【予算委員会】最大リスクに備えよ/新型肺炎対策求める

 新型コロナウイルス肺炎への対応について質問に立ち、医療機関や保健所の体制の確立・強化、打撃を受ける産業への経済支援などを求めました。

 指定感染症に指定された新型肺炎について、院内感染を防ぐための施設、人員体制がとれているかを質問。

 加藤勝信厚労相は体制の現状について、感染症指定医療機関(結核を除く)が407施設(1700床)と報告。「現在の対応の中心は標準予防策だ。サージカルマスク、手袋、手洗いに加えて、接触、飛沫(ひまつ)感染の予防を行うこと、個室が望ましいことなどが院内感染マニュアルに書かれている」と説明し、「今後の知見によって適宜変えていかなければならない」と述べました。

 私は、最大限のリスクに備える必要があると指摘。それに対応した応援体制や財政支援が求められている。

 また、経済的な影響が出ることを恐れて、検査に不備がでるようなことはあってはならない。打撃を受ける産業への経済支援も必要だ。

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「議事録」

<第201通常国会 2020年1月31日 予算委員会 4号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねをいたします。
 厚労大臣にお尋ねしますが、WHOが緊急事態宣言を行いました。チャーター便での武漢からの帰国者や渡航歴のない方、無症候保菌者の発症など、新型コロナウイルス肺炎については国内にかなりの広がりがあると見るべきであります。
 受皿についてお尋ねしますが、指定感染症、検疫感染症に指定されました。政府は、肺炎に対応可能なベッドは全国にあるということを説明されておりますけれども、院内感染を防ぐために、外来を分け、入院室は陰圧、空気を混入させないため、看護師も防護服なども倍以上必要になるのではないのか。現実にその体制が整っているところはどのぐらいあるものなのか。そういった現状において応援体制や財政支援が必要だと考えますが、この点についてお答えください。

○加藤国務大臣 現時点でどういうことが医療機関に求められるのかに関して、現時点での科学的知見と感染状況を踏まえて、国立感染症研究所及び国立国際医療研究センターにおいて院内感染対策マニュアルというのを作成をしております。
 その中心は、標準予防策、すなわちサージカルマスク、手袋、手洗いに加えて、接触、飛沫感染の予防を行うこと、個室が望ましいことなどが書かれておりまして、現時点では陰圧室等の使用は特に勧められておりません。
 ただ、気管挿管など、そうしたことをする際には、ゴーグルをつけること、それからN95マスク、より高度なマスクをつけること、長袖のガウンを装着することということが定められているところでございます。ただ、これは今後の知見によって適宜変えていかなければなりません。今はそういう状況であります。
 他方で、今回、感染症法の指定感染症に対応させていただきました。そうした指定の場合には、当該コロナウイルス患者が発生した場合には、都道府県知事の権限で、あらかじめ知事が指定している感染症指定医療機関への入院の勧告、その場合には医療費の公費負担が可能となっておりますけれども、こうした当該指定医療機関について全国で今四百七のそうした感染症対応、それ以外に結核もありますが、それを除いて四百七、病床数で約千七百床、これは全国の都道府県に設置をされているところでございます。
 なお、今後の展開で、例えば人工呼吸器等が必要になるということも出てくると思います。今のところ各医療機関にはそれぞれ設置をされておりますけれども、全国でどのぐらいあるか等含めて、今調査をさせていただくと同時に、新型インフルエンザの場合には熱がある方の特別な外来を設けておりましたので、そうした対応も今検討させていただいているところでございます。

○塩川委員 マニュアルに基づいて、接触、飛沫感染ということで、陰圧室の必要はないという対応ですけれども、それは現時点の判断であって、やはり最大限のリスクに備える必要があるんじゃないのか。それに対応した応援体制や財政支援が求められているということを申し上げておきたいところです。
 国内の専門医療機関や保健所などの地域保健活動の体制を緊急に確立、強化をし、事態の進展に合わせて対策を見直していくことが必要であります。
 経済的な影響も当然あるでしょう。大量キャンセルなど連日報道されていますが、それを恐れて検査しないとか隠すようなことがあってはならないわけで、公的な相談窓口を拡充するとともに、一般医療機関に対する迅速で正確な情報提供や、国民への丁寧な説明を求めます。打撃を受けるような産業への経済支援も必要だ、このことを申し上げておくものであります。