第189 通常国会 2015/1/26~2015/9/27 日付:2015-07-28 |
倫理選挙特別委員会で採決された参院選挙制度改革法案を、本会議に緊急上程することについて反対する意見表明をしました。
以下、全文を紹介します。
参議院選挙制度に関する自民・維新等5会派提出のいわゆる「2合区、10増10減案」の緊急上程に反対する意見を述べます。
そもそも選挙制度の改革は、国民の基本的権利の問題であり、議会制民主主義の根幹にかかわる問題であって、主権者国民に開かれた議論が不可欠です。これは会派間協議で代替できるものではなく、国会における多数で合意すればよしとするものでは決してありません。国会における十分な質疑を行ってこそ、選挙制度の内容を国民が知ることができ、国民の納得と合意がすすむことになります。
過去、参議院の選挙制度改革について、全国区廃止、比例代表制導入の法案では、本会議で趣旨説明質疑を行い、委員会では公聴会、地方公聴会の開催を含め35時間の質疑を行いました。非拘束比例代表制導入の法案では、参考人質疑を含む10時間近い審議を行っています。
今回の法案については、発議者自身が「参議院始まって以来」の「大改革」だと述べていました。そうであれば、それにふさわしい審議を行うことは当然だったはずです。
一方で今回の法案の内容を見れば、一票の価値の平等が求められていたにもかかわらず、当面の一票の較差を3倍に収めようというものにすぎず、抜本改革を先送りするものでしかありません。都道府県単位の選挙区を基本的に維持しながら、人口の少ない県を隣接する県と合区する手法は、その場しのぎであり、一部の県のみが単独の選挙区でなくなることによる「格差」と不公平を新たに生じさせ、さらには人口変動によって合区の府県の見直しが必要となるなどの根本的な問題があります。都道府県単位の選挙区を維持する限り、改選定数1の小選挙区が増加し、多様な民意を反映しない制度にならざるを得ません。これら法案の問題点について、慎重で十分な議論こそ必要です。
しかるに、このような重大な法案について、わが党が要求した本会議質疑も行わず、委員会でも参考人質疑や地方公聴会もなく、わずか1時間の質疑で打ち切ってしまったことは断じて容認できません。一部の政党で決めた選挙制度について、まともな議論を国会で行わずに押し通そうというやり方は、国民の理解が得られないばかりか、民主主義の土台作りである選挙制度の改革の在り方として許されるものではありません。
日本共産党は、多様な民意が正確に議席に反映する選挙制度への抜本改革実現のために奮闘する決意を述べ、意見表明を終わります。