カジノを中核とする統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件の公判がはじまり、カジノはやめるべきだと追及しました。
秋元司衆院議員(自民党を離党)は、カジノ汚職事件の収賄容疑で逮捕・起訴されており、20日には保釈中に贈賄側の被告に虚偽の証言をするよう働きかけ再び逮捕されています。
私は、秋元氏がIR担当副大臣として、IR・カジノの制度設計を行う立場だった、と指摘。「疑惑は極めて重大で、何らの説明責任も果たしていない。国会議員の資格はない、議員辞職すべきだ」と主張しました。IR議連事務局長でIR推進法案提案者の西村康稔経済再生担当相に、カジノを推進してきた政治家として汚職事件が起こったことに反省はないか、と迫りました。
西村担当相は「秋元議員の逮捕は大変残念だ。政府としてはIR整備法に基づいて必要な準備を進めていく」と繰り返しました。
私は、カジノ事業は刑法で禁じられた賭博を特定の事業者に認め、莫大な利権が絡むため、癒着が排除できないと指摘。不正・腐敗の温床であるカジノ・IRはきっぱりとやめるべきだ、と強調しました。
また、コロナ禍でインバウンド(訪日外国人)頼みのビジネスモデルは破たんしていると指摘。IR担当副大臣の任命、カジノを成長戦略として推進してきた安倍晋三首相の責任は重い。国会での説明を求め、野党はカジノ法廃止法案を提出している。市民と力を合わせカジノ廃止に全力を挙げる。
「議事録」
<第201通常国会 2020年8月26日 内閣委員会 21号>
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
きょうは、最初に、カジノ汚職事件について質問をいたします。
きょう、東京地裁でカジノ汚職事件の初公判が行われております。午前中においても、前観光会社会長があきもと司議員への贈賄を認めるという証言をした、こういうことも報道をされ、午後においても引き続き別件での公判が行われるということであります。
自民党に所属をしていたあきもと司衆議院議員は、カジノをめぐる汚職事件の収賄容疑で逮捕、起訴されました。カジノ担当副大臣としてIR、カジノの制度設計を行う立場だったのがあきもと司議員であります。このあきもと議員が、保釈中に贈賄側被告に虚偽の証言をするよう働きかける買収工作に関与したとして、再び逮捕されました。その疑惑は極めて重大であります。これらの事件について何らの説明責任も果たしておりません。国会議員としての資格がない、直ちに議員辞職すべきだということを強く申し上げるものであります。
そこで、西村大臣にお尋ねいたします。
西村大臣は、二〇一六年のIR推進法案審議のときに、IR推進議連事務局長であり、法案提出者として国会で答弁に立っております。また、政府は、成長戦略の柱としてIR、カジノの整備推進を掲げておりますが、西村大臣はその成長戦略の担当大臣でもあります。カジノを推進してきた政治家として、このようなカジノ汚職事件が起こったことについて反省はありませんか。
○西村国務大臣 あきもと議員が逮捕されたことは大変残念なことではありますけれども、その事案については、私、詳細は承知しておりませんし、また、捜査中の事件にかかわる事柄でありますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。今後、司法の手続、その場を通じて事実関係を明らかにしてもらえればというふうに考えております。
政府としては、まさに立法府でありますこの国会の審議を経て成立をいたしましたIR整備法、これに基づいて必要な準備を進めていくというのが基本的な立場であるというふうに承知をしております。
○塩川委員 いや、IR推進法案の提出者なんですよ。事態がまさにこういうことになっていることについて、率直に法案提出者として思うところはないんですか。おかしいと思わないんですか。
○西村国務大臣 繰り返しになりますけれども、逮捕に至ったということは大変残念なことであります。しかしながら、事実は私は承知をしておりませんし、また、捜査中のことでありますからコメントは控えたいと思いますし、今後、司法の場においてしっかりと事実関係を明らかにしてもらえればというふうに考えております。
○塩川委員 西村大臣自身、米カジノ企業シーザーズの関連企業にパーティー券を購入してもらったということがあるわけであります。
カジノ、IRは、刑法で禁じられた賭博を特定事業者に認めるというカジノ特区をつくるというものであります。莫大な利権が絡む事業だ、特定の事業者との癒着が排除できない、まさにそこにカジノの問題点があるんじゃないのか、そういうことは自覚をしておられなかったんですか。
○西村国務大臣 私の政治資金につきましては、政治資金規正法にのっとって適正に処理をしているところでございます。
また、国会での審議を経て成立をいたしましたIR整備法でございますので、その法律に基づいて、国として必要な準備を進めていくということでございます。
○塩川委員 腐敗、不正の温床となるカジノについて、そういう認識もなく進めていたのか、このことがまさに問われているんじゃないでしょうか。
このコロナ禍のもとで、インバウンド頼みのビジネスモデルは破綻をしております。カジノは中止、カジノ法は廃止をすべきだ。カジノ担当副大臣に任命をし、カジノを成長戦略として推進してきたのが安倍総理であり、その責任は重いので、こういった問題についてきちっと国会に出て説明をしていただきたいと思います。
野党はカジノ法廃止法案を提出しております。市民と力を合わせてカジノ廃止に全力を挙げる、このことを改めて申し上げておくものであります。
次に、今のリーマン・ショックを超える経済危機の問題、消費税減税に踏み出すべきときではないのか、この点についてお尋ねをいたします。
ことし四―六月期のGDP、年率換算で二七・八%の減、昨年十―十二月期から三期連続のマイナスであります。リーマン・ショックを上回る戦後最大の落ち込みであります。
雇用と営業、日本経済に深刻な影響を及ぼす事態であって、雇用を守るために雇用調整助成金や、また休業支援金、これの延長を図ることや、営業を守るために持続化給付金や家賃支援の拡大など、抜本的な対策を求めたい。その一つとして、消費税減税を求めたい。
安倍総理は、昨年の消費税増税前に、リーマン・ショック級の出来事がない限り、消費税は一〇%に引き上げると述べておりました。しかし、まさに現在、リーマン・ショックを超える経済危機に直面をしているわけであります。
西村大臣、リーマン・ショックを超える経済危機に直面しているときだからこそ、消費税の減税に踏み出すべきではありませんか。
○西村国務大臣 消費税についてのお問合せ、御質問でございます。
昨年十月、消費税率引上げを行ったわけでありますけれども、政治家誰も、税率引上げ、増税はやりたくないものでありますけれども、全世代型社会保障の構築へ向けて歩み出すという中で、苦渋の選択で増税をしたものというふうに私自身は理解をしております。
そうした中で、全額社会保障財源に充てられることになっております。幼児教育、保育無償化が、もう既に、先行的に全世代型社会保障の改革の第一歩として進められているところでございます。少子化対策や社会保障に対する安定財源の確保のため、どうしても必要なものであったということ、このことをまず申し上げたいと思います。
その上で、今般の新型コロナウイルス感染症による経済へのダメージ、これは緊急事態宣言を経験し、人為的に経済をとめましたので、そういう意味で大変大きなダメージがあるわけでありますけれども、一次補正、二次補正において事業総額二百三十四兆円規模の対策を講じているわけであります。
そうした中で、一人十万円の特別定額給付金も、今やほぼ九九%の五千八百二十六万世帯にお届けをしております。約十二・六兆円でありますが、これは年間の消費税率五%に相当する支援額でございます。消費税率を五%下げるのと同等のマクロの経済効果がある。更に言えば、所得の低い方の方がより恩恵が大きい、消費税額を支払うよりもより大きな十万円ということで、定額でありますので所得の低い方の方がより大きな恩恵があるということも申し上げたいと思います。
その上で、さらに、今後の内外の感染状況、あるいは経済の動向、国民生活への影響などを今後も注意深く見ながら、必要があれば予備費のさらなる活用、さらには、臨機応変に、かつ時期を逸することなく対応し、経済、特に生活、雇用、事業をしっかりと守っていく、そのために万全を期していきたいというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 お話がありましたけれども、今、世界的な経済危機で、日本以上にアメリカやヨーロッパなどの落ち込みも広がっているときであります。
特別定額給付金の話が出ました。これは既に今措置しているものであって、その後、こういったリーマン・ショックを上回るような事態ということがくっきり浮き彫りになった。当然、その先の見通しすら見えていないときであるわけですから、特別定額給付金が効果があった、しかし、リーマン・ショックを上回るような落ち込みが生じたときに、じゃ、もう一回特別定額給付金をやるのか。消費税の減税も含めて、私たちは消費税の五%への減税が必要だと訴えておりますけれども、まさにリーマン・ショックを上回るような事態に直面したときに、そういう対策こそ必要なんじゃありませんか。
○西村国務大臣 GDPの四月―六月の数字はまさに二七・八%のマイナスでございましたけれども、これは、四月、五月の緊急事態宣言を発出していた時期に経済を人為的にとめたがゆえに当然悪くなるものでございまして、そのことも頭に置きながら、このぐらいの数字になる、そういったことは当然頭に置きながら、一次補正、二次補正、予算を御審議いただいて成立をさせていただいたところでございます。
その中で、総額二百三十四兆円の事業規模の予算、今の定額給付金以外にも持続化給付金や、さらには、最近では家賃の支援給付金が給付が始まりました。こうしたものも活用しながら、雇用調整助成金ももう一兆円規模で御利用いただいております。
雇用、事業、そして何より生活をしっかり守るという強い決意で、引き続き、臨機応変に、かつ時期を逸することなく対応していければというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 内需喚起こそ必要で、ドイツ、イギリス、韓国などでも付加価値税や消費税の減税などに取り組んでいます。ぜひ、暮らしを温め、中小・小規模事業者の支援策として、消費税の五%への減税、そのための補正予算を組むこと、臨時国会を開くこと、このことを改めて強く求めたいと思います。