第187 臨時国会 2014/9/29~2014/11/30 日付:2014-11-29 |
●官公需法 小規模企業の受注機会の確保、官公需適格組合制度の活用を(11月5日、経産委)
官公需法改定案は、ベンチャー企業など「創業10年未満」の中小企業に対し、官公需(国・自治体による物品購入や工事の発注)への参入機会を増やす中身になっている。
法改定が、ベンチャー支援に特化したものにとどまってはならない。官公需を中小企業の仕事おこしとして活用し、地域で雇用を守る中小企業・小規模業者の経営を下支えする観点で具体化をはかるべきだ。
宮沢洋一経産相は、既存企業の代替わりや新事業分野への進出など“第二創業”についても「しっかりと支援していきたい」と表明。
経営規模の小さな業者が官公需を共同で受注することを可能にする官公需適格組合制度について、2012年度の同組合の受注実績が全体の0・1%である。官公需組合への発注は、官公需を通じた地域内投資、地域経済循環にもつながるものだ。同組合の積極的な活用を各省庁や自治体に働きかけるよう求めた。
宮沢氏は「組合をどう活用するかは大事なこと」と述べ、発注者側に活用を促す考えを示した。
●官公需法改正案の参考人質疑。官公需適格組合の役割を評価(11月5日、経産委)
中小企業政策審議会官公需小委員会委員長を務める村上政博参考人に、官公需適格組合の役割について質問。
村上氏は「官公需適格組合は、中小の企業が集まって協同組合事業としてまとまってサービスを自治体その他に行うシステム。できる限り優先して受注機会を保護することは官公需法の基本的な考え方」「いくつもの企業が集まった適格組合に発注すると、緊急時対応など自治体にとっても使い勝手がいい。うまく機能している」と評価した。
●大企業の誘致競争は失敗、小規模企業支援の地域産業振興策を(11月7日、経産委)
地方自治体が誘致した大企業の工場が相次ぎ撤退した問題。大企業の工場誘致を競い合うような企業立地政策では、地元事業者の仕事づくり、安定した雇用にはつながらない。
その上で、地域の小規模企業への支援こそ重要だ。
宮沢洋一経産相は「面的、地域ぐるみの取り組みを応援したい」と答えた。
兵庫県尼崎市のパナソニックの工場は2005年から09年までに三つの工場が誘致されたものの、今年3月に閉鎖した。この間、同社による正社員の採用はほぼない一方、転職を余儀なくされた労働者は再就職も厳しい。
07年の企業立地促進法の審議の際、安定した雇用を確保する方針も撤退への歯止め策もない。まさに、その通りになった。
宮沢経産相は、まともに答えられなかった。
さらに、巨額の補助金で大企業の工場を誘致しても撤退された事例でも、自治体に企業誘致を競わせるようなやり方は失敗だった。
宮沢経産相は「誘致競争自体が悪いとはいえない」と無責任に答えた。
今後の地域産業振興策は、外資や大企業依存ではなく、地域資源を生かし、小規模企業の振興による内発的発展と地域経済循環の方向にこそ進むべきだ。