっただけでなく、気象通信・放送の傍受任務が最近確認され、電波諜報基地の性格をいっそう強めており、それが私たちの税金で実施されていることに強い憤りを覚えます。
 また、柳下礼子県議が県議会で明らかにした所沢通信基地内の東西連絡道路に関する防衛施設庁の調査経費来年度予算要求については、約500万円の予算額で「現況平面図作成および建物・構造物調査」をおこなうというものです。担当者に詳細をたずねたところ、「東西連絡道路はかねてから、埼玉県、所沢市から強く要望されていたもので、重く受け止めていた。計画の内容は、道路想定部分の両側100メートルずつ(200メートル幅)の現況平面図をつくり、どんな建物、構造物(アンテナとか)がどこにあるのかを調べるもの。自動車から発生する電磁波などのノイズ調査(文献調査など)もおこなう」ということでした。基地全面返還の運動と結んでとりくみを強めていきたいと思います。

 No.9(2002年2月7日)
 外務省でも、公共事業でも「口利き政治」

 この一週間で小泉内閣に対する国民の見方は大きく変わりました。
 アフガニスタン復興支援国際会議へのNGO排除問題で、小泉首相は日本外交を私物化する自民党の族議員や外務官僚の立場に立って、この問題に限っては正しい対応をおこなった田中外務大臣を更迭。結局、族議員による旧態依然とした自民党型の癒着の政治にメスを入れることができないということを示したのです。
 その一方で、BSE問題で国民的な批判を浴びている武部農水大臣の不信任決議案には反対しています。正しいことをやった外務大臣の首は切り、顔を見るたび牛肉を買いたくなくなるほど失政を繰り返した農水大臣はかばいつづけるのでは、国民の期待をたくすことはできないのは明らかです。

 また、茨城県で二人目の市長が逮捕された公共事業をめぐる口利き疑惑問題を見ても、関係者の中心人物は自民党代議士の秘書経験者であり、金丸事件、ゼネコン汚職以来の自民党政治の金権体質が何ら変わっていないことを示しています。金権腐敗の大元にある企業・団体献金について小泉首相が「もらって何が悪い」と全面的に擁護する立場は一貫しており、これでは古い自民党政治を変えることができないのも当然です。
 外務省でも口利き政治、公共事業でも口利き政治。これはまさに利権で動かされる旧来の自民党政治そのものではありませんか。

 大企業のリストラの嵐の中での過去最悪の失業率、不良債権強行処理による信金信組つぶし、中小企業つぶし、一層の医療改悪など、いま国民のくらしは深刻な事態に陥っています。読売新聞の世論調査でも「小泉内閣では景気はよくならない」という声が7割です。いま急激な小泉離れが起こっているのも、その奥底には、この間小泉改革に痛めつけられてきた国民の怒りがあるから。

 それなのに小泉首相は、さらに「ゆるぎない決意で改革にまい進する」と言います。そこでおこなわれようとしていることは、本人3割負担増やお年寄りへの一層の負担の押しつけ、消費税増税も視野に入れた庶民増税の検討です。その一方で、連結納税制度等の大企業減税であり、中小企業つぶしの不良債権処理のための大銀行への税金投入など大銀行大企業応援の政治。大銀行大企業さえよければ「あとは野となれ山となれ」という小泉内閣で、国民生活と日本経済は深刻な事態に追い込まれようとしています。

 こんな国民いじめの政治は許せないと言う声は必ず大きく広がる。それはこの一週間の小泉内閣の支持率の激減がはっきりと証明しています。いま小泉内閣と国民との関係には大きな変化が生まれています。
 これ以上国民いじめ、中小業者いじめの政治を続けさせるわけにはいきません。いまやるべきことは、リストラの規制、消費税の減税、社会保障の充実など国民の将来不安をなくすこと。経済の6割を占める個人消費をあたためる国民本位の経済再建策に取り組むとき。大銀行大企業の横暴勝手に歯止めをかけて、国民生活と中小企業の経営を守り育てるまともなルールを確立することに力をつくすときです。国会内外のたたかいを大きく広げていきましょう。

 No.8(2002年1月24日)
 154通常国会開幕

 いよいよ通常国会がはじまりました。会期延長がなくても150日間の長丁場です。今年度の第二次補正予算案、来年度予算案の審議に始まり、100本以上の法案の議論がおこなわれます。未曾有の経済危機の打開のために力を尽くすとともに、昨年からの自衛隊海外派遣の強まりと有事法制の策動を正面から打ち破る大きな運動を国会内外でひろげていきたいと決意しています。
 私は、ひきつづき経済産業委員会と災害対策特別委員会を担当し、憲法調査会にも随時参加することになります。経済産業委員会では、十数本の法案審議があります。迷惑メール対策や競輪・オートレース対策から原発・エネルギー政策まで幅広く取り組みます。でもこの中には、中小企業支援の法案は一本もありません。中小企業予算も過去最低の1861億円。その一方で貸し渋りをさらに強める大銀行の救済のためには15兆円をいつでも使えるようにしておくなど、今の小泉内閣がいかに大銀行応援、国民、中小企業いじめの政治かが浮き彫りになっています。大銀行・大企業の優越的地位を濫用した横暴をやめさせ、中小企業金融の改善や中小企業の仕事確保のためにがんばります。
 災害問題でも、三宅島の全島避難から一年五ヶ月となり、帰島の見通しが立たない中でのつらい暮らしが続いています。都や国への働きかけとともに、避難生活を支える被災者生活支援法の抜本的改善に向けて他党にも働きかけていくのも今年の大きな課題です。

 No.7(2001年12月4日)
 下請二法を足がかりに

 群馬県桐生市の中小業者の方から聞いた話です。「大手電機メーカーとの取引が3〜4割を占めていたが、9月以降はゼロになってしまった。製品の単価も元請から『中国なら半分の値段でできる』とあからさまに値切られる」「業者が日本で生きていくための正当な単価があるはず。自分たちの使うものは自分たちで作らせてほしい」と切実な訴えがありました。「労働者に最低賃金制があるように、業者の仕事の単価にも食べていけるだけの最低価格が必要」という声は、ぎりぎりの経営を強いられている下請中小企業の共通の願いです。こんな異常な下請いじめは、他の先進諸国ではありません。
 私は、この問題を国会でとりあげ、下請中小企業の経営を守る下請二法(下請代金支払遅延等防止法・下請中小企業振興法)を積極的に活用した指導の徹底を求めました。その結果、明らかとなった経済産業省の通達には、代金は「少なくとも賃金に相当する金額については、全額を現金で支払うこと」や、単価の決定にあたっては「取引単価が、下請事業者の適正な利益を含み・・・合理的な算定方式に基づき」決定すること、また大企業の海外進出、工場移転の際には「計画について下請事業者に必要な情報を逐次提供すること」を大企業に求めるものとなっています。法的拘束力の弱い下請二法ですが、これを足がかりに大企業の横暴をやめさせるルールを確立する運動を前進させたいものです。

 No.6(2001年10月26日)
 「リストラに反対し、雇用を守る大運動をおこそう

 いまIT・電機などの大企業による人減らし・リストラの嵐が日本列島を吹き荒れています。日本共産党国会議員団は「リストラ・不況対策委員会」を設置し、私も事務局長としてこの間、松下電器や三洋電機本社への申し入れや山形県の電機産業の調査を行い、国会でもこの問題を取り上げてきました。
 現場では、大量の人減らし計画の一方で、トイレに行く暇もないほどの過酷な労働条件が押し付けられています。NEC山形の工場では、女性にも深夜を含む交代勤務が導入され、現在の深夜7時間労働が、来年4月からは深夜12時間労働になるといいます。なぜ人減らしをしながら、その一方でさらなる長時間労働を強いるのか。経営者は「過剰人員」があるというが、人員が過剰なのではなくて、労働時間こそ過剰ではありませんか。
 NEC山形では、片道5時間もかかるNEC秋田への出向なども強要し、幼い子どものいる母親を単身赴任させていました。父親も冬場は出稼ぎで家をあけ、長男先頭に子どもたちで留守を守っていたといいます。体を壊す人も生まれます。
 もともと資源の乏しい日本にとって、まじめに働く国民こそが最大の宝であったはず。これを粗末にして、どうして日本の将来の安定的な発展があるといえるでしょうか。
 先進各国の電機労働者の年間総実労働時間を比較すると、ドイツ1594時間、フランス1672時間、イギリス1878時間にたいし、日本が2011時間と最も長く、さらに大手電機6社(本体)をとれば、2033時間となっています。政府が目標としている1800時間の年間労働時間にするだけでも、大手電機6社だけで3万5千人の雇用創出につながります。また、大手電機6社(本体)労働者の年休消化実績は7割台に過ぎません。これが完全取得されれば7千人近い雇用の確保が必要になります。本体だけでなくグループ全体で行われるならば、数万人の新たな雇用創出につながります。
 直ちに取り組むことができる雇用対策として、労働時間の短縮を通じた雇用の確保・創出に政治が全力をあげるときではないでしょうか。また職場、地域からこの運動をおこしていこうではありませんか。

 No.5(2001年10月3日)
 「報復戦争法案」反対へ

 「毎日テレビを見ています。これからどうなるんでしょう」。マスコミの洪水のような米国同時多発テロ報道の中で、米国が報復戦争を起こすことに不安の声があがっています。
 当初は、街頭演説でも「やられたらやり返せ」といった声が少なくありませんでしたが、朝日新聞の世論調査(9月末)で米国の報復攻撃に対する「不支持」が「支持」を上回るなど、「報復戦争」への批判が広がっています。
 先日、保坂フミ子新座市議といっしょに訪問した女性は「息子の結婚式でアメリカに行ったけど、日本のほうがテロの報道が多かった」と、“報復戦争やむなし”と思わせるような日本のマスコミ報道を心配していました。「署名とかないんですか、みんな何かしたいと思ってますよ」と、しんぶん赤旗の購読も約束してくれました。
 「総理大臣が一人で突っ走っているようですね」という声もあがるように、米国の報復戦争を無条件の前提に、憲法を踏み破る参戦に道を開こうとする「報復戦争法案」はきっぱりとやめさせなければなりません。国連中心に国際社会が一致協力して法にもとづく解決を求める声を大きく広げていくときです。今月20日からはじまるAPEC首脳会議までに「報復戦争法案」を成立させようという策動もあるなど、情勢は緊迫しています。さあ地域へ、街頭へ。

 No.4(2001年9月3日)
 中学生秘書誕生!?

 「ぜひ、一日秘書体験をしたいと思ってメールしました。ぜひぜひ、よろしくお願いします。」
 中学3年生、N君からの「相談」です。さっそく夏休み最後の8月31日に事務所まで来てもらいました。
 靖国神社問題や歴史教科書問題など、小泉首相の政治に疑問をもち、ある新聞に載った修学旅行生の「一日秘書体験」の記事を見て、ぜひ“与党以外”の議員秘書をやってみたいと思った、とのこと。わがベテラン秘書も「こんな経験は、初めて」と驚きの声。
 N君からの取材を受けた後、新聞記事のコピーどりや私のスケジュール表のパソコン入力などの“秘書”の仕事をしてもらいました。
 「今までやったことのないことで、自分でもどきどきしていたのですが、とても暖かく迎えていただき心がほっとしました」とN君。
 その行動力に驚きながら、“小泉改革”に不安を感じ、「自分も何かやりたい」と足を踏み出した中学生に出会えたことで私自身も励まされ、「日本の未来は決して暗いものにはならない」と実感しています。

  No.3(2001/8/3)
 熱くて暑い参院選

 熱くて暑い参議院選挙でした。
 観測史上最高、気温40度の前橋では「お体を大事に」と、たくさんの方から冷たい飲み物の差し入れ。館林駅前では、突然の夕立でも、足を運んで演説に耳を傾けてくれた人たち。選挙カーの休憩場所では、いつも心のこもった手料理の数々。ありがとうございました。
 「失業者を増やす小泉改革。こんな政治は世界のどこにあるというのか」という私の訴えに、「本当にそのとおり」「がんばってください」との励ましの言葉。
 選挙の結果は残念なものでしたが、私たちの主張、政策は必ず実を結ぶと確信しています。

  No.2(2001/7/5)
 自転車で散歩

 今、わが家では、自転車で散歩するのがブーム。荷台とハンドルにそれぞれ子ども用のイスをとりつけ、保育園に通う2人の娘をのせて、フラフラ、ヨロヨロしながら朝のサイクリング。
 いつもは朝ねぼうの下の娘も「散歩行くよ」と呼びかけると、モーローとしながら起き出して「早く行こう!」。
 カッコウ、キジバトの鳴き声を聞きながら、雑木林、サトイモ畑、住宅地を抜けると、アジサイの色も移り変わり、ザクロの赤い花も目につきます。
 大はしゃぎの子どもたちは、ママのつくった朝ごはんをしっかり食べて元気に登園。私も元気になって国会へ。

 No.1(2001/7/5)
 ホームページ開設にあたり
塩川議員の写真
 塩川てつやのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
 昨年の総選挙で、国会に送っていただいてから、1年となりました。
 最初は緊張の連続だった国会質問も20回に及び、だいぶ肩の力を抜きながらも、悪政の追及、要求実現に頑張ってきました。
 中小企業こそ「日本経済の柱」と伝統的工芸品産地の岩槻・春日部・伊勢崎など北関東各地をはじめ、全国の地場産業・商店街を訪問したり、また、「ムダなダムはいらない」と、川辺川ダムや長野の下諏訪ダム、八ッ場ダム、思川開発、霞ヶ浦導水事業など、全国のダム調査と市民団体との懇談・交流を重ねてきています。
 党国会議員団・災害対策の責任者として、北海道有珠山、三宅島、東海豪雨災害などに足を運び、被災者の願いや要望を聞くたび、その思いに全力で応えたいと思う毎日です。
 これからも、みなさんのご意見も受けながら、このホームページを充実させていきたいと思います。よろしくお願いします。

ページのトップへ