【議院運営委員会】基本的対処方針改定/事業規模に応じた支援を

 政府から新型コロナウイルス対策の改定特別措置法で新設された「まん延防止等重点措置」にかかわる基本的対処方針の改定にあたって事前報告を受け、質疑を行いました。

 まん延防止等重点措置では、都道府県知事が飲食店への時短要請を行うことができ、従わない場合は罰則(過料)が定められています。

 私は、まん延防止等重点措置の前段階で都道府県知事が時短営業や外出自粛などを要請できる特措法第24条第9項について、『まん延防止等重点措置』による要請の範囲より広いのではないか、とただしました。

 西村康稔経済再生担当相は「24条9項は法律上規定があるわけではなく、幅広く要請できる」と答弁。

 私は、政府や知事による恣意(しい)的な運用の懸念が残る、と批判。

 また、まん延防止等重点措置や24条9項の措置に伴って影響を受ける事業者に対する財政支援は何を行うのかと質問。

 西村担当相が「検討中」と答えないのに対し、私は、緊急事態宣言と同じように時短営業を要請するのに支援に差がでるとすればおかしいと強調。事業規模に応じた事業者等への十分な支援を行うべきだと主張しました。


衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第204通常国会 2021年2月12日 議院運営委員会 9号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 コロナ特措法改正、政令の改正、それを踏まえた基本的対処方針の改定に当たりまして、質問をいたします。
 最初に、特措法の第二十四条九項に関して、都道府県知事は、この二十四条九項に基づき、時短要請などの施設の使用制限の要請や、日中も含めた不要不急の外出の自粛の要請など、幅広い要請を行うことができます。これは、新たに設けられた蔓延防止等重点措置による要請の範囲より広いのではないか。第二十四条第九項に基づく知事の要請の範囲は広過ぎるのではないのかと思いますが、その点についてお聞きします。
○西村国務大臣 二十四条九項につきましては、要請できることのその事項につきましては、特段何か法律上詳しい規定があるわけではございませんので、例えば、マスクの着用とか、消毒、手洗いの奨励とか、あるいはいろいろなイベントを少し延期するとか、幅広く御指摘のように要請ができることとなっております。
 ただ、時短要請とか休業要請につきましては、法解釈上、この四十五条、元々ございました緊急事態宣言の下での指示の対象業種は政令の十一条で定められておりますので、その範囲内であるということで、休業要請とか時短要請を行う場合はその範囲内ということでありますが、それ以外に幅広くそうしたマスクの着用などの要請ができることとなっております。
○塩川委員 ですから、二十四条九項で、これまではずっと緊急事態措置に行く前の段階で幅広くやってきた。それ自身が様々な私権の制限の懸念という点も問題となったわけであります。国、知事による恣意的な運用の懸念が残るということを指摘したい。
 それと、基本的対処方針の案の中に、感染症対策実施の重要事項として蔓延防止の項目がありますけれども、その中に、対処する措置としての四つぐらいの類型が入っていまして、緊急事態措置区域から除外された都道府県における取組と重点措置区域における取組、特に下りの場合ですね、緊急事態宣言が解除されて、一方は重点措置区域、他方はそうでない、この二つというのはどう違うんでしょうか。
○西村国務大臣 蔓延防止等重点措置の考え方は、基本的に一つ、共通でありまして、感染拡大している局面でも、感染が減少している局面でも、都道府県全体としてはステージ3相当であることが基本的に想定されています。
 ただし、その中の特定の地域で感染が拡大して、これによって都道府県全体に広がる、さらには緊急事態宣言になりかねないという場合に、その地域で抑えるという発想でありますので、これは、拡大しているときはその拡大のしている地域、そして減少傾向にあるときには、全体として都道府県全体では減少傾向にあっても、ある特定の地域でまだ感染レベルが高い、あるいは感染が拡大している、こういった場合に、その地域においてこの蔓延防止等重点措置が活用できるということであります。
○塩川委員 ですから、重点措置の場合と緊急事態宣言が解除された段階での措置と、分けて書いてあるんですけれども、その違いが読み取れないという点では、知事会からもその違いや運用基準などの詳細を示す要望も出ているところでありますので、ここでも運用に曖昧さが残るようなことがあってはならないということを申し上げておきます。
 それから、冒頭の発言でもありました支援の話ですけれども、山内さんからも御質問がありましたけれども、この蔓延防止等重点措置に係る事業者の支援というのは、緊急事態措置の場合、あるいは第二十四条九項に基づく措置の場合、三つあるわけですけれども、同じ要請であっても、例えば同じ時短要請に対しても、支援は同じになるのか、違うのか、そこを教えていただけますか。
○西村国務大臣 蔓延防止等重点措置に係る支援の在り方につきましては現在検討しているところでありますけれども、これは、蔓延防止措置では休業はできませんけれども、緊急事態宣言の下で休業要請は四十五条ではできることになっておりますが、例えば、その時短の要請の内容、その措置の内容、それから経営への影響の度合い、そして公平性の観点や円滑な執行という観点を配慮しながら、十分な理解をいただけるように、要請に対して応じていただけるように、必要な支援となるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○塩川委員 引き続き検討ということですけれども、同じ時短要請であれば、そこに、支援に差があるのはおかしいというのは率直に指摘しなければなりませんし、経営への影響を踏まえて、事業規模に応じた事業者への支援をしっかりと行うことを改めて求めまして、質問を終わります。