【議院運営委員会】緊急事態「近畿」解除/医療機関へ財政措置を

 政府が新型コロナウイルス感染拡大に対する「緊急事態宣言」を近畿3府県で解除するにあたって西村康稔経済再生担当相による事前報告をうけ、各党が質疑。

 私は、新型コロナ感染拡大の第2波・第3波に備え、しっかりした医療提供体制の整備拡充、医療機関への抜本的な財政措置を求めました。

 安倍晋三首相が14日の対策本部会議で「2次補正予算で医療体制に関する包括支援交付金を全額国費で負担するとともに、大幅な積み増しを行う」と述べた。政府は5万を超す病床を確保するとしているが、5万の病床確保に対応した金額の積み増しをするのか、とただした。

 西村担当相が「5万床確保を目指し、予算で対応したい」などと述べた。

 私は、コロナ対応の病床確保は空き病床の長期の保持が求められ、減収で経営が圧迫される。3万、5万床確保するなら、必要な財政措置なしにはやっていけない。日本医師会が重症者1人400万円など受け入れ病院への具体的な補助試算額を示し、2次補正予算での7・5兆円の確保を要望している。こうした声に応える金額が積み上がっているのかが問われていると追及。

 西村担当相は、1次補正予算の包括支援交付金1490億円に積み増しする」と答えた。

 私は、医療機関はこれではやっていけないと声をあげている。現場の声に応え、医療機関への抜本的な財政支援を行うべき、と強く求めました。


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「議事録」

<第201通常国会 2020年5月21日 議院運営委員会 31号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 医療提供体制についてお尋ねをいたします。
 第一の波が落ちついてきているかもしれませんが、それよりも更に高い第二波、第三波もあり得る、そういう事態に備えて、しっかりとした医療提供体制の整備拡充が必要だと考えます。
 地域医療崩壊を招かないためにも、医療機関への抜本的な財政措置が不可欠です。
 安倍総理は、五月十四日の対策本部会議で、二次補正予算の編成について、ウイルスとの長期戦を闘い抜くことができるよう、医療体制に関する包括支援交付金を全額国費による負担とするとともに、大幅な積み増しを行うと述べています。
 西村大臣にお尋ねしますが、この大幅な積み増しというのは、幾つの病床数に対応した積み増しというふうに想定しているんでしょうか。
○西村国務大臣 医療の提供体制をしっかり守っていくことは非常に大事だと思っております。
 病床数の確保につきましては、収束への道筋を確かなものとして、そして、再度感染が拡大した際にも万全を期していくため、全ての命をお守りするために大変大事なことであります。現時点で、医療機関と調整の上、約三万床の病床の確保を見込んでいるところであります。
 第二次補正予算におきましては、包括支援交付金、医療の体制整備のために使えるこの交付金を全額国費による負担とするとともに、大幅な積み増しを行うことで、病床の確保を含めた医療の現場が抱える課題の解決を強力に支援することといたしております。
 ぜひ、この包括支援交付金も活用していただきながら、国民の命を守る、そのために必要な病床確保に全力を挙げていきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 医療機関は三万床確保したといっても、それで経営的に非常に困難に陥っている状況があります。
 政府とすれば、総理や、あるいは西村大臣もお答えになっているように、コロナ患者に必要な病床として五万を超える病床を確保するとしています。医療機関の医療崩壊を防ぐための経営支援も含めて、この五万の病床確保に対応した金額としての積み増しということなんでしょうか。
○西村国務大臣 今、入院しておられる患者さんの数は三千名程度になってきております。そして、確保できているものが今三万床ございます。そして、いざというときに備えて、総理が発言されましたように、五万床確保を目指していくということであります。
 そして、今は何より、こうした重症の患者さんを守ることが、まだ三千人おられますので、こうした方々の命をお守りすることが大事でありますので、そのために必要な対策を二次補正予算でしっかりとやっていきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 確保すべき必要な病床数を示すことのないまま、金額だけあるということですか。
○西村国務大臣 既に三万床確保いたしております。これは医療機関ともう調整が済んでいるものでありまして、人材とか機材なども含めて、いざというときに対応できるものとして確保しております。
 さらに、万が一のときに備えて五万床を目指して確保していこうというものでありまして、現時点で必要なことを、医療機関に空き床の部分であるとかさまざま負担もおかけしておりますので、そうしたことも含めて、しっかりと予算で対応していきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 コロナ対応の病床確保というのは、空き病床を長期にわたって保持することが求められ、そのことで大きな減収となり経営を圧迫する。だから、三万とか五万を確保するとしたら、それを確保するための必要な財政措置なしには生きていけない。
 だから、日本医師会でも、受入れ病院に対して、重症者四百万とか、中等症者二百万とか、軽症者百万円の補助といった具体的な試算額を示しているわけで、診療報酬での手当てとともに、具体的な減収補填措置などを含めた財政措置が必要だ、それに見合うような金額が積み上がっているのかということが問われているので、そういうものになっていると言えるんですか。
○西村国務大臣 重症化させないこと、そして、重症化してもその方の命をお守りすること、これが何より大事だというふうに考えております。
 こうした医療提供体制を確保するために、既に、診療報酬において重症の患者さんに対する診療報酬倍増、それから、御指摘の空き床確保についても、この一千四百九十億円の包括交付金の中で、ICUに対して一日当たり九万七千円とか、人工呼吸器の病床については四万一千円とか、また、それ以外についても一万六千円を上限として補助を行うこととしております。
 二次補正予算で、更にこの包括交付金を大幅に積み増しすると同時に、全額国費負担とするということで、必要な医療提供体制、命をお守りするために必要な予算はしっかりと確保していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 必要な経費を補償する、その金額になっていないのが現場の声で、医療機関はこれではやっていけないということで声を上げているわけですから、それに応えた財政措置を行うべきです。
 コロナ対応を行っていない医療機関でも、診療抑制により大きな減収となって経営を圧迫しているわけで、日本医師会の政府への申入れでも、二次補正予算で七・五兆円の確保を要望した。このぐらいの規模で医療機関への財政支援を行うべきだ、このことを申し上げて、質問を終わります。