発がん性などが疑われる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の問題をめぐり、日本共産党は8日、国会内で「PFAS問題対策委員会」の初会合を開き、環境省が今後の対応方針を示したことを受け、聞き取りを行いました。党議員らは、高濃度の汚染が確認されている地域でPFASによる健康への影響を調査するよう求めました。
東京・多摩地域や沖縄県などの米軍基地、大阪府摂津市の空調大手ダイキンの周辺などで、住民の血中から高濃度のPFASが検出されており、不安が広がっています。
環境省は、汚染地域での健康影響調査について、「過去の血中濃度と疾病を結びつけるのは困難だ」と述べ、調査の実施に後ろ向きな姿勢を示しました。
日本共産党の山下芳生参院議員(同委責任者)は、血液検査で高濃度のPFASが検出された摂津市民から、子どもや孫への健康被害を心配する声が上がっていると指摘。「不安解消には、PFASと疾病の因果関係を科学的に明らかにすることが必要だ。汚染が確認されているのに見逃せば、水俣病やアスベストと同じ事態になりうる」と警告しました。
山添拓参院議員(同委事務局長)は、米国で「健康被害の恐れがある」とされる指標値(血液1ミリリットルあたり20ナノグラム)が公表されたことを受け、「日本も血中濃度の基準をつくるのか」と質問。環境省は「(知見を)集積しながら、今後どうするか考える」と述べるにとどめました。
また、環境省が7月に作成した国民向けにPFASの疑問に答える「Q&A集」で、PFASによる「健康被害は確認されていない」と記述されていることに関し、山下氏は「そもそも健康被害を確認するための調査をしていない。非科学的で安全神話になりかねない」と批判しました。
会合には笠井亮、穀田恵二、宮本徹、宮本岳志、塩川鉄也衆院議員、岩渕友、井上哲士参院議員らが参加。同委は今後、専門家からの聞き取りや現地視察を予定しています。