【「しんぶん赤旗」掲載】アイヌの権利回復を/新法案めぐり党国会議員団と懇談

「しんぶん赤旗」2月14日付・2面より

 政府が今国会にアイヌ政策に関する新法案を提出する方針を示すなか、「先住民族アイヌの声実現! 実行委員会」が13日、日本共産党国会議員団と懇談し、法案や国会審議のあり方について要請しました。塩川鉄也、宮本岳志の両衆院議員が出席しました。

 アイヌ政策をめぐっては、1997年にアイヌ文化振興法が成立。2008年には、前年の国連「先住民族の権利に関する国際宣言」に基づき、衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とする国会決議」が全会一致で採択されました。超党派の国会議員連盟も発足。アイヌ民族は、「先住民族」と位置づけた法改正・法整備を求めてきました。

 同実行委の多原良子共同代表は「アイヌ文化振興法は文化を推進するだけだった」と指摘。新法案では、経済的に困窮したり健康保険や年金に加入できなかったりする人が多いアイヌへの生活保障と教育支援を位置づけるよう求めました。

 出原昌志さんは「私たちが求めている根幹は、『アイヌのことはアイヌが決める』、アイヌ民族の自決権だ。その根源の力として、土地や資源の権利の回復・保障が不可欠だ」と強調。政府には明治期以降の同化政策への反省が無いままだとして、「なぜ今アイヌが困窮し、同化させられてきたか、『政府の歴史的不正義』を追及し、議事録に残してほしい」と訴えました。

 塩川、宮本両氏は、要請を生かしてしっかり国会で議論したいと答えました。