海外の戦場での役割いっそう鮮明に/陸自・宇都宮「中央即応連隊」

 陸上自衛隊宇都宮駐屯地にある「中央即応連隊」の強化が進んでいます。

 陸上総隊の下に置かれている「中央即応連隊」(約800人)の任務について防衛省は
1)ゲリラや特殊部隊による攻撃等が発生した場合に重要施設の集中する地域において必要に応じて各方面隊を増援
2)国際平和協力活動の先遣隊要員を派遣
――と説明しています。

 この間「中央即応連隊」は、自衛隊の海外派遣の先遣部隊として活動。現在も自衛隊の海外基地のあるジブチで基地警備の任務に就いています。

 今年度末、新たに「爆発装置処理隊」(約30名)が増員されます。簡易爆弾(IED)対処に必要な装備をもつ部隊です。IEDは、イラクなどの戦場で米軍を攻撃するために頻繁に使用されました。

 また、新「防衛大綱」「中期防衛力整備計画」には「中央即応連隊及び国際活動教育隊の統合による、高い即応性及び施設分野や無人機運用等の高い技術力を有する国際活動部隊の新編に向け、必要な措置を講じる」とあります。

 「国際活動教育隊」(約100人、駒門駐屯地=静岡県御殿場市)は、南スーダンなど海外に派遣される陸上自衛隊部隊の教育訓練を行ってきました。

 中央即応連隊と国際活動教育隊の統合は、「派遣」と「教育」の一体化を図るとともに、ニーズの高いインフラ整備などの施設分野の派遣業務の強化や、ドローンなどの無人機活用といった新たな任務の付与が行われることになります。

 海外の戦場において先遣部隊として活動する中央即応連隊の役割が、いっそう鮮明になりました。