【内閣委員会】コロナ死者数過去最大/医療機関への公的支援縮小・廃止やめよ

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを季節性インフルと同じ5類に引き下げることに伴って、政府が医療機関への支援を減らそうとしている問題について「コロナは感染力が高く、死亡者数の多さも際立っている」として、医療提供体制の抜本的強化こそ行えと主張しました。

 私は、コロナの死亡者数について確認。

 厚生労働省は「第4波5617人、第5波2865人、第6波9796人、第7波13522人、第8波21432人」と答えました。

 私は、6波以降、70歳以降の死亡者が9割を占めると指摘し、「この深刻な事態をどう受け止めるのか」と質問。

コロナによる死亡者数(青)と社会福祉施設などの療養数(緑)とクラスター数(橙)<クリックで拡大>

 後藤茂之コロナ対策担当大臣は「大変重く受け止める」と述べるに留まりました。

 私は高齢者施設内の感染者が医療ひっ迫で入院できずに施設内療養となる「留め置き」が、死亡者数の増加につながったと指摘し、「医療機関に入院できない実態がある。政府が必要な手立てを取っていないことが問題だ」と批判。

 5類への移行に伴い、政府が入院・外来の診療報酬の特例加算や、病床確保料の段階的縮小・廃止を計画していることについて「医療機関への公的支援が縮小し、医療の担い手が減るのは明らかだ」と強調し、「高齢者施設、在宅医療の検査・医療支援に重大な危惧が生じる」と主張しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第211回通常国会 2023年3月15日 内閣委員会 第6号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 新型インフル特措法、内閣法について質問をいたします。
 まず最初に、この統括庁にも係る司令塔機能の話、総合調整の権限のところを先に質問をいたします。
 現在、新型コロナ・健康危機管理担当大臣が置かれております。後藤大臣が担当でありますが。何を担当する大臣なのか、内閣法上の位置づけも含め、コロナ室との指揮命令関係などはどうなっているのか、この点について御説明ください。
○後藤国務大臣 新型コロナ・健康危機管理担当大臣として、総理から、新型コロナウイルス感染症対策等に関する施策を総合的に推進するための企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当するように指示されているところであります。
 コロナ室は、新型コロナウイルス等の政府が一体となって対処する必要のある感染症に係る対策を担うため、内閣官房に置かれている組織でありまして、特措法や基本的対処方針等に基づいて、国、地方一体となって新型コロナに対応するため、企画立案、総合調整の事務を行っています。
 新型コロナ・健康危機管理担当大臣は、コロナ室に対する法律上の指揮監督権や職員の任命権は有していないものの、内閣官房長官が有する内閣官房の事務統括権を背景として、内閣を構成する国務大臣としての立場で、総理から指示を受けた事務の遂行上必要な範囲で、コロナ室の事務について必要な指示を行っているものでございます。
○塩川委員 官房長官による内閣官房の事務統括において、必要な範囲内でその事務を行うということであります。ですから、この担当大臣は、官房長官の指揮命令下にあるという位置づけでよろしいんでしょうかね。
○後藤国務大臣 内閣総理大臣による総合調整権を行使するということであります。官房長官は、内閣官房の事務を総括するという意味で答弁を申し上げました。担当大臣は、内閣総理大臣の調整権限を代行する、それを行使をする、そういう役割であります。
○塩川委員 ただ、内閣官房において、担当大臣としてこの職務権限、事務統括を行っていくということですと、内閣官房ですから、当然、官房長官の下にあるわけで、その辺がどういう整理なんでしょうかね。
○後藤国務大臣 内閣官房長官が内閣官房全体の事務を統括する、そういう権限を持っているわけですけれども、こうした事務統括権を背景として、内閣を構成する国務大臣としての立場で、総理から指示を受けた事務の遂行上必要な範囲内で、コロナ室の事務について必要な指示を行い、政策の遂行を行っているということです。
○塩川委員 官房長官の内閣官房の統括権を背景として、担当大臣が必要な総合調整等を行うということですね。
○後藤国務大臣 先生のおっしゃったとおりです。
○塩川委員 ですから、官房長官の内閣官房における事務統括、それを背景にしてということですから、前提は、官房長官の事務統括があって、その下でといいますか、背景という言い方をされましたけれども、その下で担当大臣が実際の事務の統括に係る総合調整を行っていくということであります。
 それで、現行で、コロナ室は副長官補の下にあります。このコロナ対策の総合調整を担う官房副長官補はどなたになるんでしょう。内政担当の方ということで、現行はそれでよろしいのか。
○後藤国務大臣 今、特にこの担当の副長官が誰だという指名は行われていないということです。
○塩川委員 副長官補について。
○後藤国務大臣 失礼しました。
 コロナ担当の副長官補も特に指名をされているわけではありません。
○塩川委員 ただ、コロナ室は、副長官補の下の分室に置かれているわけですよね。その分室について言えば、コロナ室は内政に係る分室ということであれば、内政に係る副長官補の下にあるということではないんですか。
○後藤国務大臣 もちろん、今現在は、内政、外政、三人の副長官補で分担をしていますから、事実上、内政担当の副長官補がその事務の中心となっているというのは御指摘のとおりです。
○塩川委員 ですから、事実上、事務の統括は、コロナ室について内政担当の副長官補が行っているということで、そうしますと、副長官補についても、事実上事務を統括する方というのはあってしかるべきだと思うんですが、それは政務の方なのか、事務の方なのか。そこはどうなんでしょうか。
○後藤国務大臣 内閣法の法律上からいえば、内閣官房全体について、官房長官が、先ほど申し上げたように事務を統理するということになっています。
○塩川委員 副長官の関係なんですけれども。官房長官が全体の事務の統括を行う、実際の現場のコロナ室は内政担当の副長官補の下にあって、事実上の統括を行っていると。では、副長官はどうなんですか、ラインとして。長官があり、副長官補があった場合に、ラインとして、副長官については、政務の方なのか、事務の方なのか。事実上統括するに係るのはどちらなんでしょうか。
○後藤国務大臣 ちょっと確認させていただきますが、今話をされているのは現在の話ですよね。そういう意味でいえば、現在は、それぞれ副長官補がいます。そして、内政、外政を担当しておりますので、そうした意味では、内政の事務を内政の副長官補がやっているということになりますが、例えば、今回の対策は、そういう意味でいえば、幅広く、感染症対策というのは政策の広がりはありますから、そういう意味では、副長官補も含めて、特にコロナ担当の副長官補が任命されているというふうには考えていないです。
○塩川委員 副長官補は分かるんです。副長官について、三人いらっしゃいますけれども、政務が二人いて、事務が一人いるんですが、政務の方がそのライン上でコロナ室に係る事務統括に関わっているのか、それとも事務の方なのか、そこを教えていただきたいんですが。
○後藤国務大臣 副長官についても、それぞれ担当はもちろんしているわけでありますけれども、例えば、コロナの仕事について言えば、それぞれの担当が重なりながら仕事をしているので、どの副長官だけがこの仕事に関わっているということではないということです。
○塩川委員 その辺がよく分からないところでありますが、まあそういうお話だということですけれども。
 法改正後の話ですけれども、官房長官との関係でいえば、現行について言えば、官房長官の事務統括を背景にしてですから、事実上、官房長官の下に担当大臣が置かれているわけですけれども、法改正後において、官房長官以外で感染症危機管理を担当する大臣というのを置くことがあるのかどうか。さきにも質問ありましたけれども、その点、改めてお答えいただけますか。
○後藤国務大臣 御指摘のいわゆる内閣の担当大臣は、内閣全体として取り組むべき重要政策課題について、内閣法第三条第二項に規定する国務大臣として、総理の判断により置かれるものでありまして、感染症危機管理を担当する大臣についても、そのときの総理において必要性を判断するものであります。
 仮に、内閣感染症危機管理統括庁に係る事務を担当する大臣が置かれる場合、当該担当大臣が具体的に担う事務の範囲や内容にもよりますけれども、内閣官房長官による官房長官の事務統括権の下で、感染症危機の対応に係る行政各部の統一保持に係る企画立案、総合調整を、内閣を構成する国務大臣としての立場で担当し、内閣感染症危機管理監、これは内閣官房副長官ですが、統括庁の庁務に関して、内閣官房長官を助けるに際して、総理から指示を受けた事務の遂行上必要な範囲内で、担当大臣も管理監から必要な補助を受けることになるということになります。
○塩川委員 ですから、現行で、官房長官の事務統括権の下で担当大臣が仕事を行うと。それは、法改正の後、総理の判断で担当大臣が置かれた場合についても、同様に官房長官の事務統括権の下で担当大臣が総合調整の権限などを発揮をする、その下に統括庁が置かれていく、その補助を受けるという関係です。
 その場合に、先ほどありましたけれども、内閣感染症危機管理監、内閣官房副長官の充て職になっていますけれども、それが政務か事務かというのは今の段階で決まっているものではないということですか。
○後藤国務大臣 おっしゃるとおりです。
○塩川委員 危機管理監補についても、同様に官房副長官補の充て職ですけれども、内政担当と決めているわけではないのですか。
○後藤国務大臣 これも、指名によるもので、今決まっているわけではありません。
○塩川委員 ただ、外政とかという話には当然ならないと思いますし、危機管理になるということもあり得るということですか。
○後藤国務大臣 あくまで法律上の話として、任命を総理大臣が決定をするということであります。
○塩川委員 基本、担当大臣の位置づけも現行の仕組みにのっとってということですから、そういう意味では、副長官補は内政担当ということで想定されるということでいうと、指揮命令のラインでいえば、現行の場合でも法改正の場合でも、総理があって、官房長官があって、副長官補、こういうラインというのは、現行の場合でも法改正の場合でも変わらないということじゃないですか。
○後藤国務大臣 基本的に、日本の内閣制度の前提の下で、総合調整機能をどういうふうに効果的に、そして最も効率よく動かしていくか、そういう制度の中で、知恵を出して、危機管理機能、司令塔機能を果たしていこうということでありますから、そういう意味においては、総合調整の枠組みであるという御指摘は当たっているというふうに思います。
 ただ、それを通常の副長官、副長官補という分担のラインから独立して、離して、それを一つの統括庁という形の縦のラインにしっかりと権限を分けて、そして、そこに付加的に情報を連結するような仕組み、厚生労働省の感染部や、また日本版CDCのようなものをつけ、また、それを結びつけるような結節点となる、充て職ではありますけれども、役職者をかませることで各省の調整をしっかりとできる、そういう形の司令塔機能をつくるという趣旨であります。
○塩川委員 ラインで、基本は同じですという話でしたし、この改正法でも、基本、副長官も充て職ですよ。副長官補も充て職ですから、現行、事実上というところを充て職にしているという点でいえば、ラインの線での対応そのものに基本変わりがない。その際に、総合調整機能を発揮というのは、当然、政府とすれば、現行でも総合調整機能を発揮しているという判断だと思うんです。その場合に、法改正しないと総合調整の権限、機能が発揮できないということにはならないと思うんですが。
○後藤国務大臣 きちんとした独立機能を発揮して、一般の内閣官房の仕事とは別の総合調整としてしっかりと危機管理を行っていく、そして、その権限を明確にして、内閣官房副長官、そして副長官補というのは、そういう意味においては、政治的な判断あるいは影響力、そして要の力というのは非常に強いわけで、そこに、行政をうまく運用できる人と、そして、もう一つ言えば、感染症のプロである医療や感染症に詳しい人たちをくっつけながら、集中的に総合調整の企画立案をしていくための組織を明確にするという意味で、これをつくって、しっかりと常時からスタッフをつけて、常時から感染症対策を独立してしっかりとつくり、計画を作り、そして予行演習をして対応をしていくということで、感染症に対する危機管理対応能力は高まるというふうに考えます。
○塩川委員 以前からも新型インフルの対策室というのは当然あったわけですよ、平時でも。そういう意味では、平時に置かれていたというのが分室という格好であったわけで、それとの違いも分かりませんし、ラインとしても基本は同じ線を確保するといった場合に、何が変わるのかというところについての説明としては納得がいくものではありません。そのことを申し上げて、結局、この前お聞きしましたように、総理が庁と言っちゃったから、統括庁をつけるということになるのかということが問われているんじゃないかと思います。
 その上で、コロナ担当大臣として総合調整の権限を担っております後藤大臣ですので、この後の五類見直しに関する質問についても是非真摯にお答えいただきたいと思っております。
 それで、五類移行に伴う問題点についてなんですけれども、厚生科学審議会感染症部会の一月二十七日の新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけについての文章では、諸外国と比べて感染者数、死亡者数を抑えてきた、発生初期と比較をして重症度が低下をしたので、感染法上の私権制限に見合った国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある状態とは考えられないことから、新型インフル等感染症に該当しない、五類感染症に位置づけるべきとしました。
 そこで大臣にお尋ねしますが、コロナについては、発生初期と比較をして重症度が低下をした、このことが新型インフル等感染症に該当しない、五類感染症に位置づけることにした理由なんでしょうか。
○鳥井政府参考人 お答えいたします。
 新型コロナの感染法上の位置づけの見直しに関してでございますが、これは、十一月の臨時国会において、感染症法上の位置づけについて速やかに検討することと修正でされたこと、また、感染症法上の各種措置は必要最小限の措置とされていることに加えまして、オミクロン株については、感染力は非常に強いものの重症度が低下しているといった専門家の方々の評価、こういったものを総合的に勘案をいたしまして、五月八日から五類感染症に位置づけることに決定したものでございます。
○塩川委員 総合的に勘案というふうにおっしゃいましたけれども、その要素としては、もちろん、強制的な手段を最小化をするという観点というのが重要だと思います。あわせて、感染症の影響について言えば、やはり発生初期と比較をしての重症度が低下をしたということが位置づけを変更する理由として挙げられているわけです。
 大臣にお聞きしたいんですが、この新型コロナウイルス感染症というのは感染力が高い。そのことによって、今、非常に死亡者数も際立って多くなっています。後遺症も重いという特徴もありますし、感染時期の季節性もありません。変異も大きいということになると、コロナはいわゆる五類相当の季節性インフルエンザと同じ扱いにはできないんじゃないかと思うんですが、その点は大臣はどのように受け止めておられますか。大臣。
○鳥井政府参考人 感染症法の位置づけのことでございますので、私から答弁させていただきます。
 先ほども申し上げましたとおり、新型コロナにつきましては、専門家による病原性、感染力等の評価を踏まえて総合的に判断をしたものでございます。先ほど御答弁したとおりでございます。
 ただ、しかしながら、御指摘の感染症部会の取りまとめにおいても指摘されておりますとおり、新型コロナは、一年を通じて複数回の流行があるということ、それから多くの感染者、死亡者が発生していることなど、この疾病固有の特徴や社会へのインパクトというものは有します。
 このため、位置づけの変更に伴います医療体制など様々な政策措置の対応については、医療現場の混乱等を回避するためにも、必要となる感染対策や準備は必要で、これを講じつつ、国民の安心を確保しながら段階的な移行を行うことといたしております。
○塩川委員 今紹介もありましたが、感染症部会でも、コロナは、一年を通じて複数回の流行があり、多くの感染者や死亡者が発生していることなど、他の五類感染症と異なる特徴や社会へのインパクトを有すると述べております。
 アドバイザリーボードへの斎藤先生提出資料などでも、インフルエンザによる死亡者数は年間三千人程度だが、コロナの死亡者数は、二〇二二年、既に三万六千人以上に達すると述べているように、大変死亡者数が多くなっているというのが特徴の一つであります。
 そういうのも踏まえて医療提供体制などの対策を講ずることが必要だということも、先ほど答弁で述べたところです。
 実際の死亡者数について確認をしたいんですが、コロナの感染について、波があるわけですけれども、この波ごとでどのぐらいの死亡者数があったのかについて御説明をいただけますか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の死亡者数でございますけれども、各都道府県の公表情報を収集し、取りまとめた上での、公表したベースで申し上げます。
 政府として、第何波という定義あるいはその期間を定義してはいないわけでございますけれども、基本的に、一日当たりの陽性者数が最大になった月の前後一か月を含む三か月を一つの波として仮定して集計をした、指定したところの死亡者数で申し上げますと、二〇二一年春のいわゆる第四波は五千六百十七人、二〇二一年夏のいわゆる第五波は二千八百六十五人、二〇二二年冬のいわゆる第六波は九千七百九十六人、それから昨年の二〇二二年夏の第七波は一万三千五百二十二人、それから第八波、二〇二二年の十一月から本年一月までで集計をしますと二万千四百三十二人という数字となってございます。
○塩川委員 資料を配付いたしました。左側に、新型コロナウイルスによる死亡者数ということで、各波ごとの数字、今のと若干ちょっと、取る期間が違うものですから、数字としての不整合はありますけれども、傾向としては答弁があったものと同じ値に沿ったグラフになっております。
 ですから、やはり第六波のオミクロン株以降に急速に死亡者数が増えている。これは前提が、感染力が非常に強いということがあるわけですけれども、そういった点で、五千人台の死亡者数が、大きく、第七波では八千を超えるような、また第八波では二万を超えるような死亡者数になっているというのは極めて重大であります。
 さらには、七十歳以上の死亡者数というのが全体の九割を占めるような、そういう点でも、高齢者における感染の拡大とともに死亡者数が増加をしているといった事態は深刻に受け止めることが必要だと考えております。
 大臣にお尋ねいたします。
 このように、波ごとで見ても死亡者数が大きく増加をしております。今後もどうなるのかという心配も当然起こるわけであります。このような死亡者数の増加について大臣はどのように受け止めておられますか。
○後藤国務大臣 新型コロナの死亡者数については、多くの国々と比較しても、日本における人口当たりの累積感染者数、死亡者数は他の先進国に比べて低く抑えられてきたところでありますけれども、先月二月の厚生労働省アドバイザリーボードにおいて、第八波における死亡者数の増加について、感染者のうち八十代以上の高齢者の占める割合が高いことや、新型コロナによるウイルス感染をきっかけとする併発疾患や合併症の増悪により死亡する高齢者が増加したこと、冬場は併発疾患や合併症の悪化する時期であること等の要因があると指摘されているものと承知をいたしております。
 これまで政府としては、国民の命と暮らしを最優先で守る観点から、科学的知見やエビデンスを重視して新型コロナ対策に最大限取り組んできたところでありますけれども、今後も、死亡者数の動向を注視しながら、政府一体となり、死亡者数をできる限り抑えられるように、感染症対策を推進してまいりたいというふうに思っております。
 死亡者数の増加の数字の大きいことについては、私自身も大変深く受け止めているところです。
○塩川委員 ですから、オミクロン株で昨年ずっと死亡者数が急増しているといった場合に、今は落ち着いているかもしれないけれども、次の波が来たらどうなるのか。同じように大きな感染が広がり、またそれに伴って死亡者数が増加をする、そういう危惧があるわけですけれども、その点については、大臣、どのように受け止めておられるでしょうか。
○後藤国務大臣 新型コロナウイルスも、これまで、デルタ株、またオミクロン株、オミクロン株でも変異によりまして株が変わってくる、そういう中において、特徴もいろいろ変わってまいります。そうしたことに対してやはり丁寧にしっかりと対応していく対応、これは医療提供体制にしてもあるいはワクチンの体制にしても、そうしたことをきちっと対応していけるような、そういう政府の対策が必要だというふうに思いますし、国民の皆さんと一体となって、理解をし合える形で、しっかりとしたリスクマネジメントを行っていく必要がある。そうした機能をしっかりと、今後、司令塔機能を高める中で、平時からの準備も進めることで、危機に際して対応力を高めるようにしていきたいと考えています。
○塩川委員 この間、死亡者数が増加をし、第八波では過去最多になっております。その点で、五類への見直しに当たって、このように死亡者数が過去最多になったということは考慮されなかったんでしょうか。その点について教えていただけますか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの新型コロナの感染症法上の位置づけについて見直したということの説明の中で、専門家から、病原性、感染力、変異の可能性等の評価、感染状況等の評価をいただいて、それを総合的に判断したところでございますが、その感染力、感染状況等の評価の中には、死亡者数についての評価も含めて判断されているものと理解しております。
○塩川委員 死亡者数についても評価をして判断をしているということですけれども、それを踏まえてどうするということを言っているんでしょうか。
○鳥井政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、第八波における死亡者数につきましては、感染者数が増加しておりまして、結果として基礎疾患の悪化などにより亡くなられたケースが多くなっていることは事実でございます。
 今後は、先ほど申しましたとおり、移行につきましては、段階的な措置を講じるということに併せて、発生する多くの患者に適切に対応できるように幅広い医療機関で対応できる体制にシフトしていくとともに、引き続き、重症化リスクのある高齢者等に重点を置いた対応を行っていくことが必要と考えております。
○塩川委員 そもそも、この間、死亡者数が大幅に増加をしたということはなぜなのか、何でこんなに大幅に死亡者数が増加をしたのか。そこについてはどういうふうに考えているんですか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、オミクロン株の感染力が強いことから、感染力が増加しておりまして、結果として亡くなられるケースが多いということなので、今後は、発生する多くの患者に適切に対応できるような体制にシフトしていくとともに、高齢者等に重点を置いた対応を行っていくことが必要と考えております。
○塩川委員 感染力が強くて、その結果として、重症度が下がったとしても死亡者数が増えたと。要するに結果の話であって、そもそもこんなふうに死亡者が増えないために必要な手だてを取らなくちゃいけなかったのに、そうならなかったのはなぜなのかということを聞いているんですよ。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の新型コロナの対応におきましては、これまでも死亡者数の増加が見られておりましたので、今後もそうですけれども、これまでもウイルスの特性を踏まえまして重症者に重点を置いた対策というものを進めてきておりましたので、それは引き続き今後もしっかりやっていきたいと思っております。
○塩川委員 だから、それは対策として今後の話を言っているのかもしれないんだけれども、この間何でこんなに死亡者数が増えてきたのか、その理由は何なのか。感染者数が増えて死亡者数が増えたと。でも、その死亡者数を抑えるために必要な手だてを取らなかったというところに問題があるんじゃないんですか。その点はどうなんですか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 アドバイザリーボードにおける議論で、専門家によりますと、二〇二〇年度の初頭以降に、オミクロン株の特性等から、全体としての致死率はオミクロン株以前よりも低下しているけれども、死亡者数の実数は増加しているということでございます。
 この原因としては、やはり感染者数の増加が大きく関与しているということが考えられます。たとえ致死率が低下いたしましても、感染者数が圧倒的に増加してしまえば死亡率が増加するわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、基本的な感染対策等を進めることはもちろんですけれども、高齢者施設での死亡者、こういったところでの対策に重点を置いて対策を講じてきたところでございますし、これからもその必要があると考えております。
○塩川委員 高齢者に重点を置いてきた結果がこれなんですよ。圧倒的に高齢者が亡くなっているんです。何でこんな事態になったのかを聞いているんですよ。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 高齢者の死亡者数が増えているかというところでございますけれども、これもアドバイザリーボードの専門家の議論の中では、やはり施設等でスタッフや高齢者の感染者数が増加しておりますので、高齢者施設でリスクの高い方がいらっしゃって死亡者数の増加につながりやすいということがございます。
 ただ、これに関しましては、かねてよりクラスターが多く発生してきたという経緯も踏まえて、ハイリスク者に重点を置いていろいろな感染対策の研修をやりますですとか、施設整備等の支援をやるですとか、そういった対策を引き続き取っているところでございまして、これは引き続きしっかりと取ってまいる必要があると考えております。
○塩川委員 答えていないんですけれども、今、施設の話がありました。施設内療養が非常に増える、留め置きが大きく増えている、そういう中で、施設内で亡くなられた方というのが大変いるわけですよ。そういう点でも、医療提供体制が間に合っていないという状況があったというのが大前提じゃないですか。医療提供体制は本当に、医者に送ることができないという中で、施設内で亡くなる方も多数いらっしゃったということもあるわけですし、在宅の方もそういう状況がいらっしゃったわけです。
 そういった医療提供体制を適切に確保することが必要であるにもかかわらず、今度、この五月八日以降について言えば、医療機関への財政支援措置を見直すという話であります。死亡者数を減らすためには医療機関の受入れ体制の拡充が必要なのに、五類見直しに伴って、医療機関への病床確保料は減らすんじゃないでしょうか。また、入院に関する診療報酬も引き下げるというのが政府がやろうとしていることじゃありませんか。これでちゃんと医療提供体制を確保できると言えるのか。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねのありました医療機関への財政支援、その中で、例えば病床確保料は令和二年四月からずっと措置をしてまいっております。これは、確保したコロナ病床に患者が入れば診療報酬が払われますし、入院されていない間は病床確保料を払う、こういう形でやってまいっております。
 今般、五類に当たりまして、診療報酬の額も参考にしながら、患者様を実際に受け入れた場合とおおむね同水準の収入になるように、診療報酬と同等の水準になるように、これまで診療報酬の引上げに合わせて引き上げてきたところでありますので、そういったところ、診療報酬の見直しを踏まえて見直しをすることとしております。具体的には、業務や人員に係る体制、こういったものを踏まえた見直しをしているところであります。
 ただ、先生おっしゃいますように、五類への見直しに伴いまして、医療機関への財政支援、こういったもののほかに、受入れ体制を拡充するためには様々な施策が必要だと思っておりまして、これまでも累次にわたって医療機関とよく相談をしながら、必要な施策について今般取りまとめをさせていただいております。
 具体的には、感染対策に係る設備整備、こういったものの補助金は継続していくこととしております。また、診療の指針ですとか感染対策、こういったものについてもアップデートされた情報が欲しい、こういったことにも対応することにしております。また、医療機関間での調整となるような入院調整、これも負担が大きいということを聞いておりますので、都道府県の取組、実情に応じて当面の間残すこと、こういったことで、医療機関のお声を聞きながら、必要な施策というものを検討しているところであります。
○塩川委員 入院、外来の診療報酬の特例加算や病床確保料などの公的支援は段階的に縮小、廃止するんですよ。これまでの支援策を半分に減らして、そこに若干の加算をするだけで、増やす措置ではありません。新たにこれで担い手が増える根拠はないわけで、医療機関への公的支援が縮小すればかえって医療の担い手が減ることは明らかで、高齢者施設、在宅医療の検査、医療支援に重大な危惧が生ずる、こういう財政支援後退はきっぱりとやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。