【予算委員会】自民派閥の裏金/いつから誰の指示か/徹底解明迫る

 私は、自民党が公表した政治資金パーティーをめぐる裏金問題の全議員調査結果について「誰がいつから、どのように裏金づくりの仕組みをつくり、裏金の使途は何か。この調査ではわからない。徹底解明が必要だ」と迫りました。

 調査結果は、政治資金収支報告書を訂正した現職国会議員82人の過去5年分の「不記載」金額を集計しただけのもの。

 私は、調査結果には「一部の派閥が還付金を収支報告書に記載しないよう所属議員等事務所に指導していた」とあるとして、安倍派(清和政策研究会)では「誰が、どのように指示をしたのか」とただしました。

 岸田文雄首相は「清和政策研究会で指示があったと一部議員から報告があった」と述べる一方、「それ以上の内容は(党の聞き取り調査の)結果を踏まえて答える」と述べるだけ。

 私は「誰が指示したのかも明らかにしないのでは国民は納得できない」と迫り、安倍派幹部の証人喚問を求めました。

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 私は、調査結果では、2019年と22年に改選となった参院議員の裏金の金額が、改選年に増えていると指摘(表→)し、「改選時に不記載額が多いことを認めるか」と追及。

 「選挙の年は他の年より多い実態はある」と答弁した岸田首相。

 私は「裏金は選挙のために使われたのではないか。金の力で選挙をゆがめることはあってはならない」として、選挙買収などに裏金が使われていないか徹底解明を求めました。

 私は、安倍派の裏金づくりが、いつから始まったのかと追及。安倍派幹部だった萩生田光一前政調会長が03年衆院選での初当選後、パーティー券売り上げのノルマ超過分について、派閥事務局から「活動費として戻す」と説明されたと話しているとして、「派閥ぐるみで組織的に、長期に裏金づくりが行われてきたのでは」とただしました。

 岸田首相は「党の聞き取り調査結果を待ちたい」と言い逃れました。

 私は、04年9月10日付「赤旗」(新聞記事↑)で、清和政策研究会が所属議員に配る年間計1億円の「もち代」「氷代」の支出を5年にわたり収支報告書に記載していなかったと報じたことなどを示し、「安倍派の裏金づくりは2000年より前から始まっていたのではないか」と迫り、当時の森喜朗元首相・同研究会元会長ら関係者の証人喚問を求めました。

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←【切り抜き】結局、#パーティー収入 の #裏金 は選挙のために使ったんじゃないのか?
←派閥の裏金問題/選挙がある年には全額キックバック(2024/2/14) #予算委集中審議 が終わって #塩川鉄也 衆院議員のコメント

←派閥の裏金問題/20年前から行われていた(2024/2/14) #予算委集中審議 が終わって #塩川鉄也 衆院議員のコメント


論戦ハイライト/衆院予算委集中審議で塩川議員/自民裏金/歴史と全体像暴く

「しんぶん赤旗」2月16日・3面より

 自民党の政治資金パーティー裏金事件をめぐり14日に行われた衆院予算委員会の集中審議。日本共産党の塩川鉄也議員の質問を通じ、自民党が裏金づくりを組織的に行っていたことが鮮明になりました。パーティー収入が形をかえた企業・団体献金となり、財界本位に政治をゆがめる役割を果たしてきた歴史と実態も明白に。裏金問題の全体像を暴き出した質問を振り返ります。

組織的・長期にわたって慣習化

塩川 選挙のために使ったか
首相 他の年より多いという実態ある

 今回の裏金事件で問われるのは、自民党が組織的に政治資金規正法に抵触する違法行為を行っていたという疑惑です。

 派閥による組織的な裏金づくりの実態については、自民党が行った全所属議員への調査結果にその一端が示されています。

■幹部関与
 調査結果には「一部の派閥が還付金を収支報告書に記載しないよう所属議員等事務所に指導していた」と明記。塩川氏は、組織的関与を示すこの一節を示して安倍派幹部らが裏金づくりにどう関与したのかを岸田文雄首相にただしました。

 塩川 誰がどのように違法行為の指示を行っていたのか。

 首相 清和政策研究会において指摘のような指示が事務方を通じてあった旨、一部の議員側から報告があった。それ以上の内容は(自民党内の聞き取り調査の)とりまとめ結果をふまえて答える。

 塩川氏は「組織的な違法行為が継続していたのに、誰が指示したかも明らかにされないのでは、国民は納得できない」として安倍派幹部らの証人喚問を求めました。

 裏金が選挙のために使われたのではないか―。裏金の使い道に関しても、組織性が強く疑われます。調査結果では、2019年と22年に改選となった安倍派所属の参院議員の裏金の金額が改選年に増えています。(表→)

 塩川 裏金は選挙のために使ったのではないか。改選時に(政治資金収支報告書への)不記載額が大きくなっていると認めますね。

 首相 確かに、選挙の年、他の年より多いという実態はある。

 塩川 まさにそこが問われている。金の力で選挙をゆがめるようなことがあってはならない。

 改選時に裏金の額が大きくなっている議員がいる実態を岸田首相も認めざるを得ませんでした。塩川氏は選挙買収に使われていないかなど徹底解明を求めました。

■各紙報道
 安倍派では組織的な裏金づくりが20年以上にわたって行われ、慣習化していた疑惑も強まりました。塩川氏は、証言や報道を示して2000年代初めには裏金づくりが始まっていたと追及しました。

 安倍派幹部だった萩生田光一議員は、2003年の初当選後、パーティー券販売のノルマ超過分を「活動費として戻す」と派閥事務局から説明されたと証言しています。

 04年9月10日付の「赤旗」では、清和政策研究会が所属議員に配る「もち代」「氷代」の1億円もの支出を5年にわたり収支報告書に記載していなかったと報道。05年3月10日付「東京」は共同通信の配信記事として清和政策研究会がノルマを超えてパー券を販売した議員に、資金を還元し「裏金化」していたと報じていました。

 塩川 安倍派の裏金づくりというのは2000年代初めから始まっていることになるのでは。

 首相 (聞き取り調査で)取りまとめられる報告書のなかでどこまで確認できるか判断したい。

 岸田首相は聞き取り調査を理由に答弁から逃げ続けましたが、裏金づくりがいつから始まったか徹底解明が必要です。

 塩川氏は「当時の清和政策研究会会長の森喜朗元首相をはじめ関係者の証人喚問を」と求めました。


「議事録」

第213回通常国会 令和6年2月14日(水曜日) 予算委員会 第9号

 

○塩川委員 次に、自民党派閥裏金問題についてお尋ねをいたします。

 派閥政治資金パーティーに関する全議員アンケートの結果が出されましたが、政治資金収支報告書を訂正した議員らの二〇一八年から二〇二二年までの訂正金額を集計しただけであります。こんな調査では誰も納得するものはありません。誰が、いつから、どのように裏金づくりの仕組みをつくり、継続をしてきたのか、裏金の使途は何か、徹底解明が必要であります。

 総理にお尋ねいたします。

 アンケート調査結果では、一部の派閥が還付金を収支報告書に記載しないよう所属議員等事務所に指導していたといいますけれども、例えば安倍派において、誰がどのようにこのような違法行為の指示を行っていたのか。安倍派幹部の塩谷座長や下村議員、松野、西村、高木、萩生田、世耕氏ら安倍派五人衆の関与はどうなっているのか。誰がどのように違法行為の指示をしたのか、これについては明らかにされましたか。

○岸田内閣総理大臣 先ほど、アンケートは不十分だという御指摘がありましたが、アンケートについては実態を把握する上での一つの手段であると認識をしています。ですから、このアンケートと併せて、党幹部また外部の弁護士等にも関わってもらって聞き取り調査を行ったところであります。

 そして、今現在は外部の第三者、弁護士の皆さんに取りまとめ作業を行っていただいているところでありますが、聞き取り調査の過程において、清和政策研究会において御指摘のような指示が事務方を通じてあった旨、一部の議員側から報告があったということを承知しております。

 いずれにせよ、今取りまとめ作業が行われておりますので、それ以上の内容については、取りまとめ結果を踏まえた上でお答えをさせていただきたいと思います。

○塩川委員 アンケートは調査手法の一つだと言いますけれども、そもそも調査対象の範囲が狭いわけですよ。自民党を離れたような、あるいは除名したような議員はそもそも調査の対象外としている点でも、調査範囲が狭いという点でも極めて不十分だということは重ねて申し上げておきます。

 清和研において事務方からの指示があったとの話が出ているということですけれども、この点についてきちっと明らかにするということが、いまだに全体像として示されていないということが問題であります。組織的な違法行為が継続をしていたのに、誰が指示したのかも、今の段階、明らかにされないというのでは、国民は納得できません。責任を負うのは誰なのか、明らかにすべきであります。

 委員長、安倍派幹部であります塩谷座長、下村議員、安倍派五人衆の証人喚問を求めるものです。

○小野寺委員長 理事会にて協議をいたします。

○塩川委員 次に、裏金は何に使われたかということであります。

 安倍派所属議員について、参議院選挙の年には、改選組の議員のパーティー代金上納が免除され、全額キックバック、還付されたという話がありますけれども、この点を確認されましたか。

○岸田内閣総理大臣 先ほど答弁させていただきました聞き取り調査については、今日までの経緯、それからお金の使途等について聞き取りを行っていると承知をしています。

 結果については、今取りまとめの最中でありますので、報告を待ちたいと思っています。

○塩川委員 パネルを御覧ください。

 参議院議員の収支報告書不記載額、いわゆる裏金額を見ますと、改選の年に一番裏金の金額が増えているということが見て取れるわけであります。

 二〇一九年改選組で見ますれば、橋本聖子、世耕弘成、堀井巌、丸川珠代、西田昌司、石井正弘、赤池誠章、太田房江、酒井庸行の九議員、二二年改選組の参議院議員では、末松信介、佐藤啓、江島潔、松川るいの四議員が、改選の年の裏金の金額が一番大きくなっていることが見て取れるわけであります。

 結局、パーティー収入の裏金は選挙のために使ったんじゃないのか、このことが問われるんですが、総理、いかがですか。

○岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げた聞き取りにおいて、今までの経緯について、それからお金の使い道について聞き取りを行っていると承知をしています。その中で、党としてどこまで実態を把握できるのか、いずれにせよ、第三者、弁護士による報告書を待った上で、党として判断をしたいと考えます。

○塩川委員 資料を御覧になって、改選時においての不記載額が大きくなっているということはお認めになりますね。

○岸田内閣総理大臣 御指摘の数字についてちょっと一々確認はしておりませんが、もしこのとおりの数字であったならば、確かに、選挙の年、ほかの年より多いという実態はあるかと存じます。

○塩川委員 まさにそこが問われているわけであります。何でこうなっているのかということを徹底解明する必要が当然あるわけであります。二か月以上前からこの話というのは当然議論をされてきたわけですから、そういったことについて、これからこれからの話ばかりでは、これは納得できるものではありません。

 自民党議員だった河井克行、案里議員の事件、また柿沢未途議員の事件など、選挙買収が問われたわけであります。金の力で選挙をゆがめるようなことがあってはなりません。議会制民主主義の根幹を脅かす問題について曖昧にすることはできません。徹底解明が必要だということを申し上げておきます。

 その上で、この安倍派の裏金づくりはいつから始まったのかということです。

 安倍派座長だった塩谷立議員は、長年、事務局から議員事務所に記載をしなくていいということが伝えられていた、還流の開始時期については明らかではない、不記載の状況も全く知らなかったと答えています。安倍派五人衆の一人である西村康稔議員は、歴代会長と事務局長の間で、長年、慣行的に行っていたと言います。

 長年と安倍派の幹部は言っておりますけれども、これはいつからということで総理は受け止めておられますか。

○岸田内閣総理大臣 今、関係者による政治資金収支報告書の訂正作業が順次行われているところであり、まずは事情を最もよく知る関係者において、本人において明確な説明責任を果たすことが重要であると考えています。

 長年というのはいつからかということでありますが、そういった経緯についても、聞き取り調査等を通じて、党として今日までの経緯を把握していきたいと考えておりますが、いずれにせよ、外部の第三者による取りまとめ、報告を待って、党として今御指摘の点等についても判断したいと考えます。

○塩川委員 萩生田光一議員は、二〇〇三年初当選後、派閥パーティー券代のノルマ超過分については活動費として戻すと派閥事務局から説明されたと述べています。事務所の担当者は、初参加の二〇〇四年の派閥パーティー開催前に、派閥事務局から、売上げは一度派閥に全額納めてもらい、ノルマ超過分については活動費としてお返しをする、個別の議員の収支報告書への収支の記載は不要ですという指示があったとのことであります。

 そうなりますと、二〇〇三年以前から派閥ぐるみで組織的に長期にわたって裏金づくりが行われていたのではないかということが当然疑われるわけですが、こういった萩生田議員の発言というのは総理も当然御承知ですね。

○岸田内閣総理大臣 関係者の様々な発言がある、このことは承知をしております。

 このことについては、まずは関係者本人が説明責任を尽くすことが第一であると考えておりますが、あわせて、党としても聞き取り調査等を通じて実態を把握していかなければならないと考え、聞き取りを進めてまいりました。その中で、今日までの経緯、そして使い道等についても、党として実態を把握したいと考えております。

○塩川委員 パネルを御覧ください。

 二〇〇〇年代の前半ですけれども、こういった裏金問題というのはずっと議論になってきたわけであります。安倍派の前身であります森派の収支報告書の不記載、裏金報道記事であります。

 二〇〇四年九月十日のしんぶん赤旗の記事で、見出しにありますように、森派、年一億円支出記載せず、餅代、氷代を五年間。左側の方の東京新聞二〇〇五年の三月十日付、パーティー収入裏金化か、ノルマ超過分若手議員に還元、森派、収支報告せず、共同通信調べ。

 こういうのを見ますと、今の報道かと見まがうような報道が二十年前に行われている。極めて深刻な事態ということを改めて浮き彫りとしたんじゃないでしょうか。

 萩生田氏の発言、また二〇〇四年の赤旗報道、二〇〇五年の共同の配信の記事などを見ると、総理、安倍派の裏金づくりというのは、二〇〇〇年代の初め、それより前、一九九〇年代から始まっているということになるんじゃないですか。そのようにお考えになりませんか。

○岸田内閣総理大臣 聞き取りの中で、これまでの経緯についても確認をしたいと考えて聞き取りを進めてきました。この取りまとめられる報告書の中でどこまで確認できるのか、党としてもそこで判断をしたいと思います。

○塩川委員 総理、この二〇〇四年、二〇〇五年のこういう森派をめぐるような報道というのは、御記憶ありませんか。

○岸田内閣総理大臣 済みません、二十年前の話、ちょっと具体的には記憶に残っておりません。

○塩川委員 一貫したこういった裏金づくりの問題が問われているときに、改めて、どこまで遡るのかということについてきちっと総理として目くばせするのは当たり前のことであります。

 このように、裏金づくりがいつから始まったか、徹底解明が必要であります。

 委員長、当時の清和研会長であります森喜朗氏を始めとした関係者の証人喚問を求めます。

○小野寺委員長 理事会にて協議をいたします。