航空法の適用除外/構造的な欠陥のオスプレイ低空飛行訓練は認められない

 米海兵隊のMV-22オスプレイが航空法の定める最低安全高度(150m)を下回る60mの高度で訓練飛行することを日米政府が合意したことについて、防衛省に質しました。

1)米海兵隊のMV-22は「対地高度200フィート(60m)までの飛行訓練」を行うとしています。航空法の最低安全高度は、最も高い障害物の上端部から150mを確保する必要がありますが、MV-22の場合はあくまで「対地高度」であり、地表面から60mの高さで飛行するというもの。一層危険性を増すことになります。

2)米海兵隊は、MV-22の低空飛行訓練ルートについて、すでに「環境レビュー」においてオレンジルートやブルールートといった「色別」ルートを示していますが、今回の合意で自衛隊の訓練空域も使用することが明らかになりました。

 航空自衛隊には「低高度訓練試験空域」、陸上自衛隊には「最低安全高度以下の飛行許可」区域などが設定されています。今回の合意で、米海兵隊のMV-22部隊は「自衛隊の関係方面隊等に通報し・・必要な情報を提供する」とともに「必要に応じて・・自衛隊の他の適切な機関と事前調整を行う」とあります。「自衛隊の訓練空域の使用について、使用統制機関である自衛隊部隊と事前調整を行うということか」と聞くと「そのとおり」と回答しました。

 関東地方だけを見ても、群馬・栃木上空に航空自衛隊の低高度訓練試験空域「エリア3」が設定され、山間部や河川上空を中心に陸上自衛隊の最低安全高度以下の飛行許可区域が広範囲に設定されています。低空飛行訓練の危険性は明らかです。

3)「防災ヘリやドクターヘリ、ドローン飛行などとの事前調整は行うのか」と聞くと、「文書には記載されていない」と回答。自衛隊との調整は行うが、民間との調整は行わない姿勢です。救急医療や災害対応に支障が生じる重大問題です。

 日本の航空法が適用除外され、その上クラッチの不具合など構造的な欠陥を抱えるオスプレイの低空飛行訓練など、断じて認められません。米軍及び陸自オスプレイの配備・運用の中止を強く求めるものです。