【「しんぶん赤旗」掲載】個人情報守れの運動を/共産党マイナ追及委が会合

「しんぶん赤旗」7月26日・4面より

 日本共産党国会議員団の「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」が25日に国会内で第5回会合を開き、政府の「医療DX(デジタル変革)」に詳しい日本医療総合研究所の寺尾正之研究・研修委員から講演を受け、質疑応答しました。

 寺尾氏は、マイナンバーカードと保険証の一体化は、現行の保険証では認められていない医療情報の2次利用を行うため、「マイナ保険証」利用者の医療情報等を「マイナポータル」に集積することが狙いだと指摘。

 寺尾氏は、医療DXは政府主導でデジタル化の枠組みに合わせるかたちで医療制度を変革していくことが本質だと強調。その上で、医療DXの狙いを(1)国民に「健康の自己責任」を押し付け、医療・社会保障抑制の政策ツールにする(2)個人情報は企業が利益を生み出す重要な「資源」と位置付けている経団連の要求通りに、ビジネスに2次利用(3)マイナンバーで個人の負担と給付を把握・比較し、社会保障を負担と給付の「等価交換」という市場原理に置き換えていく―の3点にわたって解説しました。

 寺尾氏は、個人情報の利用の仕方によって差別や偏見、不利益が生じる危険性を示し、「『個人情報は人権』を基本に、データの使われ方をコントロールできる権利など人権、プライバシー権を守る仕組みが求められている」と強調しました。

 追及委責任者の塩川鉄也衆院議員は「人権保障の観点でたたかいを広げよう」と呼びかけました。