【内閣委員会】塚田国交副大臣罷免要求/「忖度」発言で追及

 塚田一郎国土交通副大臣が「下関北九州道路」計画について「私が忖度(そんたく)した」と発言した問題で、安倍晋三首相に塚田氏の罷免を要求しました。

 吉田博美参院自民党幹事長が会長を務める「下関北九州道路の整備促進を図る参議院議員の会」の設立総会(昨年11月2日)で、吉田氏が塚田氏ら国交省幹部に「政治生命をかけてという気持ちでやるので、よく肝に銘じてしっかりとやっていただく」と求めていた。

 こういう動きを背景に、今回の発言があったのではないか、と指摘。自民、公明両党の議員でつくる「関門会」の同道路早期実現を求める要望書(16年3月提出)には安倍首相の名が記載されており、計画推進は、総理自身が直接指示したのではないか――とただしました。

 首相は「私が指示したということはない」と否定しました。

 私は、事業を所管する塚田氏の発言は、福岡県知事選での利益誘導による選挙利用が問われる大問題だ。きっぱりと罷免すべきだ――と主張。

 安倍首相は、塚田氏の発言は「問題だ」と認めながら「まずは本人からしっかりと説明すべきで、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」と擁護し、罷免を事実上拒否しました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月03日 内閣委員会 10号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 私からも、塚田国交副大臣に関連して質問をいたします。
 北九州市と山口県下関市を結ぶ下関北九州道路建設計画について、関門海峡には既に橋とトンネルがあり、二〇〇八年には不要との批判を受けて凍結をされたものです。それが一転して、石井国交大臣は、三月の十九日、二〇一九年度、今年度から国が直轄で建設に向け調査する考えを表明しました。
 報道によると、塚田国交副大臣は、四月一日、北九州市で開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の集会で挨拶をした。下関北九州道路に関して、国による直轄調査への移行について、安倍総理や麻生副総理が言えないので私がそんたくしたと発言をしたということです。
 事業を所管する塚田副大臣の発言は、福岡県知事選挙における利益誘導による選挙利用が問われる大問題であります。
 この点で、安倍総理自身の立場も問われております。
 北九州、下関に関連する与党議員の集まりであります関門会は、二〇一六年三月に、道路の早期実現を求める要望書を提出をしております。その要望書には、安倍総理の名前も記載をされています。
 地元にかかわる大型公共事業である下関北九州道路建設計画については、これは安倍総理自身が直接指示されたんじゃないですか。

○安倍内閣総理大臣 そんなことはございません。
 従来から、地元の要望があることは、地元選出の議員でありますから十分に承知をしておりますが、私が指示したということはございません。

○塩川委員 これとの関係で、塚田国交副大臣の発言ですけれども、西日本新聞では、塚田副大臣は、吉田博美参議院幹事長から、これは総理と副総理の地元の事業だよと言われたことを明かした上で、私は物わかりがいい、すぐそんたくする、わかりましたと応じたということです。先ほど塚田副大臣は事実と異なると言いましたけれども、本当にそうなのか。
 これは、吉田博美参議院幹事長が会長となって、下関北九州道路の整備促進を図る参議院議員の会というのが設立をされているんです。昨年十一月二日には自民党本部で設立総会を行って、塚田副大臣や政務官、道路局長らが出席をしている。吉田会長は、道路局長、副大臣、政務官がいる、政治生命かけてという気持ちでやるので、よく肝に銘じてしっかりとやっていただくと発言をしている。
 こういう動きを背景に今回の発言があったんじゃないのか。事実と異なるどころか、事業を所管する塚田副大臣の発言というのは、福岡県知事選挙における利益誘導による選挙利用が問われる大問題であります。きっぱりと罷免すべきではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 発言の詳細は承知をしておりませんが、本人も事実と異なる発言と認めておりまして、そうした発言をしたことは問題であります。既に本人から撤回し、謝罪したところと承知をしておりますが、まずは本人からしっかりと説明すべきであり、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたいと考えております。

○塩川委員 選挙利用を図ろうとした点は、これは事実そのものですから、この点でも塚田副大臣はやはり罷免をすべきだし、本人は直ちに辞任すべきだ、このことを申し上げておくものです。