第187 臨時国会 2014/9/29~2014/11/30 日付:2014-11-29 |
●再生エネの接続拒否問題。原発最優先給電を批判(10月17日、経産委)
九州電力など五つの電力会社が太陽光など再生可能エネルギーの新たな買い取りを拒否している問題。再生エネルギーよりも原発を上に置く『原発最優先給電』だ。原発を“重要なベースロード電源”とする国のエネルギー基本計画の撤回を求めた。
再生エネ普及に向けて2年前に導入された「固定価格買取制度」で、太陽光発電の事業申請が急増。これに対し電力5社は「電気の安定供給に支障がある」と新たな買い取りを拒んでいる。国が太陽光発電の普及を想定した対策を取ってこなかったことが問題だ。
川内原発再稼働を狙う九州電力が約7万件の買い取りを拒否している。川内原発再稼働を踏まえた原子力のベースロード電源を想定するのなら、再生エネ拒否の理由は再稼働のためということになる。原発の再稼働はやめ「原発ゼロ」に踏み出すよう主張した。
小渕経産相は「原発は低廉で安定供給ができるベースロード電源だ」と開き直った。
●市民ファンドによる太陽光発電に対する東電接続拒否問題
11月13日、茨城県で市民ファンドによる太陽光発電事業をすすめるみなさんと一緒に、系統接続問題について、東京電力本店に要請に行きました。
東電の変電施設の制約のため、固定価格買取制度の認定を受けた発電事業者が、系統に接続できない事態が生じています。茨城県の東電龍ヶ崎支社管内では、変電施設増強の費用負担について、東電から個々の発電事業者に8千万円余りの請求があり、その負担の大きさから発電事業者が二の足を踏んで系統接続が進まない状況になっています。
この問題について、私は10月17日に経産委員会で取り上げました。8千万円の負担を分担できるような発電事業者間の協議の場を設けよと提案。小渕大臣(当時)は「(関係事業者)みんなで話せるような場を設けることも一案」と答えました。
今日のやりとりで、東電は「群馬県北で実施中の入札方式と同じやり方か違うやり方か、資源エネルギー庁(エネ庁)と協議中。発電事業者間の協議の場を設けることについても、エネ庁と協議している。(発電事業者の名前は公表しないというガイドラインがあるが)エネ庁が了解すれば、協議の場を設けることも考えられる」と回答。
参加者からは「一刻も早い解決を」「再生可能エネルギーの普及に東電としても全力を挙げるべき」と要請。竜ケ崎管内の発電事業者数と発電設備容量の総量について開示することを求め、東電は「検討したい」と回答しました。
●宮沢経産大臣の東電株保有問題(10月29日、経産委)
宮沢洋一経産相が東京電力株600株を保有している問題。経産相は原子力損害賠償・廃炉等支援機構の担当大臣でもある。東電の存立、経営に直結する権限を持ち、東電支援策の具体化をはかってきた。東電株式の保有は、経産相の資格が問われる問題だ。
同機構は、原発事故をおこした東電に1兆円を出資し、経営と財務を支えている。政府の方針では、同機構が保有する東電株を中長期的に売却し、それによって生じる利益で「除染費用相当分(2・5兆円)の回収を図る」としている。
除染費用を回収するために必要な株価は1000円前後だ。国の後ろ盾なしに東電株価は上がらない。東電の生殺与奪権を持つ経産相の責任は大きい。原発再稼働方針が東電の株価を上げた実例もあり、東電と国民の利益が反する場合がある。東電の経営責任、株主や貸し手(メガバンク)の責任は不問に付されているのに、東電株価引き上げ方針によって株主が利益を得るのはおかしい。
宮沢経産相は、「大臣を辞めた直後に東電の株を処分して福島復興のために寄付する」とのべ、問題ないとの認識を繰り返した。
●福島原発構内労働者の賃上げ問題
9月3日、福島第一原発(1F)事故の収束・廃炉作業に従事している下請け作業員が「危険手当不払いは共同不法行為にあたる」として東電や元請などを相手に6200万円の損害賠償を求める訴訟を、福島地裁いわき支部に起こしました。
私は昨年10月以降、繰り返し1F作業員の労働条件改善を国会で取り上げてきました。東電は昨年11月、作業員の日当の割り増し分(危険手当)を1日当たり1万円から2万円に増額すると発表。この間の国会質問で、マスク着用なら2万円、ボンベやアノラック着用なら3万円、タングステンベスト着用なら3万円以上という単価で、東電が元請に支払っていることもわかりました。12月の新規契約分から実施しています。
8月末、東電に対して、1F作業員の賃上げの進捗状況を確認、確実に賃上げが反映される仕組みとすることを要求しました。
昨年12月以降の新規契約件数は324件(7月末時点)。既支払件数は192件。元請から末次の下請会社への請負代金支払いを確認した件数は20件。労働条件通知書などで割増分が支払われていることを確認したのは2件だけ。賃上げ額は「把握していない」。何月から引き上げられたのかも「把握していない」。8月末に東電がはじめた作業員へのアンケートでは「賃金割増や新規手当」の支給状況を質問する項目がありますが、実額は質問していません。
昨年11月以降はじまったはずの作業員の日当割増しについて、実際に賃上げとなった例はほとんどありません。東電は元請任せで、賃上げの実態をつかもうとしていません。そもそも昨年12月以前の契約では割増が行われていないので賃上げの対象外です。これでは本気で賃金の引き上げ、危険手当の支給を行う気があるのかと疑わざるを得ません。
私は、東電に対して賃金の実額を把握して賃上げが確実に行われる仕組みをつくることを重ねて要求。そのためには、環境省が除染作業員に対して危険手当を「別枠」支給していることにならって、1F作業員の危険手当を「別枠(外出し)」で支給するよう、改めて要請しました。すべての作業員の賃上げ、危険手当の支給が実現できるまで、全力で取り組んでいきます。