【「しんぶん赤旗」掲載】薬物健康障害対策法を/「やっかれん」フォーラム開催

「しんぶん赤旗」6月11日付・15面より

 全国薬物依存症者家族会連合会(やっかれん=横川江美子理事長)は9日、川崎市内で「やっかれんフォーラム2019」を開き、当事者や家族、支援団体、医療・行政関係者ら約150人が参加しました。「差別と偏見・排除のない社会」をテーマに、薬物健康障害対策基本法の制定が訴えられました。

 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部の松本俊彦部長が「薬物依存症・回復に必要なものは何か?」と題した基調報告を行いました。

 松本氏は、薬物依存症患者の多くは家族や友人、職場関係などで″生きづらさ″を抱えているとのべ、「自助グループなど社会的なネットワークで支えれば状況は変わる」と指摘。2001年から薬物使用・所持を非犯罪としたポルトガルでは、医療につながる薬物依存症者が激増したことを示し、「刑罰は当事者を社会から孤立させるだけ。誰かとつながることで回復するチャンスがあるという情報をどう届けるかが課題」だと強調しました。

 パネルディスカッシヨンには、松本氏や横川理事長はじめ、岡崎重人・川崎ダルク施設長、今成知美・ASKアルコール薬物問題全国市民協会代表、石塚哲朗・厚労省依存症対策推進室長が出席し、それぞれの取り組みや「基本法」の必要性が語られました。

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員か「薬物依存症者の冶療・回復を支援する取り組みを前進させ、苦しんでいるみなさんが『生きていてよかった』と思える社会につなげるためご一緒に頑張ります」とのメッセージを寄せました。