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日付:2012-02-07
埼玉・千葉/深刻な液状化被害で要望聞く
左から、久喜市・習志野市・浦安市
東日本大震災で深刻な地盤の液状化被害が発生した埼玉県久喜市、千葉県習志野市、同浦安市を訪れ、市の担当者から復旧対策の現状と課題、国への要望などについて意見・要望を聞いた。
久喜市では、田んぼに砂を盛土して造成された南栗橋地区で被害があった。市は住宅が全半壊した世帯に市独自の見舞金(最高10万円)を支給している。
習志野市では、海を埋め立てた地区を中心に市域の25%で被害。市は最高5万円の見舞金を支給してる。
浦安市では市域の85%で被害があり、半数以上の世帯が被災。市は地盤の修復や住宅建て替えを行う世帯に対し、国の生活再建支援制度(最高300万円)や県の補助制度(最高100万円)に上乗せして最高100万円を助成している。
個人宅地の地盤や住宅の復旧工事には、総額で100万から1千万円を超える費用がかかる。自治体独自の助成制度があっても、工事ができずに傾いた家に住み続ける住民も多くいる。
被災自治体の復興事業に国が交付金を支給する復興交付金事業の活用について意見を伺った。
担当者からは「個人負担が大きいと住宅地の工事が進まない。個人負担が少なくなる方法はないか」(久喜市)、「被害が発生した場所やライフラインなど対策を講じた方がいい場所には事業を活用できるが、液状化は市全域で面的に発生する。事業が活用できない場所について、市単独で対応するのは負担が大きすぎる」(習志野市)などの意見が出された。
習志野市では宮本泰介市長が「国が率先して液状化のメカニズムを解明し、復旧と対策について指針を示してほしい」と述べた。
住宅再建こそ地域再建だ。各市の意見をふまえて、制度の使い勝手を良くして公的支援を拡充すべきだ。とくに個人宅地・個人住宅への支援を強めることを求めていきたい。