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日付:2017-02-09
【「日中友好新聞」掲載】日中議会交流委員会に参加して
日中友好協会機関紙「日中友好新聞」2月15日付より
日中議会交流委員会に参加して/日本共産党衆議院議員 塩川鉄也
衆議院と中国全国人民代表大会(全人代)は、2005年から「日中議会交流委員会」を開催してきました。一時期、関係悪化のため中断したこともありましたが、「議会同士の交流促進は、相互理解と信頼増進に資する」として、昨年度から再開しています。私は、1月11日に北京で行われた第9回会合に参加。今回で3回目となります。日本側代表団は衆院議院運営委員会の与野党議員7人、中国側は8人が出席。
第一セッションでは、国際・地域問題に関連して、私は平和の地域共同体としてのASEAN(東南アジア諸国連合)の実践に学び、北東アジアに存在する紛争と緊張を平和的外交的手段によって解決する方策として、友好協力条約の締結や領土問題の外交的解決などをめざす、日本共産党の「北東アジア平和協力構想」について紹介しました。意見交換の中では、北朝鮮問題が話題となり、日中双方から対話を通じた紛争の解決という立場が述べられました。
第二セッションでは、中国側から気候変動対策、環境保護対策に関する発言があり、情報公開と国民の参加が環境保護に効果的であるという意見が述べられ、私も環境NGOなど市民運動の重要性について強調し、この点でも双方の意見の一致がありました。
また中国側から、日本の政治指導者の歴史認識に関する指摘とともに、南シナ海問題について「争う余地のない主権をもつ」といった発言がありました。これに対して私は「日本が過去に行なった侵略戦争と植民地支配への反省は、日中平和協力の不可欠の土台となるものだ。一方、南シナ海問題において、力による現状変更を迫ることは、国連憲章や国際法に基づく紛争の平和的解決の諸原則に反する」と率直に意見を述べました。
懇談の中でおもしろかったのは、日本のカジノ解禁推進法が話題になったことです。安倍政権の成長戦略に位置づけられているカジノが、中国人など外国人観光客を当て込んでいることに関心を持っていたようです。中国の国内問題として「カジノは依存症になる」「他人を損ねて自分の利益にする悪行だ」と厳しい口調で述べたことに驚きました。
昼食会も交流の場となり、隣席の議員から日本の立法の仕組みについて、たくさんの質問が出され、こちらが食事をする余裕もないほどでした。全人代常務委員会が立法権を持っており、立法事務の改善への強い熱意を感じたものです。
PM2.5などの大気汚染も思ったほどではなく、気温も高めで好い日和でした(取材に来た「しんぶん赤旗」の北京特派員は「日頃はこんなものではないですよ」と言っていましたが・・・)。日中間の懸案を打開し、より「好い日和」となるように努力したいと思います。