日付:2016-02-06 |
防衛省集計の「米軍機の飛行に係る苦情等受付状況表」の2015年10~12月分を入手しました。この3か月間の苦情は、15県111件になります。
内訳は、岩手県1、東京都1、埼玉県17、群馬県2、栃木県5、茨城県1、鳥取県7、島根県18、広島県10、徳島県17、愛媛県3、高知県19、大分県3、宮崎県5、鹿児島県2です。
群馬県及び中国山地(島根県、広島県)における2か所の米軍機戦闘訓練エリアの被害が多数寄せられています。
低空飛行訓練ルートであるオレンジルート(和歌山県、徳島県、高知県、愛媛県)・ブラウンルート(鳥取県、岡山県、広島県)下の苦情も相変わらず多い。
埼玉県、栃木県では、米軍横田基地所属のC130戦術輸送機によると思われる苦情があります。
大分県、鹿児島県では、MC130と思われる米軍機の苦情が寄せられています。
岩手県花巻市の苦情は、「北方ルート」といわれる米空軍三沢基地が設定した低空飛行訓練ルートを飛ぶ戦闘機と思われます。
これまで見られなかった事例の一つとして、茨城県日立市の苦情があります。昨年10月9日、日立市の住民から「上空をジェット戦闘機が飛行してうるさい。8時50分ごろに4機が北西から南方向に、10時ごろに1機が南からきて旋回して南に飛行した」と苦情があり、米軍が飛行を認めています。
また宮崎県では、延岡市や日南市で、米軍機の苦情が寄せられています。特に日南市からの苦情は、苦情受付状況表が公表されて以降のこの10年間では初めてです。日本全土が米軍機の訓練場だということを改めて示すものです。
今回の苦情を見て気づいたのは、学校からの訴えが大変多かったということです。島根県浜田市の旭中学校から「あまりの騒音のため、学習発表会のリハーサルが中断した。明らかに中学校をターゲットにしていたと感じた」(10月29日)との苦情は、その一つです。苦情を寄せた学校名を見ると、浜田市の雲城小学校、今市小学校、金城小学校、弥栄中学校、広島県三次市作木小学校が挙げられます。米軍機の低空飛行が、いかに教育環境を損なっているか明らかです。
寄せられた住民の声を見ると・・・
●高知県本山町の住民「住居真上を戦闘機1機が西から東へ通過し、騒音がひどく恐怖を感じる。子供もお腹が痛くなると言っている。こういった飛行が何回も繰り返されており、本当に何とかしてやめさせてほしい」(10月7日)
●岩手県花巻市の住民「11月20日(金)の夜10時過ぎと21日(土)の夜11時半頃、花巻市上空を航空機が飛んでいた。こんな時間帯に飛行するのはかなり迷惑だ」
などがありました。