佐川国税庁長官が辞任/真相究明は国会の重要な責務

 佐川国税庁長官が辞任しました。辞めて済む話ではありません。国会で真相を語ってもらうことこそ必要であり、証人喚問に応じるべきです。「適材適所」と佐川長官をかばってきた麻生財務大臣、安倍首相の任命責任も問われます。

 この間、大問題となっている森友学園との国有地取引に関する財務省の決裁文書改ざん疑惑は、国権の最高機関である国会の国政調査権の蹂躙であり、断じて容認することはできません。

 三権分立の下、国会が政府に対する監視機能を果たすことは、国民の負託を受けた国会として果たすべき重要な責務です。国会の国政調査権は、そのために欠かすことのできない権能です。

 それなのに、国会からの資料要求に対して、政府が文書を改ざんして提出するということになれば、国会の国政調査権をないがしろにし、国会と行政府の信頼関係を根底から突き崩すものとなります。

 森友問題をめぐっては、憲法90条に基づき、参議院が要請した会計検査に対して、財務省が会計検査院に関係資料を提出していなかったことも大問題となりました。今回の事態も憲法62条に基づく国会の行政監視機能を蹂躙したものであり、重ね重ねの憲法無視の行政府の対応に怒りを禁じえません。

 国会は、速やかに国政調査権を行使し、議院証言法第1条及び国会法第104条に基づき、財務省の決裁文書原本の提出を求め、改ざんの有無とその経過、内容を明らかにすることが求められます。過去の事例を顧みれば、「検察の捜査」を理由に拒否することは許されるものではありません。

 国民の負託にこたえるため、国会は蹂躙された国政調査権をいまこそ行使して、政治の信頼を取り戻す時です。国会の権威と信頼の回復のため、与党が賢明な判断をするよう強く求めるものです。