【議院運営委員会】緊急事態宣言解除/医療体制確保が重要/可視化・強化を要求

 政府が新型コロナウイルス感染拡大に対する「緊急事態宣言」を39県について解除するにあたり、西村康稔経済再生担当相から事前報告を受け、質疑。

 私は、『宣言』解除の判断にあたり、医療体制の確保が極めて重要だ。東京都を例に、厚生労働省ホームページで、入院患者受け入れ確保病床数2000(1日時点)に対し、入院患者数は1832(4月28日時点)となっていると指摘。

 西村担当相は、東京都に確認したところ、現在約3300床確保し、入院患者は1320人に減っていると答弁しました。

 私は、厚労省の公表データが古い。数字をリアルタイムで反映するべきと、求めました。

 西村氏は「新しい情報を的確に国民に示すことが大事だ。できるだけ早く情報提供したい」と答えました。

 私は、東京都の想定病床数「4000」について、医療スタッフ、器材、防護具がそろっていて直ちに入院可能な状況ということかと質問。

 西村氏は「直ちに入院可能なものではないが、医療スタッフや器材も含めて大学病院や公立・公的病院の了解を得ているものだ」と説明しました。

 私は、確保数と想定数の違いが分からない。厚労省の公表資料では医療体制の逼迫(ひっぱく)度が分かりづらい。PCR検査についても、解除の大前提として抜本的に増やし、感染の全体像を把握する必要がある。体制の整備・強化を改めて求めました。


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「議事録」

<第201通常国会 2020年5月14日 議院運営委員会 28号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 緊急事態宣言解除の判断基準について伺います。
 判断に当たって、医療提供体制の確保は極めて重要です。
 そこで、感染者の多い東京都を例に質問をしたいと思っています。
 厚労省のホームページを見ますと、五月十日に公表した新型コロナウイルス感染症の入院患者に向けての病床数というのがあります。東京都の場合は、五月一日時点で入院患者受入れ確保病床数が二千となっています。一方、入院者数について、厚労省の発表では千八百三十二。二千のベッドに対して入院者が千八百三十二。そうすると、九二%ということで、深刻な逼迫状況にあるように見えるわけです。この点はメディアでも指摘されましたが。
 こういう、九二%のベッド使用率、東京の状況は大丈夫なのか、この点についてはいかがでしょうか。

○西村国務大臣 東京都の状況について御質問でございます。
 本日、専門家会議で公表された資料に基づきますと、五月七日時点で東京都における入院患者、入院されている方は千五百十一名で、かなり改善をしてきておりますし、昨日公表されました東京都の入院患者数でも千三百二十名ということで、いっときの逼迫感がかなり緩和されてきているものというふうに思います。
 病床数も二千床を確保しているということで公表されていますが、東京都に確認しましたら、既に、重症者、中等症者を入院させる病床として約三千三百の病床を確保しているというふうに承知をしております。また、無症状の方向けの宿泊療養施設も二千八百六十五部屋確保しているということでありますので、そこで療養されている方は百十七名ということですから、このあたり、しっかりと確保しているものというふうに認識をしております。

○塩川委員 そういう数字が出てこないんですよ。きょうの厚労省、政府のホームページを見ても、二千と千八百三十二のままなんです。今言ったような状況というのがリアルタイムで反映されてこそ、今、逼迫状況だ、そういう誤解を解消し、体制がどうなっているのか見えてくる。それは直ちにできることなんじゃないですか。

○西村国務大臣 きょうの専門家会議に向けて、昨日も夜遅くまでいろいろ確認をしながら数字を整理したものというふうに私自身は承知をしておりますけれども、御指摘のように、新しい情報を的確に早く国民の皆様にもお示しすることが大事だと思いますので、できるだけ早くそういう情報提供をできるように行っていきたいと考えております。

○塩川委員 きょうの会議を踏まえても、夕方には厚労省のホームページが直っているというぐらいのスピード感で、しっかりやっていただきたいということです。
 続けて、先ほど言った二千というベッド数は、入院患者を受け入れることができるベッド数、これについては少しふえたという話も今ありましたけれども、これとは別に、厚労省のホームページによると、東京都の入院患者受入れ確保想定病床数、ピーク時にコロナ患者が利用する病床数は四千となっています。四千病床は、医療スタッフや医療機材や医療防護具がそろっていて直ちに入院が可能となる、そういう状況にあるベッド数なのか、その点についてはいかがでしょうか。

○西村国務大臣 この四千床につきましては、現時点で直ちに入院可能な状況であるものではありませんけれども、東京都が大学病院とか公立・公的病院に働きかけをした結果、ピーク時に利用する病床として、それぞれの協力医療機関において医療スタッフや医療機材も含めて了解を得ている病床数であるというふうに承知をいたしております。

○塩川委員 了解を得ているというのは、スタッフもいる、医療用の機材もある、防護具もある、そういうことを言っているんでしょうか。

○西村国務大臣 医療スタッフや医療機材も含めて対応できるということで了解を得ているというふうに承知をいたしております。

○塩川委員 そうすると、この二千と四千の違いがわからないんですけれども。

○西村国務大臣 いざというときに協力をいただけるということで、大学病院や公立そして公的病院に働きかけをして、そこで了解を得ているというふうに認識をしております。

○塩川委員 こういった二千と四千の違いなどについても、これは政府の公表の資料を見るとよくわからない点でもあります。そういったことを含めて、きちんと、医療提供体制がどうなっているのか、逼迫状況がどうなっているのか、リアルタイムでしっかりと示すということが求められているんじゃないでしょうか。
 最後に、PCR検査の問題ですけれども、解除の大前提として、PCR検査を抜本的にふやして検査の全体像を把握する、このことが必要ではないのか、一桁少ないんじゃないか、こういう指摘もあるわけですが、この点はいかがでしょうか。

○西村国務大臣 まさに、今後、小さな波もしっかりと見つけなきゃいけませんので、各県においてPCRの検査体制ができていること、これをしっかりと見ながら、解除するかどうか、そうした判断もしていきたいと思いますし、専門家会議でもさまざまな御提案をいただいております。必要とされる方が迅速にPCR検査を受けられるように、しっかりと全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。

○塩川委員 医療提供体制、PCR検査、しっかりとした整備をするということを求めて、質問を終わります。