関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2023年度補正予算案について

 関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2023年度補正予算案の内容が明らかになりました。

 いくつかのポイントを記すと

1)「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を名目に、来年度予算概算要求に盛り込んでいた自衛隊施設の整備費が、前倒しで計上されている。滑走路の整備、庁舎建替・改修の調査費など。

2)特に、入間基地の施設整備費が約52億円と突出している。C-2関連の格納庫の整備(44億円)や宇宙設置型光学望遠鏡(SDA衛星)の地上局アンテナのための基礎工事(3千万円)などが、前倒しで計上されている。

3)古河駐屯地と習志野駐屯地については、来年度予算計上分を前倒しするということで、それぞれ約3億円、約1億円を計上している。しかし、8月末の来年度概算要求段階において防衛省は、両駐屯地の施設整備費の要求はないと説明していた。虚偽の説明は許されない。

 詳細は以下の通りです(補正予算が計上されている施設のみ記載)。

1.陸自駐屯地及び空自基地における「施設整備費」
大宮駐屯地 約0.4億円
昇降機の整備。
相馬原駐屯地 約0.4億円
滑走路等の整備に伴う調査(液状化に関する調査)。
新町駐屯地 約0.2億円
庁舎の建替に伴う調査。止水扉の整備。
宇都宮駐屯地 (*)
隊舎の改修に伴う調査。
北宇都宮駐屯地 約1億円
通信局舎の解体に伴う調査。滑走路等の整備に伴う調査。
霞ヶ浦駐屯地 約0.4億円
滑走路等整備に伴う調査。
古河駐屯地 約3億円
庁舎の建替に伴う調査。給水施設の建替。
習志野駐屯地 約1億円
庁舎の建替に伴う調査。降下塔の建替。
木更津駐屯地 約0.4億円
滑走路等の整備に伴う調査。
百里基地 約1億円
電源改修。飛行場灯火の整備。滑走路の液状化調査工事。
熊谷基地 約0.2億円
電源改修。
府中基地 約5億円
庁舎の解体。
入間基地 約52億円
整備格納庫の整備(C-2関連)44億円。宇宙設置型光学望遠鏡(SDA衛星)の地上局アンテナのための基礎工事0.3億円。
なお、金額欄の(*)は、防衛省が「予定価格が類推されることから提示不可」としたものを指す。

 

2.自衛隊衛生関連
防衛医科大学校(所沢) 約2.1億円
建物改修、屋上防水工事、排水設備更新等。