【議院運営委員会】緊急事態宣言/政権の対応/抑止に逆行

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発出は重大だとして、政府の責任をただしました。

 政府の新型コロナ対策分科会が、感染状況が4段階中2番目に深刻なステージ3の都道府県は「Go To トラベル」から除外すべきと提言していたのに、その判断を誰も行わないまま感染拡大が続く中でも事業を継続してきた。5人以上の会食を控えるよう提言した後も、菅義偉首相が5人以上の会食を9回も続けたと追及。菅政権の対応が感染拡大抑止に逆行するものとなった反省はあるか、と迫りました。

 西村康稔経済再生担当相が「専門家の意見を伺いながら対応を進めてきた」と無反省な姿勢を示したのに対し、私は、そもそもここに菅首相が出てこないことが問われる、と批判しました。

 また、東京商工リサーチの調査で、廃業を検討する可能性があるとした飲食店が32.7%に上ると指摘。緊急事態宣言でさらなる時短要請が強いられるなか、現在の協力金で時短に協力してもらえると本気で思っているのか、とただしました。

 西村担当相は、現在1日4万円の協力金の拡充の検討を急ぐと述べるだけ。

 私は、営業と雇用を守るのに十分な補償が実効性ある感染抑止対策になる、と強調。あわせて、持続化給付金や家賃支援給付金、雇用調整助成金の特例措置、休業支援金の継続・拡充を強く求めました。

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「議事録」

<第203通常国会 2021年1月7日 議院運営委員会 12号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 二度目の緊急事態宣言、極めて重大であります。
 一月五日の新型コロナウイルス感染症対策分科会では、緊急事態宣言についての提言を出しましたが、「社会全体としてこの感染症に対する危機感が薄れてきた」と指摘をしております。社会全体の危機感が薄れたとすれば、その責任は政府自身にあったのではないのか。
 GoToトラベル事業について、九月十一日の分科会提言では、感染状況がステージ3相当と判断された場合にはその都道府県を除外するとしていたのに、ステージ3の判断を誰も行わないまま、感染が拡大している中でも事業を継続してきました。
 また、十月二十三日の分科会提言では、五人以上の会食は感染リスクが高まるので控えてほしいとしていたのに、その日以降、菅総理が夜に五人以上の会食をした回数は九回に上った。
 GoToトラベルに固執し、大人数の会食を続けた菅政権、菅首相の対応が、感染拡大抑止に逆行するものとなった、そういう反省はありませんか。
○西村国務大臣 私ども、分科会の提言を受けながら、専門家の皆さんにしっかりと御意見をいただきながら対応を進めてきております。
 ステージ3相当の対策が必要となった地域にはGoToトラベルの一時停止も考えるようにという御指摘をいただき、先行して、その数値目安に当たってきたような北海道、大阪についてその対応をとらせていただき、そして続いて、東京、愛知県においてもその対応をとらせていただいたところであります。こうしたことにつきましては、分科会の専門家からも、その都度ごと一定の評価をいただいてきているものと思います。
 感染拡大を何としても抑えていく、このことを最優先に今の局面に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○塩川委員 そもそも、政府のコロナ感染拡大防止対策の基本文書である基本的対処方針が七カ月以上も放置をされている。菅首相にすれば、自分のやりたいことを優先する、そういうあり方で、菅首相の責任は極めて重大だ。そもそも、ここに菅首相が出てこないということがまさに問われているんじゃないでしょうか。
 今回の緊急事態宣言で、政府は、飲食店に午後八時までの閉店を要請し、応じた店舗に一日四万円の協力金を拡充する、報道では六万円ということも出ていましたが、帝国データバンクによると、昨年の飲食店倒産件数は過去最多となったそうです。東京商工リサーチによると、コロナ禍の収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性があると回答した企業は、全体で六・九%、中小企業で八・一%、飲食店は三二・七%に上ります。
 外出自粛要請による売上げの減少、営業自粛や時短の要請が経営を直撃しているときに、さらなる営業時間短縮要請では経営が成り立ちません。一日四万円を拡充する、こういった今の協力金の対応で飲食店の皆さんに時短に協力してもらえると本気で思っているのか、この点をお聞きしたい。
○西村国務大臣 倒産件数、昨年のものを月別にも見ておりますけれども、全体としては、例年並みか、例年よりも少ないぐらいの水準で推移をしております。これは、政府として取り組んだ無利子無担保の融資などが一定の成果を上げているものというふうに思いますけれども、御指摘のように、飲食店にとっては大変に厳しい状況にあるということを認識しております。
 今回も、専門家の皆さんから、飲食店の皆さんが悪いわけではないんですが、飲食の場が感染拡大の要因となる場、そして、そこから家庭や職場につながっていっているということで、飲食店への二十時までの時短を要請することとしたわけでありますけれども、御指摘のように、しっかりと支援をしていく、その観点から、この協力金につきましても更に拡充することで検討を急いでいるところでございます。
 あわせて、雇用調整助成金も、パート、アルバイトの方も月額三十三万円まで使えますので、人件費は、雇調金、これは中小企業の方は国が全額出しますので、ぜひ飲食店の皆さん方におかれては雇用調整助成金も活用していただけるようにお願いをしたいというふうに思います。
○塩川委員 経営が一番困難な飲食店、その飲食店の時短協力に対して、営業と雇用を守るのに十分な補償を行うことが実効性ある感染抑止対策になります。取引先など関連業者やイベント業者への補償も行うときだ。
 あわせて、緊急事態宣言でフェーズが変わりました。事業者、生活困窮者支援策の打切りを撤回すべきだ。持続化給付金の継続、複数回の支給や、家賃支援給付金、雇用調整助成金のコロナ特例、休業支援金の継続、拡充を強く求めて、質問を終わります。