第183 通常国会 2013/1/28~2013/6/26 日付:2013-07-14 |
1)「転嫁できない消費税に苦しめられ続けた四半世紀」―身銭を切った納税を迫られる中小業者の厳しい実態
中小企業団体のアンケートでも、売上規模の小さい事業所ほど消費税の転嫁ができていない。この実態は消費税が導入されて以来、改善していない。
消費税の免税点が引き下げられた2004年以降、国税の滞納に占める消費税の割合が大きく増えてきている。たとえ赤字であっても、転嫁できなくても納税が余儀なくされる消費税は、まさに〝営業破壊税〟。この上増税を強行すれば、倒産や廃業を招くことは明らか。消費税の増税は中止すべき、と追及。(4月24日経産委員会)
2)重層的下請け構造が消費税転嫁を阻害
規模の小さい中小業者ほど消費税を転嫁できないのはなぜか?―自動車産業や建設業などに典型的な重層的下請構造に要因がある。
トヨタ自動車は2012年度決算で前期の3・7倍の営業利益をあげた。円安メリットによるものだ。その一方、トヨタ自動車は超円高時には取引先に対し、「円高協力金」と称した一方的な単価引き下げを押し付けていた。円高時には下請中小・零細業者にしわ寄せしながら、円安の利益は還元していないと指摘。これに対し、安倍晋三首相は「大企業が納入業者に対し、強い立場に立っている」とのべ、「重層的下請構造もかんがみ、転嫁がはかれるよう要請していきたい」と答弁した。
トヨタの下請業者からの聞き取りでは「ストップウオッチを持った親会社が作業時間を計って評価する」とか「単価の切り下げを断ると仕事がなくなると脅される」などといった切実な声が寄せられている。重層的下請構造の下でトップダウンのコストダウンが行われている現状では、下請け業者が消費税転嫁をすることは困難。
下請業者が身銭を切って納税した消費税を、トヨタ自動車が輸出戻し税として還付を受ける仕組みも改めるべきだ。(5月17日経産委員会)