日付:2012-08-27 |
群馬県では米軍機の低空飛行訓練が大問題となっている。群馬上空に広がる自衛隊訓練空域「エリアH」「エリア3」の管理を行っているのが航空自衛隊入間基地。航空総隊司令部飛行隊や中部航空方面隊中部航空警戒管制団などから説明を受けるとともに、作戦指揮室(SOC)と防空指揮所(DC)を視察。
航空総隊司令部飛行隊には、自衛隊訓練試験空域「エリアH」「エリア3」の使用統制機関としての役割がある。AIP(航空路誌)には「自衛隊機以外の訓練/試験機が、同空域を使用する場合には、使用統制機関と調整するものとする」と記述されている。
自衛隊側の説明は「使用する前日までに米軍部隊から、電話・FAXで時間指定の連絡をもらい、使用可の了承を行う。機数、機種、コールサイン、時間帯を確認する」とのこと。一日に2回飛行するなどの時間帯指定もあるという。エリアHにおける米軍からのAIPに基づく調整実績(使用実績ではない)は、平成23年1月~24年5月の間で、「93日間190時間」に及ぶ。
長島昭久防衛大臣政務官が「エリアH、エリア3で、自衛隊戦闘機による訓練は行われていない」と井上哲士参院議員に答弁しているように、この訓練空域は自衛隊戦闘機による訓練に「基本的には使っていない」。米軍だけが訓練で使用する空域をなぜ自衛隊が管理しているのか? 雫石事故後、自衛隊の戦闘機訓練空域は海上に出たのではなかったか? などの質問には答えがなかった。
入間基地においては、航空自衛隊航空総隊司令部飛行隊司令を会長とする「関東西部地区飛行連絡会」が毎年開催されている。(「関東西部地区飛行連絡会会則」参照・PDF=68KB)今年は10回目で、7月18日に開催。(平成24年度連絡会の資料参照→入間飛行点検・PDF=989KB、 入間周辺・PDF=794KB、 厚木周辺・PDF=1.1MB、 H空域・PDF=1.08MB)
「関東西部地区の低高度、混雑した飛行状況」があり、「空中衝突、異常接近の危険性」を踏まえ「運行関係者同士による情報交換、意見交換、対策が必要」ということで、実施されている。関東平野の空において、航空機の「空中衝突、異常接近の危険性」があるというのでは看過できない。
引き続き、防衛省・自衛隊に対し、情報開示を求めていく。