【予算委員会】政策買収疑惑究明を/農水汚職で幹部ら追及

 贈収賄で在宅起訴された吉川貴盛・元農林水産相と鶏卵大手「アキタフーズ」前代表らとの会食に農水省幹部が同席していた問題を追及しました。

 私は、会食に参加した枝元真徹(まさあき)事務次官に対し、アキタフーズの秋田善祺(よしき)前代表がどのような人物か知っていたかと質問。

 枝元氏は「養鶏業界の重鎮なので承知していた」と述べつつ、利害関係者という認識だったかについては「その場ではそこまで認識しなかった」と答弁。一方、過去に農水省畜産部の関係で癒着が問題になったことを「承知している」とし、ルールを定めていることも「知っていた」と認めました。

 私は枝元氏について、会食の相手方が利害関係者に該当するか否かについて相談・指導する農水省の倫理監督官でもあると指摘。何が禁止行為か、誰が利害関係者か判断できない枝元氏に事務次官の資格はない、と辞任を求めました。

 また、農水省の調査報告では安倍、菅両政権で内閣官房参与を務めた西川公也・元農水相の関与に触れていないと指摘。西川氏が日本養鶏協会とアキタフーズの顧問だったか問うと、農水省の横山紳官房長は「たしか顧問だった」と答弁しました。

 私は、場面によって肩書を使い分けている西川氏を調査しないのかと追及。

 横山氏は「倫理審査会の指導をうけ報告書を作った」と弁明し、西川氏に関する調査については明言を避けました。

 私は、この接待の処分で一件落着ではない。贈収賄事件が問われている。政治家の関与、政治家による政策買収疑惑の徹底解明が必要だ、と強調しました。


衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第204通常国会 2021年3月1日 予算委員会 17号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、農水省の接待問題について質問します。枝元次官にお尋ねをいたします。
 吉川貴盛元農水大臣が在任中に鶏卵大手企業アキタフーズから現金五百万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部は一月の十五日、吉川元大臣を収賄罪で、アキタフーズの秋田善祺前代表を贈賄で在宅起訴をいたしました。吉川貴盛元農水大臣らの政策買収疑惑であります。
 その当事者となったアキタフーズ代表の秋田善祺氏と農水省職員が、二〇一八年十月と一九年九月の二回にわたって会食を行っておりました。農水省は、国家公務員倫理法の倫理規程に基づき調査を行い、アキタフーズ及び日本養鶏協会は利害関係者と認め、会食に参加した六人の職員を懲戒処分としたところであります。
 そこで、枝元次官にお尋ねをいたします。
 農水省報告書では、「事前に秋田元代表が同席することは認識しておらず、当日の会食現場で初めて同氏が同席することを知った」といいます。秋田元代表が同席していることは、その場でおかしいと思いませんでしたか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 当時、吉川元大臣から、河井先生と御一緒にということでお誘いを受けたというふうに記憶してございます。参りましたら、秋田氏がいらっしゃいました。
 おかしいというか、御同郷ということでございまして、広島の御同郷ということなので、何というんでしょうか、吉川大臣と河井先生とが中心の会ではございましたけれども、おかしいというか何というか、そこはその場にいらっしゃって、そのまま参加したものでございます。
○塩川委員 秋田元代表がどのような人物かというのは御承知だったわけですね。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 養鶏業界の重鎮でいらっしゃるので、どういう方かというのは承知しておりました。
○塩川委員 そうしますと、利害関係者だということも承知しておられたんですか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 その場でそこまで思ったかどうかは別として、利害関係者であるというふうに承知をしてございます。
○塩川委員 その場で利害関係者だと思わなかったんですか。
○枝元参考人 どちらかというと、どちらかといいますか、吉川大臣と河井先生が中心の席でございましたので、余り秋田さんの方まで気にしなかったというのが正直なところではございます。
○塩川委員 いやいや、政治家が参加していたというのはあったとしても、アキタフーズの秋田元代表が利害関係者だということは、顔を見たときに思わなかったんですか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 よく覚えておりませんけれども、思っておくべきだったろうと思います。
○塩川委員 水田生産局長は知っていたと。そういう点でも、あるいは報告書の中でも、伏見畜産振興課長や望月食肉鶏卵課長は承知していたはずだといった関係もありますから、当然類推し得る立場にあったということは明らかであります。
 農水省の報告書では畜産部ルールというのを取り上げておりますが、この畜産部ルールを定めているというのは、農水省にとって、畜産業者との会食も多く、癒着が問題となっているからではないのか。そういう認識は、枝元さん、お持ちでしたか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 私が会食に出たときに、ちょっとそのルールがあったかどうか、承知いたしませんけれども、畜産の関係で問題があって、そういうことのルールが畜産に関しては決まっているということは承知をしてございます。
○塩川委員 ですから、畜産部ルールというのがあって、やはり農水省としては、畜産業者との会食も多く、癒着が問題となっている、そういう認識はあったということですね。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 畜産に関しては、過去もいろいろなことがございましたので、農林省の中でもそういう側面があるということは承知してございます。
○塩川委員 それなのに秋田元代表が利害関係者だとその場で判断しなかったというところは、信じ難い話であります。
 会食の場でアニマルウェルフェアの話は出ませんでしたか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 養鶏についての話題も出たんだろうとは思いますけれども、二年半ほど前のことで、ほとんど覚えてございません。
 ただ、具体的な政策についての働きかけがあればさすがに覚えているというふうに思いますので、そのような働きかけはなかったというふうに認識してございます。
○塩川委員 秋田元代表が同席をしているということは、その場に行って分かったと。でも、そういう場に秋田元代表がいたということについて、吉川大臣が何で秋田元代表のいる場に枝元さんたち農水省の幹部を招いたのか、そのことについてはどのようにお考えになったんですか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 ちょっとそこは分かりません。
○塩川委員 分からないというのはちょっと分からないんですが、もう一回。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 吉川大臣がなぜ私どもを呼んだのかというのを吉川大臣から特に聞いておりませんので、分かりません。
○塩川委員 その後も確認をしなかったということであります。
 河井克行議員が同席していることについては、どういうふうに受け止めておられたんですか。
○枝元参考人 その席自体は、吉川大臣の方から河井先生と一緒の席なのでということでお誘いを受けて参加いたしました。国会議員の先生、大臣と国会の先生ということで、そこは余り不思議には思いませんでした。
○塩川委員 話題の方ですので。
 農水省官房長にお尋ねしますが、この農水省の報告書には西川公也内閣官房参与の関与については出てこないんですけれども、それはなぜでしょうか。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。
 本件は、当省職員の国家公務員倫理法違反に係る調査報告書というものでございますので、その点については必要な部分では触れていると思いますが、そういった性格の報告書でございます。
○塩川委員 西川公也さんは、日本養鶏協会の顧問、アキタフーズの顧問という肩書があったと聞きますけれども、それはそのとおりですか。
○横山政府参考人 済みません、通告がなかったので正確なところはあれですけれども、たしかその顧問になっておられたというふうに思います。
○塩川委員 それならば、今回の報告書では、日本養鶏協会、アキタフーズは利害関係者です、顧問となっている西川公也さんは利害関係者だという判断というのはなかったんですか、枝元さん。
○横山政府参考人 西川元参与に関しましては、もちろん元大臣でもあり、また内閣参与、あるいは与党の部会などにも御出席されている方ということでございますので、基本的にはそうした認識でございます。
    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕
○塩川委員 西川公也さんのブログを見ると、いろいろ使い分けているんですよね。内閣官房参与というときもあるし、日本養鶏協会顧問というときもあるんですよ。だとすると、両方の顔を持ってやっていたんじゃないのか。ですから、その会食の場では、日本養鶏協会顧問、そしてアキタフーズ顧問として、利害関係者の立場で会食していたんじゃないか。そういう観点で、倫理規程について農水省は報告をしないんですか。
○横山政府参考人 御指摘の点につきましても、これはまさに国家公務員倫理審査会の御指導を受けながら調査を進めてまいりました。そうした中で、こうした調査報告書、そして処分を実施させていただいたということでございます。
○塩川委員 農水省として徹底解明をするということが求められているんですよ。倫理審査会の話じゃないでしょうが。農水省としてしっかり解明するのかどうか。
○横山政府参考人 国家公務員倫理法に基づく処分につきましては、国家公務員倫理審査会の了解を得ながら進める、これはまさに国家公務員倫理法の中に書かれている話でございます。それに基づきまして、我々としては、指導をいただきながら調査をし、処分をさせていただいたということでございます。
○塩川委員 大臣にお尋ねします。
 倫理規程に伴っても、こういった利害関係者が類推されるような西川公也さんの調査もしないで、どうしてまともな報告書と言えるでしょうか。そういう問題についてどう考えるのかということと、この倫理規程上の懲戒処分で一件落着というわけにいかないわけであります。政治家の関与こそ解明すべきであって、贈収賄が問われる政策買収疑惑の解明こそ必要なんじゃないですか。
○野上国務大臣 本当に、当省の職員が倫理規程違反で懲戒処分を受けるに至ったことに対し、深くおわびを申し上げたいと思います。
 倫理規程違反に対する調査におきましては、今官房長から申し上げたとおり、倫理委員会の指導に従ってやるものでありまして、部下を指導監督する立場にある幹部職員が吉川大臣からの誘いを受けてアキタフーズ元代表等と会食したものであります。職責や会食に参加した回数等を総合的に考慮しまして、倫理審査会の承認を得た上で、枝元次官以下三名の職員を減給とするなど、厳正な処分を行ったところであります。
 また、政治家の関与等々につきまして、これは今、第三者検証委員会でそのプロセスを検証をいただくということでございます。
○塩川委員 農水省の報告書では、政治家との会食に関する農水省独自のルールを制定すると書いてありますけれども、農水省では、政治家の誘いには注意をしろということをここで示しているということですか。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の事案でございますけれども、政治家の方の招きを受けて会食した場合には倫理上の問題が生じないんじゃないかという、当省の職員のそこは甘い認識があった、このように認識してございます。
 こうしたことから、このルールでは、政治家の方と利害関係者の方が同席する会食に職員が参加する場合には、費用の金額、負担がどなたかということにかかわらず、大臣及び倫理監督官に届け出るということとしたものでございます。
○塩川委員 それだけ政治家との関係についてしっかりと対応しなければいけないといったときに、倫理規程の問題にとどめず、贈収賄の事件であるわけですから、政治家の関与こそ解明すべきであって、大臣、アニマルウェルフェアの国際基準策定や鶏卵生産者の経営安定対策事業に関して、行政がゆがめられたのではないかという政策買収疑惑の徹底解明こそ農水省ですべきでありませんか。その点について、改めてお聞きします。
○野上国務大臣 吉川元大臣また秋田元代表が贈収賄容疑で起訴されたことを受けまして、農林水産省としても、国民に疑念を持たれることがないように、公判への影響にも配慮しつつ、養鶏、鶏卵行政の公正性について検証いただくために検証委員会を設置をしたところでございます。ここで調査、検証を行っていただいて、その結果を取りまとめて公表していきたいと考えております。
○塩川委員 西川公也氏の関与も含めて、この問題についての徹底解明が必要だと強く申し上げておきます。
 引き続き、枝元次官にお尋ねをいたします。
 枝元氏は、昨年七月から事務次官を務めておられます。そうしますと、枝元次官は農水省の倫理監督官ということでよろしいですね。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 国家公務員倫理規程に基づきまして、事務次官が倫理監督官になってございます。
○塩川委員 人事院に質問します。
 倫理規程には、倫理監督官は、職員に対し、その職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うとあります。倫理監督官というのはどんな指導や助言を行うのか、倫理規程の十五条第一項第一号を踏まえてお答えください。
○荒井政府参考人 お答えいたします。
 倫理法第三十九条二項におきましては、倫理監督官は、所属職員に対してその職務に係る倫理の保持に関し必要な指導及び助言を行うとともに、職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこととされております。
 具体的には、禁止行為に該当するかどうかの判断ができない場合などにおいて、実際に相談に応じるなどのことを行っていくものと思っております。(塩川委員「利害関係者も。第十条の方で、利害関係者についてもアドバイスでしょう」と呼ぶ)もちろん、該当するかどうかですから、利害関係者に当たるかどうかの判断ができない場合などにおいては、実際に相談に応じるなどの対応をしていくものと思っております。
○塩川委員 つまり、何が禁止行為か判断できない職員に対してアドバイスをするのが倫理監督官なんです。誰が利害関係者か判断できないという職員に対して指導助言を行うのが倫理監督官なんです。
 先ほどの枝元さん、聞いてもらったように、利害関係者が誰かということさえ明らかにできない人じゃないですか。そういう人が、何で倫理監督官が務まるんですか。大臣、枝元さんの答弁では、何が禁止行為なのかということについて、自らのことについても明らかにできない、利害関係者かどうかということについても判断ができない。そういう人が倫理監督官をどうして務めることができるのか。事務次官の資格そのものがないということじゃないですか。
○野上国務大臣 枝元次官につきましては、自ら所属する組織のトップである大臣からの誘いを受けて会食に参加した等の事情はあるものの、部下を管理監督する立場にあった生産局長時代に国家公務員倫理法に違反をして利害関係者の負担で飲食を行った責任を取りまして、今般、国家公務員倫理法に基づき、適正な処分を行ったところでございます。
 次官には、今般の事案について猛省をしていただいた上で、しっかりと職責を果たしてもらいたいと考えております。
○塩川委員 自らに関わることさえ判断ができないということでは倫理監督官は務まらないわけで、事務次官としての資格がそもそも問われている。きっぱりと辞めるということこそ行うべきことであります。
 報告書の再発防止策というのは、これまでより少し詳しく報告すればオーケーだという話になっているわけで、到底認められるものではありません。癒着を防止をし、職員を守るためにも、利害関係者との会食をきっぱりやめることこそ真の再発防止対策だということを申し上げておきます。政策買収疑惑の徹底解明と枝元次官の辞任を強く求めるものであります。
 次に、官房長官にお尋ねをいたします。
 総務省の接待問題についてですが、山田真貴子内閣広報官は体調不良、入院加療で辞任とのことであります。しかし、これで一件落着というわけにはいきません。
 山田真貴子氏の調査については、山田氏自身が東北新社から確認を取って明らかにしたものでした。つまり、自分が関わる事件について、自分が調査をして報告するというのは余りにもずさんじゃないでしょうか。何でこんなことになるのか。おかしいと思いませんか。
○加藤国務大臣 御指摘の会食について、まず本人が調査した結果が総務省から確認として提出をされたところでありますが、あわせて、私の指示により、改めて内閣官房の職員から東北新社側に確認を取ったところ、本人からの申告があったとおり一件の記録があったとの回答であると聞いております。また、日時、場所、額、負担者、タクシー券、土産の有無についても、山田広報官が東北新社側に確認した内容どおりであったと聞いております。
    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川委員 山田氏の処分について、今言った調査も踏まえてということですけれども、それが事実だったということでありますけれども、山田氏の処分は官邸としてどのようにされたんですか。
○加藤国務大臣 総務省時代の国家公務員倫理法違反の行為、これは甚だ遺憾でありますが、内閣広報官としての行為ではなく総務省在職中の行為であることから、処分はできないということでありますが、本人の自主的な判断として、内閣広報官としての給与の返納を行うとの判断が示されたところであります。
○塩川委員 いや、総務省の時代でも総務審議官という要職を担い、単なるOBではないわけであります。退職したからそれで処分の対象外ということにはならない。特別職として引き続き官邸でまさに重責を担う立場だったにもかかわらず、何のおとがめもないというのは、官邸として、総理として、もちろん官房長官としても、それは余りにもおかしいと思わないんですか。
○加藤国務大臣 先ほど申し上げた自主的返納については、給与報酬月額の十分の六を返納しようというもので、これは総務省における処分内容のうち最も重たかった減給処分を踏まえたものになっているものと承知をし、また、本人も今回のことを深く反省し、自らの職責の重さは十分に踏まえた対応であると受け止めたところであります。
 また、総理からの指示もあり、私の方から、今回のこうした行為が国民の皆さんの疑念を抱く結果となったことについては甚だ遺憾であり、深く反省をしてもらいたい、今後このようなことが二度とないよう厳に注意してもらいたい、こういった旨を伝えたところであります。
○塩川委員 農水省でも懲戒処分がありました。総務省でも懲戒処分がありました。総務省時代にまさに倫理規程に違反するような行為があったにもかかわらず、OBの扱いで何のおとがめもない、それは余りにもおかしいと思いませんか。引き続き特別職として、国家公務員として働いているときに、過去の行為について免罪するような今の仕組みというのはおかしいと思いませんか。けじめをどうつけるのか、そのことについてどうお考えですか。
○加藤国務大臣 ですから、今の枠組みの中では処分ができないということはもう説明を申し上げた。しかし、そういう中で、本人が今回の行為を反省し、総務省における処分内容のうち最も重たかった減給処分を踏まえた給与報酬月額の十分の六を返納したということでありまして、そうしたことにおいて、本人が深く反省し、自らの職責の重さを十分に踏まえた対応であるというふうに我々として受け止めたところであります。
○塩川委員 いや、だから、一般職が対象の国家公務員倫理法、特別職は対象外だと。でも、今回の場合のような事態が起こっているわけですから、そういうときに特別職に対しての倫理法に対応するような仕組みをつくるということこそ、まさに教訓として官邸が行うべき仕事じゃないのか。それはどうなんですか。
○加藤国務大臣 今回の事案について、先ほど申し上げた、国家公務員倫理法違反の行為があったことは甚だ遺憾でありますし、しかし、内閣広報官としての行為ではなく、総務省在職中の行為であるということであります。
 事案について、法の不備との御指摘は当たらないというふうに考えておりますが、いずれにしても、内閣広報官を始め、官邸において勤務する者は、重責を担っていることを自覚し、国民全体の奉仕者として高い倫理観を持って日々の職務に当たることが重要であるというふうに考えております。
○塩川委員 まさに不備じゃないですか。
 山田氏は、公務員として倫理規程違反が問われているだけではありません。官邸の中で政権運営を担う特別職として、政治家と同様に政治的、道義的責任が問われているんじゃないでしょうか。
 山田内閣広報官を重用してきた菅総理の責任は極めて重大だ。改めて、これで終わりではない、徹底解明を求めるものであります。
 残りの時間、総務省の接待問題で、吉田眞人総務審議官にお尋ねをいたします。
 総務省の報告書では、「吉田眞人が情報流通行政局総務課長着任以降に、東北新社と三回程度会食を行った記憶がある旨証言している」とあります。「本人及び東北新社への確認の結果、日時や飲食の内容等の特定が困難」ともありますけれども、この三回程度会食をした記憶がある、それは、思い出していただくと、どんな記憶なんでしょうか。
○吉田参考人 お答えを申し上げます。
 今回の件につきまして、東北新社との会食について、記憶と東北新社様の方のデータとを突き合わせて一応五件の確認をいただいておるわけなんですけれども、自分といたしまして、非常に記憶がおぼろげで曖昧で大変恐縮なんですけれども、それ以外に、自分が情報流通行政局の総務課長に着任して以降、三件程度、その五件とは異なるものがあったようなちょっと記憶がありましたもので、今回の事案の性格に鑑み、ちょっと曖昧なものではありますけれども、これは調査チームに申告をしておくべきだろうと考えまして、その旨を申告させていただいたものでございます。
 ちょっと、日時や内容等について非常にはっきりしないということは大変恐縮でございます。
○塩川委員 情報流通行政局総務課長着任以降、三件という話ですけれども、東北新社からの情報提供で、二〇一六年以降は出ているだけ、五件という話もありましたけれども、それ以前ということになるわけですが、そうすると、この総務課長のときに会食があったということでしょうか。
○吉田参考人 お答え申し上げます。
 総務課長のとき、それ以降、あと二つぐらい、放送とは関係のないポストに就いておりまして、その後、放送担当の審議官をやっておるんですけれども、そのどの時点であったのかということにつきましても、大変恐縮でございますけれども、ちょっとはっきりしておりません。ただ、この期間に三件程度あったというおぼろげな記憶があったということでございます。
○塩川委員 ですから、総務課長の着任以降だから、総務課長が着任したその期間では会食したということでよろしいですか。
○吉田参考人 お答え申し上げます。
 厳密にその期間だというふうに断言できるような記憶はないんですけれども、恐らく、今回の様々な前後関係から見まして、総務課長着任以降、放送担当の審議官をやる間ではなかったかなというふうには考えております。
 ただ、ちょっと、その日時等を含めて全く明確ではございませんので、必ずその期間であったかというふうに問われますと、そこは大変恐縮でございますが、記憶定かではないというふうにちょっと申し上げざるを得ないということでございます。
○塩川委員 二〇一六年以前の三回の会食の際に、東北新社側で菅正剛さんが同席をしていたということは覚えておられますか。
○吉田参考人 お答え申し上げます。
 まず、毎回、今回、木田由紀夫氏が相手方でおられたというのは記憶にございますが、中には菅氏が同席された会もあったやに思います。ただ、それが例えば何回とかそういう話は、ちょっと明確ではございません。
○塩川委員 時間が参りましたので終わりますけれども、引き続き、二〇一六年以前に遡った調査をしっかり行うことが求められているということを申し上げて、終わります。