運輸・運送業、建設業の賃金引上げ、労働条件の抜本的改善を/国交省に申し入れ

 国交省に、運輸・運送業、建設業の労働者の賃金引上げ、労働条件の抜本的な改善を求める申し入れ。

 運輸関連の賃金や労働時間の改善には、荷主が責任を持つことの重要性を強調。

 国交省の局長も「トラック産業を魅力あるものにする処遇改善として、賃上げ、時短を実現したい。荷主の役割が大きい」と。


人手不足改善/賃上げで/運輸・建設/党国会議員団申し入れ/「24年問題」

鶴田物流・自動車局長(中央)に申し入れる党国会議員団。(左から)山添、岩渕、塩川、(1人おいて)高橋、本村、宮本の各氏=21日、国交省

「しんぶん赤旗」12月23日・12面より

 日本共産党国会議員団は21日、国土交通省にトラックやバス、タクシー、建設業の労働者の賃上げや労働条件の抜本的改善を求めて申し入れました。高橋千鶴子衆院議員ら日本共産党の衆参6人の国会議員が参加しました。

 来年4月から運輸・運送業や建設業の労働者への時間外労働の上限規制が始まります。高橋議員は「もともと物流業界は過労死ワースト1なのに、『24年問題』とよび『人手不足で荷物が運べない』など、社会的にはマイナスのメッセージが流れている」と強調。「他産業と比べて低賃金・長時間という労働条件こそ改善すべきだ」と述べました。

 国交省の鶴田浩久物流・自動車局長は「問題意識が共通するところがある。上限規制は、物流業界を魅力あるものにするためのもの。処遇を上げるという目指すものは同じところにあると思う」と述べました。

 議員らは「運送業は物価高騰などの価格転嫁が最もできていない」「労働時間が短くなっても暮らせる収入であるべきだ」「買いたたきが去年より10倍になっており、荷主対策を強化すべきだ」と指摘しました。

 建設業にかんしては、蒔苗浩司大臣官房審議官に申し入れ。大阪・関西万博で関連工事を進めるための「時間外労働規制の除外」を許さないよう求めました。

 塩川鉄也、宮本岳志、本村伸子の各衆院議員と山添拓、岩渕友の両参院議員が同席し、発言しました。


申し入れ骨子
●【自動車運転従事者】

 (1)トラック労働者の賃金を抜本的に引き上げる

 (2)自動車運転従事者休息期間は11時間を確保する

 (3)トラック事業における規制緩和の是正をはかり、労働者の安全衛生を脇に置く新たな規制緩和をしない

 (4)バス、タクシーのドライバーの賃金、処遇を改善する

●【建設業就業者】

 (1)来年4月からの建設業の時間外労働規制を現場に徹底し、設計労務単価を反映した賃金を保障する

 (2)大阪・関西万博の関連工事について「時間外労働規制の除外」扱いは労基法違反であり、断じて許されない