【議院運営委員会】緊急事態宣言延長/2次補正予算直ちに/財政支援を

 政府が新型コロナウイルス感染拡大に対する「緊急事態宣言」を31日まで延長するにあたって、西村康稔経済再生担当相による事前報告をうけ、質疑。政府による「緊急事態宣言」延長をうけ長期・長丁場にわたることが予想される感染症対策の見通しについてただした。

 まず、政府が感染症とのたたかいについて「長期戦」(安倍晋三首相、3月28日の記者会見)、「長丁場」(政府専門家会議の提言、1日)との見解を示したが、どのくらいの期間かをただした。

 西村康稔経済再生担当相は、ワクチンの完成と集団免疫を例に挙げ「1年なのか、2年なのか。かなり時間がかかるというのが専門家の共通認識だ」と答弁しました。

 私は、しっかりとした見通しを示せるかどうかというのが、国民の理解と協力を得る上でも極めて重要、と強調。

 その上で、長丁場に対応する医療提供体制の確保の整備目標と実施状況について質問。

 西村担当相は、「空き病床なども活用し5万床を確保する」、軽症者の宿泊療養のために「4月30日時点で1万3000室を確保した」と答えるにとどまりました。

 暮らしと営業、医療機関への財政措置をしっかりと行う2次補正予算案の編成をただちに求めたい。


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「議事録」

<第201通常国会 2020年5月4日 議院運営委員会 26号>

○塩川委員 四月七日に始まり、十六日に全国に拡大した緊急事態宣言が、更に五月三十一日まで延長されます。国民が将来の見通しを知りたいと思っております。
 専門家会議の三月十九日の提言では、短期的収束は考えにくく長期戦を覚悟する必要があると述べ、安倍総理も、この闘いは長期戦を覚悟する必要があると述べています。
 五月一日の政府専門家会議の提言では、感染症への対応については長丁場を覚悟しなければならないと述べ、きょうの会議では、西村大臣も、感染症への対策が長丁場となると発言をしています。
 この長期戦、長丁場という感染症対策を講じるべき期間というのはどのくらいの期間という見通しなんでしょうか。お答えください。

○西村国務大臣 この新型コロナウイルス感染症というのは本当に難しいウイルスでありまして、無症状のまま、ずっとこのウイルスを持ち続ける人もいるというふうに専門家から伺っております。そして、八割の方は、無症状のまま、そのままウイルスが消えていくわけでありますが、しかし、その途中でもうつしてしまうことがある。
 非常に難しいウイルスでありまして、これは、ワクチンができるまで、あるいは集団免疫、みんなが免疫を持つということで、なかなか難しいことだと思いますので、かなり時間がかかるというのが専門家の共通した認識だと思います。ワクチンができるまで、一年でできるのか二年かかるのか、そういったことにもよってくるんだろうというふうに思います。
 今やるべきは、大きな流行を抑えることでありまして、大きな流行ができると医療が逼迫して命を救えなくなるわけであります。大きな流行を抑えるために、今、国民の皆様に御無理をお願いして、自粛をやって、今それがようやく、オーバーシュートすることなく、下降傾向、減少傾向に来たわけであります。もう一段の努力で、この大きな波は早期に収束させることができていく。そうすると、あとは、小さな波、小さな山はできます。これは、わかりませんから、どこかでできますけれども、それは、クラスター対策であったり、かかっても病院でしっかり治療を受けられる、そういう体制をつくるということであります。
 したがって、長くつき合っていかなきゃいけないということで、新しい生活様式、接触機会を減らしたり、消毒をしたり、さまざまな提案が専門家からなされているところでございます。その新しい生活様式への移行をなだらかに進めていくことが大事だというふうに認識をいたしております。

○塩川委員 かなり時間はかかる、ワクチンの話を例に挙げて、一年、二年という話もありました。
 五月一日の政府専門家会議では、英米の研究機関の論文を引用しまして、ワクチンの話ですとか集団免疫の話などを例に挙げて、一年以上にわたる対策の必要性を予想しているということを紹介しています。そういう点では、政府も、西村大臣も、長丁場とおっしゃる場合には、一年以上にわたる対策が必要だ、そういう認識の上で対策をとるということでよろしいでしょうか。

○西村国務大臣 私に与えられた責務は、国民の皆様の命をお守りすること、そして暮らしをお守りする、その両方であります。命が大事だと言われる方もおられると思います。何より経済、暮らしが大事だから早く活動させてくれと言われる方もおられます。その両方の御意見をよくお聞きしながら、そして調整しながら、両方をしっかりとお守りしていくのが私の責任だというふうに思っております。
 そうした中で、命を守るためには、新しい生活様式で、できるだけ感染しないような、リスクを減らすような取組もしていただきつつ、段階的に社会経済の活動のレベルを引き上げていく、今回延長をする中で、特定都道府県においてはそうした活動のレベルを地域の状況に応じてですけれども上げていこうということでありますので、両方しっかり守っていくという責任を果たしていきたいというふうに思っております。

○塩川委員 やはり、しっかりとした見通しを示せるかどうかというのが国民の皆さんの理解と協力を得る上でも極めて重要だと思っています。
 そういう点での長丁場に備えて、医療提供体制の確保が極めて重要だと考えます。
 病床数、重症者や中等症者の区分でどのぐらい確保するのか、軽症者等の宿泊療養施設の室数に関する整備目標と整備状況はどうなっているのか、その点で、見える化ということも提言の中でも紹介されていますが、どういう指標で見える化を図ろうとしているのか、この点について御説明ください。

○西村国務大臣 御指摘のように、医療提供体制をしっかり整備すること、守っていくこと、これは最重要課題だというふうに思っております。
 治療に必要な病床として、感染症指定医療機関の病床を最大限導入するほか、その他の医療機関における御指摘の空き病床なども活用して、五万床を超える病床を確保することとしております。
 そしてまた、軽症者の宿泊療養を原則とする上で、その確保が重要であります。既に、四月三十日の時点で、一万三千室を利用可能な状況に確保しているところでございます。
 宿泊施設側との連絡調整など、政府もサポートしているところでありますが、厚労省において、さまざまなデータを整備して見える化に向けて努力が進められているというふうに認識をいたしております。

○塩川委員 暮らしと営業、医療機関への財政措置をしっかり行う、二次補正を直ちにということを求めて、質問を終わります。