国会での奮闘をご紹介します
 
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国会での取組み


●164通常国会●
2006年6月9日 経済産業委員会 六ヶ所村再処理工場/環境監視拡充せよと要求
 九日の衆院経済産業委員会で、青森県六ヶ所村の再処理工場の環境モニタリングをより広い範囲に拡充するよう指導せよ――と国に求めました。

 日本原燃が運営する再処理工場では、3月末から、使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する試験運転(アクティブ試験)がおこなわれています。これにたいし、青森県内だけでなく、隣接する岩手県内でも、再処理工場から放射性物質が漏れれば影響を受けるのではないかと、不安の声があがっています。

 とくに、三陸沿岸の漁場や海水浴場を抱える自治体からは、首長連名でこの間の日本原燃の動きに抗議を突きつけるとともに、岩手県内とその沿岸海域に放射性物質を検出する機器を設けるなど環境モニタリングの実施を求めています。

 わたしは、フランスで再処理をおこなっているコジェマ社のラアーグ工場では工場から150kmの範囲で放射性物質を検出する体制をとっていることを紹介。六ヶ所村の再処理工場から百数十kmの範囲にある岩手県内とその沿岸海域でも環境モニタリングを実施するとともに地元への説明を十分おこなうよう、日本原燃に指導することを求めました。

 二階経済産業大臣は、青森、岩手両県への説明は尽くされているとしながらも、「関係者からの意見もいろいろ寄せられているので、よく検討してみたい」と答えました。
2006年6月1日 青少年問題特別委員会 学童保育の運営基準づくり/拡充を
 衆院青少年問題特別委員会で学童保育の運営基準づくりなどについて質問した。

 わたしは、埼玉県がつくった「放課後児童クラブ運営基準」を紹介し、県下の学童クラブの施設や運営改善につながっている例を示し、国としての基準づくりが必要ではないかと追及した。北井久美子厚労省雇用均等児童家庭局長は、「柔軟に事業を実施するために、市町村などのガイドラインを調査研究し、参考にしていきたい」と答えた。

 また、5月9日に文科省と厚労省が発表した「放課後子どもプラン」(仮称)についても質問。「『地域子ども教室推進事業』と『放課後児童健全育成事業』を一体的あるいは連携」となっていることから、事実上学童保育の廃止につながるとの懸念があるとし、学童保育の量的質的拡充の立場は変わらないのかをただした。山口泰明内閣府副大臣(少子化担当)は、「ニーズはあり、さらに拡充させていきたい」と答弁した。

 わたしは、働く親を持つ子どもたちの放課後に必要な生活の場が学童保育であり、他の事業にとってかわることができないと強調し、拡充するよう求めた。
2006年5月31日 経済産業委員会 知的財産権侵害への重罰化認められない
 知的財産権侵害に対する刑罰引き上げなどを行う意匠法「改正」案が自民、公明、民主などの賛成多数で可決。

 わたしは、現行の懲役刑の上限に近い事例も皆無に等しく必要性が乏しい、知的財産権の特殊性から懸念があるなどと指摘し「知的財産権侵害行為を抑制するためだけの重罰化は認められない」と反対しました。採決に先立つ質疑で、経産相諮問の審議会報告で、刑罰の上限10年への引き上げについて「慎重に検討を行うことが適当」とした結論を覆し上限を引き上げた理由をただすと、二階俊博経産相は「知的財産保護の政府の決意を国内外に示すもの」と述べました。
2006年5月23日 経済産業委員会 原子力政策/自治体との関係を参考人に質問
 経済産業委員会で、原子力政策についての参考人質疑がおこなわれました。核燃料サイクルなどについて、玄海原発がある佐賀県玄海町の寺田司町長、原子力安全委員会の鈴木篤之委員長、電気事業連合会の勝俣恒久会長、日本原子力研究開発労働組合の鈴木政浩委員長の四人の参考人が意見陳述し、参考人に質問しました。

 わたしは、プルトニウムを原発の燃料に使うプルサーマル計画について、東京電力社長でもある勝俣会長に質問しました。実施する原発を示せない東電への再処理後のプルトニウム割り当て量が、電力各社のなかで最大であることについて、「立地自治体との信頼関係を損なうことにならないか」と尋ねました。

 勝俣会長は、「不祥事の後、(東電の)プルサーマル計画は白紙撤回という状況になっている」としながらも、プルサーマルをおこなう意向を表明しました。

 プルサーマルを地元自治体として事前了解した寺田町長は意見陳述で、「遺憾ながら、データ改ざん、制御棒破損、配管のひびわれなど、いまだ不安をいだかせる不祥事、事故が発生している」と述べ、厳格な安全規制を求めました。
2006年5月17日 経済産業委員会 中小企業協同組合法「改正」/共済に悪影響と反対討論
 中小企業協同組合がおこなう共済などへの規制を強化する中小企業協同組合法の「改正」案が自民、公明、民主、無所属の賛成多数で可決しました。

 わたしは反対討論に立ち、「共済と民間保険会社間の平等な競争環境の確立」をもとめる米国政府と日米保険業界の要求にそったものであることを指摘し、「(法案の規制強化が)相互扶助の精神に基づく中小企業組合の共済事業の存続・継続をおびやかし、その性格をゆがめるもの」と批判しました。

 採決に先立つ質問で、法案提出の理由としてあげられている共済の破たん事例・佐賀商工共済協同組合の問題をあげ、「法改正ではなく、改めるべきは県の監督責任ではないか」と指摘。望月晴文中小企業庁長官は、「県が責任をもっている問題」としながら、「裁判で争いがあるなかで事実認識できない」と答弁。わたしは、「破たん事例を理由としながら、事実検証さえされていない」と批判しました。

 さらに、共済を市場として日米保険業界が参入をめざしていることにふれ、保険と共済と性格の違いを無視して同じルールの適用をもとめる要求に聞くべきでない、と認識をただすと、望月中企庁長官は、「保険と、相互扶助からの共済事業とはおのずと、大事なところで違う。イコールフッティング(同等の競争条件)からスタートする必要ない」と認めざるをえませんでした。
2006年5月10日 経済産業委員会 農地つぶしの郊外大型店/規制の実効性高めよ
 経済産業委員会で、農村部へ大型店を誘致する際に活用されている、通称「農振法27号計画」の問題を取り上げました。

 「まちづくり三法」見直しの一環として、参議院で審議中の都市計画法改正案では、郊外部への大規模集客施設の立地を原則禁止とし、郊外大型店の出店に際しては、農地が転用されるケースが多いため、農地も含めて都市計画法上の規制の網をかけることにしています。

 農水省はこの法改正に合わせて「農振地域制度及び農地転用許可制度の適正かつ厳格な運用」を図り、優良農地の確保に努めるとしています。

 福島県湯川村で、自治体が27号計画を活用して、農用地区域に売場面積3万7千平方メートルの大型店出店を計画している事例を挙げ、この仕組みが「大手商業資本の出店の道具として使われている」と追及しました。

 農水省の宮本敏久企画部長は、「今後は、代替すべき土地の有無や、農業上の支障の観点についての要件を徹底するためのガイドラインを出す」と答弁しました。

 わたしは、27号計画はもともと、1989年の農水事務次官通達で打ち出した「農村活性化構想」そのものであり、バブル絶頂期の土地利用構想を引きずっているものだと指摘。安易な農地転用につながる、この制度そのものの廃止を求めました。

【農振法27号計画】 市町村が地域の農業振興の観点から定めた計画に基づく農村活性化施設等については、優良農地であっても農用地区域から除外し、農地転用が可能となる仕組み。農振法施行規則第4条の4第1項第27号で規定されていることから、通称「27号計画」。
2006年4月21日 経済産業委員会 市街地法「改正」/「まちづくりを国が選別」と指摘/衆院委で可決、共産党は反対
 中心市街地活性化法の「改正」案が、経済産業委員会で自民、公明、民主などの賛成で可決されました。日本共産党として反対しました。「改正」案は「まちづくり三法」の見直しとして提案されたもので、中心市街地への大型店出店を誘導する内容となっています。

 採決に先立つ質疑でわたしは、市町村が作成した中心市街地活性化計画(これまでに610自治体で作成)が、効力を失い、新たに内閣総理大臣が認定した計画にのみ支援を特化する問題をとりあげ、これまでのまちづくりの努力を否定することになると指摘し、法案の目的をただしました。

 二階俊博経済産業相は、「集中的に国が支援」するためと答弁。わたしは「圧倒的多数の中心市街地・商店街を支援の枠組みからはずすやり方では、わが国全体の経済の発展・商業の振興に資するものにならない」と批判しました。

 採決にあたり反対討論にたち、「まちづくり三法」が失敗した根本原因が、大型店の出店を野放しにした規制緩和路線にあることを指摘。反対理由として、中心市街地活性化法「改正」案では、「自分たちのまちは自分たちでつくる」というまちづくりの基本に逆行して、国が選別した計画だけを支援するものであること、中心市街地に大型店が出店する際、住民・自治体の意見表明権を奪う仕組みがあり、実質的に「まちづくり三法」のひとつである大店立地法を骨抜きにするものであるとのべました。
2006年4月20日 本会議 「行革」法案が衆院を通過/反対討論にたつ
 国民の安全と暮らしを支える公共サービスを削減する「行革」関連五法案が、衆院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決され、参院に送付されました。

 自民・公明の与党は5法案すべてに賛成し、日本共産党と社民党はすべてに反対しました。民主党は「市場化テスト(公共サービス改革)」法案と公益法人制度「改革」関連3法案には賛成し、「行革推進」法案に対しては政府案以上の国家公務員削減をめざす対案を出して反対しました。

 わたしは反対討論に立ち、「小泉総理が『改革』の総仕上げという今回の法案は、簡素で効率的な政府を口実に、国民の安全や暮らしを支える公務部門を縮小し、国の責任を放棄するもの」と批判。(1)必要な公務員の削減は「国民の安全、教育、福祉の要求、願いを正面から踏みにじる」 (2)「市場化テスト」は一部大企業にビジネスチャンスを与えるため (3)政策金融改革は「中小企業のセーフティネットを破壊する」 (4)天下り規制、談合防止、企業献金禁止など必要な改革には手をつけていない――と指摘しました。害悪が明らかになっている小泉「構造改革」路線を「将来にわたって継続させるものであり、しかも消費税導入の地ならしにしようなどとんでもないことだ」と訴えました。

反対討論の全文を見る
2006年4月19日 行革特別委員会 公共サービス切り捨てる「行革」法案/「国の責任放棄」と反対/自公が可決
 「簡素で効率的な政府」を口実に国民の暮らしを支える公共サービスを切り捨てる「行政改革推進」法案、「市場化テスト(公共サービス改革)」法案など「行革」関連五法案が、衆院行革特別委員会で自民、公明などの賛成多数で可決されました。

 国と地方の公務員の大幅削減や中小企業向け政策金融の統合・民営化などを盛り込んでいる「行革推進」法案は、自民、公明の賛成多数で可決。民間企業のための市場拡大を目的として民間企業と行政機関が競争入札して公共サービスの担い手を決める「市場化テスト」法案、まじめに活動する民間非営利団体への負担増につながる公益法人制度「改革」関連3法案は自民、民主、公明、国民新各党の賛成多数で可決しました。日本共産党、社民党は5法案すべてに反対しました。

 わたしは反対討論に立ち、「十分審議が尽くされないまま、質疑を打ち切り、採決を強行することに断固抗議する」と表明。法案について、▽国民の安全や暮らしを支える公共部門を縮小し国の責任を放棄する ▽「市場化テスト」は一部大企業のビジネスチャンス拡大を目的とするもので、行政サービスの公平性や専門性を後退させると指摘しました。また国民生活金融公庫など政策金融の統廃合は中小企業への金融支援機能を後退させ、政官業の癒着を断ち切る対策、天下り規制、談合・企業献金禁止がない、として法案に反対しました。

 国家公務員の総人件費を3年間で2割削減することを盛り込んだ民主党の「行革推進」法案は、民主、国民新両党の賛成少数で否決されました。

「行革」関連法案のポイント
【「行政改革」推進法案】
 ・ 国家公務員を5年間で5%以上純減
 ・ 国基準も「見直し」地方公務員を5年間で4.6%以上純減
 ・ 国民生活金融公庫など現在の8政府系金融機関を統廃合や民営化で1機関にする
 ・ 31ある特別会計の整理合理化

【「市場化テスト」法案】
 ・ すべての公共サービスを対象に、官民競争入札制度を導入
2006年4月18日 経済産業委員会 中心市街地活性化法についての参考人質疑
 参考人は、日本政策投資銀行地域企画部参事役の藻谷浩介氏、日本商工会議所まちづくり特別委員会委員長・足利商工会議所会頭の板橋敏雄氏、株式会社まちづくり長野タウンマネージャーの服部年明氏、秋田市駅前広小路商店街振興組合理事長の平澤孝夫氏の4人。いずれのみなさんも各地で中心市街地のにぎわい作りや、商店街 振興策に取り組んでおられる方です。

 大型店の社会的責任についての考え方や、福島県のまちづくり条例など、自治体独自の大型店出店規制の取り組みについての評価などについて質問しました。
2006年4月17日 行革特別委員会 「行革」法案で参考人質疑/市場化で格差の拡大懸念
 行革特別委員会では、参考人質疑を行い、「行革推進」法案、「市場化テスト(公共サービス改革)」法案に懸念の声が相次ぎました。

 日本大学の永山利和教授は「行政の仕事を利益重視の民間企業が担うことで、低所得者や高齢者がサービスを受けることが難しくなり、格差の拡大につながる」と「市場化テスト」法案への危ぐを表明しました。

 中小企業向けの政府系金融機関の統合・民営化について、全国商工会連合会の清家孝会長は「政府系金融機関は、民間銀行の貸しはがしや貸し渋りの横行、災害時に中小企業の苦境を救ってきた」と述べ、中小企業の立場に立った改革を求めました。

 連合の逢見直人副事務局長は「行革推進」法案が目標とする公務員の純減に対し、「政府案は5%の削減目標先にありきだ」と批判しました。

 わたしは「『市場化テスト』法案は労働分野の規制緩和を公務労働に本格的に導入する転機になるのではないか」と質問。永山氏は「公共サービスを民間企業の仕事として運営すれば、できるだけ安い賃金で労働者を活用するインセンティブ(動機)となる。サービス内容の悪化に連動していく」と述べました。

 さらに、国の配置基準「見直し」で地方公務員を削減することについて質問。自治労の君島一宇副委員長は「ケースワーカーや児童福祉司など国の配置基準すら満たされていないのが現場の実態。一律的な削減はサービス向上につながらない」と批判しました。

 また「日本は公共事業で大きな政府。どうメスを入れていけばいいか」と質問。東京大学大学院の井堀利宏教授は「ムダな公共事業は残っている。入札制度を変えることが必要だ。総額を引き下げても国民に必要なサービスは提供できる」と答えました。
2006年4月14日 経済産業委員会 周辺環境保持は骨抜き/中心市街地活性化法案を批判
 郊外への出店を抑制する一方で、中心市街地の開発を規制緩和し促進する、中心市街地活性化法案について質問し、「周辺の生活環境の保持はどのように担保されるのか」と迫りました。

 わたしは、同法案に盛り込まれた大店立地特例区域について、指定された地域は、住環境への悪影響を防ぐために大店立地法で定めている出店の際の手続きが、一種の場合はすべて不要に、二種の場合は届け出と説明会だけになる問題で「大型店の出店について住民の意見表明権や地方自治体の勧告権、公表規定を奪う」と指摘しました。

 「出店によって交通、騒音、廃棄物などの懸念がある場合、住民の意見はどのように反映されるのか」との質問に、経産省の迎陽一商務流通審議官は、区域設定時に意見表明できると述べました。

 わたしは、区域設定の時点で議論しても、実際の出店について住民が意見表明できないとし、「大店立地法の周辺環境保持の機能は骨抜きになる」と批判。大店立地法の規定で実質的に残るのは、自治体が大型店の出店を規制することを禁じた「商業調整の禁止」(13条)だけであることを示しました。

 昨年12月に発表された米国の対日規制改革要望書が「大規模小売店舗に関する法」の項目で、今回の法改定について「新たな規制をもたらす結果にならないように」と注文をつけていることを紹介。「商業調整の禁止こそ廃止すべきだ」と求めました。
2006年4月7日 経済産業・国土交通連合審査 大店法廃止への反省必要/まちづくり三法で質問
 経済産業委員会と国土交通委員会の連合審査会で、都市計画法など「まちづくり三法」の見直しについて質問しました。大型店の出店を規制する大店法を廃止してつくったまちづくり三法が「商業調整を禁止した上、都市計画法のゾーニング(土地利用規制)も有効でなかった」と批判し、「その反省をふまえた抜本的対策こそ必要だ」と迫りました。

 まちづくり三法ができて7年がたち、政府自身が「中心市街地の衰退が目立っている」(二階俊博経済産業相)と認めざるをえません。その対策として出された都市計画法改正案は、大型店の出店を原則可能から原則不可へと転換したものです。

 わたしは、まちづくり三法の制定時、政府が“ゾーニングで郊外の大型店の出店は規制できる”と説明したのは間違っていたのではないかとただしたのにたいし、北側一雄国交相は、大型店規制について「市町村として手段はちゃんと持ち合わせていた」とのべ、自治体に責任を転嫁しました。

 わたしは、独自の大型店規制条例をつくった福島県では、大店立地法13条の商業調整の禁止が条例制定の障害となったことを指摘。「市町村の努力が足りなかったからではない。土地開発が原則自由だから、自治体が動きようがなかったのが実態だ」とのべ、「この点で真摯(しんし)な反省が求められる」と批判しました。
2006年4月6日 経済産業委員会 検査制度見直しを/福島原発ひびわれ問題を追及
 福島第二原発3号機の再循環系配管で交換が必要なひびわれを見逃していた問題について検査制度の見直しを迫りました。

 国は2003年以降、原発機器にひびわれがある場合も、“健全性が維持できる”基準を設定、交換しなくても使用できる期間をのばす検査制度を導入してきました。福島第二原発3号機での見逃しについて「福島県の(交換の)要求がなかったら、発見することができなかったのではないか」と追及。広瀬研吉・原子力保安院長は質問にはこたえず「検査の精度を向上させる必要がある」と述べるにとどまりました。

 わたしは、この問題について「維持基準の信頼性にかかわる重要な問題」とした福島県の見解にふれながら、「安全をもとめる地元の声にこたえて、維持基準の制度は見直すべきだ」と要求しました。二階俊博経済産業相が「国は地元自治体との信頼関係の構築に努力すべきと考える。福島県知事、立地関係者にも直接会って対応していきたい」と述べました。

 わたしは、国が安全確認をしたあと、地元自治体との調整で原発の運転再開ができない期間は交付金算定にくわえない改悪をおこなおうとしていることにふれ、「こうした交付金のあり方はかえって安全性を損ない地元自治体との信頼関係を損なう」と批判しました。
2006年4月4日 行政改革特別委員会 公共サービスが後退/「行革」法案で公務員の配置基準下げ/福祉・教育・安全を標的
 小泉内閣が今国会の「最重要法案」と位置付ける「行政改革推進」法案の本格的審議が、行政改革特別委員会で始まりました。わたしは、法案が地方公務員のうち国が配置基準を定めている教育、福祉、消防など国民生活に密着した分野の基準を引き下げて純減すると打ち出していることを指摘し、「身近なサービスを後退させることになる」と批判しました。

 「行革推進」法案は、5年間で国家公務員を5%以上、地方公務員を4・6%以上、それぞれ純減することを目標としています。地方公務員の総数は現在約300万人で、そのうち国が基準を定めている分野の公務員数は約200万人です。まさに国民生活に密着した、教育、警察、消防、福祉などが対象分野です。


 その分野の一つである「消防」では、消防士の充足率が基準の75・5%(2003年5月現在)となっています。国の基準すら達成されていないのが現実なのに、それさえ壊そうとしている実態を浮きぼりにしました。

 充実が求められている「教育」分野では、国の教職員配置基準は40人以下学級。政府は昨年8月に、第8次教職員定数改善計画を立案して、小学1年生に35人学級を可能とする定数改善を掲げていました。ところが、公務員削減の論議が進んだことで、計画は案のままでお蔵入りになりました。わたしは「計画があったのに取り下げている。実害が出ている」と指摘しました。

 「国の配置基準は公共サービスの最低限の基準を設けたものだ。それを壊すのが今回の法案だ」との批判に、小泉純一郎首相は国基準引き下げについて「公務員でなければいけないのかどうかの問題もある」などと答弁。わたしは「保育士の配置などは官も民も基準は同じ。基準引き下げは民間のサービスも後退させる」と批判しました。

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2006年3月31日 経済産業委員会 温暖化ガス/国内削減の努力こそ必要/排出権購入を批判
 地球温暖化をひきおこすCO2など温室効果ガスの排出権を、途上国から購入できる「京都メカニズム」の業務を「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)がひきうける法案が、衆議院で審議入りしました。日本が途上国で行う省エネルギーなどのプロジェクトによるガス削減分を日本の削減分に繰り入れるものです。

 わたしは、京都議定書にもとづく温室効果ガス削減について、「まず、国内排出削減の努力こそが必要」とのべ、「京都メカニズムの活用は限定すべきだ」と質問しました。

 二階俊博経済産業相は、「ご指摘の通り」とのべ、「国内的努力が本質」と認めました。しかし、国内排出削減の計画の中には、民間事業者が京都メカニズムで対応する部分が含まれています。

 わたしは、京都メカニズムの対応分は含めないようにすべきだとのべ、温室効果ガスの上位約二百企業で、温室効果ガスの排出量の約五割になるといわれていることを指摘し、大口排出事業者の削減計画が必要だと提起しました。
2006年3月29日 経済産業委員会 中古家電の販売規制問題/「対象外」明確にせよ
 電気用品安全法によるPSEマークのない中古家電販売規制問題で質問し、大混乱を招いた経済産業省の責任を追及しました。

 同省が4月以降の中古家電販売容認を表明せざるを得なかった事態を受け、「中古品は、電安法の対象外ということをはっきりさせるべきだ」と迫りました。

 わたしは、24日の経済産業省とリサイクル業者らでつくる「PSE問題を考える会」との共通理解の内容の報告を受け、「実質的に中古電気用品の販売が可能になったもの」と確認しました。そのうえで、旧法の電気用品取締法の制定当時の国会審議(1961年4月、10月)での通産省局長答弁を示し、電気用品取締法でも中古品は対象外だったこと、「販売制限は、もぐりの製造事業者を規制するためのもので新品を対象にしたものだ」と指摘しました。

 「中古家電販売業界は、リユースなどのリサイクル社会を支える不可欠の産業ではないか」との質問に対して、二階俊博経済産業相は、リサイクル業者の役割を評価し、「これからも話し合いの場をもっていく」と答えました。
2006年3月22日 経済産業委員会 企業誘致が自治体の財政圧迫/亀山市の実態あげ指摘
 大手メーカーの“国内回帰”を受け、地方自治体の誘致合戦が過熱しています。企業誘致のための多額の税金投入が、自治体の財政を圧迫していることを指摘しました。

 先に調査をおこなった、電機大手シャープの液晶テレビ工場を誘致した三重県亀山市の実態をあげ、「大企業の都合に左右されない地域経済振興策こそ必要だ」と強調しました。

 同工場は2004年に開業。三重県と亀山市が、135億円という破格の補助金投入を約束し誘致しました。「1万2千人の雇用創出効果がある」といわれたものの、実際に同工場で働くのは、請負企業を含めてわずか4千人(3月現在)です。わたしは「地元新卒の採用は4年間で225人。効果はきわめて限定的だ」と指摘しました。

 財政面でも亀山市は、工場からあがる固定資産税の9割相当額を交付金として“環流”しているため、実際に使える収入は1割しかありません。しかし、見かけ上は大幅税収増となったため、国から地方交付税を受け取れなくなりました。

 わたしは、「企業の都合を優先した国内回帰では、地元自治体の負担が増える結果になる」と批判。二階俊博経産相は「これからの立地政策を推進するうえで、参考にしたい」と答えました。
2006年3月22日 経済産業委員会 偽装請負問題/経産相「非正規の現状調査したい」と答弁
 トヨタ自動車系列の光洋シーリングテクノ社を例に偽装請負の問題を取りあげました。二階俊博経済産業相は、関連して「長年働き、技能をもった人が、将来に希望の持てる道を開くためにどうすればよいか。経営者といろんな話し合いの場を通じて相談していきたい」と述べました。

 わたしは、同社の派遣・請負労働者を例に、ものづくりの中核部分で、請負企業による非正規雇用化が進んでいる問題を指摘。高度な技能を持つ工場労働者が、3カ月ごとの契約更新、正社員の半分程度の給与待遇を強いられているという実態を示し、「こういう現状をどう思うか」とただしました。二階経産相は「非正規雇用者の立場を経営者として十分に考えていかなければならないのは当然だ。現状がどうなっているか、特に注意を払って調査したい」と答えました。
2006年3月17日 経済産業委員会 中小支援/すそ野を広げよと要求/経産相「その通り」
 「中小企業ものづくり基盤技術高度化法案」について質問しました。

 わたしは、製造業が集中する東京都大田区で中小企業が1983年と比べて45%減となっている実態を指摘し、これまで大企業が身勝手なコストダウン要求で中小企業を疲弊させ、自らのものづくりの基盤技術も壊していることを批判しました。

 高度な技術をもつ中小企業を大企業との連携で支援する今回の法案は、「富士山にたとえれば七合目あたりの中小企業を支援するもの」ではないかとのべ、「トップを引き上げることと同時に、すそ野を広げるという両面から取り組んでこそ、日本のものづくりは強くなる」とただしました。

 これに対し、二階俊博経済産業相は「塩川議員のおっしゃる通り」と認め、「できるだけ広くすそ野を大切にするということが大事であることは申すまでもない」とのべました。その上で、その観点から国際的に活躍する中小業者の成功例だけでなく、つまずいた企業が敗者復活した事例を調査していると答弁しました。
2006年3月14日 経済産業委員会 業者の技術を価格に反映する仕組みを要求
 中小企業のものづくりの実情に関して参考人に質問しました。

 東京・大田区で鋳物業を営む中小業者の橋本光蔵さんは、「難しい問題で絶えず悩んでいる」と切りだし、約4割の製品単価が原料の重量で決められている実態を示しました。

 わたしは、「はかり売りじゃなく、技術をしっかり見てもらえる、ふさわしく価格に反映されるスキーム(仕組み)を検討すべき」と述べました。
2006年3月8日 経済産業委員会 中古家電の販売規制の4月実施の変更求める/経産相「状況踏まえ対応」
 電気用品安全法(電安法)によって、新表示「PSE」マークのない中古家電が四月から販売規制される問題で、「四月実施」を変更するよう求め、二階俊博経済産業大臣は、1カ月を切っているが周知・徹底へ「最後の努力をする」、関係者の意見も聞き「ゴールを迎えた段階で、状況を踏まえて対応していく」とのべました。

 わたしは、『電気用品安全法関係法令集』に中古品についての記載があるか、と追及。迎・商務流通審議官は、「記載がない」と認めました。さらに、「中古品が対象」というのは、行政が後になって言い出したもので「中古品はもともと想定外のものだった。五年間もあったのに、やっとリサイクル業者に文書で通知したのは2月中旬になってからではないか」と指摘しました。

 経産省が提出した資料では、電安法改定時の「流通経過措置期間」について「全面改正となり、全製品に影響が及ぶこととなる。このため、最低でも5年を担保することが販売店における財産保護の観点から不可欠」との内部検討があったことが記載されています。わたしは、中小のリサイクル業者への周知の不十分さを示し、「リサイクル販売業者には『財産権保護』が必要ないということか」と、経産省の対応を厳しく批判、「すでに廃業を決した業者もいる、リサイクル業者や音楽のビンテージ品愛好者などから『日本の文化をごみにしていいのか』との困惑や怒りの声にこたえるふさわしい対応を」と求めました。

昨年11月でも扱い定まらず/政府文書

 経済産業省情報通信機器課が昨年11月9日付でおこなったリサイクル業者への「電気用品安全法に関する調査依頼」の文書で、この時点でも中古家電が同法の対象と決まっていなかったことがわかりました。文書では、「5年間の猶予期間終了に伴う影響が大きいとしても」「旧法に基づくマークを表示した電気用品は、来年4月から販売できなくなることもありますので、念のため、お伝えします」と記述。中古家電の扱いが定まっていないことを示しています。

 同調査は、「PSE」マークのない中古家電が販売できなくなることで、どんな影響があるかをアンケート調査したものです。

 調査対象は、大手家電メーカーなどでつくる「家電製品協会」を通じた、ごく一部のリサイクル店と大手リサイクル業者2社だけでした。「大手リサイクル業者に事情を聞いただけで、おおくの中小のリサイクル業者は、視野の外においた」調査でした。

経済産業省が一部のリサイクル大手業者に配布した「電気用品安全法に関する調査依頼」文書

2006年3月1日 予算委員会分科会 利根川流域の治水計画の見直し、八ツ場ダム建設の中止を要求
 利根川流域の治水計画について、過大な洪水流量の設定が無駄なダムを温存させていると追及し、八ツ場ダムの建設中止を求めました。

 わたしは、八ツ場ダム建設の根拠とされている1947年のカスリーン台風時の洪水実績流量が過大ではないかと問題提起。戦時中の森林伐採により保水力が低下していた山林は、今大きく回復しており、このような流域状況をふまえた再検討をおこなうべきではないかと迫りました。北側一雄・国土交通大臣は「森林面積は大きな変化はない」と回答。

 また、「群馬県林業統計書」の森林蓄積量のデータを示し、1951年から98年で、蓄積量が1,349万立方メートルから7,262万立方メートルへ、5・4倍に増えていることをあげ、「森林が大きく成長している。科学的な知見をふまえた再検証が必要ではないか」と要求。渡辺和足・国土交通省河川局長は、従来からの検証方法の説明を繰り返しました。

 そのうえで、「まともな検証をおこなっていない。過大な洪水流量設定が無駄なダムを温存させている。科学的な知見をふまえた再検証をおこなって、八ツ場ダムの建設は中止せよ」と求めました。
2006年3月1日 予算委員会分科会 米軍所沢通信基地内の連絡道路建設・全面返還や自衛隊百里基地への米軍機訓練移転問題などで質問
 米軍所沢通信基地(埼玉県所沢市)に連絡道路を建設するための施設移転費を地元自治体に押しつけようとしている問題で、北原巌男防衛施設庁長官は、軍事施設の移転費を自治体負担にした「例はない」と認めました。

 同基地は、市の中心に位置し、街づくりの障害になっています。市は同基地の全面返還と、同基地内の東西連絡道略建設を求めています。ところが防衛施設庁は、建設に伴う通信局舎などの移転費を市に負担させようとしています。

 わたしは「前例のない軍事施設の移転費の押しつけは、行うべきではない」と要求。同基地が、米軍の核部隊などへの緊急行動メッセージ(EAM)を伝える通信機能を担っていることをあげ、全面返還を求めました。

 また、在日米軍再編で、航空自衛隊百里基地(茨城県)に、米軍嘉手納基地(沖縄県)などからの訓練移転が狙われている問題をただしました。

 地位協定の実施に伴う国有財産管理法と同施行令は、国有財産を米軍に使わせる場合に「(地元への)影響が軽微であると認められるもの以外」は、自治体の意見を聞くよう義務づけています。しかし、これまで同法にもとづく意見聴取の例はありません。

 わたしは、地元自治体が「住民生活に大きな影響を与える」(茨城県小川町)など※↓と反対していることをあげ、同法にもとづき自治体の声を聞くべきだと要求。北原長官は、移転計画について「(日米で)協議中であり、お答えする段階にない」と述べ、回答を避けました。

※茨城県内首長のコメント=●橋本昌茨城県知事「地元が反対なら反対だ」●伊能淑郎小川町長「従前から騒音を減らしてほしいと言っている。移転は反対」●鬼沢保平鉾田市長「騒音増大、事故を懸念して住民が反対しており了承は難しい」●坂本俊彦行方市長「(騒音で)住民の反対が強い」●小谷隆亮大洗町長「米軍の訓練移転には反対していきたい」

「埼玉新聞」の1面でも詳しく報道
 3月2日付けの「埼玉新聞」1面では『米軍所沢基地、返還求めず/額賀長官が異例の言明/「安保に.存続必要」』の見出しで―― 額賀福志郎防衛庁長官は「‥‥日米安保条約の目的を達成するために(存続が)必要‥‥」と述べ、米軍所沢基地の返還を求める考えのないことを明らかにした。防衛庁長官が同基地の返還要望を否定したのは異例。共産党の塩川鉄也衆院議員(比例北関東)の質問に答えた。 ――などと今回の質問内容を大きく取りあげました。

3月2日付「埼玉新聞」の1面
2006年3月1日 予算委員会分科会 販売規制の電安法/「中古家電は対象外」と追及/経産省、適用根拠示せず
 予算委員会分科会で、電気用品安全法により4月から新表示・「PSE」マークのない中古家電製品が販売できなくなる問題について質問、同法の趣旨は、製造メーカーが新たに製造・販売する製品を対象にしたものだったことを明らかにしました。

 同法施行後に、電気用品の品目ごとに5年、7年、10年の販売について猶予期間が設けられたことについて、経済産業省製品安全課などが編集する『電気用品安全法関係法令集』を示しながら、「猶予期間は、製品の流通在庫が存在すると考えられる期間のこと。そもそも中古品は同法の規制の対象外だ。改定時の国会論議でも、中古品を対象とする議論はおこなわれていない」と指摘しました。そのうえで、「中古品が同法の対象になることは、法令集のどこにも書いていない。だれが、いつ、どこで決めたのか」とただしました。

 経済産業省の迎陽一商務流通審議官は、「改定前の電気用品取締法以来、中古品は排除されていないと解釈し、行政をすすめてきた。法令集は、よく確認してまいっていません」と、法令集にもとづく根拠を示せませんでした。

 わたしは、改定前の電気用品取締法でも販売禁止の対象になっているのは製造メーカーの在庫であり、中古品は対象外と指摘。さらに今回の法施行時において、古物商を所管する警察庁にリサイクル業者への周知・徹底の依頼が経済産業省からはなかったことを示し、もともと行政の対応でも中古品は対象外だったとのべ。リサイクル業者などの死活にかかわる大問題になっており、ただちに是正し、ふさわしい措置をとることを求めました。
2006年2月27日 予算委員会公聴会 小泉「改革」で格差拡大――公述人
 衆院予算委貝会に4人の公述人を招き、地方経済などについての意見を聴きました。

 鳥取県の片山善博知事は政府の「三位一体改革」で税源移譲した結果、地方交付税1兆円が消失し、自治体間の財政力格差を人為的に広げていると批判。文京学院大の菊池英博教授は、小泉「構造改革」が経済を破壊して税収を落ちこませた「ビジョンなき破壊活動だ」と指摘しました。

 わたしは、政府系金融機関の統廃合に関連し、商工中金の存廃について岐阜県可児工業団地協同組合の加藤千雄理事長に質問。加藤氏は「1県に1カ所では完全民営化したら持たなくなる。中小企業の救急車のようなものだ」と存続を求めました。

 また、格差拡大について質問したのに対し、片山、菊池両氏と北大大学院の石井吉春教授は格差が拡大しているとの認識を示しました。片山氏は雇用のセーフティーネットの必要性をのべ、石井氏は法人部門に偏った労働分配率の是正を求めました。
2006年2月24日 経済産業委員会 中古家電の販売停止問題で法適用延期を要求
 4月からPSE表示のない中古家電などの販売ができなくなる「電気用品安全法」の問題について、経済産業委員会で、不十分な法周知など経済産業省の責任を問いました。

 わたしは、リサイクル業者で店にある家電の8割が対象になり、「これでは商売をやっていけない」という怒りの声がよせられていることを紹介し、5年間の猶予期間にどのように業者に周知したかとただしました。これにたいし、迎陽一商務流通審議官は、古物商やリサイクル業者への通知は今年2月になってからだったことを認めました。

 わたしは「関係団体や消費者の意見をよく聞いて、適用を延期すべきだ」と要求しました。

 二階俊博経産相は、これまでの周知について「徹底が不十分」と認めながらも、「残った期間で周知徹底したい」と同法の適用をすすめることを表明。経産省として「具体的な相談には親切に対応する」とのべるにとどまりました。

 わたしは、これでは、リサイクルやものを大切にするという流れにも反すると指摘し、行政の責任で、中古家電用品に安全を担保できる認証・検査機関を整備・確立することを要求。名器といわれる楽器やオーディオ機器を対象から外すことなど「血の通った」対応を求めました。

【電気用品安全法】 1999年に電気用品取締法を改定し、2001年4月に施行。電気製品450品目を対象に、「PSE」表示を義務付けました。品目ごとに5年・7年・10年の猶予期間が設けられ、期間が過ぎた電気製品で新たな表示(「PSE」マーク)のないものは販売できなくなります。
2006年2月24日 質問主意書の政府答弁 百里基地への米軍機訓練移転問題の質問主意書に対し、政府答弁
 15日に提出した百里基地への米軍機訓練移転問題の質問主意書に対する政府の答弁が送付されてきました。

→政府答弁の全文を見る
2006年2月23日 予算委員会 自分で規制緩和→参入→もうけ/株式会社による医療機関の経営問題を追及
 衆院予算委員会で、「医療特区」で開業予定の株式会社の主要株主が規制改革・民間開放推進会議のメンバーに入っている問題を追及し、「こういうことはやめるべきだ」と主張しました。

 株式会社による特区での医療機関の経営は、2004年5月の構造改革特区法「改正」で認められました。昨年、神奈川県が全国で初めて医療特区の認定を受けました。株式会社バイオマスターは乳房再建などの高度美容医療を行う診療所経営を計画しており、今年夏にもオープンの予定です。

 神奈川県は営利企業の医療参入による安全面での懸念について「厚生労働省がすでに安全確認をしている」としています。しかし、わたしの質問に川崎二郎厚労相は「国が大丈夫だと個別に確認を与えることはない」と答弁し、安全性の担保がないことが明らかになりました。

 わたしは、バイオマスター社の主要株主を、オリックスキャピタル、ニッセイキャピタル、三菱UFJキャピタル(三菱商事も出資)が占めていると指摘。医療分野の規制緩和を進めている推進会議医療ワーキンググループにオリックス、ニッセイ、三菱商事が民間企業の代表として出向していることをあげ、政府の姿勢をただしました。

 中馬弘毅・構造改革特区担当相は「一企業の出向者の意向で、推進会議が左右されることはあり得ないはず。懸念すること自体が問題だ」と答弁。わたしは「利害関係者が自分で規制緩和を行い、自分で参入し、もうけを得る構図になっている」と批判しました。
2006年2月15日 質問主意書 百里基地への米軍機訓練移転で質問主意書を提出
 「米軍機訓練の航空自衛隊百里基地への移転に関する質問主意書」を提出しました。

 昨年10月、「2プラス2」で合意された文書で米軍戦闘機訓練を全国に拡大する計画が示され、茨城県の空自百里基地も候補地とされたましたが、その具体的な内容は明らかにされていません。

 質問主意書では、@合意文書について、具体的な記載のない理由や三沢・岩国基地からの移転の可能性など A訓練内容について、夜間訓練や訓練内容の事前連絡、原子力施設上空の飛行禁止など B日米共同使用について、百里基地は現時点で日米共同使用基地となっている問題で、いままでの使用条件の拡大があるのかなどについて C地元の意向について、反対を表明している地元自治体の意向にどう対応するのかなど D百里基地の機能や米軍との共同使用施設などについて、詳細を明らかにするよう求めています。

 質問主意書は、議運で確認された後、政府に送付されます。

→主意書全文を見る
2006年2月10日 予算委員会 違法の偽装請負横行――実態示し是正求める
 衆院予算委員会で、製造現場でふえる派遣や請負など非正規雇用の実態を告発し、その是正をもとめました。

 わたしは、人材派遣や業務請負などの人材関連サービスが急成長する一方で、労働者は短期契約で低賃金の状態におかれていることを指摘。政府に実態の把握を求めました。二階俊博経済産業相は、製造業の67・7%が請負労働者をうけいれ、派遣と請負をあわせて81万人が従事しているとのべました。

 人材派遣会社ダイテック(現コラボレート)の請負の利点を売り込んだセミナー資料では、「偽装請負」についても記述しています。わたしは「偽装請負は違法行為だと承知で売り込んでいる実態がある」とのべ、「違法状況は是正されていない。それを承知で受け入れている大手製造メーカーも共犯といわれても仕方がない」と批判しました。

 さらに、小泉首相が「(正規雇用を増やす)環境を整備していきたい」(7日、衆院予算委員会)とのべていることを指摘し、「一方で規制緩和で非正規雇用を拡大するようなやり方は逆行だ」と批判しました。川崎二郎厚労相は、「流れの中で企業が変動に柔軟な対応をしていくのはやむをえない」などとのべました。

 わたしは、北畑隆生経済産業政策局長が「派遣ではものづくりの強さはでない」と述べていることを取り上げ、「製造業への派遣期間を1年から3年にするような規制緩和はやめるべきだ」と迫りました。二階経済産業相は「ご指摘の点も十分に視野に入れて検討したい」とのべました。

 厚生労働省から天下りした日本人材派遣協会の役員が、「自由化業務の受け入れ期間1〜3年の規制撤廃」「医療など禁止業務の解禁」など5つの規制緩和を求めていることを紹介。「政府がこんな規制緩和を許せば、どんどん非正規雇用に置きかえられる」と批判しました。

【偽装請負】 仕事の完成を目的に、業務の一部を請け負うことが「業務請負」です。請負企業は労務管理に責任を負い、発注元企業は労働者を指揮命令できません。派遣労働には事業者に雇用条件などの一定の規制があるため、それを免れるために、実際は発注企業が労働者を指揮命令する派遣なのに請負を装った違法な「偽装請負」が横行しています。