日付:2016-12-27 |
関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2017年度予算案の内容が明らかになりました。
9月の概算要求との主な変更点は以下の通り。
1)陸上総隊司令部庁舎新設(朝霞)については、今年度91億6千万円で地上部分の工事を行っているが、さらに今年度の執行残から30億円を集めて、地下部分の工事に入る。そのため概算要求での80億円計上を予算案では50.2億円に減額。
2)習志野駐屯地に「内柵等の整備」を追加。「駐屯地内の訓練場に、訓練の位置を区切るための区分けを行う」という。1.8億円。防衛省は「詳細はお答えできない」。特殊作戦群に関するものか。
3)入間基地に所在する飛行点検機(YS-11FC×2機、U-125×2機)について、2020年度に用途廃止を見込んでいるYS-11FCの後継、及び本年4月の事故によって失ったU-125の補完として「サイテーション680A」を選定。2019年度に2機を入間基地に配備予定。2017年度予算案に2機分の約95億円を計上。
※概算要求の内容については、塩川鉄也HPの「活動日記」2016年9月9日付をご覧ください。
詳細は以下の通りです。
1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)に係る予算額とその内容 | ||
横田飛行場提供施設整備 | 歳出ベース11億2800万円 | 契約ベース9700万円 |
管理棟、倉庫、整備用格納庫、ユーティリティ(給電・給水)。いずれも継続事業。 | ||
厚木海軍飛行場提供施設整備 | 歳出ベース13億400万円 | 契約ベース8億2800万円 |
汚水排水施設、雨水排水施設、工場(車両)改築、ユーティリティ(給水)、環境負荷低減対策(ソーラーシステム設置)。いずれも継続事業。 | ||
所沢通信施設提供施設移設整備 | 歳出ベース3億6800万円 | 契約ベース18億5300万円 |
所沢通信基地内に東西連絡道路を建設するための通信局舎、アンテナの移設工事経費。 | ||
大和田通信所に関係する経費は計上していない |
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2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」に関する予算額とその内容 | |
朝霞駐屯地 | 約27億円 |
25mと10mの射程を持つ射場の建設(8億円)、プールの新設(17.6億円)、庁舎(通信関係の部隊)の改修(1億円)、調査工事(駐屯地内の汚水処理を公共下水に接続できないかを調査 3千万円)。 | |
陸上総隊(仮称) | 約50.2億円 |
朝霞駐屯地内に庁舎等の新設。今年度は地上部分(91億6千万円)に加え地下部分(30億円)にも着手。その分来年度予算は概算時の80億円から50.2億円に減額。 | |
習志野駐屯地 | 約3.8億円 |
公共下水の接続整備。船橋市の公共下水への接続を行うため、駐屯地内の汚水管を整備する。さらに「内柵等の整備」に1.8億円。 | |
木更津駐屯地 | 約12億1千万円 |
エプロンの新設(12億円)、「約70機の保有台数に対しエプロンが小さいので整備する」という。教場の整備(3千万円)、訓練で使用する物品の置き場。 | |
百里基地 | 約38億5千万円 |
騒音防止施設(新たに配備されるF2用のエンジンテストセル1基)の新設等(28億円)、既設建物(パラシュート乾燥施設)の撤去(8千万円)、基地周囲の法面整備(未然防止のため)(8億円)、受配電施設の老朽更新(8億円)、調査工事(航空機燃料をJP-4からJetA-1に代えるための燃料施設改修関連)600万円。 | |
横田基地 | 約5千万円 |
庁舎の改修(F35三沢配備に当たり、航空総隊司令部内の秘匿情報を扱うための建屋の改修)。 | |
府中基地 | 約1.1億円 |
空調設備の老朽更新(2か所、6300万円)。調査工事(空自中央音楽隊の立川から府中移転に伴う建物の改修調査、700万円)。概算時になかった通信鉄塔撤去(情報本部局舎改修・老朽更新)3600万円を追加。平成27年度に新アンテナを建設しているので、古い鉄塔を撤去する。 | |
入間基地 |
約23億3千万円 |
管制塔の新設(Ⅱ期、3億円)、通信局舎の新設(電波情報収集部隊、Ⅱ期、9千万円)、格納庫の新設(電波情報収集機の格納庫Ⅱ期、3.5億円)、通信局舎の改修(自動警戒管制システム改修に伴う、2億円)、災害対処拠点地区等の整備(造成工事、9.6億円)、プール濾過機の改修(2億円)、調査工事(航空保安管制隊と航空医学実験隊1部・2部の立川から入間への移転に伴う調査、航空保安管制隊分0.15億円と航空医学実験隊分1.2億円)。概算時になかった「地下燃料タンク更新」(情報本部通信局舎老朽更新)2千万円を追加。 |
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大宮駐屯地、相馬原駐屯地、宇都宮駐屯地、北宇都宮駐屯地、勝田駐屯地、土浦駐屯地、霞ケ浦駐屯地、古河駐屯地、熊谷基地、立川基地はなし | ― |
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3.中央即応集団隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊)及びその他の主な部隊に係る予算額(装備品等)とその内容 | |
中央即応集団司令部及び司令部付隊(座間) | 約0.3億円 |
車両無線機の老朽更新 |
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第一空てい団(習志野) | 約13億円 |
空挺傘(460式、3億円)、自由降下傘(30式、6億円)、重量物投下器材(10個、3億円)。公共下水接続工事(2億円)。 | |
第一ヘリ団(木更津) | 約1296億円 |
オスプレイ(4機、719億円)、CH-47JA(6機、507億円)等。 | |
中央即応連隊(宇都宮) | 約2.5億円 |
爆発物探知処理セット(5千万円)。IED無線妨害装置(1億3千万円)。中型セミトレーラー(8両、3千万円)。 | |
特殊作戦群(習志野) | 約11億円 |
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中央特殊武器防護隊(大宮) | 約0.9億円 |
化学材監視装置 | |
対特殊武器衛生隊(朝霞) | 約0.4億円 |
生物剤対処用衛生ユニット維持 | |
国際活動教育隊(駒門) | 計上なし |
南スーダンPKO宿営地警備のための監視システムは、第3次補正予算に計上。 | |
中央情報隊 | 0.1億円 |
携帯無線機 | |
大井通信所(ふじみ野市) | 約0.8億円 |
警備員に係る役務(0.3億円)、古い局舎の取り壊し(0.5億円)。 | |
防衛医科大学校(所沢) | 約139億円 |
患者医療費41億円、機器維持費43億円、インフラ整備費37億円、医療備品18億円、防衛医学研究センター機材購入3900万円。 | |
航空医学実験隊(立川、入間) | 約2億円 |
航空用医療器材、消耗品。 | |
航空機動衛生隊(小牧) | 約300万円 |
機動衛生ユニット維持費。機動衛生ユニット整備費を減額。なお第2次補正予算において、航空機動衛生隊(小牧)に「機動衛生ユニット」2基の予算が計上されている。「機動衛生ユニット」は合計で4基になる。 |
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陸自化学学校(大宮) | 約1億円 |
学校教育に必要な消耗品、教材等の経費。 |