第189 通常国会 2015/1/26~2015/9/27 日付:2015-06-22 |
会期延長反対の討論をおこないました。討論の内容は以下のとおりです。
私は、日本共産党を代表して、国会史上かつてない95日間の延長に断固反対の討論を行います。
いったい何のための会期延長なのか。本日の与野党書記局長・幹事長会談において、与党側は「安保法制・派遣法案・農協法案など重要法案の審議が続いており、ていねいに審議するため」と説明しました。きわめて重大であります。
政府・与党が会期延長で最大の目的にしている安保法制は、憲法9条を根底から覆し、日本がどこからも攻撃されていないのに、集団的自衛権を発動して、アメリカの戦争に自衛隊が参戦し、海外での武力行使に乗り出すものであります。
自衛隊は、世界中で、いつでも、どこでも、アメリカが起こすどんな戦争でも「戦闘地域」まで行って武器の輸送、弾薬の提供などのいわゆる後方支援、兵站を行おうというものであり、武力行使と一体となることは明らかであります。
さらに、戦乱が続いている地域での治安維持活動に、自衛隊を派兵し、任務遂行のための武器使用まで拡大は、違憲の武力行使に至る危険が明白であります。
まさに、日本国憲法を全面的に破壊する「戦争法案」にほかなりません。
そもそも、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記した憲法9条のもとで、歴代政府は「自衛のための必要最小限度の実力組織だから、自衛隊は憲法違反ではない」「自衛隊の海外派兵は憲法違反」「集団的自衛権の行使は認められない」との見解をのべてきました。
この長年にわたってとり続けてきた憲法解釈をかえる理由として、政府は「安全保障環境の根本的変容」を唯一の根拠としてあげましたが、他国に対する武力攻撃によって、法案がいうような「存立危機事態」に陥った国の実例は、ひとつも示せなかったのであります。
結局、何が「存立危機事態」で、どういうときに集団的自衛権を行使するのか、明確な基準は何もありません。政府の一方的判断で自衛隊を「中東有事」にまで出動させ、武力行使するという危険極まりないものであることが、この間の国会審議で明らかになりました。
また、政府は集団的自衛権行使の根拠として最高裁の「砂川判決」を持ち出しましたが、この判決は、集団的自衛権について触れていないばかりか、当時のアメリカ政府の圧力のもと「統治行為論」をとり、憲法判断をさけたものであります。
いまや「集団的自衛権の行使が認められる」という政府の弁明は、ことごとく崩れ去っているのであります。
にもかかわらず、通常国会最長の95日間もの延長によって、憲法違反の戦争法案をなんとしても強行成立させようなど、断じて許されません。
しかも、この大幅会期延長は、参議院の審議において60日間を過ぎれば否決したものとみなし、衆議院で3分の2以上の多数で再議決し成立させることまで、視野に入れているのであります。憲法違反が明白な法案を、議会制民主主義を踏みにじって成立させるなど、断じて容認できません。
また、この会期延長は、昨年2度も廃案となった労働者派遣法をはじめとする悪法を成立させようというものであります。戦後労働法制の根幹を崩す派遣法の成立など、到底認めることはできません。
最後に、連日、国会周辺で、多くの国民が「憲法違反の戦争法案やめよ」の声を上げています。世論調査では、国民の大多数が「成立を急ぐべきでない」としています。
政府・与党には、この声が聞こえないのでしょうか。いまなすべきは、この国民の声に耳を傾け、会期を閉じ、戦争法案など悪法を廃案にすることであります。
以上、会期延長反対の討論を終わります。
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