【内閣委員会】PCR検査拡充せよ/公費で行うことが必要

 新型コロナウイルスの感染拡大防止にむけて、PCR検査の拡充を自治体任せではなく国が先頭に立って行うよう求めました。

 私が政府の感染状況の認識をただしたのに対し、西村康稔経済再生担当相は「全国的に増加傾向が顕著になってきている。爆発的な大きな流行とならないよう対策を強化したい」と答弁。

 感染拡大を事前に防ぐためにはPCR検査の拡充が必要だ。医療機関、介護・福祉施設等に、定期的なPCR検査(社会的検査)を行政検査として公費で行うことが必要だ、と追及しました。

 厚労省は「保健所の判断で行政検査として実施できる」と現場判断に任せる姿勢を示しました。

 行政検査費用には都道府県負担分がある。検査拡充には、自治体の負担を軽減するため、国としてさらなる財政措置が必要だ。

 西村担当相は「地方負担分については地方創生臨時交付金を充てることができる。予備費の活用、補正予算での対応を検討していく」と答えました。

 また私は、国保組合に対する保険料減免の追加予算を要求。

 厚労省は「必要に応じ対応を検討する」と答えました。

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「議事録」

<第203通常国会 2020年11月11日 内閣委員会 2号>

○塩川委員 残りの時間で、コロナ対策について西村大臣にお尋ねいたします。
 コロナ対策分科会が緊急提言を出されて、感染急拡大の可能性という指摘もされております。菅総理御自身も、最大限の警戒感を持って対処する必要があると述べておりますが、西村大臣として、この感染拡大の状況についてどのように評価しておられるのか、お聞きします。
○西村国務大臣 お答え申し上げます。
 御指摘のように、分科会から緊急提言も出されまして、感染状況についてもその中に含まれているわけであります。
 七月、八月に感染拡大をして、それが九月にかなりおさまってきていたわけでありますけれども、そこから横ばいになり、また増加傾向になって、最近では全国的に増加傾向が顕著になってきているということで、これから冬を迎えるに当たって、より窓を閉め切って、密閉したところでの活動がふえることも考えられますので、これが爆発的な、再び大きな流行にならないように、そのために、昨日、政府として対策を取りまとめたところでありまして、クラスター対策の強化であるとか、あるいは国民への情報提供、さらには、最近では外国人の感染も目立ってきておりますので、外国人に対する情報がしっかり行き届くような、そういった手当ても含めて、対策を強化していきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 爆発的な流行とならないように取り組む、クラスター対策などについての対応方のお話がありました。
 その点で、この間、クラスターの発生について、やはり重症、重篤にならないような、そういった対応という点では、医療機関やあるいは高齢者の入所施設などについての対応が求められていると思います。
 その点で、医療関係のスタッフの方や高齢者の入院、入所施設のスタッフ、また、入院、入所者へのぜひとも定期的なPCR検査が必要ではないのか。そういったことを行政検査として公費でしっかりと行うということによって感染拡大を防止をする、そのために力を尽くす、これが求められていると思いますが、その点についてお答えください。
○度山政府参考人 お答えを申し上げます。
 御質問の、高齢者の入院、入所施設の入院、入所者あるいはスタッフの検査ということにつきましては、感染者が多数発生している地域などで、感染者が発生している期間において、症状がない方も含めて、これらの方を対象として、保健所の専門的判断のもとでPCR検査等を行政検査として実施するということはできるようになっておりまして、その旨、都道府県に対しても行政検査に関するQアンドAで明示をしているところでございまして、この趣旨が現場の方に徹底されるように、引き続き周知、説明を続けていきたいと考えております。
○塩川委員 都道府県に周知、説明しているということですけれども、同時に、都道府県の費用負担の問題があるわけです。行政検査は都道府県、自治体が実施をする、ですから、まず負担をして、それに対して国が補助するという形ですが、検査数をふやす、行政検査をふやすとなれば、当然のことながら、自治体の負担が大きくなります。
 この自治体の負担を軽減することによって、行政検査を更に広げていく、医療スタッフや介護施設、高齢者入所施設の職員の方、入所者の方の定期的な検査を行う、こういうことに踏み出せるような地方負担分へのさらなる財政措置、これが必要じゃないかと思うんですが、その点、いかがですか。
○度山政府参考人 行政検査の費用負担の原則は、国において、都道府県が支弁した費用の二分の一を負担する、こういう仕掛けになっているところでございます。
 ただ、自治体の二分の一の負担分に関しましては、内閣府の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金において、この行政検査の地方負担額を算定基礎として、そのままというわけではありませんけれども、それを算定基礎として交付限度額に算定される仕組みになっているというふうに承知をしております。
○塩川委員 それ自身は数字上の話でありますので、実際に検査を広げるとなった場合に、地方負担分に対しての何らかの財政措置が求められていると思います。
 西村大臣にお尋ねいたしますが、やはり行政検査をしっかりと行っていく、それにふさわしい財政措置という点では、国として、地方創生臨時交付金の増額も含めて積極的な対応が今求められているんじゃないのか、予備費の活用なども含めた対応方を、ぜひ取り組むべきときではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。
○西村国務大臣 今厚労省から説明がございましたように、そして御理解いただいているとおり、地方負担分については地方創生臨時交付金を充てることができるということで対応してきているところでありますけれども、まさに足元の感染状況、それから経済の状況、特に地域経済、地方経済の状況なども見ながら、経済対策の指示もいただきましたので、予備費の活用、あるいは経済対策、補正予算の中でどう対応していくか、しっかりと検討していきたいと思います。
 あわせて、分科会においても、検査の範囲をどうしていくのか、一定の方向性は出されておりますけれども、さらに、無症状で事前確率が低いと思われている方に対しても今後どう考えていくのかという議論は継続していただいておりますし、また分科会を開き、専門家の御意見も聞きながら対応していければというふうに考えているところであります。
○塩川委員 ぜひ、感染拡大を防止する上でも社会的な検査を広げていく、そういう中での行政検査を広げていく、特に保健所の対応が非常に求められております。トレーサーをふやすことを含めた検査体制の抜本的な強化を改めて求めておきたいと思います。
 最後に、コロナ禍における国保の減免支援の問題についてお尋ねをいたします。
 やはり、コロナ禍のもとでの収入の減少あるいは経営の悪化、そういった中で国保の減免を求める現場の状況が広がっているところであります。保険者の方でこれについての対応なども進めているところですが、国保の減免支援の実施状況はどのようになっているのか。建設組合などからは、国保組合に対しての保険料の減免の追加予算などが求められておりますが、どう対応するのか。この点についてお答えください。
○榎本政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえまして、市町村などが感染症の影響により収入が減少した被保険者などの保険料を減免した場合に、特例的に全額財政支援を行うということとしております。
 本年八月十五日時点におけます減免の実績につきましては、減免の決定件数につきましては、令和元年度分保険料については九・四万件、それから、令和二年度分の保険料については十二・五万件となってございます。
 それからまた、減免の決定金額でございますけれども、令和元年度分の保険料は三十一・一億円、それから、令和二年度分の保険料は二百四十億円というふうになっているところでございます。
 この財政支援に充てるために、災害等臨時特例補助金として、令和二年度の一般会計補正予算におきまして二百六十・四億円を措置しております。加えて、特別調整交付金などから交付をするなどの対応をしているというところでございます。
 保険者によります減免の実施状況なども踏まえて、必要に応じ、今後の対応も含めて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 非常に減免支援が広がっているということでありますので、今後の対策が極めて重要であります。
 西村大臣、ぜひ、そういう点での、予備費の活用も含めたしっかりとした現場を支える支援を行っていただきたい。それについての御答弁をいただきたいと思います。
○西村国務大臣 経済的にまだまだ厳しい方もおられますので、そういった経済の状況をしっかりと見ながら、必要な方に必要な支援がしっかりと行くように、そしてまた、あわせて、経済と両立を図っていく中で新たな日常をつくっていく、デジタル化であったりグリーン化であったり、新しい社会経済の構造をつくっていく、そういった観点から経済対策をしっかりまとめていきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 第三波の広がりということが非常に懸念されているところであります。そういったときに、やはりしっかりとした支援を行うということが国民の暮らし、営業を支える上での一番の安心ということでもありますので、この取組についてさらなる拡充を求めて、質問を終わります。