【内閣委員会】特区提案/特別扱い異常/「構造的に利権」

 国家戦略特区の「規制緩和」提案の募集における手続きの不透明さを追及しました。

 株式会社特区ビジネスコンサルティング(当時)が2015年1月16日に提案をしている点にかかわり、この提案は「どのようなルートで出されたのか」とただすと、内閣府の村上敬亮審議官は「日常的な相談の中で認識した」と答弁。

 私は、募集要項には期限に遅れた場合は「受け付けない」としており、日常的に受け付けるとは書いていないのに「そのことを知っている人が有利で不透明な扱いだ」と指摘。村上氏は「調べる必要がある。報告したい」と答えました。

 また、同社の提案をいつ受け付けたのかと質問。

 村上氏は「日常的なやりとりは記録はとっていない。具体的に特定することは困難だ」として明らかにしませんでした。

 さらに、同社の設立(15年1月15日)の翌日にワーキンググループが同社からヒアリング(聞き取り)をしており、同社の特別扱いは「あまりにも異常だ」と批判。

 北村誠吾規制改革担当相は質問にまともに答えず、「手続きに一点の曇りもない」と強弁しました。

 私は、「国家戦略特区は構造的に利権が生じる仕組みになっているのではないか」と強調し、徹底解明を求めました。

国家戦略特区に関わる国会質問通告の漏洩問題を追及

 また、国会質問通告の状況をまとめた一覧表が外部に流出した問題を追及。

 菅官房長官は、「政府部内限りの情報が外部に流出したのであれば、あってはならないことだ」と述べ、「まずは経緯を確認する」「情報管理の徹底を図る」と答えました。

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「議事録」

<第200通常国会 2019年10月30日 内閣委員会 3号>

○松本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。塩川鉄也君。

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 内閣委員会での大臣所信質疑、関係大臣にお尋ねをいたします。
 最初に、国家戦略特区に係る質問通告の漏えい問題にかかわって何点かお尋ねをいたします。
 森ゆうこ参議院議員の予算委員会質問通告の漏えい問題は、先週の当委員会で今井委員、柚木委員からも質疑がありました。私の方からは、いわゆる質問通告一覧表の流出問題についてお尋ねをいたします。
 政府は、森議員の予算委員会質問に関する通告一覧表の流出について事実関係をどのように認識しておられるのか、まず菅官房長官にお尋ねをいたします。

○菅国務大臣 御指摘については、去る十月十五日の参議院予算委員会の通告状況を整理をした政府部内の一覧表と思われるものがツイッターにおいて画像として掲載されておるものというふうに認識をしております。承知しています。
 まずは経緯を確認することが必要でありますけれども、政府部内限りの情報が外部に流出したのであれば、あってはならないことである、このように考えています。

○塩川委員 政府部内のこういった文書が外部に流出をしたということはあってはならないということですけれども、経緯の確認が必要だと言いましたけれども、何でこういうことになったのかについてのその経緯はどのように認識しておられますか。

○菅国務大臣 繰り返しになりますけれども、本件は、まずは経緯を確認すること、そこが大事だというふうに思います。
 政府部内の情報が外部に流出したのであれば、先ほど申し上げましたけれども、あってはならないことであって、今後情報管理の徹底を図っていかなきゃならないというふうに思います。

○塩川委員 これは政府内の文書だという認識はお持ちということでよろしいですか。

○菅国務大臣 政府部内限りというふうに思っています。

○塩川委員 政府内の文書が流出をしたということですけれども、北村大臣にお尋ねをいたします。
 先週の委員会の審議の中で、内閣府から質問通告が漏えいした事実はないと答弁をしていますが、この質問通告の一覧表の件というのは、その答弁に反するような事態になっているんじゃありませんか。

○北村国務大臣 お答えいたします。
 私が内閣府から流出した事実はないと申し上げたのは、森ゆうこ議員からの質問通告について、内閣府から流出した事実はないことを確認したということでございます。
 なお、全ての質疑者の質問状況の一覧表がネット上に掲載された事案につきましては、経緯の確認も含め、政府全体で対応しているところと承知しております。
 以上です。

○塩川委員 ですから、経緯全体を今確認中だといった際に、内閣府がかかわっていないと言えるんですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 今大臣からお答えさせていただいたとおり、森ゆうこ議員からの質問通告については確認をいたしております。
 松井議員の件につきましても調べてございますが、いずれにせよ、本件は改めて政府全体で確認をしている最中でございますので、現段階で、この件についての事実認識については、政府全体の対応が確認をされてからというふうに認識をしております。

○塩川委員 ですから、大臣に聞きますけれども、政府全体で確認中だというときに、内閣府が関係ないと言えるんですか。

○大西政府参考人 国会業務の関係者を対象とした確認作業を始めております。国会業務関係者を対象とした確認作業は、内閣官房から各府省庁に対して確認を依頼したところでございます。それは、内閣府を含むものでございます。
 具体的には、参議院の予算委員会の理事会におきまして問題とされました、十月十五日の通告状況に係る一覧表を外部の一般人に提供した者がいるかどうかにつきまして、各府省庁職員に確認してもらっているところでございます。

○塩川委員 いや、答えてもらっていないんですけれども。
 大臣、いかがですか。内閣官房から流出した事実はないという話を先週されていましたけれども、しかし、この質問通告一覧表については政府全体で確認中だということですから、そういった事実がないと言えないんじゃないですか。

○北村国務大臣 お答えします。
 繰り返しになりますけれども、私が内閣府から流出した事実はないと申し上げたのは、森ゆうこ議員からの質問通告について、内閣府から流出した事実はないことを確認したということでございます。重ねて恐縮でございますが、そのような認識をしております。

○塩川委員 質問通告一覧表について流出した事実はないということについても確認しているということなんですか。

○村上政府参考人 事実関係で申し上げます。
 森先生の質疑に先立ちまして、松井孝治先生と内閣府職員の間に直接コンタクトがあったかどうかという点については既に確認済みでございまして、これについてはないことは確認してございます。
 ただ、一覧表全体ということにつきましては、政府全体としての確認が必要ということでございますので、現状についての評価は差し控えさせていただきます。

○塩川委員 政府全体で確認中ということですから、内閣府から流出した事実はないということについて断言できるのかということについては、確認中だからというだけの話ですけれども、大臣としていかがですか。もう一回。

○北村国務大臣 お答えします。
 繰り返しになり恐縮でありますけれども、私が内閣府から流出した事実はないと申し上げたのは、森ゆうこ議員からの質問通告について、内閣府から流出した事実はないことを確認したということでございます。

○塩川委員 質問通告一覧表の話を聞いているんですけれども、その点についてはどうですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 大臣から答弁させていただいているとおり、流出した事実がないというのは、森ゆうこ議員からの質問通告について申し上げたものでございます。
 全質疑者の質問状況の一覧表につきましては、森ゆうこ先生の当日までに松井孝治先生御本人と接触があったかどうかという問題は別にして、政府全体として対応している最中でございますので、その件につきましては、政府全体としての対応が出た上で政府としての対応を検討するということかと思います。
 以上でございます。

○塩川委員 ですから、改めて、北村大臣が内閣府から流出した事実はないと言った点と、でもこの質問通告一覧表の話は別だということでは、それはわかっていますよ。わかっていますけれども、その点について、責任がないとは言えない、責任が問われる場面というのも出てくるんじゃないのかと。そういったことについてしかるべき責任をとるというお考えはありませんか。

○北村国務大臣 お答えします。
 繰り返しになりますけれども、政府全体として対応しているところでありますから、私の立場からコメントすることは差し控えさせていただきたい、そのように思います。

○塩川委員 質問通告漏えい問題というのは、国会の行政監視機能を妨害するものであり、議員の質問権を侵害する重大問題であります。
 改めて、こういった、政府として、北村大臣としての責任を明らかにするということが求められる、このことをまず最初に申し上げて、国家戦略特区にかかわって報道されている問題について、北村大臣にお尋ねをいたします。
 毎日新聞の六月の報道にも出てくる株式会社特区ビジネスコンサルティングについてお尋ねをいたします。
 二〇一五年の一月の十六日、国家戦略特区ワーキンググループは、地域限定美容師の創設、外国人美容師の解禁という特区提案について、特区ビジネスコンサルティングからヒアリングを行っております。この特区ビジネスコンサルティングというのはどういう会社でしょうか。

○村上政府参考人 事実関係ですので、私からお答えさせていただきます。
 同社は、政策の企画、調査やコンサルティング等を行う会社であり、過去にワーキンググループ、我々のところにも三回お越しをいただいてございます。現在は別の商号に変更されており、平成二十八年度以降は私どもとも一切コンタクトがないというふうに承知をしている会社でございます。

○塩川委員 コンサル会社ということですけれども、そのコンサル会社としての目的はどういうものかは御承知ですか。

○村上政府参考人 わかっている範囲でお答え申し上げます。
 当時、同社が公表しておりました資料によりますれば、地方自治体向けに政策の企画、調査、コンサルティングを、地方創生戦略の企画支援でありますとか、特区の活用方策でありますとか、その他等々のコンサルティング、それから、民間企業向けにも政策ツールを最大限に活用したビジネスコンサルティングを行う、このように同社がみずから説明をされていたというふうに承知をしてございます。

○塩川委員 じゃ、国家戦略特区の登記で、この特区ビジネスコンサルティングについて登記を見ますと、その目的のところには、「国家戦略特別区域を活用した事業戦略立案及び行政・政治対応に関するコンサルティング・ロビイング」と書いてあるんですよ。つまり、国家戦略特区についてのコンサル、ロビーイングを行うということを目的にしている会社なんですよね。ですから、特区というのは、もちろん、構造改革特区や総合特区や地方創生特区、いろいろあるわけですけれども、その中でも国家戦略特区に特化した、そういうコンサル会社なんです。
 こういった特区ビズコンサルティングによる、外国人美容師の解禁という特区提案の提案主体というのは誰なんでしょうか。

○村上政府参考人 引き続き、事実関係をお答え申し上げます。
 地域限定美容師の創設に関しましては、御指摘もありました平成二十七年一月十六日にワーキンググループを開催して議論しておりますのは、ホームページで公表しているとおりでございます。
 ただ、今件につきましては非公開を前提に行われたものでございまして、一提案者の個別具体的な提案状況などについては、ほかの事案でもそういうものがあれば同じでございますけれども、提案者保護の観点から、お答えすることは差し控えさせていただきたい、このように思います。

○塩川委員 提案者保護と。でも、特区ビズが、関係省庁からのヒアリングというこの説明の中で出てきていること自身も、非常に不思議なわけですけれども。
 一月十六日にヒアリングを行った、その一週間後の一月二十三日のワーキンググループでもヒアリングがありました。法務省、厚労省からのヒアリングでしたけれども、この地域限定美容師の創設についての議論がありますが、その議事録には、「先週、事業者のほうから御提案のありました美容師の関係」という発言があるので、この特区ビジネスコンサルティングが提案者ということが確認をできるわけです。
 しかし、国家戦略特区の基本方針や提案募集要項を見ると、提案主体というのは、そもそも、事業の実施主体となる民間事業者又は地方公共団体等となっております。特区で、事業の実施主体となるわけではないコンサル会社がみずから特区提案をするというのもおかしいんじゃないですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 細かいことを言えば、等がついているということでございますが、実態といたしましても、自治体、事業者以外にも、学識、有識者の先生その他から、いずれにせよ、ワーキンググループは、規制改革の特例措置の実現に向けた討議をする場で、いろいろなアイデアや提案を広く募集してございます。
 大臣も以前答弁させてございますが、使いたい事業者の方を提案して募集し、その選定について議論している場ではございませんので、提案の対象は、例示としては自治体と事業者をメーンに挙げているのは御指摘のとおりでございますが、等という形で、その他の方からお話を伺うこともございます。

○塩川委員 もともとは、でも、国家戦略特区というのは、規制改革要望について、今言ったように、事業の主体となるような事業者とか自治体から出すわけですよ。つまり、特定の規制緩和を求める、地域や分野とか。こういうことについての規制改革要望について提案を行うわけですから、そういう提案者の側というのは、当然のことながら、そこで利益を受けるという可能性を持って提案をするわけですよね。
 ですから、そこにこのコンサルの会社だけが出るというのは不思議な話であって、当然、その意を受けている事業者の話が出てくるわけですけれども、そういうことについて、この場合について何ら見えてこないわけですよ。
 それだから、規制改革を具体的にあける場合には、利益、一方で不利益もあるわけですから、そういったことについて、一方の当事者がどういうことを要求しているのかというのが見えなければわからない話で、この場合でも、単なるコンサル会社がどういうつもりでやっているのかということがよくわからないわけです。
 そういったときに、このコンサルというのは、実際には、事業の実施主体となる他の事業者の代理人となっているということなんじゃないですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 第一段階としての規制の特例措置の提案を審議する場に提案をお持ち込みになられる方は、モチベーションとしてはさまざまな方がいらっしゃいまして、みずからが使いたいということで御提案される方もいますし、事業者はまだだけれども地域としてやりたいからという思いで来られる自治体の方もいらっしゃいますし、こういった制度があったらいいなということで御検討をお考えの有識者の方からお話を伺うこともございます。
 どういう方からお話をいただいた制度改革提案であるにせよ、二つ目の段階である事業者の選定の段階におきましては、るる御説明させていただいているとおり、また次のプロセスで公募を前提とした手続を踏んでやっておりますので、いずれにせよ、規制の特例措置の提案者がイコール選定される事業者になるというところは、手続的には切れているものということでございます。
 そういう意味では、私どもとしては、広く提案を集める観点から、いろいろなモチベーションを持った方々の話を広く伺うよう努めているというところでございます。

○塩川委員 穴をあけなければ事業の参入もそもそもないわけですから、穴をあけるというところが一番のポイントであるわけで、それが、誰が事業主体となるのか、誰の提案かというのが一番重い話になるのは当然のことではないでしょうか。
 その点で、今回の特区ビジネスコンサルティングの提案については、事業の実施主体となる民間事業者又は地方公共団体等とか限定されていた提案主体の範囲が拡大をされているという点で、扱いとしての特別なものがあるわけです。
 もう一つお聞きしたいのが、この特区提案というのはどういうルートで、どのような提案ルートで出されてきたものなんですか。

○村上政府参考人 引き続き、経緯に関するお尋ねでございますので、お答え申し上げます。
 内閣府では、規制の実現に向けた必要なアイデアについて広く情報を集めるため、日常的に地方公共団体、事業者の方々から、規制改革の提案を含め、さまざまなお話を伺っております。
 お尋ねの本件、特区ビズ社のことであろうかと思いますが、につきましても、こうした日常的に提案者の御相談を伺う中で、ほかの事業者さんや自治体と同様、お話を伺い、その中で提案として認識したもの、このように考えてございます。

○塩川委員 日常的に相談を伺っている、そういう中で提案として受けたという話なんですけれども、そんな話じゃないんですよね、これは。
 そもそも、規制改革要望の提案を受けるわけですから、しっかりとした、どういうタイミング、要望を受けたということについて、受ける側も透明性を持ってやるわけですよね。
 そういったときに、国家戦略特区基本方針では、提案募集の時期は、適切な時期に実施をする、少なくとも年に二回は提案募集を実施すると書いています。これはずっとそのままですけれども、これはよく、構造改革特区のときにもアジサイの時期ともみじの時期に受けます、こういうのを踏襲している、そういう経緯の中でなっているわけですけれども、期間を限って、その期間に募集するという形になっているわけです。
 だから、特区ビズコンサルティング社の、その時期に当たる二〇一四年度の提案募集要項では、募集期間が平成二十六年七月十八日から八月二十九日まで、募集期間の期限におくれて到着した提案は、配達事故や通信事故などの理由のいかんを問わず受け付けません、御注意くださいと、募集期間以外の提案は受け付けないとくぎを刺しています。ですから、日常的に受け入れるということなんかはどこにも出てこないんですけれども。

○村上政府参考人 制度に関するお尋ねで、お答え申し上げます。
 国家戦略特区制度の提案募集につきましては、現在では随時募集しているということも、ネット上、はっきり書いてございますが、御指摘の時期にはそういうネット上の掲載は確かにございませんけれども、実はこの時期は、ちょうどまち・ひと・しごと創生本部を立ち上げて、地方創生の政策に関して説明会を随時、各地域ブロックを回って繰り返しやらせていただいた時期でございまして、こうした各地域ごとに開催された説明会、それから、ちょっと今手元に、日時、正確な記録はございませんけれども、経済団体等に説明会をさせていただいて、ぜひ提案を出してくださいということは当時も御説明をさせていただいております。
 こういった場で説明をした機会を通じて、当時も短期の集中提案以外にもいろいろな提案を頂戴してございますので、特区ビズに関する御指摘の提案についても、そうしたものの中の一つとして出てきたものというふうに理解しております。

○塩川委員 おかしいじゃないですか。表で出ている、ホームページ上で見た限りは、こういった募集要項の中では、今述べたように、配達事故や通信事故などの理由のいかんを問わず、おくれた場合には受け付けません、この期間しか受け付けないと書いてあるんですよ。それなのに、実際には日常的に受け付けていますと。
 そういうことを知っていた業者は有利かもしれないけれども、一般の人には、もうこの期間は終わっているから受け付けできないなとなるわけですよ。そういう不透明な扱いというのはおかしいんじゃないですか。

○村上政府参考人 この点につきまして、詳細には御通告をいただいていないし、御指摘に関しては調べる必要があると思いますので、その点につきまして、ちょっとどういう背景でそういう記述になっているのか、事務的にまず確認をさせていただいて、御報告をさせていただきたいと思います。

○塩川委員 だから、説明できないんですよ。不透明なんですよ。日常的に受け付けているなんということは、二〇一四年度当時、二〇一五年にはどこにも出てこないんです。特定の期間しか受け付けません、それを外れたら認めませんというときに、日常的に受け付けていますということを知っていた事業者がこの特区ビズコンサルティングということになるじゃないですか。こういった不透明なやり方で特別扱いをされているということになっているわけであります。
 提案ルートについても、この特区ビズコンサルティング社は特別扱いをされています。この特区ビズコンサルティング社の提案というのは、いつ提出をされたものなんですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 一部繰り返しとなりまして恐縮でございますが、お尋ねの点につきましては、日々提案者の御相談を伺う中で内閣府として認識したものと考えてございますけれども、こうした日常的なやりとりについては一つ一つ記録はとっておらず、具体的に、最初に当該提案をいつ、誰が、どういう形で受け付けたか特定するのは困難な状況にございます。
 なお、その後、この提案が本特区ワーキンググループのヒアリングの対象として取り上げられたことにつきましては、ウエブサイトに掲載をされているとおりということでございます。

○塩川委員 記録はとっていないというのはおかしいじゃないですか。
 さっきの話でも、日常的に受け付けているということでしょう。それ自身も当時は何ら公表されていない話だけれども、受け付けているんだったら、受け付けている日ぐらい、どういう内容というのは記録があってしかるべきじゃないですか。何で記録がないんですか。おかしいじゃないですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 特区の規制改革の提案につきましては、広くさまざまな形でのアイデアをいただいて、それをもとに各省庁等と制度改革について議論するためのものという性格のものでございますので、いわゆるその提案のアイデアということと、いわゆる事業の認可の申請を受けるために申請受け付けを管理するものということとは性格が違うというふうに思います。
 実際問題も、紙で、様式を通じていただいている場合もあれば、直接御相談を伺う中で事案化していく場合もあれば、特区として認定されている自治体であれば、当該自治体と日常的に連絡会を開く等の中で御提案をいただく場合、さまざまなケースがございますので、実質的にいただいている件数を御提案を頂戴した最初の段階でカウントするということは、恐縮でございますが、事務処理上行っておりません。

○塩川委員 だから、不透明だと言っているわけですよ。
 だって、この特区ビズコンサルティング、ワーキンググループのヒアリングへかかっているんですよ。一般論としては、ヒアリングにかかっている案件というのは、どのぐらい前から準備があるんですか。どうなんですか。

○村上政府参考人 実務的なところの御案内ということでございますので、お答えさせていただきます。
 これはケースによってさまざまございまして、例えば、最近でありますと、外国人留学生のビザの切りかえの問題というようなことを、この六月の段階で、まち・ひと・しごと創生会議でAPUの出口先生から御提案をいただいて、これは早速対応すべきだということですぐ取りかかった、こういうケースもございますし、長らくいろいろな方に調査をしヒアリングを重ねた上で、ワーキングをやらせていただくといったようなケースもございますので、最初にお話を聞いてから、ワーキングとして正式に制度化に向けた議論のプロセスが始まる段階までにつきましては、さまざまなケースがあるものと承知をしてございます。

○塩川委員 この特区ビズコンサルティングの会社の設立の日というのはいつだか御存じですか。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 当時の登記情報によれば、平成二十七年一月十五日と承知をしております。

○塩川委員 ワーキンググループでヒアリングを行ったのが、平成二十七年の一月十六日なんですよ。今聞いたら、登記で、設立した日というのは、その前日の一月の十五日なんですよ。
 一月の十五日に設立された会社のこういう規制改革要望について、翌日にワーキンググループでヒアリングが行われるというのは、どう考えてもおかしいんじゃないですか。説明してください。

○村上政府参考人 二点に分けてお答え申し上げさせていただきます。
 恐縮でございますが、一月十六日の、お尋ねのワーキングについては、提案者の要望に基づき非公開としておりますので、一月十六日の提案者が誰であったかについてはコメントを差し控えさせていただきます。
 その上で、一般論として申し上げますが、繰り返し申し上げているとおり、規制改革の提案に向けたアイデアを募集をし、議論させていただいております。必ずしも何かの事業の認可のための手続の入り口ではございませんので、設立前の、事業を何か設立準備中の方からお話を伺うこともございますし、つくった直後の方から伺うこともございますし、長らく経験のある方から伺うこともございますし、そのあたりについては、制度としてお話を受け付けるときに特段区別はしていないということでございます。

○塩川委員 説明になっていないんですよ。
 一月十五日に設立した会社のこういう提案を何で翌日にヒアリングできるんですか。それは、非公開というので拒否するような話じゃないですよ。こういった国家戦略特区に伴うような一連の規制緩和、規制改革について透明性の確保が必要だというのは、皆さんがずっと言っていたんじゃないですか。全く不透明だ。説明してください。

○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 一部趣旨が重なりますが、あくまでも、提案に向けたアイデア、考え方を広く募集するものでございますので、御提案をいただく方の事業ステータスについては制度的に問う必要がないもの、それは、民間のいわゆる有識者である方である場合もあれば、事業準備中の方もあれば、事業を既に始めて長い方であっても、規制改革の提案の募集ということにつきましては特段差別をする必要はないというふうに考えてございます。
 その上で、先ほどもお尋ねいただいたとおり、ワーキンググループとして正式に事案としてスタートするまでの間には、いろいろな経緯をたどるものがございます。いずれにつきましても、重要な事案として規制改革の実現を図るものについては、ある段階ではワーキンググループについて取り扱い、それ以降どういう形で政策的に議論されたかにつきましては、公開、非公開の別はございましても、議事録に近い議事要旨をつくりまして、しっかりと記録をとらせていただいているところでございます。

○塩川委員 実際の規制の中身についての評価は、これはこれとして当然議論が必要なわけですけれども、私は手続の話をずっと聞いているわけですけれども、手続が極めて不透明だという問題なんです。
 北村大臣にお尋ねしますけれども、今やりとりしましたように、この特区ビジネスコンサルティングの提案については、提案主体の範囲が広げられたという特別扱いの問題や、提案ルートの特別扱いや、会社設立の翌日にヒアリングという信じられない特別扱いが行われているわけです。大臣として、これは余りにも異常だとお考えになりませんか。

○北村国務大臣 お答えします。
 特区ワーキンググループの民間有識者は、規制改革事項の実現に向け、有識者として知見を活用することが求められております。その知見を活用して提案者に必要な助言、支援を行うことは、通常の業務の一環であると考えております。
 いずれにいたしましても、規制改革が実現すれば、地方公共団体、事業者を問わず、社会全体がその利益を受けるものであり、民間有識者がその立場を利用していずれかの提案者に便宜を図ったというような事実は承知いたしておりません。

○塩川委員 答えていないんですよ。手続が不透明じゃないのか、異常じゃないのかということについてお聞きしているわけですけれども、その点については、率直にそう思いませんか。

○村上政府参考人 手前のところで、事実関係でございますけれども、アイデアの提案募集を行うというところの入り口は、提案される方の事情によっていろいろなインプットの仕方がございますが、事案化するものにつきましては、ワーキンググループで取り上げて以降、しっかりと透明なプロセスで、法にのっとり、全ての事案がさばかれているというふうに承知をしてございます。

○北村国務大臣 お答えします。
 プロセスにつきましては一点の曇りもないと、私は認識しております。

○塩川委員 極めて重大であります。こういった事態について全く認識を持たないということ自身には、大臣の資質が問われると思いますよ、率直に言って。何で、こんな異常な手続についておかしいと思わないのかと。率直にそのことを問わなければなりません。
 先ほどの政府参考人、村上氏のにもありましたけれども、こういう経緯について調べてみるということですから、これはしっかり調べて説明してもらえますか、改めて。

○北村国務大臣 重ねてのお答えになって恐縮でありますが、先ほど申し上げたとおり、プロセスについては一点の曇りもない、そのようにお答えをさせていただきます。

○塩川委員 政府の信頼がまさに問われる大問題だと言わざるを得ません。
 私は、こういった問題について、きちっと手続の不透明さは明らかにするということ自身が、政府としても国民の信頼との関係でも重要じゃないかという提起も当然考えるわけですけれども、そういったときに、当委員会でもしっかりこの問題を明らかにする。調べてみるという話もありましたから、きちっと後から資料も出してもらって、明らかにする上で、必要な方の参考人の御出席を求めたいと思います。
 今回の特区ビズコンサルティング社との関係でも、ワーキンググループの原座長代理は、当時からワーキンググループの委員でもありました。本人のフェイスブックによりますと、同社の社長は私の以前からの知人であり、また、私がかつて代表を務めていた政治団体から同社に一時期、事務作業などの業務を委託をし、その一環で登記上の住所も置いていたことがあると述べております。
 ですから、本人も認めておられますように、原座長代理と特区ビジネスコンサルティング社の社長は御縁が深いということですから、ぜひ原氏の参考人としての御出席を求めたいと思います。委員長、いかがでしょうか。

○松本委員長 理事会で協議いたします。

○塩川委員 原さんは、過去六回も国会に参考人としておいでいただいているんですよね。そういう意味では、大いに語っていただける方だと思っておりますので、声をかければ来てくれるはずだと思っておりますので、期待をしたいと思っております。
 加計学園の問題を始めとして、国家戦略特区は構造的に利権が生じる仕組みとなっているんじゃないのか、このことが問われる大きな問題ですから、徹底解明を、改めて、必要だということを求めていきたいと思います。