【内閣委員会】茂木氏疑惑/団体との癒着を批判

 茂木敏充経済再生相と日本リラクゼーション業協会との癒着疑惑について取り上げました。

 茂木氏が過去に特別顧問を務めた同協会は、理事が茂木氏の経産相就任時に大臣室を訪問、協会主催のイベントや総会で茂木氏があいさつした写真をSNSに掲載し、親密ぶりをアピールしていました。

 同協会が「協会報」(2012年9月)で茂木氏について「リラクゼーション業の産業分類の確立、業界発展のために尽力をいただいている」と記している。同協会の要望である産業分類の確立が、茂木氏がリラクゼーション業を所管している経産相在任中に実現したことで、親密な関係にある同協会に、新産業として国の“お墨付き”を与えるために尽力したのが茂木大臣だったのではないか。

 同協会が茂木氏の政治資金パーティー券を16年に150万円購入している。パーティー券購入は形を変えた企業・団体献金であり、所管業界団体からの献金は業界との癒着が問われると。

 茂木氏は「大臣規範にのっとり活動している。現在、顧問は務めていない」「政治資金は法にのっとり適正に報告している」と答弁しました。

 報告書に記載したから問題ないという話ではない。大臣として果たした仕事に、その後、協会のパーティー券購入という形で報いた構図は、癒着そのもので、お友達のための政治の私物化だ。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第197通常国会 2018年11月14日 内閣委員会 3号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、最初に茂木大臣にお尋ねをいたします。
 茂木大臣は、一般社団法人日本リラクゼーション業協会の特別顧問を務めたことがありますね。

○茂木国務大臣 個別の政治活動についてお答えすることは差し控えますが、特別顧問等の就任については、国務大臣規範にのっとり活動しております。現在、顧問は務めてございません。

○塩川委員 現在務めていない、国務大臣規範との関係ですけれども、大臣就任以外の時期に特別顧問を務めていたということを否定されませんでした。二〇一四年十二月八日時点で特別顧問という役職も記載がされているところです。
 そこで、この数年間の日本リラクゼーション業協会のフェイスブックを拝見しますと、茂木議員の名前と写真がたくさん出てまいります。
 例えば、二〇一四年六月、リラクゼーション業協会総会の後の懇談会で茂木大臣が挨拶をしておられますし、その際に、リラクゼーション業に対する国としての期待を述べたということです。また、その十一月には、日本リラクゼーション業協会主催のリラクゼーションの日記念イベントで茂木大臣が挨拶をしておられます。二〇一五年十月に、リラクゼーション業協会主催のコンテストで茂木議員が特別顧問として挨拶をしておられます。翌二〇一六年十二月、協会理事メンバーとの懇親会で、ゴルフ場の写真でしょうか、紹介もされておりました。昨年の二〇一七年七月一日、リラクゼーション業協会総会で挨拶をしておられます。その他、茂木議員の勉強会に協会理事が出席などしている。
 不思議なことに、昨日拝見をすると、そういうフェイスブックの記載が、かなりのところが落ちているということなんかもありまして、そういう経緯の中にあるところです。
 そこで、お尋ねしますけれども、二〇一二年九月のリラクゼーション業協会の協会報を見ると、茂木議員は、関係省庁への打診、産業分類確立への道しるべをも一緒に考えていただける心強い賛同者と紹介をし、自民党政調会長という要職の激務のさなか、リラクゼーション業の産業分類の確立、業界発展のために尽力をいただいているとありますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。

○茂木国務大臣 さまざまな団体の皆さんとお会いする機会であったりとか、業界団体等の会合、これは毎年呼んでいただいている会合もございますし、さまざまな会合にも出席させていただいております。
 各団体の広報物についてコメントする立場に私はありませんが、さまざまな団体の会報等に多くの議員が載っていることはあるなと思っております。そして、他の団体と同様に、リラクゼーション業協会の皆さんからも、現状についてお話を伺ったことはございます。
 同業界に限らず、私の政治活動に御理解、御賛同いただいた多くの方から御支援もいただいております。

○塩川委員 リラクゼーション業協会、お話を伺ったことがあるということで、茂木議員は、この二〇一二年九月のリラクゼーション業協会での、リラクゼーション業の産業分類の確立、そのために尽力いただいているというのを受けて、政権交代がありましたので、二〇一二年の十二月に経産大臣に就任をされました、その翌二〇一三年二月の十二日に、このリラクゼーション業協会理事らが大臣室を訪問しております。
 先ほど申し上げましたように、同協会の要望はリラクゼーション業という産業分類の確立であります。総務省によれば、産業分類というのは、助成事業等の認定に当たりこの分類が活用される事例もあるという点でいうと、非常に重要な区分ということになっているわけであります。
 そういった中で、二〇一三年、茂木大臣が大臣在任期間中に、経産省の取組もあって、十月、リラクゼーション業が日本標準産業分類に新設をされました。ですから、その後のリラクゼーション業協会のフェイスブックには、「歴史が動きました。」「「リラクゼーション業」が、新産業として認定されました!」とあったわけであります。
 このリラクゼーション業というのは、所管は経産省であります。まさに茂木大臣が経産大臣在籍中に、業として所管をするリラクゼーション業というのが産業分類として確立をするということで、この二〇一二年以降の経緯を見ても、親密な関係にあったリラクゼーション業協会に新産業としてのお墨つきを与える、こういう立場で尽力をしたのが茂木経産大臣だったのではありませんか。

○茂木国務大臣 まず、二〇一二年の九月というお話でありましたが、我々は野党でありました。もちろん、我々として、政権復帰を目指す、こういう立場でありましたが、いつ政権復帰できるか、解散もなかったわけですから、わからない状況でありましたし、ましてや、安倍政権が成立する、そして、そこの中で私が経済産業大臣に就任するということは、少なくともその時点では想定をされていなかったと思っております。
 そして、日本産業分類についてお話がありましたが、これを所管しておりますのは総務省でありますから、その件につきましては総務省にお尋ねください。

○塩川委員 野党時代に知己を得て、その要望もあって、二〇一二年の十二月に経産大臣に就任したからこそ、経産大臣の職責において、産業分類の確立に経産省が働きかけるという点での役割を果たしたんじゃないのかということであります。
 産業分類を所管する総務省と協会とのやりとりの際にも、総務省統計局からいろいろ疑問点なんかが出される。そういった際に、経産省のヘルスケア産業課というのが、この協会へのいろいろなアドバイスをしたり、総務省統計局とのやりとりもしているわけですよね。つまり、役所として産業分類を確立するということでのアドバイスを行ってきた。それは、まさに茂木経産大臣のもとで行われてきたことであります。
 この間、経済産業省はこの団体であるリラクゼーション業協会主催のコンテストを後援し、経産省のヘルスケア産業課長が「政府の取組とリラクゼーション業への期待」と題する講演をこの協会主催の行事の中で行うということで、特定の業界団体を経産省が積極的に支援をしてきているという経緯があるわけです。
 そこで、茂木大臣に伺いますが、このリラクゼーション業協会は、二〇一六年の四月、それから九月、十二月、茂木議員のパーティー券を購入していると思いますけれども、それはそのとおりでよろしいですね。

○茂木国務大臣 個別のどの時期に幾らということは今確認できませんが、いずれにしても、政治資金パーティー等につきましては、その資金は政治資金規正法にのっとり適正に報告をいたしております。

○塩川委員 これは質問で投げているんですよ、このリラクゼーション業協会からパーティー券を購入してもらったということについて確認しますねと。聞いていないんですか。

○茂木国務大臣 いずれにしても、そのような御指摘であれば、その時期にパーティー券の購入があったと思いますが、そのことについてはきちんと政治資金収支報告書に記載をいたしております。

○塩川委員 まあ、そういうことであろうということで、ちょっと答弁の話で、いろいろ、事前に通告がないから何とかという話になるんだけれども、これは失礼な話ですよ。(茂木国務大臣「ちゃんと答えているじゃないですか」と呼ぶ)いやいや、だって、思うという話じゃないですか。事実関係を確認しているのに、これは思うという話じゃ済まない話ですよ。丁寧にやっているんだから。それに対してそういう答えというのは、これは余りにも審議に対して失礼じゃありませんか。
 では、もう一回。

○茂木国務大臣 御意見は真摯に受けとめさせていただきます。
 その上で、先ほど申し上げましたように、政治資金につきましては政治資金規正法にのっとり適正に報告をいたしております。

○塩川委員 百五十万円を受け取っているわけなんです、五十万、五十万、五十万で。収支報告書に記載したから問題ないという話じゃないんです。
 所管する業界団体から献金やパーティー券購入を一切受けないというのは、本来これはやはり所管大臣としては行うべき筋じゃありませんか。業界団体からの献金というのは業界との癒着が問われるわけですよ。パーティー券は形を変えた企業・団体献金と言われているわけで、業界団体が口ききなどの見返りとして政治家に金を出すという構図になるというのは当然のことであります。
 茂木議員が経産大臣在任中に、親密な関係にある業界団体の要求に応えて、新産業としてのお墨つきを与えるために働き、実現をさせた、協会側はパーティー券購入という形で報いた、こういうことになるんじゃありませんか。

○茂木国務大臣 私は、二〇一二年の十二月の二十六日に経済産業大臣に就任をいたしまして、二〇一四年の夏に退任をいたしております。御指摘いただきました二〇一六年、私は経済産業大臣の職にはございませんでした。

○塩川委員 大臣で果たした仕事が、その後、協会としてパーティー券購入という形で報いたという構図というのは、はっきりしているんじゃないでしょうか。新産業育成を国策として進め、それを利用する形で所管していた業界団体に国のお墨つきを与えて、その結果、資金提供を受けるというのは癒着そのものであって、こういった癒着を進める、お友達のための政治の私物化ということを言わざるを得ません。
 こういった問題について今の安倍政権の対応が極めて問題だということを指摘もし、引き続き追及することを申し上げて、茂木大臣については御退席いただいて結構であります。