日付:2012-08-24 |
画像クリックで「ガイドライン」(PDF=135KB)が開きます |
国の行政機関が少なくとも5万3000人超の国家公務員に対して本人の同意を得ずに身辺調査を行っていた問題。政府は調査の手順や方法を定めた「ガイドライン」文書を請求要求に対して、はじめて開示した。しかし開示文書のほとんどは黒塗りとなっており、調査の具体的内容をすべて伏せている。人権無視の身辺調査の危険性が改めて浮き彫りになった。
「秘密取扱者適格性確認制度の実施に関するガイドライン」と題したこの文書は、国の行政機関が行っている「適格性確認制度」のマニュアルともいえるもの。
ガイドラインは、自公政権時代の2008年に国の有識者会議で定められたもの。どんな調査を行うのかといった具体的な内容について、国民は知ることができないまま、09年以降、国家公務員に対し無断で身辺調査が行われている。
13枚の開示文書は、本体部分の「ガイドライン」と、調査表の作成例を例示した「別添1」と、「適格性の有無の判断基準」と題した「別添2」の3部構成。
うち5枚はすべて塗りつぶされるなど、全ページの大半が黒塗りとなっており、内容が全くわからない。
ガイドラインは、7月の衆院内閣委員会での追及に、藤村修内閣官房長官が「可能な範囲でこれを提出させる」と公表を約束していた。
この質問で、政府側はガイドラインの一部内容について答弁で明らかにしているが、今回の開示文書では、国会で示した内容ですら隠している。
【適格性確認制度】国家公務員を調査して、国の行政機関が管理する「特別管理秘密」を扱っていい職員か選別する制度。2009年4月から行われている。確認制度を取り決めたものには、ガイドラインと各行政機関がつくった「実施規程」がある。実施規程では、調査対象となった職員の人事記録や勤務評定記録書、実施責任者が定める資料をもとに調査を行うことが定められている。