関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2019年度概算要求について

 関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2019年度概算要求の内容が明らかになりました。

 いくつかのポイントを記すと―――

1)自衛隊オスプレイ配備に伴う部隊編成について
今年度からオスプレイが配備される。配備先は現段階で未定だが、すでに今年度末までに第一ヘリ団の下に「臨時教育隊」60人を配置することになっている。さらに来年度の概算要求では、2019年度末までに「臨時航空隊」430人を配置することとしている。「臨時教育隊」は「臨時航空隊」に組み込まれる。

2)引き続き空自入間基地の拡大、機能強化が図られている
①C-2受け入れに伴う施設等経費36億円。航空貨物用倉庫の建替13.5億円、航空燃料貯蔵施設の新設13億円、洗機場の新設4億円。通信局舎の新設2億円(現局舎用地をC-2格納庫建設用地に充てるため)。C-2整備格納庫の調査に0.3億円。
 なお来年度概算要求では、2機のC-2を取得するための経費457億円を計上、2022年度に入間基地に配備する予定。合計5機となる。
②入間基地拡張強化計画の予算が計上されている。自衛隊入間病院のⅡ期工事に40億円、災害対処拠点地区の運動施設等の整備に9億円。
③航空医学実験隊庁舎の新設17億円。立川分屯基地から入間基地に移動する航空医学実験隊(1・2部)の庁舎を建設する。
④作戦システム運用隊(旧プログラム管理隊)庁舎の改修0.2億円。新早期警戒機(E-2D)の情報収取したデータを受け入れるための措置。

 詳細は以下の通りです。

1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)に係る概算要求額とその内容
横田飛行場提供施設整備 歳出ベース9億1200万円 契約ベース12億7400万円
管理棟、倉庫(給油機器)、整備用格納庫、ユーティリティ(給電・給水)。いずれも継続事業。
厚木海軍飛行場提供施設整備 歳出ベース19億4200万円 契約ベース29億8100万円
汚水排水施設、雨水排水施設、工場(車両)改築、ユーティリティ(給電・給水)。いずれも継続事業。
所沢通信施設及び大和田通信所に関係する経費は計上していない

 

2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」に関する概算要求額とその内容
朝霞駐屯地 約19億円
朝霞市公共下水への接続工事10億円(2021年度に完成予定)。朝霞市の工事に対しては、防衛省が負担金を払う(2020年度以降)。詳細については朝霞市と協議中。
庁舎の改修6億円。既存庁舎の空調設備の老朽更新や通信機材設置に伴う建屋改修。
庁舎の新設3億円。第一師団の偵察部隊が使用する狭隘な施設の新築。
調査工事0.8億円。女性隊員の庁舎・隊舎の狭隘化解消、建て替えのための調査費。
宇都宮駐屯地 約2億円
隊舎の改修。既存建物の耐震改修(2年間を予定)。
習志野駐屯地 約2億円
管理棟の新設2億円。仮設建物である装備品管理施設の新設。調査工事0.3億円。降下訓練塔の老朽対策。
百里基地 約4億円
格納庫の改修0.35億円、局舎の改修0.2億円、庁舎の改修0.9億円(いずれも三沢から百里への第3飛行隊移動に対応するもの)。
器材庫の改修0.2億円。
燃料設備の改修1.3億円。燃種の変更。
汚水排水設備の整備2億円。
空調設備の改修0.2億円。
調査工事400万円。着陸拘束装置設置のための調査工事費。
熊谷基地 約0.9億円
浴場の機械設備の改修。
府中基地 約22億円
庁舎の建替18億円。航空開発実験集団司令部庁舎の耐震対策。
庁舎の改修2.5億円。宇宙状況監視(SSA)システムの運用の拠点として活用。
隊舎の解体2億円。外来宿舎の解体。
入間基地

約106億円

航空貨物用倉庫の建替13.5億円、航空燃料貯蔵施設の新設13億円、洗機場の新設4億円。通信局舎の新設2億円(いずれもC2受け入れ関連)。
プログラム管理隊庁舎の改修0.2億円。
入間病院の新設40億円。2期。
災害対処拠点地区等の整備9億円。
航空医学実験隊(1・2部)庁舎の新設17億円。
雨水排水施設の整備2億円。
調査工事1億円。C2整備格納庫0.3億円。基地内のライフライン(給排水・電気設備等ユーティリティ関連)の検討1億円。

大宮駐屯地、相馬原駐屯地、北宇都宮駐屯地、勝田駐屯地、土浦駐屯地、霞ケ浦駐屯地、古河駐屯地、木更津駐屯地、立川基地、横田基地はなし。

 

3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団)及びその他の主な部隊に係る概算要求額(装備品等)とその内容
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞)

計上事業なし。

第一空てい団(習志野) 約1.4億円
空挺傘損耗更新など。
第一ヘリ団(木更津) 約500万円
CH47スリングベルトの改修など。
中央即応連隊(宇都宮) 約6.6億円
爆発物処理関連機材(IED対処)など。
特殊作戦群(習志野) 約13.1億円
中央特殊武器防護隊(大宮) 約2.4億円
除染車1両、除染装置1両。
対特殊武器衛生隊(三宿) 約0.3億円
生物剤対処用衛生ユニット維持。
国際活動教育隊(駒門)
計上事業なし。
中央情報隊(朝霞)
計上事業なし。
システム通信団(市ヶ谷) 約3.9億円
無線搬送装置。
水陸機動団(相浦) 約9.4億円
水中偵察用備品3.4億円、相浦訓練施設整備4.6億円など。
大井通信所(ふじみ野市) 約7億円

保全警備システムの保守整備250万円、通信所警戒監視要員(役務)の確保3600万円、老朽施設の建替6億8千万円。

防衛医科大学校(所沢) 約135億円
患者医療費40億円、学校機能維持費61億円、インフラ整備費14億円、医療備品整備19億円、防衛医学研究センター0.5億円。
航空医学実験隊(入間) 約5億円
操縦者作業負担度測定装置3億円、維持経費2億円。
航空機動衛生隊(小牧) 約400万円
機動衛生ユニット維持費。
陸自化学学校(大宮) 約0.65億円
学校教育に必要な消耗品、教材等の経費。