日付:2014-08-09 |
「しんぶん赤旗」8月9日付より
群馬県の道路や盛り土工事で使った鉄鋼スラグ(精錬の時に出てくる酸化物)から有害物質を検出した問題で、情報が寄せられながら、対応に腰が重い国土交通省など行政の姿勢が問題になっています。
環境基準を大きく上回るフッ素が検出された大同特殊鋼のスラグは、中毒症状を引き起こす恐れや、強アルカリ性によって植物を枯らすなどの環境への影響もあります。渋川市では、工事に使ったスラグから、相次いで環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されました。
しかし、県内での使用実態の把握にはほど遠い状況です。前橋市の旧富士見村地域では、10年ほど前まで村発注の道路にスラグを使用。今も各所の路面でスラグがむき出しになっており、健康被害を懸念する声があがっています。
日本共産党の塩川鉄也衆院議員が7月22日、現地調査をもとに国道17号バイパスの工事中の区間(前橋市)で、「路床」と呼ばれる道路の下地部分にスラグが使われていることを指摘。
指摘から2週間後の今月7日、塩川氏が回答を求めたところ、国交省は「現在、工事の書類を確認している」とのべ、現地を調べていないことを明らかにしました。
塩川氏は改めて、工事で使った石の科学的な調査を求めました。
国交省は、工事の仕様書では自然石のみを使う契約だったことを明かし、契約違反の疑いも浮上しました。
また、ハッ場(やんば)ダム関連工事でのスラグの使用についても、国交省は「確認する」として、詳細を明らかにしませんでした。