記事一覧
第179 臨時国会 2011/10/20~2011/12/9
日付:2011-11-21
【質問主意書】 八ツ場ダムの費用対効果は過大推計/4年で倍に
事業継続の是非が検討されている八ツ場ダム(群馬県長野原町)について国土交通省関東地方整備局が10月に作成した「検討報告書」の内容に「信頼性に疑問」があるとして、質問主意書を提出した。
質問主意書でただしたのは、八ツ場ダムの「費用対効果」の記述。同整備局の報告書によると、ダムで得られる治水や利水の利益について、同ダム建設にかかる費用(総事業費)の「6・3倍」もあるとしている。
同整備局が2007年12月に示した費用対効果は「2・9」。09年2月では「3・4」となっていた。今回の「6・3」は、4年で2倍以上の増加となる。
この急増について、質問主意書は、洪水調節や観光で得られる便益の水増しを指摘している。
さらに、報告書で国交省は、八ツ場ダムがない現状では毎年6788億円の洪水被害を想定していることが分かった。
しかし、過去48年間の利根川流域での被害額を調査したところ、年平均179億円の被害にすぎない。38倍となる国交省の想定は、実際の洪水被害発生額とかけ離れた架空の数字だと疑問をつきつけた。
こうした過大な想定額の根拠と野田内閣の認識を質問主意書でただしている。
→質問主意書全文(PDF)