【内閣委員会】成年被後見人「欠格条項」を一括削除/障害者の権利制限の見直しを

 成年被後見人の権利制限適正化法案が全会一致で可決しました。

 この法案は、障害者などが成年後見を利用しているだけで、公務員等の職業や資格取得などから、一律に排除する規程(欠格条項)を190近くある法律から一括して削除し、個別に試験や面接などで審査する規程を盛り込むものです。

 この法案により、障害者にとって雇用機会の拡大につながるのか確認すると。

 宮腰担当大臣は「成年後見を利用していることのみをもって、職を失うことがなくなる」と答えました。

 私が、弁護士や司法書士など専門家の後見人に、幅広い権限・裁量が与えられていることで、「本人や家族の意向が実現しない」、「親族が後見人になれず、(後見人の)交代も難しい」という声を紹介すると。

 法務省の筒井審議官は「課題は認識している。制度の在り方についても検討したい」と答弁。

 最高裁の手島家庭局長は「親族の身近な支援者がいる場合にはその人を後見人に選任すること、状況の変化などに応じた柔軟な交代や追加専任が望ましい」との認識を示しました。

 ニーズや課題、状況の変化を把握する役割を担う「中核機関」の設置は79自治体にとどまっている。国が予算措置や人員配置への取り組みを行うべきだと強調しました。

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「議事録」

<第198通常国会 2019年05月17日 内閣委員会 17号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 成年被後見人権利制限適正化法案について質問いたします。
 まず、宮腰大臣に質問をいたします。
 この法案は、成年被後見人等が成年被後見人等であることを理由に不当に差別され不利益をこうむらないようにする、そのための法案ということであります。この間も、被保佐人である元大阪府吹田市臨時職員の方や元警備員の方が職を失った件が係争中ですが、本案が成立をすると、被後見人等の職が失われる、こういうことが減っていく、このようなものになるんでしょうか。

○宮腰国務大臣 今回の法案は、平成二十八年五月施行の成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づき成年後見制度を利用している方々の人権が尊重され、不当な差別をされないよう、いわゆる欠格条項を適正化することを目的としております。
 議員御指摘の、地方公務員や警備員を始めとする多くの資格等に係る欠格条項の存在により、同程度の判断能力であっても、成年後見制度を利用している人のみが各種の資格、職種等から一律に排除され、能力を発揮する機会が失われていることが問題となっております。
 今回見直される資格等につきましては、成年後見制度を利用していることのみをもって、資格等の取得時に排除されることや職を失うことがなくなります。今回の改正により、成年後見制度を利用する方々が、そうでない方々と同じようにその能力を発揮し、社会に参画することが促進されることになるというふうに考えております。

○塩川委員 入り口で排除されるようなことはない、また、成年後見を使った人が失職するようなこともないという中身だということであります。
 その点でも、今、この間、政府の障害者雇用の水増し問題が大問題となったわけであります。内閣人事局も担当し、公務員制度も担当している宮腰大臣ですので、障害者雇用促進法改正案が衆議院で可決をされ、参議院で審議が行われようとしております。こういうときにこの法案の審議が行われているという点でも、入り口で排除されていた障害者にとって雇用機会が拡大することになる。ぜひとも、今回の法改正を契機として、公務における障害者雇用がふえるという取組につなげていただきたいと思うんですが、大臣からぜひ御答弁をいただきたいと思います。

○宮腰国務大臣 今回、障害者雇用に関する法改正も進んでいるわけでありますけれども、また、政府における障害者雇用の達成に向けた取組もスタートしております。いろいろな意味で、障害者の方々、公務員ということに限らずでありますけれども、まずは、国あるいは地方自治体がしっかりとその責務を果たしていくということが大事であると思っております。
 今回のこの法律、一律に排除するということをやめるということでありますので、いろいろな意味で、公務員を志す方々が自分の能力によって、各種の資格、職種等からこれまで一律に排除されてきたものが、それがなくなるということでありますので、今ほど申し上げたように、能力を発揮し、社会に参画することが促進をされるということになろうかと思っております。

○塩川委員 ぜひ、そういう方向で、国を始めとして、しっかりと雇用をふやす機会になっていく、社会参加を促進するものにしていくということを求めたいと思っております。
 それで、今回の法案は成年後見制度利用促進法に基づいてつくられているわけですが、この利用促進法の附帯決議に、障害者権利条約第十二条の趣旨に鑑み、成年被後見人等の自己決定権が最大限尊重されるよう現状の問題点の把握に努め、それに基づき、必要な社会環境の整備等について検討を行うこととあります。
 この附帯決議に基づき、政府はどのように措置をしてきたのか、大臣にお尋ねをいたします。

○宮腰国務大臣 御指摘の附帯決議におきましては、「障害者の権利に関する条約第十二条の趣旨に鑑み、成年被後見人等の自己決定権が最大限尊重されるよう現状の問題点の把握に努め、それに基づき、必要な社会環境の整備等について検討を行うこと。」とされております。
 この成年後見制度利用促進法に基づきまして、平成二十九年三月に閣議決定されました成年後見制度利用促進基本計画におきましては、「第三者が後見人になるケースの中には、意思決定支援や身上保護等の福祉的な視点に乏しい運用がなされている」といった現状の問題点が指摘されております。
 こうした問題点につきまして、基本計画では、「後見人による財産管理の側面のみを重視するのではなく、認知症高齢者や障害者の意思をできるだけ丁寧にくみ取ってその生活を守り権利を擁護していく意思決定支援・身上保護の側面も重視し、利用者がメリットを実感できる制度・運用とすることを基本とする。」こととしておりまして、こうした考え方に基づき、制度の運用の改善が進められているものと承知をいたしております。

○塩川委員 意思決定支援、身上保護、制度の運用改善を図っていくということでの答弁がありました。
 法務省でしょうか、お尋ねしますが、この利用促進法では、被後見人の権利制限、欠格条項に関する法律の見直しについては規定をしておりましたが、後見人の側の包括的かつ幅広い権限については見直しの対象とはなっておりませんでした。このような後見人の幅広い権限、裁量の見直しに係る制度改正を行う必要があるのではないかと考えますが、この点についてはどのような対応をされておられるのか。

○筒井政府参考人 お答えいたします。
 御指摘がありましたとおり、現行の成年後見制度に対しては、本人の行為能力を画一的、包括的に制限するのではなく、本人の能力に応じて必要最小限の範囲で制限すべきであるといった意見などがあることは承知しておるところでございます。
 個々人の能力に応じたきめ細やかな対応を可能とするといった観点や、可能な限り本人の意思決定を尊重し、これを支援するといった観点からは、成年後見制度のうち、現状では利用が少ない保佐及び補助についての利用を促進することが重要であり、平成二十九年三月に閣議決定されました成年後見制度利用促進基本計画におきましても、「認知症の症状が進行する高齢者等について、その時々の判断能力の状況に応じ、補助・保佐・後見の各類型間の移行を適切に行う。このため、その時々の心身の状況等に応じた見守り等、適切な権利擁護支援を強化する。」こととされているところでございます。
 法務省といたしましては、基本計画に基づく運用面における改善の状況などを踏まえつつ、成年後見制度のあり方について検討してまいりたいと考えております。

○塩川委員 保佐や補助の利用とか運用面の改善の話はありましたが、このあり方についての検討という点で、やはり、制度そのものを見直していく、こういうことが課題なんだという認識があるのかについて、もう一度お答えください。

○筒井政府参考人 お答えいたします。
 御指摘がありましたように、基本計画に基づく運用面における改善の状況などを踏まえた上で、成年後見制度のあり方についても検討してまいりたいと考えております。

○塩川委員 意思決定支援を主とし、代行決定は最後の手段とする、そういう制度となるよう、障害者権利条約第十二条を踏まえた制度改正を進めていくことを求めたいと思います。
 次に、士業後見人に対し幅広い裁量が与えられていることで、本人や親族の意向が実現しないといった声が上がっておりますが、この点についてはどのように対応をしておられるのか。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十九年三月に閣議決定をされました成年後見制度利用促進基本計画では、今後の施策の目標として、後見人等が利用の意思をできるだけ丁寧に酌み取ってその生活を守り権利を擁護していく意思決定支援や身上保護を重視し、利用者がメリットを実感できる制度、運用とすることを掲げております。
 このため、厚生労働省では、平成二十九年三月に、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン、また、平成三十年六月には、認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドラインを策定をしたところでございます。
 加えて、後見人等による意思決定支援のあり方に関しては、平成三十年三月に大阪意思決定支援研究会が、意思決定支援を踏まえた成年後見人等の事務に関するガイドラインを作成し公表しているなどといった、地域における独自の取組も始まっております。
 こうした取組も踏まえまして、最高裁判所の呼びかけにより、最高裁判所、厚生労働省、専門職団体において、後見人等が本人の特性に応じた適切な配慮を行うことができるよう、後見人等による意思決定支援のあり方についての指針の策定に向けて協議を行うこととしております。
 また、厚生労働省におきましては、本年度に国庫補助事業として、後見人等の意思決定支援の研修のあり方等に関する研究事業を実施することとしております。

○塩川委員 大臣も答弁で触れられておりましたけれども、意思決定支援や身上保護等の福祉的な視点に乏しい運用がなされている、そういう指摘がある、こういうのもしっかりと受けとめた上での対応を求めていくものです。
 関連して、最高裁にお尋ねしますが、親族が後見人になれず、交代も難しいといった声も関係者の方から寄せられています。この点についてはいかがでしょうか。

○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 成年後見制度の利用者から、親族が必ずしも後見人に選任されるとは限らないことや、後見人に不正行為等がない限り、一旦選任された後見人は解任することができないことについて、利用者がメリットを実感できる制度、運用への改善を求める御意見があるということは承知しているところでございます。
 成年後見制度利用促進基本計画では、身上監護や本人の意思決定支援の側面も重視し、本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任することができるようにするための方策を検討することとされております。
 この趣旨を踏まえまして、まず、最高裁判所において、後見制度の重要な担い手であります弁護士、司法書士及び社会福祉士が所属する各専門職団体と、基本計画を踏まえた後見人の選任のあり方などについて議論を行ってまいりました。
 専門職団体との間では、後見人の選任につきましては、事務処理上の課題の専門性や不正防止の必要性等も考慮した上で、後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がおられる場合には、これらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましいこと、それからまた、後見人の交代に関しましては、本人のニーズや課題、状況の変化などに応じて柔軟に後見人の交代や追加選任を行うことなどの基本的な考え方について、認識の共有に至ったところでございます。
 このことにつきましては、各家庭裁判所に対しまして、今後の運用の参考とするために情報提供を行いました。
 今後、各家庭裁判所におきまして、後見人の選任のあり方について、基本計画における指摘や最高裁判所と専門職団体との間で共有された基本的な考え方を踏まえ、更に検討が進められた上で、各裁判官が、個別具体的な事案に応じ、本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任していくことになるものと理解しております。

○塩川委員 今の答弁、また基本計画でも触れられていますけれども、本人のニーズ、課題や状況の変化等に応じて柔軟に後見人の交代や追加選任を行うということですが、この本人のニーズ、課題や状況の変化をどのように把握をするのか、この点についてはどうなんでしょうか。

○手嶋最高裁判所長官代理者 その点につきましては、今、基本計画で提唱されておりますような中核機関とネットワークが完成されました暁には、親族後見人とそれを支えるネットワークにおいて適切にニーズ等を把握し、それを踏まえた適切なフィードバックが家庭裁判所の方にもいただけるものというふうに承知しておりますが、それまでの過渡期におきましては、さまざまな工夫で聴取をしていく、把握していくしかないかなというふうに考えているところでございます。

○塩川委員 このネットワーク、その中核となる中核機関の果たす役割は大きいということで、そういう点でも、その担い手としての市町村、その中核機関の役割をどう発揮をしていくのかといったことの前向きの取組なしには、こういった対応も実際には困難ということでもあるわけです。
 それから、重ねて最高裁にお尋ねしますが、費用負担が大きいという声があります。後見人等の報酬について、専門職団体との議論ではどういうやりとりがされたのかについて示してください。

○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 後見人の報酬につきましては、個別の事案におきまして、当該事案における諸事情を考慮し、各裁判官が判断すべき事項でございますので、最高裁判所から何らかの基準や運用指針を示し、これに沿った一律の運用がされるという性質のものではございません。
 もっとも、後見人の報酬のあり方というのは、とりもなおさず、後見人の選任に当たりまして、後見人に何を期待し、後見人がその役割をどう果たしたのかの評価にかかわるものでございまして、後見人の選任のあり方とも密接に関連する重要な事項であるというふうに考えております。
 そのため、最高裁判所は、先ほど申し上げました、基本計画を踏まえた後見人の選任のあり方の協議とあわせて、各専門職団体と報酬のあり方についても議論を行ってまいりました。
 この議論の中で、専門職団体からは、まず、個別の事案における後見人の事務の負担を適切に評価し、それに見合う報酬を付与すべきであること、また他方で、その前提となる家庭裁判所への後見事務の報告につきまして過度に煩雑にならないようにすべきであること、また、本人の財産が少なく、本人の財産から報酬を支出することができない事案が現状において相当数に上っておりまして、成年後見制度利用支援事業における報酬助成制度の充実が不可欠であること、こういった意見が出されております。

○塩川委員 専門職団体からは、報酬の見直しには利用支援事業の拡充が不可欠、報酬支援の観点が大事だという指摘があったということでよろしいですね、そこは。

○手嶋最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。

○塩川委員 政府の方に伺います。
 厚労省でしょうか、政府として、こういった費用負担が大きいという声にどう応えるのか、この点についてお聞きします。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 介護保険制度や障害福祉制度におきましては、成年後見制度利用支援事業として、成年後見制度の利用が必要と判断される低所得の高齢者や障害者に対して、申立て経費や成年後見人への報酬等を助成をしてございます。
 厚生労働省といたしましては、全国会議の場などで当該事業を周知するなど、成年後見制度利用支援事業の支援が必要な方が全国どこにお住まいでも支援を受けられるよう、引き続き市町村に働きかけてまいりたいと考えております。
 また、今御紹介ありましたが、最高裁においては、本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任することができるようにするため、後見報酬の見直しも検討されていると聞いておりますので、見直しの考え方、具体的な報酬額及び対象者などについて情報共有をさせていただきながら、実施状況等を踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。

○塩川委員 市町村における成年後見制度利用支援事業、こういう実施を促すということになってくるでしょうけれども、この成年後見制度利用支援事業は、障害者関係でも、また高齢者関係でも、実際の実績というのは非常に限られているわけですよね。それは何でなのかというのについて、説明いただけますか。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、自治体における財政上の制約があることはもとより、また、地域によっては需要が少なかったり、制度の担い手が不足しているといった実情があるというふうに承知をしてございます。

○塩川委員 利用実態の地域での差も当然あるんでしょうけれども、やはり財政上の制約というところはしっかり、ちょっと踏まえておく必要があるだろうと思います。
 そこで、先ほども出たネットワークの関連ですが、成年後見制度利用促進基本計画において権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりが位置づけられていますが、済みません、この地域連携ネットワークづくりの意義、役割について簡単に説明してもらえないでしょうかね。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 地域ネットワークの意義ということでございますが、成年後見制度の広報、相談、利用促進、家庭裁判所への後見人候補者の推薦や、担い手の確保、また、後見人の支援といった機能を担うというものでございます。

○塩川委員 それは具体的に指すと機能のところですけれども、要は、従来の保健、医療、福祉の連携だけではなくて司法も含めた連携の仕組みを構築するというところが重要だと認識しているんですが、そういうことでよろしいですか。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 そのとおりでございます。

○塩川委員 その担い手となるのがネットワークの中核となる中核機関で、市町村の直営や又は委託の形で行われるわけですが、なかなか市町村にすると司法との御縁が非常に少ないという点で、そういったネットワークづくりというのはポイントになるんだろうと考えます。
 そこで、成年後見制度利用促進基本計画において、中核機関の役割というのはどのように位置づけられているんでしょうか。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 成年後見制度利用促進基本計画におきましては、今後の施策の目標として、全国どの地域においても、必要な人が制度を利用できるよう地域体制の構築を図るということにしております。各地域において、成年後見制度の広報、相談、親族後見人や市民後見人等の支援等を担う中核機関の整備を推進をしております。
 中核機関とは、基本計画におきまして、「専門職による専門的助言等の支援の確保や、協議会等の事務局など、地域連携ネットワークのコーディネートを担う中核的な機関」とされており、成年後見制度利用促進の推進役でございます。具体的には、成年後見制度の広報、相談、利用促進、後見人支援といった機能を担うというところでございます。

○塩川委員 地域連携ネットワークのコーディネート役、この成年後見制度の利用促進に当たっていく上での推進役という重要な役割ですが、実際のその中核機関の設置状況は極めて少ないわけで、この中核機関設置においての課題は何なのかについて御説明いただけませんか。

○八神政府参考人 お答え申し上げます。
 中核機関を未設置の千六百六十二自治体に対しまして、設置に向けた主な課題というのをお尋ねをしたところ、回答が多かった課題は、行政における予算確保、委託予定先機関との調整、行政内部における合意形成、専門職団体、家裁との調整、委託予定先機関における人員確保であり、主に予算、組織、人材が課題であるということがわかったところでございます。

○塩川委員 最後に、大臣にお尋ねします。
 今言ったように課題が挙げられているわけです、予算、組織等の課題ということで。
 私も幾つかの自治体にお話を伺いました。数人のスタッフの方が、兼務の業務に新たに追加された仕事として、成年後見制度に取り組んでいると。人員体制の苦労というのをしっかり受けとめるべきだと思いました。業務に当たる十分な知識経験を有した職員を継続して確保することが課題だと訴えておられました。市内に専門家が少ない、家裁との連携にも課題があるというお話もありましたし、財政措置でいえば、交付税措置はあるけれども、中核機関となるようなセンターの運営費用に関する補助メニューがないんだと。こういった要望にしっかり応える必要がある。
 ぜひとも、成年後見制度の利用促進のための予算措置、人員配置、こういうことにどう取り組むのかについて、大臣のお考えをお聞かせください。

○宮腰国務大臣 成年後見制度につきましては、成年後見制度利用促進法の施行及び基本計画の策定により、厚労省、法務省、最高裁を始めとして、各省庁等が連携して総合的、計画的にその利用促進に向けて取り組んでいるところであります。
 内閣府といたしましても、成年被後見人等に係る欠格条項について、今回の法改正によりまして、一律の排除ではなく、審査をした上でという形にさせていただくわけでありまして、利用促進の一環として欠格条項の適正化を行うということにいたしております。
 予算の問題については、いろいろなところで同じような問題がありまして、例えば消費者行政の問題、見守りネットワークの推進ということで今展開をしておりますけれども、例えば、県なり市町村なりに自主財源として交付税措置で、消費者庁ができる前に九十億であったものを二百七十億積んでいる、お渡しをしているということになっているわけでありますが、自主財源としてそれを活用していただけない自治体が数多いということで、実は、一月から三月にかけて全四十七都道府県をキャラバンで回ってまいりました。
 そういう中で、消費者行政の重要性について各都道府県の理解をいただき、また都道府県の方からも市町村に相談窓口の設置、相談員の配置を働きかけていただくなど、いろいろ努力をしていただくというお話を伺ってきたところでありますけれども、なかなか、例えばこれは二分の一の地方財政措置ということで、予算措置は講じられることになっていると思うんですけれども、やはり、都道府県なり市町村においての成年後見制度に対する理解、これをしっかりと深めていただくということが何よりも重要ではないかなというふうに考えております。

○塩川委員 効果的な地方財政措置と同時に、やはり予算そのものをしっかりと手当てをしていくということが改めて重要だということを申し上げて、質問を終わります。